トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 管端キャップ
【発明者】 【氏名】古瀬 幸司

【要約】 【課題】管端キャップに着脱自在に取り付けられた嵌合突部の離脱作業をワンタッチで容易且つ迅速に行うことを可能とする。

【解決手段】管端キャップの筒部1bの外周面に、固定的に配置された複数個の第1嵌合突部4,4,・・と、着脱自在に配置された複数個の第2嵌合突部5,5,・・とが備えられたものにおいて、上記筒部1b部分に、上記各第2嵌合突部5,5,・・相互間に跨がって配置され且つその引張操作により該各第2嵌合突部5,5,・・を上記筒部1bから順次離脱させる如く作用する離脱操作部材10を備える。かかる構成によれば、上記離脱操作部材10を引張操作することで、上記各第2嵌合突部5,5,・・をワンタッチで上記筒部1bから順次離脱させることができ、離脱作業が容易且つ迅速化される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鏡板部(1a)と該鏡板部(1a)に連続する筒部(1b)とを備えた略有底筒状形態を有し且つ上記筒部(1b)を適宜の管体(P1,P2)の管端に嵌挿することで上記鏡板部(1a)により該管端を閉塞するように構成されるとともに、上記筒部(1b)の外周面には、該外周面上にその周方向に所定間隔で固定的に配置され且つその上面を周方向に連続させることで所定径の第1の円を形成する複数個の第1嵌合突部(4),(4),・・と、上記外周面上にその周方向に所定間隔で着脱自在に配置され且つその上面を周方向に連続させることで上記第1の円よりも大径の第2の円を形成する複数個の第2嵌合突部(5),(5),・・とが備えられてなる管端キャップであって、上記筒部(1b)部分に、上記各第2嵌合突部(5),(5),・・相互間に跨がって配置され且つその引張操作により該各第2嵌合突部(5),(5),・・を上記筒部(1b)から順次離脱させる如く作用する離脱操作部材(10)が備えられていることを特徴とする管端キャップ。
【請求項2】 請求項1において、上記第2嵌合突部(5)は、係止ピン(52)を備え該係止ピン(52)を上記筒部(1b)側の係止穴(6)に嵌挿することで該筒部(1b)側に止着される構成とされ、上記離脱操作部材(10)は、上記筒部(1b)側にそれぞれ止着された上記各第2嵌合突部(5),(5),・・と上記筒部(1b)の外周面との間に介在状態で該各第2嵌合突部(5),(5),・・間に順次跨がって配置された紐状体又は帯状体で構成されていることを特徴とする管端キャップ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、例えば手摺パイプ等の管端部分の美観性あるいは安全性を確保するために該管端に装着される管端キャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、手摺りを管体を構成する場合、その管体の管端を切り落とし状態のままとしたのでは、美観性を損ねるとともに安全性という点においても問題がある。このため、この管体の管端を美麗化し且つ安全性を確保するという観点から、該管端に略有底筒状形態をもつ管端キャップを装着することが従来より広く行われている。
【0003】そして、この場合、手摺り等の素材として使用される管体には、用途別による選択性を考慮して、同一外径の管体でもその肉厚が異なるもの、換言すれば、その内径寸法が異なるものが用意されている。従って、管体の管端に管端キャップを装着する場合、該管端キャップはその筒部を上記管体の内部に嵌挿して固定する装着構成を採ることから、該管端キャップの筒部外径が単一径に固定されていると、肉厚の異なる管体毎にそれ専用の管端キャップを用意することが必要となり、不経済である。
