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【発明の名称】 水底布設管体の管下充填方法及びその装置
【発明者】 【氏名】原 次郎

【氏名】尾崎 重浩

【氏名】山崎 忍

【氏名】大谷 宜孝

【氏名】田下 貞夫

【氏名】井上 茂

【要約】 【課題】布設管体下の隙間を大きくとらなくても完全な隙間充填ができ、管体布設用の深い凹溝を必要とせず、しかも、管体下への埋め戻し材にて管体の荷重を受けることができて管体の肉圧を薄いものとできる水底布設管体の管下充填方法及びその装置の提供。

【解決手段】砕石及び/又は砂等の埋め戻し材4を陸上若しくは土運船6上にて水と混合してスラリーとなし、これを搬送管12を通して水底布設管体2の側部に送り、搬送管12の開口を水底布設管体3下に向けてスラリーを噴射させることにより前記埋め戻し材4を水底布設管体下に充填する。スラリーの噴射は管布設用凹溝1内に設置した水底布設管体2の一方の側部に埋め戻し材4を投入して布設用管体下の隙間の片側を閉鎖し、然る後他方の側部より行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】水底に掘削形成した管布設用凹溝内に、該凹溝底面から間隔を隔てて設置した水底布設管体下の隙間に埋め戻し材を充填する水底布設管体の管下充填方法において、砕石及び/又は砂等の埋め戻し材を陸上若しくは船上にて水と混合してスラリーとなし、該スラリーを搬送管を通して前記水底布設管体の側部に送り、該搬送管の開口を前記水底布設管体下に向けて前記スラリーを噴射させることにより前記埋め戻し材を水底布設管体下に充填することを特徴としてなる水底布設管体の管下充填方法。
【請求項2】管布設用凹溝内に設置した水底布設管体の一方の側部の前記凹溝内に埋め戻し材を投入して前記布設用管体下の隙間の片側を閉鎖し、然る後他方の側部より前記水底布設管体下の隙間にスラリーを噴射させて埋め戻し材を水底布設管体下に充填する請求項1に記載の水底布設管体の管下充填方法。
【請求項3】埋め戻し材が単粒度砕石又は砂である請求項1若しくは2に記載の水底布設管体の管下充填方法。
【請求項4】砕石及び/又は砂等の埋め戻し材を収容し、これに注水してスラリーとする貯留槽と、該貯留槽内のスラリーを搬送管を通して水底に搬送する手段と、該搬送手段の前記搬送管の先端部に連結され、重りによって水底に設置され、搬送管を通して送られてくるスラリーを所定の角度で噴射させるスラリー噴射ノズルとを備えてなる水底布設管体の管下充填装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば火力発電所の冷却水給排水路用等として海底に布設する水底布設管体の布設方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の管体の水底布設に際しては、布設位置の海底に浚渫船等を使用して凹溝を掘削形成し、必要な地盤処理を施した後、枕木状等の支持材を介して溝底面から間隔を隔てて水底布設管体を設置し、然る後、凹溝を埋め戻し材をもって埋め、水底に管体を埋設している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の布設方法では、水面上より埋め戻し材を投下し、管体を設置した溝を埋めるものであるため、埋め戻し材の積み上げ時の安息角が大きい場合には、水面上からの投下のみでは、図7に示すように管体両側から投下された埋め戻し材の表面と管体底面との間に隙間ができ、管体下への充分な充填ができないという問題があった。
【0004】このため、従来は、管体布設用の凹溝の底面と設置される管体の底面との間隔を大きく取り、埋め戻し材が管体下に入り込み易くする必要が生じ、そのために水底に掘削する凹溝を深いものとする必要が生じ、その掘削及び埋め戻しのための経費が大きくなるという問題があった。
【0005】しかし、それでも完全な管体下への充填が期待できないため、従来は管体下の埋め戻し材による管体の支持を期待せずに、管体の肉圧を大きくして管強度を高めており、このため管体の製造コストが大きいものとなるという問題があった。
【0006】本発明は、このような従来の問題に鑑み、布設管体下の隙間を大きくとらなくても完全な隙間充填ができ、管体布設用の深い凹溝を必要とせず、しかも、埋め戻し材にて管体の荷重を受けることができ、管体の肉圧を薄いものとできる水底布設管体の管下充填方法及びその装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための本発明方法の特徴は、水底に掘削形成した管布設用凹溝内に、該凹溝底面から間隔を隔てて設置した水底布設管体下の隙間に埋め戻し材を充填する水底布設管体の管下充填方法において、砕石及び/又は砂等の埋め戻し材を陸上若しくは船上にて水と混合してスラリーとなし、該スラリーを搬送管を通して前記水底布設管体の側部に送り、該搬送管の開口を前記水底布設管体下に向けて前記スラリーを噴射させることにより前記埋め戻し材を水底布設管体下に充填することにある。
