| 【発明の名称】 |
電気防蝕用犠牲陽極の取り付け構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】近藤 哲史
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| 【要約】 |
【課題】犠牲陽極本体の上流端部の流体の流れをスムーズにすることによって陽極本体端部の偏形を小さくし、陽極本体の偏形摩耗を減少させて使用可能寿命を長くすることができる電気防蝕用犠牲陽極の取り付け構造を提供することとを目的とする。
【解決手段】亜鉛等から成る犠牲陽極と、該犠牲陽極の芯棒としてのコアから成り、配管内部の管壁に固定された支持材に前記コア両端が固定されてなる電気防蝕用犠牲陽極であって、前記コアの上流側に延設した支持軸に遊嵌させて先端先細状の周面形状を有するガイドキャップを取付け、該キャップは先端を上流側に向けて装着し、該キャップによって犠牲陽極本体の特に上流側腐蝕偏形を減少させるようにしたことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 海水等の電蝕液が通流する配管内壁に、配管軸線方向に沿って延設する亜鉛等から成る犠牲陽極本体を取り付けてなる電気防蝕用犠牲陽極の取り付け構造において、前記犠牲陽極本体の上流端側にガイドキャップを配設し、該ガイドキャップの周面形状を、該キャップ周面に沿って流れる電蝕液が、前記犠牲陽極本体の上流端面に衝突することなく該陽極本体の外周面に沿って流れるように形成したことを特徴とする電気防蝕用犠牲陽極の取り付け構造。 【請求項2】 前記ガイドキャップの周面形状を、電蝕液通流方向上流側より下流側に向け、徐々に太径化させ、その太径部基端側で前記犠牲陽極本体の上流端面形状より大なる形状に形成したことを特徴とする請求項1記載の電気防蝕用犠牲陽極の取り付け構造。 【請求項3】 前記ガイドキャップを耐蝕性材料で形成したことを特徴とする請求項1記載の電気防蝕用犠牲陽極の取り付け構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、海水等の電蝕液が通流する配管の内部腐蝕を防止する電気防蝕用犠牲陽極の取り付け構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より発電所や淡水化プラントにおいては、海水取水設備より海水を取水して冷却その他の所定の目的に利用している。かかる海水取水設備を図4に基づいて説明するに、取水管1先端の海水中の取水口2から海水を汲み上げ、例えば直径が1〜3mの取水管1を通り、地上側の放出口3から貯水槽7へ海水が送給されている。ここで、長尺の取水管1は伸縮継手4によって接続され、基礎に設置された支持手段5、6によって適宜支持されている。このような海水の取水管1内部には、電気防蝕用の犠牲陽極10が、数メートル間隔に設置され、この犠牲陽極10が身代わりとなって腐蝕することにより取水管1の内部腐蝕を防止している。 【0003】かかる海水取水設備に用いる従来の電気防蝕用の犠牲陽極を図5〜図6により説明する。図5は犠牲陽極10が取水管1の管壁に並行して取付けられた状態を示す正面図、図6は図5の左側面図である。同図に示すように、犠牲陽極10は、例えば亜鉛からなる略四角棒状の犠牲陽極本体11の内部を、SUS製のコア12が貫通して芯棒を構成している。そして、犠牲陽極10のコア12の両端部がUボルト13及びナット14によって支持材15に取付けられ、犠牲陽極10を海水の流れ方向と並行に支持している。 【0004】このように構成された犠牲陽極10が取水管1に取付けられていると、海水が図の矢印方向から、例えば2〜3m/sの流速で送給され犠牲陽極本体11の外周側面を通過しながら下流側へ送られている。そうすると、時間経過とともに、犠牲陽極本体11が腐蝕によって次第に肉厚が減少する。 【0005】図7は、犠牲陽極10の犠牲陽極本体11の腐蝕による経年偏形(損耗)を示したものである。即ち、初期取付け時の(a)に示すように、略四角棒状の犠牲陽極本体11の両端面が、海水通流方向(犠牲陽極本体軸線方向)と直交する面となしている為に、前記海水が先ず犠牲陽極本体11の上流端面に衝突して乱流を起こしながら、犠牲陽極本体11の外周面に沿って平行に流れ、更にその下流端面において負圧による渦巻き流が生じる。 【0006】従って、前記犠牲陽極本体11の形状では、前記上流端面側と下流端面側において最も電蝕が進み、初期取付け時の(a)図の状態から、時間経過と共に(b)図のように上/下流端面側が肉やせになり状態となり、さらに(c)図のように上/下流端面側がコア12外径近くまで肉やせ(偏形)すると、犠牲陽極本体11の交換が必要となる。 