| 【発明の名称】 |
メカニカル継手接続構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】西村 寛之
【氏名】樋口 裕思
【氏名】前羽 博行
【氏名】上田 浩史
【氏名】宮木 誠二
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| 【要約】 |
【課題】接続部における樹脂管の変形能力を維持して、強度的に優れた樹脂管の接続部を得ることができるメカニカル継手接続構造を提供する。
【解決手段】樹脂管Pを継手本体1に挿入して、継手本体1に設けた抜止リング3を樹脂管Pの外周面6に嵌着させて樹脂管Pを接続するメカニカル継手接続構造であって、樹脂管Pの長手方向Xにおいて、抜止リング3と同じ位置に対応させつつ樹脂管Pの内部に挿入自在な筒状のスティフナー8を有し、抜止リング3に対して継手本体1から離間する方向へのスティフナー8の突出長さLを、0mm以上、30mm未満に設定してある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 樹脂管を継手本体に挿入して、当該継手本体に設けた抜止リングを前記樹脂管の外周面に嵌着させて前記樹脂管を接続するメカニカル継手接続構造であって、前記樹脂管の長手方向において、前記抜止リングと同じ位置に対応させつつ前記樹脂管の内部に挿入自在な筒状のスティフナーを有し、前記抜止リングに対して前記継手本体から離間する方向への前記スティフナーの突出長さを、0mm以上、30mm未満に設定してあるメカニカル継手接続構造。 【請求項2】 前記継手本体が、二本の前記樹脂管どうしを或いは前記樹脂管と鋼管とを直線状に接続するものであり、前記長手方向に沿った前記スティフナーの長さをL1とし、前記継手本体の中央部から前記抜止リングまでの長さをL2としたとき、0mm ≦ L1−L2 < 30mmなる関係が成立するように前記スティフナーおよび前記継手本体を形成してある請求項1に記載のメカニカル継手接続構造。 【請求項3】 前記継手本体が、前記樹脂管の折れ曲がり部あるいは分岐部を形成するものであり、前記長手方向に沿った前記スティフナーの長さをL1とし、前記樹脂管を挿入すべく直線状に延出させて形成した前記継手本体の円筒状内周面のうち、奥側の端部位置から前記抜止リングまでの長さをL2としたとき、0mm ≦ L1−L2 < 30mmなる関係が成立するように前記スティフナーおよび前記継手本体を形成してある請求項1に記載のメカニカル継手接続構造。 【請求項4】 前記スティフナーの先端部に曲面部を設けてあると共に、前記曲面部の曲率半径が、前記スティフナーの肉厚の約2分の1である請求項1から3の何れかに記載のメカニカル継手接続構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂管を継手本体に挿入して、当該継手本体に設けた抜止リングを前記樹脂管の外周面に嵌着させて前記樹脂管を接続するメカニカル継手接続構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のメカニカル継手接続構造の詳細を図7に示す。メカニカル継手接続構造は、主に、継手本体1と、押輪2、抜止リング3とで構成してある。即ち、接続すべき樹脂管Pをメカニカル継手の内部空間に挿入し、前記継手本体1に対して前記押輪2を螺進させると、当該押輪2の内周部に形成した傾斜面4によって前記抜止リング3が継手本体1の軸心の側に縮径して前記樹脂管Pの外周面6を押圧するしくみである。当該抜止リング3はC字形状を呈しており、上記のような縮径変形が自在である。 【0003】尚、メカニカル継手には、その他に、継手本体1と樹脂管Pとのシール性能を確保するために継手本体1と樹脂管Pとに亘って当接する第1リングR1、前記押輪2を螺進させる際に第1リングR1に当接させて、この第1リングR1が前記軸心の方向に変形するのを防止し、第1リングR1の全体が樹脂管Pの外周面6に均一な力を作用させつつ第1リングR1と外周面6とが密着するためのリテーナ7、前記継手本体1と押輪2との間に当接しつつ水等の侵入を阻止して防食機能を高める第2リングR2、さらに、押輪2と樹脂管Pとの間に当接して水等の浸入を阻止するための第3リングR3が備えられている。 