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【発明の名称】 ワイヤハーネス用プロテクタ
【発明者】 【氏名】山賀 幸一

【要約】 【課題】プロテクタにおける蓋体のロック操作の操作性を向上する。

【解決手段】蓋体23の自由端部に外面に係止爪23bを突設した係止部23aを下方突設すると共に、本体21の他側に上記係止部23aを挿入係止する係止孔21dと、上記係止爪23bの挿入時に係止孔21dを拡開するための抜き孔21eを外方に隣接形成した鍔部21cを設け、上記係止孔21dと係止部23aとにより蓋体23のロック機構を構成してなる樹脂成型品よりなるプロテクタにおいて、上記鍔部21cに上記抜き孔21eの上方に間隔をあけて対向する覆い板24を突設している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ワイヤハーネスを収容する上面開口部を有する本体と、上記上面開口部を覆うために本体の一側にヒンジ部を介して開閉可能に取り付けられた蓋体とを備え、該蓋体の自由端部に外面に係止爪を突設した係止部を下方突設すると共に、上記本体の他側に上記係止部を挿入係止する係止孔と、上記係止爪の挿入時に係止孔の拡開を許容するための抜き孔を外方に隣接形成した鍔部を設け、上記係止孔と係止部とにより蓋体のロック機構を構成してなる樹脂成型品よりなるプロテクタにおいて、上記鍔部に上記抜き孔の上方に間隔をあけて対向する覆い板を突設していることを特徴とするワイヤハーネス用プロテクタ。
【請求項2】 上記係止爪は、係止部の下端外面から上方へ向かって張り出す方向に傾斜したテーパー状の案内面を有する請求項1に記載のワイヤハーネス用プロテクタ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤハーネス用プロテクタに関し、詳しくは、本体の上面開口を閉塞する蓋体のロック機構の操作性向上を図るようにするものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用のワイヤハーネスを保護するプロテクタとしては、例えば実開平7−26257号公報に記載されているものが知られている。このプロテクタは、図7に示すように、ワイヤハーネスを収容する本体1の一側にヒンジ部2を介して蓋体3を開閉可能に取り付け、該蓋体3により本体1の上面開口部1aを覆うようにしている。そして蓋体3の自由端に下方突設した側壁3aを本体1の上端部に外嵌するようにして係止爪1b、3bにて蓋体3をロックするようにしている。
【0003】一方、図8に示すように、本体11の上面開口部11aに対し蓋体13を被せてロックする側に車体への取り付けのための鍔部11cが張り出し形成されているような形状のプロテクタにおいては、蓋体13を本体11に外嵌することができない。よって、ロック部としては、鍔部11cに係止孔11dを形成すると共に、該係止孔11dに蓋体13の端部に下方突設した係止部13aを挿入し、該係止部13aに突設した係止爪13bにて係止するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の場合、図9(A)(B)に示すように、係止孔11dへの係止爪13bの挿入時には、係止孔11dが拡開させなければならないため、係止孔11dに隣接して抜き孔11eを形成している。これにより抜き孔11eと係止孔11dとの間の隔壁11fが抜き孔11e側へ弾性的に撓むことで係止爪13b挿入時の係止孔11dの拡開を可能としている。ところが、本体11および蓋体13は樹脂成型品であるため変形が伴ない、上面開口部11aへの蓋体13の閉鎖時に、係止片13bが係止孔11dに挿入されず、図9(C)に示すように、係止片13bの位置がずれて誤って抜き孔11eに合致してしまうことがあった。この場合、無理に係止片13bが抜き孔11eに挿入されると、プロテクタ全体が変形してワイヤハーネスの取り付け状態に支障をきたすおそれがあると共に、誤って抜き孔11eに挿入された係止爪13bを正しい位置に挿入し直す操作に手間を要し、作業性を低下させる要因となっていた。
【0005】本発明は上記した問題に鑑みてなされたもので、本体の上面開口部へ被せる蓋体のロック操作時に、係止爪が誤って抜き孔に挿入されるのを阻止する覆い板を設けてロック操作時の作業性向上を図ることを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明は、請求項1で、ワイヤハーネスを収容する上面開口部を有する本体と、上記上面開口部を覆うために本体の一側にヒンジ部を介して開閉可能に取り付けられた蓋体とを備え、該蓋体の自由端部に外面に係止爪を突設した係止部を下方突設すると共に、上記本体の他側に上記係止部を挿入係止する係止孔と、上記係止爪の挿入時に係止孔の拡開を許容するための抜き孔を外方に隣接形成した鍔部を設け、上記係止孔と係止部とにより蓋体のロック機構を構成してなる樹脂成型品よりなるプロテクタにおいて、上記鍔部に上記抜き孔の上方に間隔をあけて対向する覆い板を突設していることを特徴とするワイヤハーネス用プロテクタを提供している。