【0004】このため、従来より、管端キャップの筒部に着脱自在の嵌合突部を周方向に複数個設け、該各嵌合突部を取り付けたときには該各嵌合突部の上面が、上記筒部の外径よりも大径の円周上に位置するようにし、肉厚の厚い管体に装着する場合には上記嵌合突部を取り外した状態で上記筒部をその管端内部に嵌挿固定する一方、肉厚の薄い管体に装着する場合には上記筒部に上記各嵌合突部を取り付けてこれを管端内部に嵌挿固定するようにし、もって上記管端キャップの兼用化を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の管端キャップにおいては、上述のように、その筒部に複数個の嵌合突部を着脱自在に取り付け、該管端キャップを肉厚の薄い管体に装着する場合には該各嵌合突部を取り外して使用するようにしているが、これら各嵌合突部の取り外しは、これら個々にドライバー等の工具を使用して離脱させるようになっていることから、その離脱作業が煩雑で、管端キャップ取付作業における作業性が損なわれるという問題があった。
【0006】そこで本願発明では、管端キャップに着脱自在に取り付けられた嵌合突部の離脱作業をワンタッチで容易且つ迅速に行うことを可能とした管端キャップを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0008】本願の第1の発明では、鏡板部1aと該鏡板部1aに連続する筒部1bとを備えた略有底筒状形態を有し且つ上記筒部1bを適宜の管体P1,P2の管端に嵌挿することで上記鏡板部1aにより該管端を閉塞するように構成されるとともに、上記筒部1bの外周面には、該外周面上にその周方向に所定間隔で固定的に配置され且つその上面を周方向に連続させることで所定径の第1の円を形成する複数個の第1嵌合突部4,4,・・と、上記外周面上にその周方向に所定間隔で着脱自在に配置され且つその上面を周方向に連続させることで上記第1の円よりも大径の第2の円を形成する複数個の第2嵌合突部5,5,・・とが備えられてなる管端キャップにおいて、上記筒部1b部分に、上記各第2嵌合突部5,5,・・相互間に跨がって配置され且つその引張操作により該各第2嵌合突部5,5,・・を上記筒部1bから順次離脱させる如く作用する離脱操作部材10を備えたことを特徴としている。
【0009】本願の第2の発明では、上記第1の発明にかかる管端キャップにおいて、上記第2嵌合突部5を、係止ピン52を備え該係止ピン52を上記筒部1b側の係止穴6に嵌挿することで該筒部1b側に止着させる構成とし、上記離脱操作部材10を、上記筒部1b側にそれぞれ止着された上記各第2嵌合突部5,5,・・と上記筒部1bの外周面との間に介在状態で該各第2嵌合突部5,5,・・間に順次跨がって配置された紐状体又は帯状体で構成したことを特徴としている。
【0010】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0011】■ 本願の第1の発明にかかる管端キャップによれば、管端キャップの筒部1bの外周面に、固定的に配置された複数個の第1嵌合突部4,4,・・と、着脱自在に配置された複数個の第2嵌合突部5,5,・・とが備えられたものにおいて、上記筒部1b部分に、上記各第2嵌合突部5,5,・・相互間に跨がって配置され且つその引張操作により該各第2嵌合突部5,5,・・を上記筒部1bから順次離脱させる如く作用する離脱操作部材10を備えているので、該管端キャップの装着作業を行う作業者は、上記各第2嵌合突部5,5,・・が不要である場合には、該管端キャップの管体への装着に先立って、上記離脱操作部材10を引張操作することで、上記各第2嵌合突部5,5,・・をワンタッチで上記筒部1bから順次離脱させることができ、例えば従来のように複数個の嵌合突部を順次個別に工具を用いて離脱させる場合に比して、離脱作業が容易且つ迅速化され、作業性の向上が図られることになる。