【0004】前記継手本体1に樹脂管Pを挿入する場合には、樹脂管Pの内部に円筒状のスティフナー8を挿入させた状態で行う。当該スティフナー8は、前記抜止リング3が樹脂管Pに及ぼす押圧力に対向させるためのものであり、例えば、銅を用いて形成してある。当該スティフナー8は、前記抜止リング3の位置に確実に配置させるために、樹脂管Pの長手方向Xに沿って所定の長さに形成してある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記樹脂管Pは、例えば地中に埋設されるため、地震等が生じた場合、樹脂管Pは長手方向Xに沿って圧縮力あるいは引張力を受けたり、前記長手方向Xに対して直角方向にせん断力を受けたりする。この場合、樹脂管Pはこれらの外力によって変形しようとするが、前記スティフナー8が存在する部分では変形が拘束され、前記スティフナー8が存在しない部分では、樹脂管Pの変形は特に拘束されない。 【0006】例えば、樹脂管Pに引張力が作用した場合、通常は、図8(a)に示すごとく樹脂管Pの薄肉化と樹脂管Pの縮径とが同時に生じて樹脂管Pが伸びることとなる。しかし、樹脂管Pの内部にスティフナー8が存在して上記のうち樹脂管Pの縮径が阻止される結果、樹脂管Pの伸び変形が制限されてしまうのである。よって、樹脂管Pの引張り変形能力を良好に維持するには、樹脂管Pの内部にスティフナー8が存在する領域を縮小化するのが望ましいのである。通常、単体の樹脂管Pを引張ると、樹脂管Pは600〜700%の伸びを示すが、上記のごとく縮径変形を拘束する等の外力が作用すると樹脂管Pの変形量は低下してしまう。 【0007】また、前記樹脂管Pに曲げ変形が生じた場合、スティフナー8の端部位置における樹脂管Pの断面形状は図8(b)のごとく変形する。即ち、樹脂管Pの曲がり方向の外側においては樹脂管Pに引張力が作用すると共に、当該部分には、スティフナー端部の角部8aが食い込んで集中荷重が作用する。一方、樹脂管Pの曲がり方向の内側においては樹脂管Pに圧縮力が作用する。そして、周方向Yにおいて、前記引張力が作用する部分を除く部分にあっては、図8(c)に示すごとく、樹脂管Pはスティフナー8の表面から離間する方向に変形する。即ち、スティフナー8の端部においては、樹脂管Pのうち、特に引張力が作用する位置の応力が高まって当該部分からき裂が発生したり、破断したりする場合が生じる。 【0008】しかし、抜止リング3によって締め付け力が作用している部分については、当該部分の樹脂管Pはスティフナー8と抜止リング3とで挟持されているから、仮に樹脂管Pに曲げ力が作用したとしても、樹脂管Pの断面形状は殆ど変化しない。よって、樹脂管Pの曲がり方向外側の部位であっても、当該部分に集中する荷重は軽減されると考えられる。 【0009】以上のごとく、樹脂管Pの内部に対して単にスティフナー8を挿入した場合には、樹脂管Pの断面形状の変化を許容する結果、応力が極端に上昇する部位が生じて、樹脂管Pにき裂を発生させたり、樹脂管Pが破断するおそれが生じる等の不都合が生じていた。 【0010】また、従来のスティフナー8を用いた接続部においては、以下のような不都合も生じていた。図7あるいは図8に示すごとく、スティフナー8の挿入側先端部は単に切りつめただけであり、当該先端部には鋭角状の角部8aが形成されていた。この結果、例えば樹脂管Pが断面積を収縮するように変形しようとする場合には、樹脂管Pの内周面12に前記境界の角部が食い込んで樹脂管Pに集中荷重が作用する。この結果、当該部分から樹脂管Pにき裂が生じたり、破断するおそれが生じていた。本発明の目的は、上記従来の問題点を解消し、接続部における樹脂管Pの変形能力を維持して、強度的に優れた樹脂管Pの接続部を得ることができるメカニカル継手接続構造を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するための本発明の特徴構成を、図1〜図5に示した例を参考に説明する。 (構成1)本発明のメカニカル継手接続構造は、請求項1に記載したごとく、樹脂管Pの長手方向Xにおいて、抜止リング3と同じ位置に対応させつつ前記樹脂管Pの内部に挿入自在な筒状のスティフナー8を有し、前記抜止リング3に対して継手本体1から離間する方向への前記スティフナー8の突出長さLを、0mm以上、30mm未満に設定した点に特徴を有する。 (作用・効果)本構成のごとくスティフナーの突出長さを0mm以上30mm未満に設定しておけば、樹脂管の内部であってスティフナーの存在する領域を縮小することができる。この結果、樹脂管に引張り力が作用した場合に、樹脂管の長手方向に沿った広い範囲で樹脂管の縮径変形および伸び変形が可能となる。また、樹脂管に曲げ変形が生じて、スティフナーの端部と樹脂管とが当接している状態を想定すると、抜止リングから離間した位置ほど樹脂管の断面形状は真円ではなくなる。つまり、スティフナーの突出長さが長いほど、スティフナーの端部と樹脂管とは点接触するようになり、樹脂管には局部的に応力が高まる部分が生じて、き裂等の発生原因となる。この点、本構成であれば、スティフナーの突出長さが短いから、上記不都合は生じない。さらに、前記突出長さが長い場合には、スティフナーが挿入されている領域の樹脂管の曲がり変形が拘束される。そして樹脂管に対してせん断力が作用し、隣接するメカニカル継手どうしがせん断方向に一定量変位したとすると、スティフナーが挿入されていない樹脂管の軸心と夫々の継手本体の軸心との相対角度は、樹脂管の長さが短いほど大きくなる。つまり、スティフナーの突出長さが長いほど上記相対角度は大きくなる。この結果、スティフナーの先端位置における樹脂管の曲がり変形に係る曲率が小さくなり、樹脂管にはき裂等が発生し易くなるのである。しかし、前記突出長さの短い本構成であれば、このような不都合が生じるのを防止することができる。 【0012】(構成2)本発明のメカニカル継手接続構造は、請求項2に記載したごとく、前記継手本体1が、二本の前記樹脂管どうしを或いは前記樹脂管と鋼管とを直線状に接続するものであり、前記長手方向Xに沿った前記スティフナー8の長さをL1とし、前記継手本体1の中央部から前記抜止リング3までの長さをL2としたとき、0mm ≦ L1−L2 < 30mm なる関係が成立するように前記スティフナー8および前記継手本体1を形成することができる。 (作用・効果)本構成のごとく、継手本体の寸法と、スティフナーの長さ寸法とを規定しておけば、スティフナーを装着した樹脂管を継手本体の所定の位置まで挿入することで、抜止リングに対するスティフナーの突出長さを略自動的に設定することができ、樹脂管の接続作業を効率的にしかも確実に行うことができる。 【0013】(構成3)本発明のメカニカル継手接続構造は、請求項3に記載したごとく、前記継手本体1が、前記樹脂管Pの折れ曲がり部あるいは分岐部を形成するものであり、前記長手方向Xに沿った前記スティフナー8の長さをL1とし、前記樹脂管Pを挿入すべく直線状に延出させて形成した前記継手本体1に係る円筒状内周面16のうち、奥側の端部位置17から前記抜止リング3までの長さをL2としたとき、0mm ≦ L1−L2 < 30mm なる関係が成立するように前記スティフナー8および前記継手本体1を形成することができる。 (作用・効果)本構成のごとく、樹脂管の折れ曲がり部あるいは分岐部においても、スティフナーの突出長さを制限することとすれば、樹脂管の接続部の形式いかんに拘わらず樹脂管の変形能力を維持することができ、確実な接続部を得ることができる。 【0014】(構成4)本発明のメカニカル継手接続構造は、請求項4に記載したごとく、前記スティフナー8の先端部に曲面部11を設けると共に、前記曲面部11の曲率半径を、前記スティフナー8の肉厚Tの約2分の1に構成することができる。 (作用・効果)本構成のごとく、スティフナーの先端部にスティフナーの肉厚の約2分の1の曲率半径を有する曲面部を設けておくと、樹脂管に曲げ力が作用した場合に、樹脂管の内面に対してスティフナーの先端部が食い込むようなことがなく、樹脂管にき裂が発生する等の不都合を防止することができる。また、先端部の外周部が上記のごとく曲面部を有して先細になっていれば、樹脂管に対してスティフナーを挿入し易く、しかも、スティフナーを挿入する際にスティフナーの先端部が樹脂管の内周面を傷付けることもない。 【0015】尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。 【0016】 【発明の実施の形態】(概要)本発明に係るメカニカル継手接続構造の一例を図1および図3に示す。