| 【発明の名称】 |
巻回された管 |
| 【発明者】 |
【氏名】松村 健一
【氏名】清木 敦史
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| 【要約】 |
【課題】硬質塩ビの持つ難燃性と接着接合性を維持しつつ、ポリエチレンの持つ可撓性を併せ持ち、巻回し状態で保管運搬され、施工時に引き出し、直管状にして用いることのできる巻回された管を提供する。
【解決手段】塩化ビニル系樹脂組成物が成形された後、巻回されてなる巻回された管であって、前記塩化ビニル系樹脂組成物は、エラストマーに塩化ビニルモノマーをグラフト重合してなるグラフト体(A)、エラストマーと塩化ビニル系樹脂とからなるブレンド体(B)、前記グラフト体(A)と塩化ビニル系樹脂とからなるブレンド体(C)、前記グラフト体(A)と前記エラストマーと同種又は異種のエラストマーとからなるブレンド体(D)、及び、前記グラフト体(A)と塩化ビニル系樹脂と前記エラストマーと同種又は異種のエラストマーとからなるブレンド体(E)からなる群より選択される1種のものからなるものであることを特徴とする巻回された管。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 塩化ビニル系樹脂組成物が成形された後、巻回されてなる巻回された管であって、前記塩化ビニル系樹脂組成物は、エラストマーに塩化ビニルモノマーをグラフト重合してなるグラフト体(A)、エラストマーと塩化ビニル系樹脂とからなるブレンド体(B)、前記グラフト体(A)と塩化ビニル系樹脂とからなるブレンド体(C)、前記グラフト体(A)と前記エラストマーと同種又は異種のエラストマーとからなるブレンド体(D)、及び、前記グラフト体(A)と塩化ビニル系樹脂と前記エラストマーと同種又は異種のエラストマーとからなるブレンド体(E)からなる群より選択される1種のものからなるものであることを特徴とする巻回された管。 【請求項2】 塩化ビニル系樹脂組成物が成形された後、巻回されてなる巻回された管であって、前記塩化ビニル系樹脂組成物は、エラストマー15〜40重量%に塩化ビニルモノマー85〜60重量%をグラフト重合してなるグラフト体(A−1)、エラストマー15〜40重量%と塩化ビニル系樹脂85〜60重量%とからなるブレンド体(B)、エラストマー15重量%を超えて45重量%以下に塩化ビニルモノマー85重量%未満から55重量%以上をグラフト重合してなるグラフト体(A−2)と塩化ビニル系樹脂とからなる総エラストマー含有量が15〜40重量%であるブレンド体(C)、エラストマー5重量%以上から40重量%未満に塩化ビニルモノマー60重量%を超えて95重量%以下をグラフト重合してなるグラフト体(A−3)と前記エラストマーと同種又は異種のエラストマーとからなる総エラストマー含有量が15〜40重量%であるブレンド体(D)、及び、前記グラフト体(A−3)と塩化ビニル系樹脂と前記エラストマーと同種又は異種のエラストマーとからなる総エラストマー含有量が15〜40重量%であるブレンド体(E)からなる群より選択される1種のものからなるものであることを特徴とする巻回された管。 【請求項3】 エラストマーは、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、塩素化ポリエチレン、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、メタアクリル酸メチル−スチレン−ブタジエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、及び、ポリウレタンからなる群より選択される少なくとも1種のエラストマーであることを特徴とする請求項1又は2記載の巻回された管。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、巻回された管、特に電線、光ファイバーケーブル等の鞘管に使用され、電線、光ファイバーケーブル等を火事等の燃焼から保護し、鞘管どうし又は鞘管と接続ユニットとを簡便な接着接合で施工可能とし、ハンドホール又はマンホール間を継手の使用なしに一本で接続でき、巻回し状態で保管運搬され、施工時に引き出し直管状にして用いる巻回された管に関する。 【0002】 【従来の技術】電線、光ファイバーケーブル等の通信網を敷設の際に、鞘管として、表面平滑性、低摩擦抵抗等の優れた通線性を持つ硬質塩ビ管、ポリエチレン管等が用いられている。硬質塩ビ管は、難燃性をもち、接着接合できる点が優れている。しかし、鞘管として敷設する場合、長さ2〜5.5m程度の断面円形の短尺直管状の管を多く用意し、これらの管の端部どうしを順次接続しながら、管路敷設用溝に敷設する方法が行われていた。この方法では、長尺管路になるほど接続本数も多くなるため、接続作業に長時間を要し、ひいては施工期間が長期化するものとなっていた。