【0012】■ 本願の第2の発明にかかる管端キャップによれば、上記第1の発明にかかる管端キャップにおいて、上記第2嵌合突部5を、係止ピン52を備え該係止ピン52を上記筒部1b側の係止穴6に嵌挿することで該筒部1b側に止着させる構成とし、上記離脱操作部材10を、上記筒部1b側にそれぞれ止着された上記各第2嵌合突部5,5,・・と上記筒部1bの外周面との間に介在状態で該各第2嵌合突部5,5,・・間に順次跨がって配置された紐状体又は帯状体で構成しているので、より簡単且つ安価な構成の離脱操作部材10によって上記■に記載の効果を確実に得ることができ、管端キャップ装着作業における作業性の向上と低コスト化との両立が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本願発明にかかる管端キャップを好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0014】図1〜図4には、本願発明の実施形態にかかる管端キャップ1を示している。この管端キャップ1は、次述のキャップ本体2とインサート体3との複合構造を有している。
【0015】上記キャップ本体2は、湾曲面をもつ端壁部21と該端壁部21に連続する周壁部22とを備えた深皿状形態をもつものであって、金属材あるいは樹脂材により一体形成される。この周壁部22の外径は、上記管端キャップ1が適用される管体の外径に合致するように設定されている。また、このキャップ本体2は、上記管端キャップ1の鏡板部1aを構成するものであることから、その表面にはメッキ等の化粧加工が適宜施されることが望ましい。
【0016】上記インサート体3は、湾曲面をもつ底壁部31と該底壁部31に連続する周壁部32とを備えた略有底筒状形態をもつものであって、金属材あるいは樹脂材により一体形成される。このインサート体3は、図3及び図4に示すように、その底壁部31部分を上記キャップ本体2の内部に嵌挿し且つこれと一体的に接合固定されるものであることから、該底壁部31部分は上記キャップ本体2の内部に嵌挿可能な形状及び径寸法に設定されている。
【0017】また、このインサート体3の上記周壁部32は、上記管端キャップ1を管体に装着する場合において、該管体の内部に嵌挿されるものであって、該管端キャップ1の筒部1bを構成する。そして、この周壁部32の外周面には、内径の異なる(即ち、外径が同一で肉厚の異なる)二種類の管体(図3における管体P1と図4における管体P2を参照)に適用し得るように、上記周壁部32の径方向において高さの異なる二種類の嵌合突部が備えられている。
【0018】即ち、その一つは、上記周壁部32の外周面上に該周壁部32と一体的に膨出形成された第1嵌合突部4であり、該第1嵌合突部4は上記周壁部32の周方向に所定間隔で複数個設けられている。そして、この各第1嵌合突部4,4,・・の上面は嵌挿方向に逆行するノコ歯状断面形状とされ、且つこの各第1嵌合突部4,4,・・の表面を周方向に連ねて想定される円(特許請求の範囲中の「第1の円」に該当する)は、これが適用される管体P2(図3参照)の内径より僅かに大きく設定されている。従って、この各第1嵌合突部4,4,・・部分を上記管体P2内部に嵌挿した時、上記ノコ歯部分が適宜弾圧変形して該管体P2の内周面との間に所定の摩擦係合力を発生し、上記管端キャップ1を該管体P2側に固定し得るようになっている。
【0019】他の一つは、上記周壁部32に着脱自在に取り付けられる次述の第2嵌合突部5である。この第2嵌合突部5は、その表面をノコ歯とした矩形板状の基部51と該基部51の裏面に突設された一対の係止ピン52とを備えて構成される。そして、この第2嵌合突部5は、上記係止ピン52,52を、上記各第1嵌合突部4,4,・・の中間位置にそれぞれ位置するように上記周壁部32に形成された上下一対の係止穴6,6に弾圧嵌挿あるいは嵌挿係止させることで該周壁部32側に着脱自在に取り付けられる。
【0020】また、この各第2嵌合突部5,5,・・を上記周壁部32に取り付けた状態において、該各第2嵌合突部5,5,・・の表面を周方向に連ねて想定される円(特許請求の範囲中の「第2の円」に該当する)は、上記各第1嵌合突部4,4,・・により想定される円よりも大径で、且つ上記管体P1(図4参照)の内径より僅かに大きく設定されている。従って、この各第2嵌合突部5,5,・・部分を上記管体P1内部に嵌挿した時、上記ノコ歯部分が適宜弾圧変形して該管体P1の内周面との間に所定の摩擦係合力を発生し、上記管端キャップ1を該管体P1側に固定し得るようになっている。
