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【発明の名称】 換気用パイプの取付方法
【発明者】 【氏名】塩津 晃

【要約】 【課題】本発明は、外装材の張り付け後でも、パイプを換気フードの取り付けに適する位置に自在に調節ができると共に、その位置で位置決めすることが可能な換気用パイプの取付方法を提供することにある。

【解決手段】換気フード7を先端に取り付け且つ基端にダクトホース6を連結する換気用パイプの取付方法であって、前記パイプ1の基端側を、外壁Aの内部側に配設した保持バンド2によって、該パイプ1の長手方向の前後に摺動移動可能な状態で外壁Aに保持し、一方、前記パイプ1の先端側を、外壁Aの外面側に後から張り付けられる外装材8の厚さ分よりも長く外壁Aの外側に突出する状態でパイプ1を配置した後、前記外壁Aに外装材8を張り付け、次いで,パイプ1の先端面が前記外装材8の外面と略面一になるまで該パイプ1を押し込んだ後、その位置でパイプ1を固定手段3によって外壁Aに固定し、最後に、パイプ1の先端に前記換気フード7を取り付けたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 換気フード(7)を先端に取り付け且つ基端にダクトホース(6)を連結する換気用パイプの取付方法であって、前記パイプ(1)の基端側を、外壁(A)の内部側に配設した保持バンド(2)によって、該パイプ(1)の長手方向の前後に摺動移動可能な状態で外壁(A)に保持し、一方、前記パイプ(1)の先端側を、外壁(A)の外面側に後から張り付けられる外装材(8)の厚さ分よりも長く外壁(A)の外側に突出する状態でパイプ(1)を配置した後、前記外壁(A)に外装材(8)を張り付け、次いで,パイプ(1)の先端面が前記外装材(8)の外面と略面一になるまで該パイプ(1)を押し込んだ後、その位置でパイプ(1)を固定手段(3)によって外壁(A)に固定し、最後に、パイプ(1)の先端に前記換気フード(7)を取り付けたことを特徴とする換気用パイプの取付方法。
【請求項2】 前記固定手段(3)は、パイプ(1)の先端側から外装材(8)の厚さ分が基端側に入った位置の周壁底部に貫通孔(4)を設け、該貫通孔(4)に外壁(A)まで差し込まれるストッパー(3)を挿通し、前記パイプ(1)を外壁(A)に固定したことを特徴とする請求項1記載の換気用パイプの取付方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主に建築物内を換気する際に使用する換気用パイプの取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物には、該建築物の外壁を介した内部と外部との換気を行うための換気用パイプが設けられており、該換気用パイプを外壁に取り付ける場合は、外装材を胴縁に張り付ける前に、前記換気用パイプをあらかじめ外壁の内部から外部に向けて突出しておくのが一般的であった。この際、換気用パイプの取り付けに携わる作業者は、外装材が胴縁に張り付けられた状態を想定し、あらかじめ、前記換気用パイプの先端側を外壁の外部側に突出しておくことで、外装材を外壁に張り付ける作業者に換気用パイプの取付位置を示していた。また、実際に前記換気用パイプを外壁に取り付ける場合は、換気用パイプを外壁における取付予定の位置にそのまま仮置しておくか、あるいは、該換気用パイプが取り付けられる外壁の内部側と外部側のそれぞれの箇所に、ネジあるいは釘などを打ち込んで、換気用パイプを建築物の外壁に位置決めした状態で不動状態に固定する手段がとられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多くの場合、換気用パイプと外装材とを取り付ける作業者が相違することから、例えば、前記換気用パイプが、作業中の何らかのはずみで仮置きした場所から移動し、外装材を張り付ける作業者がそれに気付かず、換気パイプの挿通孔が開けられていなかったり、あるいは、該換気パイプを外壁にネジや釘などで固定し、前記のような換気パイプの移動を防いでも、換気パイプの先端が作業者の想定よりも外装材から外部側に向けて突出している場合には、前記換気パイプを外装材の張り付け後に、外壁の内部に押し込むことができなかった。このことから、換気パイプの先端が突出したままの状態で、雨水の浸入を防ぐ換気フードを取り付けた場合、該換気フードが外装材の外面側から浮いた状態で取付けられることになるから、前記換気フードが適切に取り付けられる長さに、外装材の外面側を傷付けることなく、換気パイプの先端側を切断する必要があった。しかも、前記換気パイプが取り付けられる場所は、建築物内のトイレや浴槽の天井裏などの高所であることが多く、尚且つ複数の箇所に設けるものであったから、前記パイプの切断作業を行うことが非常に困難であると共に、大変手間のかかるものであったので、作業効率が悪くなり、さらに、工期が遅れるという問題点があった。