【0008】尚、管布設用凹溝内に設置した水底布設管体の一方の側部の前記凹溝内に埋め戻し材を投入して前記布設用管体下の隙間の片側を閉鎖し、然る後他方の側部より前記水底布設管体下の隙間にスラリーを噴射させて埋め戻し材を水底布設管体下に充填することが好ましく、また、埋め戻し材として単粒度砕石及び/又は砂の使用が好ましい。
【0009】また、本発明の装置の特徴は、砕石及び/又は砂等の埋め戻し材を収容し、これに注水してスラリーとする貯留槽と、該貯留槽内のスラリーを搬送管を通して水底に搬送手段と、該搬送手段の前記搬送管の先端部に連結され、重りによって水底に設置され、搬送管を通して送られてくるスラリーを所定の角度で噴射させるスラリー噴射ノズルとを備えてなる水底布設管体の管下充填装置に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面について説明する。
【0011】図1は、本発明方法の使用する装置を示しており、図中1は水底に掘削成形した管布設用凹溝、2は凹溝1の底部の枕状の支持材3上に設置した水底布設管体である。
【0012】この管体2間の隙間aを埋めるための装置として、埋め戻し材4を積載する貯留槽5を有する土運船6とその貯留槽5内の埋め戻し材をスラリー状にして水底に搬送する搬送手段7と、搬送されてくるスラリーを管体2下の隙間aに向けて噴射させるスラリー噴射ノズル8とを有しており、貯留槽では、積載された埋め戻し材4に、水中ポンプ10により海水を汲み上げて注水し、搬送手段7にはサンドポンプ11と搬送管12とを有し、サンドポンプ11により貯留槽5内の埋め戻し材4を水とともに吸引し、スラリー状となして搬送管12内を移動させるようにしている。
【0013】スラリー噴射ノズル8は、搬送管12の下端に連結され、重り13により水底の所定位置に保持されるようになっており、そのスラリー噴射口の上下及び水平方向の角度が所定の角度を維持するように重りに対して固定されている。
【0014】次に、このように構成される装置を使用した管下充填方法について説明する。
【0015】図2に示すように水底に掘削形成した凹溝1内に支持材3を介して管体2を設置した後、まず管体2の片側側部の凹溝1内にバケット等の通常の投下装置を使用して埋め戻し材4を投入し、図3に示すように管体2の下の隙間aの片側を閉鎖する。このとき埋め戻し材4は、自らの持つ安息角αで片側より管体2下に入り込んだ状態となる。
【0016】次いで図4に示すように、管体2の反対側の側部に搬送管12を沈め、重り13を接地させて噴射ノズル8を管体2下の隙間aに向け、サンドポンプ11を作動させて、埋め戻し材4を水とともに吸引し、スラリー状として水底に送り、噴射ノズル8より管体2下に向けて噴射させ、埋め戻し材4が沈降することにより残りの隙間aを埋める。
【0017】このようにして、1位置で管体長さ方向の5〜6mの充填を行った後、噴射ノズル8の位置を管体2の長手方向に更に5〜6m後退させ、次の充填を行う。
【0018】尚、このとき噴射ノズル8の角度は、図4、図5に示すように、水平方向は管体2の軸方向に対して45、上下方向は水平もしくはこれよりやや上向きが好ましく、その角度及び噴流の流速は使用する埋め戻し材の粒径、比重等の条件に応じて管体下への埋め戻し材の沈降が最も効果的に行われるように他を充填開始時に試験により選定し、然る後連続施工する。
【0019】埋め戻し材4としては、粒調砕石、単粒度砕石、粗砂、水砕スラグ、粒状のスラグ、石炭灰造粒物等の各種粉粒状材料が使用できる。
【0020】このようにして、管体2下を完全に埋め、然る後、通常のバケットその他の通常の投下装置を使用して埋め戻し材4を投入し、凹溝1内を埋め、管体2を埋設する。
【0021】尚、上述の例では、管体2下の隙間の片側埋め戻し材の投下によって、閉鎖した後、スラリーの噴射による充填を行っているが、図7(c)に示すようにスラリーの噴射のみによって隙間充填作業を行ってもよい。
【0022】実験例次に本発明の一実施形態を模型を使用した実験について説明する。
【0023】1.実験モデル実験モデルは、表1に示すように1/2スケールで行った。長さのスケールの縮尺に伴い、実現象と実験の計測値との間に相似則を適用する。相似則にはフルード則を適用する。このため、実験装置だけではなく、砕石の粒径についても現場使用粒径の1/2サイズのものを使用した。