さらに、断面円形の短尺管は、その内部に大容積の中空部を有するため、輸送効率が悪く、資材調達や輸送に時間がかかる問題があった。 【0003】この問題を解決するために、特開平6−249364号公報には、硬質塩ビ管を加熱軟化させながら、断面偏平状に変形させた状態でドラムに巻き取り、長尺管を成形し、敷設の際、再加熱軟化させながらドラムから巻き戻して敷設面に配置したのち、軟化状態の長尺管を内部から蒸気にて加圧し、断面円形状に膨出変形させる方法が開示されている。しかしながら、この方法では、巻き取り時と巻き戻し時との二度にわたって管を加熱軟化させるための装置及び工数が必要となり、大変手間がかかるのと、加圧膨出させる際には、高温の蒸気を用いるために取り扱いに難があった。 【0004】また、特開平9−133270号公報に開示されているように、ポリエチレン管は、可撓性にとむ長尺管とできるため、長尺管路の敷設によく用いられていた。しかしながら、難燃性に劣るため、管路が火事にさらされたとき、鞘管内部の電線、光ファイバーケーブル等の通信網を焼失させる危険性があった。更に、増管を必要とする場合、簡便な接着接合ができないという欠点があった。 【0005】特開昭58−131025号公報には、熱可塑性材料を本体とした電気溶着装置に関する技術が開示されている。この装置は、本体である熱可塑性材料を溶融させて溶着されるべき部材を溶着させるものである。しかしながら、この方法では、接着接合する装置が複雑となり、施工性やコスト等に問題があった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑み、硬質塩ビの持つ難燃性と接着接合性とを維持しつつ、ポリエチレンの持つ可撓性を併せ持ち、巻回し状態で保管運搬され、施工時に引き出し、直管状にして用いることのできる巻回された管を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の巻回された管は、塩化ビニル系樹脂組成物が成形された後、巻回されてなる巻回された管であって、上記塩化ビニル系樹脂組成物は、エラストマーに塩化ビニルモノマーをグラフト重合してなるグラフト体(A)、エラストマーと塩化ビニル系樹脂とからなるブレンド体(B)、上記グラフト体(A)と塩化ビニル系樹脂とからなるブレンド体(C)、上記グラフト体(A)と上記エラストマーと同種又は異種のエラストマーとからなるブレンド体(D)、及び、上記グラフト体(A)と塩化ビニル系樹脂と上記エラストマーと同種又は異種のエラストマーとからなるブレンド体(E)からなる群より選択される1種のものからなるものであることを特徴とするものである。以下に本発明を詳述する。 【0008】本発明の巻回された管は、塩化ビニル系樹脂組成物が成形された後、巻回されてなる巻回された管であって、上記塩化ビニル系樹脂組成物は、エラストマーに塩化ビニルモノマーをグラフト重合してなるグラフト体(A)、エラストマーと塩化ビニル系樹脂とからなるブレンド体(B)、上記グラフト体(A)と塩化ビニル系樹脂とからなるブレンド体(C)、上記グラフト体(A)と上記エラストマーと同種又は異種のエラストマーとからなるブレンド体(D)、及び、上記グラフト体(A)と塩化ビニル系樹脂と上記エラストマーと同種又は異種のエラストマーとからなるブレンド体(E)からなる群より選択される1種のものからなるものである。 【0009】上記エラストマーは、常温で柔軟性を有している高分子材料を総称しており、特に限定されるものではないが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(EA)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、塩素化ポリエチレン(CPE)、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(AC)、メタアクリル酸メチル−スチレン−ブタジエン共重合体(MBS)、クロルスルホン化ポリエチレン(CSPE)、ポリウレタン(PU)等の中から選ばれる少なくとも1種類のエラストマー又はそれらの混合体が使用される。 【0010】上記EVAとしては特に限定されず、例えば、酢酸ビニル含有量が10〜80重量%で、JIS K 6760に準じて測定されるメルトフローレート(MFR)値が0.5〜300のもの等が挙げられる。 【0011】上記EAとしては特に限定されず、例えば、アクリル酸エステルの種類がエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等で、アクリル酸エステルの含有量が10〜80重量%、MFR値が0.1〜100のもの等が挙げられる。 【0012】上記NBRとしては特に限定されず、例えば、アクリロニトリルの含有量が20〜50重量%、ムーニー粘度(ML1+4 :100℃)が10〜200のもの等が挙げられる。 