【0004】本発明は、外装材の張り付け後に、パイプを換気フードの取り付けに適する位置に自在に調節ができると共に、その位置で位置決めすることが可能な換気用パイプの取付方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明の換気用パイプの取付方法は、換気フードを先端に取り付け且つ基端にダクトホースを連結する換気用パイプの取付方法であって、前記パイプの基端側を、外壁の内部側に配設した保持バンドによって、該パイプの長手方向の前後に摺動移動可能な状態で外壁に保持し、一方、前記パイプの先端側を、外壁の外面側に後から張り付けられる外装材の厚さ分よりも長く外壁の外側に突出する状態でパイプを配置した後、前記外壁に外装材を張り付け、次いで,パイプの先端面が前記外装材の外面と略面一になるまで該パイプを押し込んだ後、その位置でパイプを固定手段によって外壁に固定し、最後に、パイプの先端に前記換気フードを取り付けたことを特徴とする。
【0006】ここで、外壁とは、建築物の内部と外部を隔てるもののすべての概念を意味している。また、パイプを摺動移動可能に保持する保持バンドとは、通常はパイプを不動状態で保持しているが、該パイプの端部に押圧力あるいは引張力を加えた際、パイプが保持手段に沿って摺動するものであればよく、具体的には、保持バンドの素材に樹脂あるいは硬質ゴムを用いたものが挙げられる。さらに、固定手段とは、外壁に張り付けた外装材の外面と、パイプの先端側とが略面一な状態でパイプを固定できるものであればよく、具体的には、パイプの先端側から外装材の厚さ分が基端側に入った位置の周壁底部に貫通孔を設け、該貫通孔を介して金属製の板体をL字状に折り曲げて形成したストッパーの先端を、外壁を構成する外装材と胴縁との張付面の隙間に挿通したものや、あるいはパイプの先端に、該パイプの長手方向における横方向外側に向けて張り出す張出片を備えたストッパーを固定し、前記パイプを外壁の内部側に向けて押し込んだ際に、前記張出片が外装材の外面側に当接し、さらに、張出片に外装材まで挿通する止ネジを螺入してパイプを位置決めするものなどが挙げられる。
【0007】このように形成すると、外壁における換気パイプの取付位置を示すために、パイプの先端側を外壁より外部に突出させても、保持バンドに沿ってパイプを該パイプの長手方向の前後に摺動移動させることが可能となるから、外装材を外壁に張り付けた後も、パイプの先端側が前記外装材の外面と略面一になるまで押し込むことが可能となり、しかも、押し込んだその位置で、固定手段によって該パイプを外壁に位置決め固定することが可能となるから、パイプの先端側開口部に換気フードを適切な状態で取り付けることが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1乃至図4に基づいて説明する。本発明の換気用パイプの取付方法に使用する換気パイプは、図1に示すように、先端側に周壁を貫通する貫通孔4を設け、且つ基端側に外壁Aの内部側から延設されるダクトホース6を接続する嵌凹部5を備えたパイプ1と、該パイプ1の基端側を摺動可能に締付け保持する保持バンド2と、前記貫通孔4に着脱自在に差し込みが可能な板状のストッパー3と、前記パイプ1の先端に取り付けられる換気フード7と、から成っている。
【0009】パイプ1は、樹脂あるいはアルミなどの金属で成形された短尺のパイプである。該パイプ1の基端側には、パイプ1の周壁の全周に亘る段差状の嵌凹部5が形成されており、該嵌凹部5には、外壁A内の換気扇(図示省略)から延設されるダクトホース6の先端側が差込まれ、該ダクトホース6と嵌合状態で接続される。また、パイプ1の先端から外装材8の厚さ分が基端側に入った位置の周壁の底部には、スリット状の貫通孔4が設けてあり、該貫通孔4には、前記ストッパー3が差込まれることとなる。さらに、貫通孔4を設ける場合には、外装材8の肉厚寸法が数パターンに規格化されており、また、前記換気フード7においてもパイプ1の先端側が差し込まれた際のにげ25が設けてあるので、換気パイプ1の先端側から基端側に向けて8mm〜16mm入った位置に貫通孔4を設けることにより、あらゆる厚みの外装材8に適応することが可能となっている。また、前記嵌凹部5は、ダクトホース6に嵌合状態で接続が可能なものであれば、例えば、パイプ1の基端側を前記ダクトホース6の内径と一致あるいは小さく形成したものでもよく、前記の場合には、ダクトホース6の先端側がパイプ1の基端側に被さるように接続される(図示省略)。
【0010】保持バンド2は、外壁Aの垂木10にリング状に設置固定されるものであり、該リングの中に前記パイプ1を挿入することで、パイプ1が保持バンド2に保持される。また、保持バンド2の材質は前記のようにパイプ1を保持しつつも、該保持バンド2に沿ってパイプ1の長手方向の前後に摺動可能なものでなければならないから、塩化ビニールなどの樹脂、あるいはアルミ、ステンレスといった金属で成形されている。このことから、前記パイプ1を保持バンド2によって締付け保持すると共に、パイプ1の先端側あるいは基端側の端部に強い押圧力や引張力が加わった場合には、パイプ1が保持バンド2に沿って摺動することになる。
