トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 架台用固定補助具
【発明者】 【氏名】小川 信夫

【要約】 【課題】アングルやチャンネル等の架台に配管、タンク、機器等を簡単な作業で正確かつ強固に固定し、しかも、架台の強度低下を来すことなく、信頼性の高い固定作業を行えるようにした架台用固定補助具を提供する。

【解決手段】固定補助具10は、縦板部15、横板部16、係止部17、止め板部18および受け部19からなる。アングル11には、台板11aとリブ板11bが形成されている。アングル11に配管Pを固定する場合、台板11aに配管Pを載置し、次いで、リブ板11bの下端に係止部17を嵌め合わせ、リブ板11bおよび台板11aに縦板部15および横板部16を当てる。止め板部18は、台板11aの台面前方に延びるように配置する。次いで、配管PにUボルトを掛け渡して止め板部18のボルト穴にUボルト12を通し、止め板部18の裏側からナット13で締め付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 台板とこの台板の下方に形成されるリブ板とを有する架台にUボルトにより配管を固定する固定補助具であって、前記リブ板に沿って設けられる縦板部と、前記縦板部の上端から前記台板の下面に沿って設けられる横板部と、前記縦板部の下端に連なって設けられ、前記リブ板の下端に係止される係止部と、前記台板の台面前方に延びるように前記横板部に連なって設けられ、所定位置に前記Uボルトのボルト穴を有する止め板部とを備えたことを特徴とする架台用固定補助具。
【請求項2】 前記止め板部の先端に、前記配管を支持可能な受け部を形成したことを特徴とする請求項1記載の架台用固定補助具。
【請求項3】 台板とこの台板の下方に形成されるリブ板とを有する架台にタンク、機器等の構造体をボルト固定する固定補助具であって、前記リブ板に沿って設けられる縦板部と、前記縦板部の上端から前記台板の下面に沿って設けられる横板部と、前記縦板部の下端に連なって設けられ、前記リブ板の下端に係止される係止部と、前記台板の台面前方に延びるように前記横板部に連なって設けられ、所定位置に前記構造体を固定するボルト穴を有する止め板部とを備えたことを特徴とする架台用固定補助具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工場等の構内に設置されるアングルやチャンネル等の架台に配管、タンク、機器等を固定するのに用いる架台用固定補助具に関する。
【従来の技術】
【0002】工場の構内には、ガスや液体などの輸送用の配管が複数設けられる。配管は、通常、構内の床や天井に設置されるアングルやチャンネル等の架台にUボルトによって固定されている。この種の架台の一般的な構成は、配管を載置するための台板と、この台板の強度を高めるためのリブ板とからなっている。例えば図12に示すように、アングル1は、台板1aに配管Pが載置され、台板1aの下側には、補強用のリブ板1bが形成される。具体的な配管Pの固定作業は、まず、構内の所定位置にアングル1を設置し、一定の高さに台板1aを並べて配置する。台板1aには、あらかじめ配管固定用のにボルト穴Hを形成する。次いで、台板1aのボルト穴Hの間に配管Pを載せ、配管Pの上にUボルト2を跨がせてボルト先端をボルト穴Hに通す。その後、台板1aの下側からUボルト2にナット3を締め付ける。これにより、アングル1とUボルト2の間に配管Pが挟まれて固定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の固定方法では、配管PをUボルト2で固定する際、アングル1に直接ボルト穴Hを設けるため、ボルト穴Hの位置がズレていると、ボルト先端がボルト穴Hに入らず、希望する位置に配管を固定することができない場合がある。このような場合、Uボルト2を曲げてボルト穴Hに通すと、配管Pが弛みやすくなり好ましくない。このため、従来は、架台1の設置位置を正確に定める必要があるほか、ボルト穴Hの位置がズレている場合には、現場でボルト穴Hを拡大したり、別な位置にボルト穴をあけ直したりする作業が必要になり、架台の設置作業および加工作業が煩雑で手間のかかるものとなっている。
【0004】一方、図13に示すように、架台5に長穴5aを開けてUボルト2およびナット3の固定位置を自在に調節可能にしたり、図14に示すように、架台6に等間隔にボルト穴6aを複数設けて配管のズレに対応するものがあるが、穴径が大きくなると、架台の強度低下を招くことから、このような架台は、重量の大きな配管には使用しにくいものとなっていた。