【0007】ここで、犠牲陽極本体11の形状は、図5〜6のような略四角棒状のもの以外に、円形棒状、蒲鉾状など用途によって任意の形状のものが選定されており、また、材質としては亜鉛が海水管用としてー般的に広く使用されているが、亜鉛以外に、アルミニウム、マグネシウム等、用途によって選定されている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の電気防蝕用犠牲陽極では、図7に示したように、流体(海水)との接触・衝突・渦流などによって上流端部(先端部)と下流端部(後端部)が腐蝕偏形し易く、特に上流端部の肉厚減少(偏形)が大きくなる現象が発生していた。このため犠牲陽極本体(アノード)11の上流端部がコア12外径に近い最低肉厚まで偏形することにより、使用可能年数が短くなるという問題があった。 【0009】また、定期点検期間まで電気防蝕性能を維持するためには、最も肉厚減少の大きい上流端部の肉厚減少を考慮してサイズを1ランク上に設定するため不経済的であり、かつ、サイズが大きいことにより取水管1の管内圧損が大きくなるという問題があった。 【0010】本発明は、かかる技術的課題に鑑み、犠牲陽極本体の上流端部の流体の流れをスムーズにすることによって陽極本体端部の偏形を小さくし、陽極本体の偏形摩耗を減少させて使用可能寿命を長くすることができる電気防蝕用犠牲陽極の取り付け構造を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題に鑑み、海水等の電蝕液が通流する配管内壁に、配管軸線方向に沿って延設する亜鉛等から成る犠牲陽極本体を取り付けてなる電気防蝕用犠牲陽極の取り付け構造において、前記陽極本体の上流端側にガイドキャップを配設し、該ガイドキャップの周面形状を、該キャップ周面に沿って流れる電蝕液が、前記陽極本体の上流端面に衝突することなく該陽極本体の外周面に沿って流れるように形成したことを特徴とする。 【0012】即ち、より具体的には、請求項2に記載のように、前記ガイドキャップの周面形状を、電蝕液通流方向上流側より下流側に向け、徐々に太径化させ、その太径部基端側で前記犠牲陽極本体の上流端面形状より大なる形状に、更に具体的には、前記ガイドキャップを円錐状、多角錘状、断面テーパ状、断面略長円状等の形状にするのがよい。 【0013】この場合、前記ガイドキャップの断面形状を犠牲陽極本体の断面形状に必ずしも合わせる必要はない。例えば、犠牲陽極本体の断面が方形だからといって、ガイドキャップの断面形状を四角錘にする必要はなく、例えば後記実施例に示すように円錐若しくは多角錘状に形成して、その基端側で前記陽極本体の上流端面を包被するような大径にすればよい。又前記ガイドキャップは、請求項3に記載のように、ポリ塩化ビニル(PVC)、フッ素樹脂、若しくはステンレス等の耐蝕性材料で形成することにより、経時的な損耗がなく好ましい。 【0014】従って本発明によれば、犠牲陽極本体の上流端部に円錐、多角錘等の前記周面形状のガイドキャップを取付けて構成させることにより、海水その他の電蝕液の流れをスムーズ化することによって犠牲陽極本体先端部の偏形が大幅に減少化しつつ、前記電蝕液が陽極本体外周面を層流状態で平行に流すことが出来るために、陽極本体外周面とともに下流端側の偏形摩耗を減少させて使用可能寿命を長くすることができる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。図1は、本発明の実施形態に係る犠牲陽極が取水管に取付られた状態を示す正面図、図2は、図1の左側面図、図3は、本発明の犠牲陽極による作用説明図である。以下本発明の実施形態を図1及び図2に基づいて説明するが、従来技術の図5〜6と同一部材には同一符号を付し重複する説明は省略する。 【0016】本実施形態は、従来の犠牲陽極本体11の上流端部側に円錐状のガイドキャップ20を取付けて構成し、その円錐状のキャップ20によって犠牲陽極本体11の腐蝕偏形を減少させるように構成したものである。即ち、本実施形態は、亜鉛等から成る犠牲陽極本体11と、該犠牲陽極本体11の芯棒としてのコア12から成り、配管(取水管)1内部の管壁に固定された支持材15に前記コア12両端が固定されてなる電気防蝕用犠牲陽極10であって、前記コア12の海水通流方向上流側に延設した支持軸23に円錐状のキャップ20を遊嵌させて取付けるとともに、該円錐状のキャップ20先端を上流側に向けて装着し、該円錐状キャップ20によって犠牲陽極本体11の腐蝕偏形を減少させるようにしたものである。 【0017】以下、図1及び図2に基づいて本実施形態を詳説する。図1において、20は材質がPVC材から成る略円錐状のガイドキャップで、軸心が取水管1管壁に並行して配置され、軸心部には軸23が遊嵌される孔が軸線上に沿って穿設されている。又前記円錐状ガイドキャップ20の基端側外径は図2に示すように、犠牲陽極本体11の上流端面を包被する程度に大なる形状に、より具体的には犠牲陽極本体11の上流端面の外接円より大にしている。 【0018】21はキャップ20の後端部に一体的に固設された中空円筒部で、支持材15と係合する部分には切欠部22が設けられており、キャップ20を犠牲陽極10に取付ける場合には、該切欠部22が支持材15に嵌め込まれる。本中空円筒部21を設けることは海水の通流方向が陽極本体11周面と平行になり、層流状態で陽極本体11周面を通流させることが出来、好ましい。 