図1は、例えば外径が25mm〜30mmの樹脂管Pを接続するメカニカル継手接続構造の例を示しており、図3は、例えば外径が50mm〜100mmの樹脂管Pを接続するメカニカル継手接続構造の例を示している。ここでは、樹脂管Pどうしを長手方向Xに突合せて直線状態に接続するためのメカニカル継手接続構造を示す。何れの継手も、前述のごとく、主に、継手本体1、押輪2、抜止リング3、第1リングR1、第2リングR2、第3リングR3からなる。当該第1リングR1は、継手本体1と樹脂管Pとのシール性能を確保するために継手本体1と樹脂管Pとに亘って設けるものであり、第2リングR2は前記継手本体1と押輪2との間に当接させつつ水等の侵入を阻止して防食機能を高めるものであり、第3リングR3は押輪2と樹脂管Pとの間に当接して水等の浸入を阻止するためのものである。樹脂管Pを接続する場合には前記押輪2を螺進させ、押輪2の内周部に形成した傾斜面4によって抜止リング3を縮径させる。抜止リング3の内周部には歯部5が形成してあり、この歯部5が樹脂管Pの外周面6に食い込んで樹脂管Pを接続する。前記抜止リング3に隣接して設けてあるのは、縮径する抜止リング3が継手本体1の軸心方向X1に沿って位置ずれするのを防止するためのリテーナ7である。 【0017】一方、樹脂管Pの内部には、抜止リング3が樹脂管Pに与える押圧力に対抗させるためのスティフナー8を挿入してある。当該スティフナー8は、樹脂管Pを挟んで抜止リング3と反対側に確実に位置するように所定の長さを有する。当該スティフナー8は、樹脂管Pを継手本体1に挿入するに先立って樹脂管Pの端部に挿入する。前記スティフナー8の端部には、フランジ部9を形成してある。当該フランジ部9は、スティフナー8を樹脂管Pに挿入する際のストッパとして機能する。また、当該フランジ部9はスティフナー8の端部の強度を向上させるから、当該スティフナー8を挿入した樹脂管Pの端部を補強することにもなる。 【0018】本発明においては、前記抜止リング3に対して前記継手本体1から離間する方向への前記スティフナー8の突出長さLを、0mm以上30mm未満に設定してある。ただし、前記突出長さLを、0mm以上10mm未満に設定するとより望ましい。これは、抜止リング3から突出した位置においては、できるだけ樹脂管Pの断面積が縮小し得るようにすることで、樹脂管Pの変形能力を損なわないようにすると共に、接続が終了した前記樹脂管Pに引張・圧縮力あるいはせん断力が作用した場合に、樹脂管Pの断面形状が変化して、樹脂管Pとスティフナー8とが局部的に当接する状態に至るのを防止するためである。 【0019】即ち、樹脂管Pの変形能力を損なわずに樹脂管Pの伸び変形を最大限に確保するためには、前述したごとく樹脂管Pの内部においてスティフナー8が存在する領域をできるだけ短くするのが望ましい。この意味においては、樹脂管Pを挟持する抜止リング3の外側部分には、原則としてスティフナー8が存在しない方がよい。しかしながら、抜止リング3の縮径によるスティフナー8の変形耐力は、通常、スティフナー8の軸心方向X1における端部よりも中間部の方が優れている。また、抜止リング3によってスティフナー8に挟持力が作用した場合、スティフナー8の端部が変形してスティフナー8が継手本体1の軸心方向X1に沿って逃げることも考えられる。よって、強度的にかつ構造的に確実な接続部を形成するためには、抜止リング3の位置に対してある程度の長さだけスティフナー8を突出させておくのが好ましいともいえる。その場合に、接続する樹脂管Pの外径寸法は、上述のごとく25mm〜100mm程度を想定しているから、これらの寸法幅を考慮して、前記スティフナー8の適切な突出長さLを0mm以上30mm未満に設定することとしている。 【0020】ただし、抜止リング3に対するスティフナー8の突出長さLを短くするほど、スティフナー8の端部が樹脂管Pに当接することによる樹脂管Pの断面形状変形を阻止することとなる。つまり、接続が終了した樹脂管Pに曲げ力等が作用した場合には、樹脂管Pの断面形状は真円でなくなろうとするのであるが、抜止リング3の位置では樹脂管Pを当該抜止リング3とスティフナー8とで挟持しているから樹脂管Pの真円度は維持される。しかし、抜止リング3の位置から離間するほど樹脂管Pの断面形状は変形し易くなる。