【0013】上記CPEとしては特に限定されず、例えば、塩素化度が20〜55重量%、MFR値が0.1〜100のもの等が挙げられる。 【0014】上記ACとしては特に限定されず、例えば、アクリル酸エステルとして、ホモポリマーのガラス転移点温度(以下、Tgという)が−20℃以下のエチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のモノマーを主体としてなる重合体、メチルメタクリレート等の高Tgのモノマーが共重合又は多段階重合により多層構造となっているもの、2官能性以上のモノマーを用いて重合体が架橋構造を有しているもの等が挙げられる。平均粒子径は特に限定されず、一般的には0.01〜5μmのもの等が挙げられる。 【0015】上記MBSとしては特に限定されず、例えば、ブタジエン成分が50〜90重量%、メチルメタクリレート成分が5〜45重量%,スチレン成分が5〜45重量%のもの等が挙げられる。平均粒子径は特に限定されず、一般的には0.01〜5μmのもの等が挙げられる。 【0016】上記CSPEとしては特に限定されず、例えば、塩素含有量が20〜50重量%、イオウ含有量が0.5〜2.0重量%、ムーニー粘度(ML1+4 :100℃)が10〜200のものが挙げられる。 【0017】上記PUとしては特に限定されず、例えば、ポリオール等の多官能性活性水素化合物と全反応系のイソシアネート化合物とを反応させてなる線状高分子又は一部架橋構造を取るもの等が挙げられ、一般的には、カプロラクトン型、アジペート型、エーテル型等のものが挙げられる。 【0018】上記塩化ビニルモノマーは、塩化ビニルを主成分とするビニルモノマーであり、塩化ビニルの他に塩化ビニルと共重合可能なモノマーが含有されるものを使用できる。上記塩化ビニルと共重合可能なモノマーとしては特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;メチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート等のアクリル酸エステル類;メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 【0019】上記塩化ビニルと共重合可能なモノマーの含有量は、目的に応じて適宜使用されるが、20重量%以下が好ましい。含有量が20重量%を超えると、塩化ビニル樹脂がもつ本来の特性を失ってしまう。 【0020】上記エラストマーと上記塩化ビニルモノマーとのグラフト共重合としては特に限定されず、定法に従い行うことができる。例えば、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法等が挙げられるが、一般的には、懸濁重合法が用いられる。上記懸濁重合法には、分散剤、重合開始剤等が用いられる。 【0021】上記分散剤としては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、エチルセルロ―ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール及びその部分けん化物、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、デンプン、無水マレイン酸−スチレン共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 【0022】上記重合開始剤としては特に限定されず、例えば、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジオクチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエート等の有機パーオキサイド類;2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。 【0023】また、上記懸濁重合法には、必要に応じて、pH調整剤、酸化防止剤等が用いられてもよい。 【0024】上記懸濁重合法としては、具体的には、以下の方法が用いられる。すなわち、温度調整機及び攪拌機付きの重合器に、純水、分散剤、重合開始剤及びエラストマーを仕込み、真空ポンプにより重合器内から空気を排除した後、塩化ビニルを重合器内に導入する。エラストマーを塩化ビニル中に分散又は溶解させた後に昇温し、所望の重合温度で重合を開始する。反応終了後、残存モノマーを重合器外に排出してスラリーを得る。脱水機で脱水した後に乾燥して、グラフト体(A)を得る。 【0025】上記グラフト体(A)における上記塩化ビニルモノマーからなる塩化ビニル成分の重合度は、400〜2500が好ましい。より好ましくは、600〜1600である。