【0005】そこで、本発明はこのような現状に鑑みなされたもので、アングルやチャンネル等の架台に配管、タンク、機器等を簡単な作業で正確かつ強固に固定し、しかも、架台の強度低下を来すことなく、信頼性の高い固定作業を行えるようにした架台用固定補助具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するための本発明の第1発明による架台用固定補助具は、台板とこの台板の下方に形成されるリブ板とを有する架台にUボルトにより配管を固定する固定補助具であって、前記リブ板に沿って設けられる縦板部と、前記縦板部の上端から前記台板の下面に沿って設けられる横板部と、前記縦板部の下端に連なって設けられ、前記リブ板の下端に係止される係止部と、前記台板の台面前方に延びるように前記横板部に連なって設けられ、所定位置に前記Uボルトのボルト穴を有する止め板部とを備える構成とした。また、前記止め板部の先端に、前記配管を支持可能な受け部を形成するとよい。
【0007】本発明の第1発明の架台用固定補助具によると、架台に配管を固定する場合、架台の下方に架台用固定補助具を取り付け、この補助具の止め板部とUボルトにより配管を挟持する。架台に固定補助具を取り付ける場合、まず、リブ板の下端に係止部を嵌め合わせ、リブ板および台板に縦板部および横板部を当てる。止め板は、台板の台面前方に延びるように配置する。このような状態で、配管にUボルトを掛け渡して止め板部のボルト穴にUボルトを通し、止め板部の裏側からナットで締め付ける。
【0008】前記課題を解決するための本発明の第2発明による架台用固定補助具は、台板とこの台板の下方に形成されるリブ板とを有する架台にタンク、機器等の構造体をボルト固定する固定補助具であって、前記リブ板に沿って設けられる縦板部と、前記縦板部の上端から前記台板の下面に沿って設けられる横板部と、前記縦板部の下端に連なって設けられ、前記リブ板の下端に係止される係止部と、前記台板の台面前方に延びるように前記横板部に連なって設けられ、所定位置に前記構造体を固定するボルト穴を有する止め板部とを備える構成とした。
【0009】本発明の第2発明の架台用固定補助具によると、架台に構造体を固定する場合、架台の下方に架台用固定補助具を取り付け、この補助具の止め板部に構造体をボルト固定する。架台に固定補助具を取り付ける場合、リブ板の下端に係止部を引っかけて、リブ板および台板に縦板部および横板部を当てる。止め板部は台板の台面前方に延びるように配置する。このような状態で、構造体および止め板部のボルト穴を重ねてボルトを通し、止め板部の裏側からナットで締め付ける。
【0010】このように第1発明および第2発明の架台用固定補助具によると、架台の希望する位置に配管または構造体を簡単かつ強固に固定することができる。また、架台には、直接ボルト穴を設ける必要はないため、架台の製作および設置作業が簡単になるとともに、台面の強度低下が防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。本発明の第1実施例による配管の架台用固定補助具を図1〜図5に示す。固定補助具10は、アングル11に配管Pを固定するものである。矩形の鋼板を所定位置で折り曲げて形成されている。アングル11と配管Pとが交差する位置に固定補助具10が取り付けられる。
【0012】アングル11は、横断面がL字形になっており、台板11aおよびリブ板11bを有している。配管Pの長さ方向に所定間隔おきにアングル11が設置される。
【0013】固定補助具10は、縦板部15、横板部16、係止部17、止め板部18および受け部19からなる。縦板部15と横板部16とは、ほぼ90゜の角度に折り曲げられる。縦板部15の下端にはほぼ180゜折り曲げられる係止部17が連なる。また、横板部16の先端には、台板11aの前方に延びるように、止め板部18が連なる。止め板部18の先端には、横板部16および止め板部18の板面に対しほぼ90゜に折り曲げられる受け部19が連なっている。アングル11に固定補助具10を取り付ける場合、リブ板11bの下端に係止部17を嵌め、台板11aおよびリブ板11bに縦板部15および横板部16を当てる。
【0014】受け部19の先端には、配管Pの側面を支持する切り欠きKが設けられている。切り欠きKの形状は、中央部から両端部にかけて次第に溝が浅くなるように傾斜している。この傾斜によって小型の配管から大型の配管まで、比較的幅広い径の配管を支持することが可能になっている。
【0015】止め板部18と受け部19の折曲位置にはリブRが設けられる。リブRは、止め板部18と受け部19の折り曲げ時に板面に凹凸をプレス成形してなる。このリブRによって受け部19の耐荷重性が向上し、配管Pを支持するときに、受け部19が前後方向に倒れるのが防止される。
【0016】一方、係止部17の先端部には、係止溝の外側に拡大するガイド面17aが設けられる。ガイド面17aは、係止部17の幅方向に連なって形成されている。ガイド面17aによると、リブ板11bに係止部17を嵌めるときに、ガイド面17aにリブ板11bの下端が案内されるため、係止部17の嵌め合わせ操作が行いやすくなる。