【0024】2.実験設備図6に示すように、水槽20内に直径2000mmの埋設管体の模型鋼管21を水底より250mmの間隔をあけて設置し、噴射ノズル22を水平方向に向け、かつ、模型鋼管21の軸方向に対して45度の角度で設置し、水槽20上の台車23に支持させ、サンドポンプ24によりスラリーを搬送し、噴射させた。
【0025】尚、図中25は流速計、26はしぼり弁、27は給水用水中ポンプである。
【0026】3.使用埋め戻し材使用材料は、粒調砕石(10〜40mm)、粗砂、7号砕石(2.5〜5mm)水砕スラグ等を対象として充填性、地盤反力係数の期待値、塗装に与える影響から評価、判断して7号砕石を選定した。
【0027】実験に際してモデルスケールを1/2にしているため、材料は粒度分布が似ていて、50%粒径が7号砕石の1/2になる材料を使用した。また、従来工法との資料比較とするため海砂相当品にあたる材料も用意した。
【0028】4.管体下隙間充填実験結果(1)ケース1a.方法:鋼管21の片側に直投によって埋め戻し材を積み上げた山により、管体下隙間の一方を閉鎖した後、スラリー噴射による充填を行った。この時、山の安息角は30度であった。
b.使用材料及びスラリー濃度:7号砕石相当品(メイセイサンド)、8%c.流速及び噴射時間:2(m/sec)、10分間d.計測・測定項目:充填状況、充填形状、流量、時間、水搬量e.結果:図7(a)示すように管直下が充填することで、閉塞され、そこから先の先行投入した山裾に一部間隙が生じた。
(2)ケース2a.方法:鋼管21の片側に直投によって埋め戻し材を積み上げた山により、管体下隙間の一方を閉鎖した後、スラリー噴射による充填を行った。この時、山の安息角は30度であった。
b.使用材料及びスラリー濃度:7号砕石相当品(メイセイサンド)、9.3%c.流速及び噴射時間:2.5(m/sec)、10分間d.計測・測定項目:充填状況、充填形状、流量、時間、水搬量e.結果:図7(b)に示すように管直下および先行投入した山裾間隙の全てが充填した。
(3)ケース3a.方法:管体下隙間の両側が開放された状態でスラリー噴射による充填を行った。
b.使用材料及びスラリー濃度:7号砕石相当品(メイセイサンド)、9.6%c.流速及び噴射時間:2.5(m/sec)、14分間d.計測・測定項目:充填状況、充填形状、流量、時間、水搬量e.結果:図7(c)に示すように送る土量が多いため管直下の充填が早く吐出口の反対側に一部空隙が残った。
(4)ケース4a.方法:従来工法と同様に投下のみによって埋め戻しを行った。
b.使用材料:7号砕石相当品(メイセイサンド)
c.計測・測定項目:充填状況、充填形状d.結果:いずれも図8に示すように両側の山は自ら安息角をもって鋼管下に入り込むが管直下に隙間が残った。
(5)ケース5a.方法:従来工法と同様に投下のみによって埋め戻しを行った。
b.使用材料:海砂相当品(粒調材)
c.計測・測定項目:充填状況、充填形状d.結果:いずれも図8に示すように両側の山は自ら安息角をもって鋼管下に入り込むが管直下に隙間が残った。
【0029】
【発明の効果】上述したように本発明においては、砕石等の埋め戻し材に注水し、スラリーとして搬送し、噴射ノズルにより布設管体下の隙間に向けて噴射させることによって管体下充填を行うようにしたことにより、布設管体下が小さい隙間であっても密に充填されることとなり、このため、水底に形成する凹溝を従来と比べて浅いものとでき、しかも、管体重量を埋め戻し材料によって支えることができるため、従来に比べて肉厚の小さい管体が使用可能となり、コストを大きく削減できる。
【0030】また、充填に際し、管布設用凹溝内に設置した水底布設管体の一方の側部の前記凹溝内に埋め戻し材を投入して前記布設用管体下の隙間の片側を閉鎖し、然る後他方の側部より前記水底布設管体下の隙間にスラリーを噴射させて埋め戻し材を水底布設管体下に充填するようにしたことにより効率よく完全な充填作業がなし得られる。
【出願人】 【識別番号】000180368
【氏名又は名称】四国電力株式会社
【識別番号】598144409
【氏名又は名称】株式会社四電技術コンサルタント
【識別番号】000166627
【氏名又は名称】五洋建設株式会社
【出願日】 平成10年10月20日(1998.10.20)
【代理人】 【識別番号】100089886
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 雅雄
【公開番号】 特開2000−120929(P2000−120929A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−297992