【0021】以上のように、上記管端キャップ1は、上記各第2嵌合突部5,5,・・を装着した状態では肉厚の薄い管体P1に適用でき、該各第2嵌合突部5,5,・・を取り外した状態では肉厚の厚い管体P2に適用できるものであり、単一の管端キャップ1の兼用化が実現されるものである。
【0022】ところで、かかる第2嵌合突部5を備えた管端キャップ1においては、これを内径の小さい(即ち、肉厚の厚い)管体P2に適用する場合には、該各第2嵌合突部5,5,・・を離脱させることが必要であるが、従来においてはこれら各第2嵌合突部5,5,・・をそれぞれ個別に作業者が離脱させるようにしていたためその作業が煩雑であるとともに作業性が低劣になることは既述の通りである。
【0023】かかる事情に鑑みこの実施形態においては、本願発明を適用して、次述の離脱操作部材10を備え、これによって上記各第2嵌合突部5,5,・・の離脱作業の簡易且つ迅速化を図っている。
【0024】即ち、この実施形態においては、上記離脱操作部材10を、上記管端キャップ1の外周を略一周し得る程度の長さをもつ紐状体で構成するとともに、その一端には作業者が把持してこれを引張するための把持部11を設け、また他端には該離脱操作部材10の径寸法より大きな形状をもつ掛止部12(例えば、該離脱操作部材10の一端を結んで形成したり、別部材を固着したりすることで形成可能である)を設けている。
【0025】そして、かかる構成の離脱操作部材10は、上記管端キャップ1の出荷時に装着され、そのままユーザーに届けられる。即ち、図2に示すように、上記各第2嵌合突部5,5,・・を離脱させた状態で、上記離脱操作部材10を上記管端キャップ1の筒部1b(即ち、上記インサート体3の周壁部32)に巻掛ける。しかる後、上記各第2嵌合突部5,5,・・を、その一対の係止ピン52,52間に上記離脱操作部材10が位置するようにして(換言すれば、上記離脱操作部材1を上記一対の係止ピン52,52で跨いだ状態で)装着する。従って、これら各第2嵌合突部5,5,・・の装着状態(図1及び図2に示す状態)においては、上記離脱操作部材10は該各第2嵌合突部5,5,・・とこれに対向する上記周壁部32の外周面との間で適宜挟持され、上記管端キャップ1側に保持される。
【0026】上記管端キャップ1の使用に際して、上記各第2嵌合突部5,5,・・が不要である場合(即ち、該管端キャップ1が装着されるのが肉厚の厚い上記管体P2である場合)には、作業者は、上記離脱操作部材10の上記把持部11を把持して、且つ上記離脱操作部材10を上記周壁部32の表面から巻戻すように引張すると、この離脱操作部材10にかかる張力によって上記各第2嵌合突部5,5,・・は、上記把持部11側に位置するものから上記掛止部12側に位置するものに向けて順番に、それぞれ上記周壁部32から離脱される。
【0027】このように、何らの工具を使用することなく、上記離脱操作部材10を引張することのみによって、上記各第2嵌合突部5,5,・・を容易且つ迅速にワンタッチで離脱させることができることで、該各第2嵌合突部5,5,・・の離脱作業、延いては上記管端キャップ1の管体P1への装着作業における作業性が向上するものである。
【0028】尚、この実施形態においては、上記インサート体3の周壁部32上に、着脱自在の上記第2嵌合突部5の外に、該周壁部32と一体的に形成される上記第1嵌合突部4を設けているが、該第1嵌合突部4は必ずしも設けることを要しない。従って、上記第1嵌合突部4を別途設けない場合には、上記周壁部32そのものが上記第1嵌合突部4として機能することになる。
【出願人】 【識別番号】397000333
【氏名又は名称】株式会社シコク
【出願日】 平成10年9月17日(1998.9.17)
【代理人】 【識別番号】100075731
【弁理士】
【氏名又は名称】大浜 博
【公開番号】 特開2000−88182(P2000−88182A)
【公開日】 平成12年3月31日(2000.3.31)
【出願番号】 特願平10−263162