【0011】ストッパー3は、前記保持バンド2から摺動させたパイプ1を外壁Aに位置決めするものであり、その形状は、前記パイプ1の貫通孔4を挿通し且つ外装材8と胴縁9との張付面12の隙間に差込可能なプレート状に形成されている。そして、該ストッパー3の材質には特に限定はないが、前記したように外装材8と胴縁9との張付面12の隙間に差込むものであるから、可能な限り厚みを薄く成形することが望ましく、ステンレスなどの金属で成形して強度を保つことが望ましい。
【0012】また、前記ストッパー3は上記のものに限らず、様々な外壁Aの構造に対応した形状のものがある。具体的には、2×4工法やパネル工法などの外壁Aのように胴縁9を設けず、間柱11に外装材8が直接張り付けられている場合には、上記のようなストッパー3は使用できないから、図2に示すように、両端に折曲片15,15を設け、一方の折曲片15をパイプ1の貫通孔4に挿通すると共に、前記各折曲片15,15によって、外装材8を内面側と外面側とから挾持し、パイプ1を外装材8に固定可能な形状のストッパー3を使用する。また、外装材8にトタンのような厚みの薄い部材が使用してある場合には、図3に示すように、前記パイプ1の先端側に挾持可能な固定部19と、該固定部19の先端側にパイプ1の横方向に張り出す張出片18とが一体的に成形されたストッパー3を使用している。そして、前記したトタン用のストッパー3は、前記張出片18をパイプ1の横方向外側に向けた状態で、パイプ1の先端側に複数箇所に固定され、パイプ1を外壁Aの内部側に押込んだ際、外装材8の外面側にストッパー3の張出片18が当接し、さらに、前記張出片18に外装材8まで到達する長さの止ネジ20を螺入して、パイプ1を外壁Aに位置決めするものである。また、前記図3に示したストッパー3はトタン以外の外装材8においても使用が可能である。
【0013】換気フード7は、パイプ1の先端側開口部16に取り付けられることで、パイプ1内への雨水の浸入を防止するものである。換気フード7の基端側には、パイプ1に取り付けられた際に、パイプ1の先端側開口部16と連通する複数の通風孔22が備えられている。また換気フード7には、外縁が外装材8の外面と当接し、且つ当接した際に空間状のにげ25が設けられる鍔状のガク23が、前記換気フード7の全周に亘って張り出しており、さらに、換気フード7の基端側には、パイプ1との取付部24が突設してある。
【0014】本発明の換気用パイプの取付方法は、上記構成の換気用パイプを使用し、外壁Aの内部と外部とをパイプ1によって、雨水の浸入を防ぎつつも連通させるものである。この際、図4(A)に示すように、パイプ1を外壁Aから外部に向けて突出した状態で配置し、垂木10に保持バンド2を固定して該保持バンド2に前記パイプ1の基端側を挿入し、外壁Aにパイプ1を該パイプ1の長手方向に前後摺動自在に保持しておく。そして、前記換気扇から延設されたダクトホース6の先端をパイプ1の嵌凹部5に差込んで嵌合し、パイプ1とダクトホース6とを連結固定する。
【0015】次に、図4(B)(C)に示すように、胴縁9に外装材8が張り付けられた後、該外装材8に設けたパイプ1の挿通孔17を介し、外装材8の外面側から外部に突出する前記パイプ1の先端側を押して、該パイプ1を外壁Aの内部に向けて押込み、パイプ1の貫通孔4と、外装材8と胴縁9との張付面12とを一致させて、その重なりあった箇所にストッパー3を前記貫通孔4を介して挿通して、パイプ1を外壁Aに位置決めする。さらに、パイプ1の先端側開口部16に換気フード7を差込んで嵌合することで、パイプ1によって外壁Aの内部と外部とを連通すると共に、前記換気フード7によって雨水の外壁A内部への浸入を防ぐものである。
【0016】
【発明の効果】本発明の換気用パイプの取付方法によれば、保持手段でパイプを保持し、さらにパイプを外壁の内部側に押込んだり、あるいは外部側に引抜いて摺動調節し、調節したその位置にパイプを固定手段で外壁に位置決めすることが可能であるから、外装材の外壁への取付状態にかかわらず、換気パイプを換気フードの取り付けに適した状態にすることが可能となり、従来のように換気フードの取り付けに際して換気パイプの先端を切断する手間がかからないので、作業効率が格段に向上し、工期の短縮をはかることができる。
【出願人】 【識別番号】598137490
【氏名又は名称】塩津 晃
【出願日】 平成10年10月7日(1998.10.7)
【代理人】 【識別番号】100090206
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 信道
【公開番号】 特開2000−120938(P2000−120938A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−285654