重合度が400未満であると、耐久性に劣り、重合度が2500を越えると、樹脂の溶融粘度が高くなり成形性が悪くなる。 【0026】上記塩化ビニル系樹脂は、上述した塩化ビニルモノマーを重合してなるものである。上記塩化ビニルと共重合可能なモノマーの含有量は、上述した含有量と同様である。また、上記塩化ビニル系樹脂の重合度は、上記塩化ビニル成分の重合度と同様である。 【0027】上記エラストマー、上記塩化ビニル系樹脂及びグラフト体のブレンド方法としては特に限定されず、ホットブレンドによる方法でも、コールドブレンドによる方法でも行うことができ、後に詳述する各種配合剤とともにブレンドすることもできる。 【0028】上記塩化ビニル系樹脂組成物における上記塩化ビニル成分及び塩化ビニル系樹脂成分の含有量は60〜85重量%である。60重量%未満であると、充分な強度が得られず、電線や光ファイバーケーブルを空気圧送により通線させる際に破裂するおそれがあり、85重量%を超えると、巻回された管の柔軟性が不足し、管を巻き取る際に管が座屈してしまう。 【0029】本発明の巻回された管は、上記塩化ビニル系樹脂組成物が成形された後、巻回されてなるものである。 【0030】上記塩化ビニル系樹脂組成物は、必要に応じて、安定剤、安定化助剤、滑剤、加工助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、顔料、可塑剤、充填剤等の配合剤が添加されて成形される。 【0031】上記安定剤としては特に限定されず、例えば、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリマー、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ラウレートポリマー等の有機錫系安定剤;鉛白、塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、シリカゲル共沈けい酸鉛、ステアリン酸鉛、安息香酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ナフテン酸鉛等の鉛系安定剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸;カルシウム−亜鉛系安定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、バリウム−カドミウム系安定剤、ハイドロタルサイト、ゼオライト等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 【0032】上記安定化助剤としては特に限定されず、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化テトラヒドロフタレート、エポキシ化ポリブタジエン、りん酸エステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 【0033】上記滑剤としては特に限定されず、例えば、モンタン酸ワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ステアリン酸ブチル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 【0034】上記加工助剤としては特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系単独重合体;上記(メタ)アクリレート系単独重合体から選ばれた2種以上のモノマーの共重合体;(メタ)アクリレートと、スチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル等のビニルモノマーとの共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 【0035】上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレ一ト系等の紫外線吸収剤が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 【0036】上記光安定剤としては特に限定されず、例えば、ヒンダードアミン系の光安定剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 【0037】上記酸化防止剤としては特に限定されず、例えば、フェノール系抗酸化剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 【0038】上記顔料としては特に限定されず、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系等の有機顔料;酸化物系、クロム酸モリブテン系、硫化物・セレン化物系、フェロシアン化物系等の無機顔料等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 