【0017】また、係止部17の内側面にはプレス成形等によって凸部17bが形成される。凸部17bは、係止部17の幅方向に所定の間隔を開けて2カ所設けられている。係止部17の係止溝は、凸部17bの位置で狭くなる。これにより、リブ板11bに係止部17を嵌めるとき、リブ板11bが係止溝の溝幅よりも薄い板であっても凸部17bに押されて安定し、係止部17の脱落が防止される。
【0018】次に、固定補助具10を用いて配管Pを固定する場合の手順を説明する。まず、工場等の所定の位置にアングル11を設置する。アングル11は配管Pの設置方向に沿って必要な個数だけ所定の間隔をあけて設ける。アングル11の台板11aは、ほぼ水平になるように等しい高さに合わせる。なお、アングル11には、ボルト穴を形成する必要はない。
【0019】次に、アングル11上に配管Pを載置する。配管Pの位置は、設計図等に合わせて必要に応じて台板11a上を移動させる。次いで、リブ板11bに係止部17を嵌め合わせて、リブ板11bおよび台板aの板面に縦板部15および横板部16を当てる。そして、台板11aの台面前方に止め板部18が突き出るようにし、ボルト穴Hを配管Pの両側に配置する。
【0020】この状態で、配管Pの上方にUボルト12を掛け渡してボルト先端を止め板部18のボルト穴Hに通し、止め板部18の裏側からナット13で締め付ける。すると、Uボルト12が配管P側へ移動し、係止部17をリブ板11bの先端に引っかけたまま上方へ引っ張る。これにより、固定補助具10とUボルト12との間にアングル11および配管Pが挟まれて固定されることになる。アングル11の他の箇所についても、同様に固定補助具10にUボルトを締め付けることで配管Pを固定する。
【0021】配管Pの固定時、受け部19の板面は、止め板部18の幅方向にかかる負荷に対する強度を高める役割を果たす。すなわち、受け部19を設けない場合、配管Pを台板11aまたは止め板部18で支持することになるが、Uボルトを強く締め付けると、止め板部18の両端部が上方へ反り上がって変形しやすくなる。これに対し、本実施例のように止め板部18に受け部19を形成することで、配管PをUボルトで強固に締め付けても、受け部19が反発して止め板部18の反り上がりを防止することができる。なお、本実施例では固定補助具に受け部19を設けているが、アングルの形状が配管を受けるのに適した形状になっている場合など、必要に応じて、受け部19を省略することも可能である。
【0022】構内の床下に配管Pを固定した例を図4に示す。図4に示すように、床下のピット内にアングル11を一定間隔に固定し、アングル11の上に配管Pを並べて固定している。アングル11と配管Pの交差する部分に固定補助具10が取り付けられている。アングル11にはボルト穴を形成しなくてもよいため、製造コストが少なくて済む。また、アングル11を設置する際、ボルト穴の位置合わせ等をする必要もないため、設置作業がきわめて容易になる。さらに、温度差による伸縮等で配管Pの位置がズレても、固定補助具10を取り外して締め付け直すことで、迅速に対応することができる。
【0023】構内の天井部に配管Pを固定した例を図5に示す。構内通路の両側に所定の間隔おきに支柱Sが立てられる。各支柱Sの間にアングル11が掛け渡されている。アングル11の上側には、固定補助具10およびUボルト12によって配管Pが締め付け固定される。このように配管Pの固定作業が高所になるときでも、固定補助具10のボルト穴にUボルト12を通す作業が簡単であるため、迅速かつ確実に固定作業を行うことができる。また、アングル11にボルト穴を設けないため、アングル11の鉛直方向の強度を十分に確保することができるとともに、支柱Sおよびアングル11の設置作業が簡単になる。
【0024】次に、本発明の第2実施例を図6および図7に示す。第2実施例は、固定補助具20a、20bを一対で組み合わせて使用するようにしたものである。固定補助具20aおよび20bはともに、縦板部25、横板部26、係止部27、止め板部28および受け部29を有している。縦板部25および横板部26がアングル21の台板21aおよびリブ板21bに沿って取り付けられる。図7に示すように、固定補助具20a、20bのそれぞれの受け部29は左右対称形になっており、切り欠きKが配管Pの外形に対応している。止め板部28の板面にはUボルト22を挿入可能なボルト穴Hがそれぞれ一個形成されている。