よって、スティフナー8の突出長さLが長いほど、スティフナー8の端部と曲げ力を受けた樹脂管Pとは局部的に当接するようになり、当該部分からき裂が発生し易くなるなどの不都合が生じるのである。以上の事実より、樹脂管Pへのき裂の発生等を確実に阻止したい場合には、スティフナー8の突出長さLは0mm以上10mm未満に設定するのが望ましい。 【0021】前記スティフナー8の寸法は、上記のごとく、抜止リング3からの突出長さLによって決定することができるが、図1に示すごとく、樹脂管Pを直線状に接続する継手本体1を用いる場合には、次のようにスティフナー8の寸法を決定するものであっても良い。即ち、樹脂管Pの長手方向Xに沿った前記スティフナー8の長さをL1とし、前記継手本体1の同方向における中央部から前記抜止リング3までの長さをL2としたとき、0mm ≦ L1−L2 < 30mmなる関係が成立するように前記スティフナー8および前記継手本体1を形成してもよい。ただし、この場合にも、0mm ≦ L1−L2 < 10mmであれば、より好ましい。このように、継手本体1の寸法と、スティフナー8の寸法とを規定しておくことで、抜止リング3に対するスティフナー8の突出長さLを略自動的に設定することができる。 【0022】スティフナー8を挿入した樹脂管Pを継手本体1の内部に挿入するには例えば以下の要領で行う。即ち、図1および図3に示すごとく、樹脂管Pの内部にスティフナー8を挿入した場合にスティフナー8の端部がくる位置を樹脂管Pの外周面6にマーキングしておき、当該マーキング10と前記押輪2の端部との相対位置を合わせることで、抜止リング3とスティフナー8の端部との距離を所定の値に設定する。 【0023】図1に示すごとく、前記スティフナー8の先端部には曲面部11を設けてある。当該曲面部11は、例えば、前記スティフナー8の径方向Yにおける当該スティフナー8の肉厚Tを基準として、その約2分の1の曲率半径を有するように構成する。つまり、前記曲面部11をスティフナー8の周方向Zに沿って見た場合に、前記曲面部11は半円弧状となっている。当該曲面部11を構成しておけば、樹脂管Pに曲げ力が作用した場合に、樹脂管Pの内周面12に対してスティフナー8の先端部が食い込むようなことがなく、樹脂管Pにき裂が発生する等の不都合を防止することができる。また、先端部が上記のごとく曲面部11を有して先細になっていれば、樹脂管Pに対してスティフナー8を挿入し易く、しかも、スティフナー8を挿入する際にスティフナー8の先端部が樹脂管Pの内周面を傷付けることもない。 【0024】(効果)以上のごとく、本発明のメカニカル継手接続構造によれば、抜止リング3からのスティフナー8の突出長さLを制限してあるから、接続部近傍における樹脂管Pが、その断面積を縮小するように変形することができ、当該変形可能域は、樹脂管Pの長手方向Xに沿って最大限に確保できるから、樹脂管Pの伸び変形能を十分に発揮させることができる。また、抜止リング3からのスティフナー8の突出長さLを制限することは、曲げ変形を生じさせた樹脂管Pがスティフナー8と局部的に当接するのを防止して、き裂等の発生を阻止する点においても有効である。このように、本発明のメカニカル継手接続構造は、接続が終了した後の樹脂管Pが、当該樹脂管Pに作用する外力に対して十分な変形能力を発揮することを可能とし、信頼性に優れた接続部を得ることを可能にするものである。 【0025】(実施例)前記継手本体1及び押輪2は、通常の鋼材あるいは真鍮等で構成する。ただし、前記継手本体1の外周面13と前記押輪2の外周面14とには、これら継手本体1あるいは押輪2の防食等を防止するための樹脂皮膜15を形成してある。前記抜止リング3は例えば真鍮で形成する。これによって抜止リング3の腐食を防止し、樹脂管Pとの密封性を長期間に亘って維持することとしている。前記第1〜第3リングR1,R2,R3は、例えば、各種のゴム材で構成し、夫々の個所において水等が継手本体1の内部に侵入するのを防止する等の機能を発揮するものである。前記リテーナ7は、例えば通常の鋼材により、あるいは、通常の鋼材と樹脂とを組み合わせて構成する。当該樹脂としては、例えば、ポリアセタールポリマー等を用いることができる。 【0026】図2に、本発明のメカニカル継手を用いて行った引張試験結果を示す。ここでは、樹脂管Pとして外径30mm、長さ210mmのポリエチレン管を用い、No.1〜No.8までの8種類のメカニカル継手を作製した。