【0039】上記可塑剤としては特に限定されず、例えば、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 【0040】上記充填剤としては特に限定されず、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、けい酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ほう素、窒化けい素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム(MOS)、チタン酸ジルコニア鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化けい素、ステンレス繊維、ほう酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 【0041】上記各種配合剤を上記塩化ビニル系樹脂組成物に混合する順序や方法としては特に限定されず、任意の方法が採用可能であり、ホットブレンドによる方法でも、コールドブレンドによる方法でもよい。 【0042】上記塩化ビニル系樹脂組成物及び各種配合剤の混合物を成形する方法としては特に限定されず、例えば、上述した各成分を、混合粉体やペレットとして、又、それらの混合物として、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、ミキシングロール等の混練装置を用いて混練し、従来公知の任意の方法で成形することができる。一般的には、押出成形機を用いて成形する方法が用いられる。 【0043】本発明の巻回された管を巻き取る方法としては特に限定されず、例えば、特開昭61−33473号公報に示されるように、巻取ドラムに管の先端を固定し、連続的に管を巻き取って行く方法等が挙げられる。 【0044】本発明2の巻回された管は、塩化ビニル系樹脂組成物が成形された後、巻回されてなる巻回された管であって、上記塩化ビニル系樹脂組成物は、エラストマー15〜40重量%に塩化ビニルモノマー85〜60重量%をグラフト重合してなるグラフト体(A−1)、エラストマー15〜40重量%と塩化ビニル系樹脂85〜60重量%とからなるブレンド体(B)、エラストマー15重量%を超えて45重量%以下に塩化ビニルモノマー85重量%未満から55重量%以上をグラフト重合してなるグラフト体(A−2)と塩化ビニル系樹脂とからなる総エラストマー含有量が15〜40重量%であるブレンド体(C)、エラストマー5重量%以上から40重量%未満に塩化ビニルモノマー60重量%を超えて95重量%以下をグラフト重合してなるグラフト体(A−3)と上記エラストマーと同種又は異種のエラストマーとからなる総エラストマー含有量が15〜40重量%であるブレンド体(D)、及び、上記グラフト体(A−3)と塩化ビニル系樹脂と上記エラストマーと同種又は異種のエラストマーとからなる総エラストマー含有量が15〜40重量%であるブレンド体(E)からなる群より選択される1種のものからなるものである。 【0045】本発明2のエラストマー、塩化ビニルモノマー及び塩化ビニル系樹脂は、上述したものと同様なものを用いることができる。また、本発明2のグラフト重合の方法及びブレンド方法も、上述した方法と同様な方法を用いることができる。 【0046】本発明2の塩化ビニル系樹脂組成物におけるエラストマー成分量は15〜40重量%である。上記エラストマー成分量が15重量%未満であると、巻回された管の柔軟性が不足し、管を巻き取る際に管が座屈してしまい、上記エラストマー成分量が40重量%を超えると、充分な強度が得られず、電線や光ファイバーケーブルを空気圧送により通線させる際に破裂するおそれがある。 【0047】 【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。 【0048】実施例1 グラフト体(A)アクリル系共重合体の作製(乳化重合)攪拌機、還流冷却器を備えた10リットル反応器に、純水4kg、重合開始剤として過硫酸アンモニウム24g(10%水溶液)を入れ、容器内を窒素置換後、攪拌下で反応器内を75度に昇温した。乳化モノマー液を、純水1.5kg、乳化剤としてハイテノールN−08(商品名)(第一工業製薬社製)50g(10%水溶液)、アクリル系モノマーとしてn−ブチルアクリレート(nBA)2.4kg、多官能性モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPA)10gから調製した。昇温後の反応容器内に、乳化モノマーを一定の滴下速度において滴下した。