【0025】第2実施例の固定補助具20a、20bにより配管Pの固定を行う場合、まず、アングル21を所定位置に設置し、その上に配管Pを載置する。次いで、固定補助具20a、20bを配管Pの両脇に左右対称にセットし、受け部29に配管Pの側面を合わせる。この状態で、配管PにUボルト22を掛け渡し、ボルト先端を止め板部28のボルト穴Hに通してナット23で締め付ける。第2実施例によると、配管Pの両側にセットするため、比較的大きな径の配管Pを固定する場合に有利になる。すなわち、配管Pの真下の部分に固定補助具を置かず、両側部分にのみ設けるため、材料費を節約することができる。また、固定補助具の軽量化を図ることができため、作業性が向上する。
【0026】次に、他の種類の架台に適用するための第3実施例および第4実施例を図8および図9に示す。図8に示すように、第3実施例による固定補助具30は、断面コ字状のチャンネル31に用いるものである。固定補助具30は、縦板部35、横板部36、係止部37、止め板部38および受け部39を備える。配管Pの固定時、台板31aの上に配管Pを載置した後、横リブ板31cに係止部37を嵌め合わせて、縦リブ板31bおよび台板31aに縦板部35、横板部36を当てる。次いで、配管PにUボルト32を跨がせて、止め板部38のボルト穴HにUボルト32を通し、止め板部38の裏側からナット33で締め付ける。
【0027】また、図9に示す固定補助具40は、断面H状のH鋼を架台41に用いたものである。固定補助具40は、架台41の板面に沿って縦板部45、横板部46、係止部47、止め板部48および受け部49が連なって形成されている。配管Pの固定時、台板41aの上に配管Pを載置した後、横リブ板41cに係止部47を嵌め込み、縦リブ板41bおよび台板41aに縦板部45、横板部46を当てる。次いで、配管PにUボルト42を跨がせて止め板部48のボルト穴HにUボルト42を通し、止め板部48の裏側からナット43で締め付ける。
【0028】このように第3実施例および第4実施例によれば、チャンネルまたはH鋼からなる架台にボルト穴を形成することなく、簡単な作業で確実に架台に配管Pを固定することができる。なお、第3実施例および第4実施例に示す固定補助具は、第2実施例のように分割タイプとしてもよい。また、チャンネルおよびH鋼の側面の形状が同一であるときは、両者の架台に兼用可能な固定補助具とすることもできる。また、第1実施例〜第4実施例では、Uボルトで配管を固定するが、U字形の金具とボルトを別個に作成したものを用いてもよい。この場合、U字形金具の両端部と止め板部とをボルト固定すれば、架台にボルト穴を設けなくとも、配管の固定が可能になる。
【0029】本発明の第5実施例を図10および図11に示す。第5実施例の固定補助具50は、貯水タンクTをアングル51に固定するものである。図10に示すように、貯水タンクTの底部側面に爪板52が設けられている。爪板52は、アングル51よりも外側に突き出ている。固定補助具50は、爪板52の下方にアングル51を挟んで取り付けられる。アングル51の板面に沿って縦板部55、横板部56、係止部57および止め板部58が連なって形成されている。アングル51に貯水タンクTを固定する場合、リブ板51bに係止部57を嵌め合わせて、リブ板51bおよび台板51aに縦板部55および横板部56を当てる。止め板部58は爪板52に向き合うように台板51aの台面前方に配置する。そして、爪板52および止め板部58のボルト穴Hに固定ボルト53を通し、止め板部58の裏側からナット54で締め付ける。
【0030】第5実施例よれば、アングル51にボルト穴を設けることなく、アングル51に貯水タンクTを固定することができる。このため、アングル51の製作および設置作業が容易になり、さらに、貯水タンクTの固定作業もきわめて簡単に行うことができる。なお、第5実施例では、アングルに貯水タンクを固定するが、アングルに代えてチャンネルやH鋼等の他の架台に変更してもよい。また、貯水タンクの他、種々の機械や枠体等の構造体に爪板を設けて架台に固定することも可能である。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の架台用固定補助具によれば、次のような優れた効果を奏する。
(a) Uボルトをボルト穴に合わせる操作が簡単になるため、配管Pの固定作業を正確かつ迅速に実施することができる。
(b) 架台にボルト穴を設ける必要がないことから、架台の製作および設置が容易になる。
(c) 架台の板面の強度が高くなり、耐久性を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】398064040
【氏名又は名称】小川 信夫
【出願日】 平成10年10月16日(1998.10.16)
【代理人】 【識別番号】100068663
【弁理士】
【氏名又は名称】松波 祥文
【公開番号】 特開2000−120936(P2000−120936A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−295419