【0007】上記構成によれば、本体の上面開口部に蓋体を被せてロック機構によりロックするに際し、蓋体の係止部が挿入孔に対する軌道を外れて抜き孔側へずれた場合には、係止部が覆い板に干渉することで抜き孔への誤挿入を防止することができる。
【0008】上記係止爪は、係止部の下端外面から上方へ向かって張り出す方向に傾斜したテーパー状の案内面を有するようにするのが好ましい(請求項2)。このようにすれば、上記の場合において係止部が覆い板に干渉した際、案内面が覆い板の端面に沿って移行することにより係止部を係止孔の方向へ誘導することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1乃至図6は、樹脂成型品からなるワイヤハーネス用プロテクタ20を示し、該プロテクタ20はワイヤハーネスを収容する樋状の本体21と、該本体21の上面開口部21aを覆う蓋体23とを備えている。該蓋体23は本体21の一側におけるの壁部21bの上端部にヒンジ部22を介して開閉可能に取り付けている。
【0010】本実施形態にあっては、蓋体23を係止する側の本体21の他方の壁部21b'に水平方向に張り出した車体取付用の鍔部21cを備えているため、蓋体23を壁部21b'に外嵌できないような場合のロック機構を対象としている。このため、蓋体23の自由端部を下方へ屈曲状に突設して係止部23aを形成すると共に、該係止部23aの外面には上方へ向かって張り出す方向に傾斜したテーパー状の案内面23cを有する係止爪23bを突設している。そして、上記鍔部21cには、ヒンジ部22を支点とする係止部23aの回動軌道に対応して、該係止部23aが挿入係止される係止孔21dを形成している。
【0011】上記係止孔21dは、蓋体23の係止爪23bの厚さを除いた係止部23aの厚さ、および幅に対応する開口形状を有し、係止爪23bを無理入れすることで係止爪23bの上面段部23dが係止孔21dの下面口縁部に係止されるようになっている。上記係止孔21dへの係止部23aの挿入時に、係止爪23bの通過に伴なって係止孔21dの拡開を許容するため、係止孔21dの外方に隣接して抜き孔21eを形成し、該抜き孔21eと係止孔21dとの間の隔壁21fを抜き孔21e側へ弾性的に撓み可能としている。
【0012】上記鍔部21cには、図3、図4に示すように、上記抜き孔21eの外方位置にリブ24aを立ち上げると共に、該リブ24aの上端から抜き孔21eの上方に向かって間隔をあけるようにして対向する覆い板24を突設している。該覆い板24は、図では抜き孔21eの長さ方向全域に対応する長さのものを示しているが、抜き孔21eの長さ方向の一部を覆うものであれば突起状でもよい。即ち、蓋体23の係止部23aが係止孔21dへの軌道から外方へずれた場合に、係止爪23bに干渉して抜き孔21eへの係止部23aの誤挿入を阻止できる程度であればよい。
【0013】上記構成からなるプロテクタ20において、本体21の上面開口部21aを蓋体23で覆うには、本体21にワイヤハーネスを収容した後、蓋体23をヒンジ部22を支点として鍔部21c側へ回動する。すると、通常は、蓋体23の回動軌道に沿って係止部23aがそのまま鍔部21cの係止孔21dに挿入され、蓋体23の端部を強く押圧することで、図5に示すように、係止孔21dに係止爪23bが係止して蓋体23がロックされる。一方、本体21若しくは蓋体23の成型上の変形等により、係止部23aの回動軌道が外方へずれた場合には、図6に示すように、係止爪23bが覆い板24に干渉するため、誤って抜き孔21eに係止部23aが挿入されることが防止される。この場合、係止爪23bの案内面23cが覆い板24の端面に当接すると、係止部23aが係止孔21dの方向に誘導されて円滑なロック操作を行うことができる。なお、係止部23aの回動軌道が内方へずれた場合には、蓋体23に作用する押圧力によって係止部23aが鍔部21cの上面に当接すると同時に外方へ広げられるため、係止部23aを係止孔21d内に円滑に挿入することができる。
【0014】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明のワイヤハーネス用プロテクタによれば、本体若しくは蓋体の変形により、蓋体の係止部の回動軌道が本体の係止孔に対して外方へずれた状態においても、覆い板の作用により、係止部が誤って抜き孔に挿入されるのを確実に防止できる。よって、蓋体の閉鎖、ロック時における作業性を向上することができる。
【出願人】 【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
【出願日】 平成10年10月12日(1998.10.12)
【代理人】 【識別番号】100072660
【弁理士】
【氏名又は名称】大和田 和美
【公開番号】 特開2000−120933(P2000−120933A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−289553