全ての乳化モノマーの滴下を3.0時間にて終了し、その後、1時間攪拌を続けた後、重合を終了し、固形分の濃度が30重量%のアクリル系共重合体ラテックスを得た。 【0049】グラフト体の作製(グラフト共重合)次いで、攪拌機及びジャケットを備えた15リットル重合器に、純水7.5kg、得られたアクリル系共重合体ラテックス3.2kg(アクリル共重合体固形分重量0.96kg)、分散剤として部分けん化ポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバールL−8(商品名))の3%水溶液300g、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシデカネート及びα−クミルパーオキシデカネートをそれぞれ1g添加し、反応器内の空気を真空ポンプで排出した後、攪拌下、塩化ビニルモノマー2.8kgを添加した。反応器を64℃に昇温し重合を開始した。塩化ビニルモノマーの重合率が80%で反応を終了させ、消泡剤(東レ社製、東レシリコンSH5510(商品名))を加圧添加した。その後、未反応の塩化ビニルモノマーを除去し、更に脱水乾燥することによりグラフト樹脂中のエラストマー量が30重量%となるグラフト樹脂を得た。得られたグラフト樹脂の重合度を表1に記載した。 【0050】巻回された管の成形巻回された管を成形するため、得られたグラフト樹脂100重量部、安定剤としてジブチル錫メルカプト(三共有機社製、ONZ−41F(商品名))1.5重量部、内外滑兼用滑剤としてモンタン酸エステルワックス(ヘキスト社製、WAX−OP(商品名))0.5重量部、外滑剤として酸化ポリエチレンワックス(三井化学社製、HIWAX220RKT(商品名))0.5重量部の割合でヘンシェルミキサーでブレンドし、配合粉を作製した。更に、この配合粉を30mmツイン押出機を用い、樹脂温度が170℃となるようにシリンダー温度を調整し、ペレタイザーによりペレット化した。得られたペレットを原料に、直径90mmの二軸異方向押出機(積水工機社製、SLM−90(商品名))を用いて、樹脂温度を190℃に保ち、JIS K 6741に記載される下水道用塩化ビニル管(プレーンエンド直管VU50:内径50mm)を成形した。但し巻回された管とするため、1本当たりの長さを15mとした。 【0051】評価方法(1)巻き取り評価得られた管を胴径1.6mのドラムに巻き付けることができるかを評価した。座屈することなく巻き付けることができたものは○、座屈してしまってドラムに巻き付けることができなかったものは×で示して、その結果を表1に記載した。 (2)難燃性評価UL94V規格に準拠して、得られた巻回された管からサンプルを切り出し、その難燃性を評価した。評価結果が94V−0を達成した場合は94V−0で示して、その結果を表1に記載した。評価結果が94V−0を達成した場合、充分な難燃性を有すると判断した。 (3)接着性評価得られたペレットを180℃のロールで3分間混練した後、200℃のプレス機で加熱、冷却して3mmの板を作成した。この板から10mm×50mmの試験片を切りだし、図1に示すような形状に、接着剤(積水化学工業社製、エスダイン#73(商品名))を用いて接着し、23℃、24時間放置した後、抗張力試験機を用いて接着面が剥離するまでの応力を測定し、接着強度とした。その結果を表1に記載した。 【0052】実施例2 グラフト体(A)ビニルモノマーにグラフトさせるアクリル系共重合体の量を1.87kg(固形分重量0.56kg)として重合したこと以外は、実施例1と同様にして、各種の評価を行った。その結果を表1に記載した。 【0053】実施例3〜10 グラフト体(A)ビニルモノマーをグラフトさせるエラストマーを表1に示した種類及び添加量としたこと以外は、実施例1と同様にして、各種の評価を行った。その結果を表1に記載した。 【0054】 【表1】
【0055】表中、AC1とは、実施例1で合成したアクリル系共重合体であり、AC2とは、実施例2で合成したアクリル系共重合体であり、AC3とは、カネエースFM−21(商品名)(分散後の平均粒径0.1〜1μm、鐘淵化学社製)であり、EVAとは、エバフレックス45LX(商品名)(酢酸ビニル含有量45重量%、MFR3、三井デュポンケミカル社製)であり、EAとは、エバフレックスEEA A−709(商品名)(MFR25、三井デュポンケミカル社製)であり、NBRとは、JSR PN30A(商品名)(アクリロニトリル含有量35重量%、ML1+4 (100℃):42、日本合成ゴム社製)であり、CPEとは、エラスレン351A(商品名)(塩素含有量35wt%、MFR2、昭和電工社製)であり、MBSとは、BTA−751(商品名)(分散後の平均粒径0.1〜2μm、呉羽化学社製)であり、CSPEとは、ハイパロン40(商品名)(塩素含有量35wt%、イオウ含有量1.1wt%、ML1+4 (100℃):30、東ソー社製)であり、PUとは、パンデックス500E(商品名)(カプロラクトン系、大日本インキ化学工業社製)である。 