【0019】23はコア12の上流側端部に接続された軸で、先端部には袋ナット24に螺合するネジ部が設けられ、該袋ナット24を軸先端に螺着してキャップ20が固定できるようになっている。ここで、犠牲陽極本体11の形状は、図1〜2のような略四角棒状のもの以外に、円形棒状、蒲鉾状など用途によって任意の形状のものを選定しても良く、また、材質としては亜鉛が海水管用として一般的に広く使用されているが、亜鉛以外に、アルミニウム、マグネシウム等、用途によって適宜選定しても良い。又、キャップ20においても犠牲陽極本体11の形状にあわせて、片側テーパ、多角錘、長円状等の種々の形状に設定できる。尚、上記以外の構成は従来技術の図5と略同一であるのでその説明を省略する。 【0020】上記のように構成された本実施形態の電気防蝕用の犠牲陽極10が、図4で示すような海水の取水設備の取水管1管内に数メートル間隔で多数配置されている。そして、取水管1内部腐蝕に対して犠牲陽極10の陽極本体11が身代わりとなって腐蝕し、取水管1の内部腐蝕を防止するようになっている。即ち、図1のように、上流側にキャップ20を装着した犠牲陽極10が取水管1に取付けられていると、海水が図1の矢印方向から、例えば2〜3m/sの流速で送給され、キャップ20の円錐周面に沿って移動しながら中空円筒部21で軸線方向に平行流化し、これにより前記海水が犠牲陽極本体11の上流端面に衝突することなく該犠牲陽極本体11の外周面を通流しながら下流側へ送られる。 【0021】これにより犠牲陽極本体11の上流端面の電蝕損耗による偏形を小さくし、該陽極本体11の外周側面全体が電蝕損耗されるために、該陽極本体11の偏形摩耗を減少させて使用可能寿命を長くすることができる。一方、時間経過とともに、犠牲陽極本体11の下流端部側が腐蝕によってやや肉厚が減少するが、犠牲陽極本体11の上流側は、キャップ20の円錐周面に沿って海水がスムーズに流れるように犠牲陽極本体11の上流側を防護しており、又海水はキャップ20の円錐周面に沿って流れながら中空円筒部21で軸線方向に平行流化している為に、犠牲陽極本体11の下流端部側の肉厚減少も非常に少なくなっている。 【0022】図3はかかる損耗経過状態を時系列的に示した作用図である。本図は、犠牲陽極本体11の上流端面側に、前記中空円筒部21を連設した円錐状キャップ20が配置した状態における腐蝕による経年偏形を示したもので、初期取付け時の(a)図に示すように、略四角棒状の犠牲陽極10の上流端面が、円錐状キャップ20に保護されているために、前記海水は犠牲陽極10の上流端面に衝突して乱流を起こすことがなく、中空円筒部で21軸線方向に平行流化し、そのまま、犠牲陽極本体11の外周面に沿って層流状態で平行に流れる為、その犠牲陽極本体11下流端面においても負圧による渦巻き流が小さくなる。 【0023】従って、本実施形態では、前記上流端面側では電蝕が進むことなく、又下流端面側において渦巻き流が小さくなるために電蝕の進行が大幅に減少する。そして時間経過と共に(b)図の状態となり、さらに(c)図のように犠牲陽極本体11が偏形するが、上流端面が保護され、且つ下流端面においても肉厚減少が小さく抑えられている状態を示している。 【0024】 【発明の効果】以上記載のごとく請求項1及び2記載の本発明によれば、犠牲陽極本体の上流側先端部に前記周面形状を有するキャップを取付けて構成したので、流体の整流作用によって犠牲陽極本体の上流端面のみならず、下流端部においても肉厚減少が小さくなり、犠牲陽極本体全体の腐蝕偏形を大幅に減少させて使用可能寿命を長くすることができる。 【0025】また、犠牲陽極本体の腐蝕偏形が少ないことにより交換期間を長くすることができるので経済的となるとともに、定期点検までの電気防蝕性能を維持するためには、サイズを1ランク下に設定することが可能となり、サイズが小さいことにより取水管の管内圧損が小さくなる効果がある。 【0026】そして、前記キャップは請求項3記載の発明にように、PVC材等の耐腐蝕性材料で構成することにより、腐蝕が無く、犠牲陽極本体交換後も再利用可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年9月18日(1998.9.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083024 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 昌久 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−88183(P2000−88183A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月31日(2000.3.31) |
| 【出願番号】 |
特願平10−264333 |
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