このうち継手No.1,2,5,6はスティフナー8の先端形状を半円形状断面とし、継手No.3,4,7,8についてはスティフナー8の先端形状を略矩形状断面とした。また、継手No.1,2,3,4については、前述の(L1−L2)を0mmとし、継手No.5,6,7,8については(L1−L2)を40mmとした。これらの継手のうち、継手No.1,2が本発明に係るメカニカル継手である。 【0027】引張試験は、軸方向引張試験と軸ずれ引張試験とを行った。このうち、軸方向引張試験は、前記樹脂管Pの軸心と前記継手本体1の軸心とを一致させた状態で樹脂管Pの軸心方向に引張るものである。軸方向引張試験は継手No.1,3,5,7について行った。これに対して、軸ずれ引張試験は、樹脂管Pの両端部のうち前記継手本体1に接続した側の端部ともう一方の端部とを、前記継手本体1の軸心方向X1に対して偏位させ、その状態で樹脂管Pの両端部を前記軸心方向X1に沿って引張るものである。本試験では軸ずれの偏位量を60mmとした。軸ずれ引張試験は継手No.2,4,6,8について行った。尚、継手の引張速度は継手No.1〜8の全てにおいて50mm/minとした。 【0028】試験結果を見ると、軸方向引張試験および軸ずれ引張試験の何れにおいても、スティフナー8の突出長さ(L1−L2)が40mmの場合に比べて0mmの場合の方が良好な伸びを示していることがわかる。スティフナー8の先端形状については、例えば継手No.1と継手No.3との比較から、及び、継手No.2と継手No.4との比較から、半円形状の断面を有する方が伸び性能に優れていることがわかる。尚、引張りの態様については、軸ずれが生じているとポリエチレン管の伸び特性は極端に低下することがわかる。以上のごとく、継手No.1および継手No.2の引張試験結果が最も優れていることから、本発明のメカニカル継手が良好な継手性能を有していることが確認できた。 【0029】(別実施形態) 〈1〉 上記実施形態では、樹脂管Pどうしを直線状に接続するメカニカル継手接続構造について示した。しかし、当該構成に限られるものではなく、例えば図4に示すごとく前記樹脂管Pの分岐部、あるいは、図5に示すごとく、折れ曲がり部を形成するメカニカル継手接続構造について本発明を適用することも可能である。本別実施形態においても、上記実施形態において記載したのと同様の理由から、前記抜止リング3に対して前記継手本体1から離間する方向への前記スティフナー8の突出長さLは、通常、0mm以上30mm未満に設定し、望ましくは、前記突出長さLを0mm以上10mm未満に設定する。 【0030】また、本別実施形態においても前記樹脂管Pの長手方向Xに沿った前記スティフナー8の長さをL1とし、前記樹脂管Pを挿入すべく直線状に延出させて形成した前記継手本体1に係る円筒状の内周面16のうち、奥側の端部位置17から前記抜止リング3までの長さをL2としたとき、0mm ≦ L1−L2 < 30mmなる関係が成立するように前記スティフナー8および前記継手本体1を形成することとしても良い。 【0031】〈2〉 上記実施形態では、スティフナー8の先端部を周方向視において円弧状に形成したが、図6に示すごとく構成することも可能である。即ち、スティフナー8の先端部を内側に巻き込んで先端部を構成するのである。本構成であれば、先端部の曲率半径をより大きく構成することができ、樹脂管Pに作用する荷重の集中をより緩和することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000284 【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年10月8日(1998.10.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−120948(P2000−120948A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月28日(2000.4.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−286684 |
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