【0056】実施例11 ブレンド体(B)重合度1000ポリ塩化ビニル(徳山積水工業社製、TS−1000R(商品名))75重量%、エバフレックス45LX(商品名)(酢酸ビニル含有量45重量%、MFR3、三井デュポンケミカル社製)25重量%の割合で混合した塩化ビニル系樹脂組成物を得た。得られた塩化ビニル系樹脂組成物100重量部に対して、安定剤としてジブチル錫メルカプト(三共有機社製、ONZ−41F(商品名))1.5重量部、内外滑兼用滑剤としてモンタン酸エステルワックス(ヘキスト社製、WAX−OP(商品名))0.5重量部、外滑剤として酸化ポリエチレンワックス(三井化学社製、HIWAX220RKT)0.5重量部の割合でヘンシェルミキサーでブレンドし、配合粉を作製した。更に、この配合粉を30mmツイン押出機を用い、樹脂温度が170℃となるようにシリンダー温度を調整し、ペレタイザーによりペレット化した。得られたペレットを原料に、直径90mmの二軸異方向押出機(積水工機社製、SLM−90(商品名))を用いて、樹脂温度を190℃に保ち、JIS K 6741に記載される下水道用塩化ビニル管(プレーンエンド直管VU50:内径50mm)を成形した。但し巻回された管とするため、1本当たりの長さを15mとした。得られた管を、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に記載した。 【0057】実施例12〜19 ブレンド体(B)エラストマーと塩化ビニル系樹脂とを表2に示す種類及び添加量でブレンドしたこと以外は、実施例1と同様にして、各種の評価を行った。その結果を表2に記載した。 【0058】 【表2】
【0059】表中、St−PVCとは、TS−1000R(商品名)(重合度1000、徳山積水工業社製)であり、塩ビ−エチレンとは、VE−T(商品名)(重合度700、エチレン含有量8重量%、徳山積水工業社製)である。 【0060】実施例20〜29 ブレンド体(C)実施例1及び3〜10で作製したグラフト樹脂と塩化ビニル系樹脂とを表3に示す種類及び添加量でブレンドしたこと以外は、実施例1と同様にして、各種の評価を行った。その結果を表3に記載した。 【0061】 【表3】
【0062】実施例30〜47 ブレンド体(D)実施例1〜10で作製したグラフト樹脂とエラストマーとを表4及び表5に示す種類及び添加量でブレンドしたこと以外は、実施例1と同様にして、各種の評価を行った。その結果を表4及び表5に記載した。 【0063】 【表4】
【0064】 【表5】
【0065】実施例48〜55 ブレンド体(E)実施例1及び4で作製したグラフト樹脂とエラストマーと塩化ビニル系樹脂とを表6に示す種類及び添加量でブレンドしたこと以外は、実施例1と同様にして、各種の評価を行った。その結果を表6に記載した。 【0066】 【表6】
【0067】比較例1樹脂としてポリ塩化ビニル樹脂TS−800E(商品名)(重合度800、徳山積水工業社製)のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、各種の評価を行った。その結果を表7に記載した。 【0068】比較例2樹脂としてポリエチレン樹脂(三井石油化学社製、HZ7700M(商品名)、密度0.958g/cc)のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、各種の評価を行った。その結果を表7に記載した。 【0069】 【表7】
【0070】 【発明の効果】本発明の巻回された管は、上述の構成からなるので、硬質塩ビのもつ難燃性と接着接合性を維持しつつ、ポリエチレンの持つ可撓性を併せ持ち、巻回し状態で、保管、運搬され、施工時に引き出し、直管状にして用いることができる。これらの特性を生かして、従来硬質塩ビではできなかった施工性に優れた巻回された管を、電線や光ファイバーケーブル等の鞘管用途に好適に用いることができる。 【0071】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002174 【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年10月16日(1998.10.16) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−120942(P2000−120942A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月28日(2000.4.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−295178 |
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