| 【発明の名称】 |
ライニング筒の端部固定構造と端部固定方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】月本 文雄
|
| 【要約】 |
【課題】ライニング筒の外周面や既設管の内周面に凹凸があっても、ライニング筒の端部外周面を既設管の内周面に対して隙間なく簡便に接着できるようにする。
【解決手段】既設管Bの内周面3に接着して管状の気密層4を形成するライニング筒Aの端部外周面2を、そのライニング筒の端部内方に装着した筒状部材1を拡径方向に塑性変形させて、既設管の内周面に圧着し、ライニング筒の端部外周面と既設管の内周面との間に、筒状部材の拡径方向への塑性変形に伴って径方向外方に向けて押圧されて圧縮変形した筒状の弾性シール材7を接着してある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 既設管の内周面に接着して管状の気密層を形成するライニング筒の端部外周面を、そのライニング筒の端部内方に装着した筒状部材を拡径方向に塑性変形させて、前記既設管の内周面に圧着してあるライニング筒の端部固定構造であって、前記ライニング筒の端部外周面と前記既設管の内周面との間に、前記筒状部材の拡径方向への塑性変形に伴って径方向外方に向けて押圧されて圧縮変形した筒状の弾性シール材を接着してあるライニング筒の端部固定構造。 【請求項2】 前記筒状部材を、全周に亘って連続する筒壁を備えた筒状に形成してある請求項1記載のライニング筒の端部固定構造。 【請求項3】 前記ライニング筒を、径方向に伸縮自在な筒状組紐に、伸縮性を備えたチューブを内嵌して構成してある請求項1又は2記載のライニング筒の端部固定構造。 【請求項4】 既設管の内周面に接着して管状の気密層を形成するライニング筒の端部外周面を、そのライニング筒の端部内方に装着した筒状部材を拡径方向に塑性変形させて、前記既設管の内周面に圧着するライニング筒の端部固定方法であって、前記筒状部材の内周面を押圧してその筒状部材を拡径方向に塑性変形させる押圧面を備えている円錐台形状の拡径部材を、前記ライニング筒の端部内方に装着した筒状部材よりも奥側に、かつ、小径側端部を前記筒状部材側に向けて、管軸と同芯状に挿入し、前記筒状部材の端部と前記既設管との双方に対して管軸方向から当て付けられる反力受け部材と、前記拡径部材とを管軸方向に相対移動自在に螺着連結する螺軸部材の回転操作で、前記拡径部材を前記筒状部材に挿通させて、前記筒状部材を拡径方向に塑性変形させるライニング筒の端部固定方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、既設管の内周面に接着して管状の気密層を形成するライニング筒の端部外周面を、そのライニング筒の端部内方に装着した筒状部材を拡径方向に塑性変形させて、前記既設管の内周面に圧着してあるライニング筒の端部固定構造と端部固定方法に関する。 【0002】 【従来の技術】上記ライニング筒の端部固定構造は、ライニング筒がその端部から剥離したり、腐食等によって薄肉化している管壁部分に生じたクラックが、ライニング筒の端部から気密層の内側に連通して、管内流体が漏れ出したりすることを防止するために設けられている。 【0003】従来のライニング筒の端部固定構造は、図9(イ)に示すように、既設管Bに挿入したライニング筒Aの端部内方に、周方向の一箇所を分断してある断面がC形のアルミ合金製筒状部材1を装着し、図9(ロ)に示すように、その分断箇所に打ち込んだ楔Cで拡径方向に塑性変形させた筒状部材1で、ライニング筒Aの端部外周面2を既設管Bの内周面3に圧着している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】この為、例えば、ライニング筒Aが、図10(イ)に示すように、径方向及び長手方向に伸縮自在な筒状組紐5に、伸縮性を備えた気密層形成用のチューブ6を内嵌して構成されていて、その外周面に凹凸があったり、図10(ロ)に示すように、既設管Bの内周面3に腐食などに起因する凹凸があったりすると、ライニング筒Aの既設管Bに対する圧着部位に隙間ができ易く、ライニング筒Aの端部外周面2を既設管Bの内周面3に接着する作業に手間がかかる欠点がある。 【0005】つまり、ライニング筒Aの端部外周面2が、既設管Bの内周面3に隙間なく接着されているか否かの確認に手間がかかるとともに、隙間がある場合はその補修にも手間がかかるからである。 【0006】本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、ライニング筒の外周面や既設管の内周面に凹凸があっても、ライニング筒の端部外周面を既設管の内周面に対して隙間なく簡便に接着できるようにすることを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の特徴構成は、既設管の内周面に接着して管状の気密層を形成するライニング筒の端部外周面を、そのライニング筒の端部内方に装着した筒状部材を拡径方向に塑性変形させて、前記既設管の内周面に圧着してあるライニング筒の端部固定構造であって、前記ライニング筒の端部外周面と前記既設管の内周面との間に、前記筒状部材の拡径方向への塑性変形に伴って径方向外方に向けて押圧されて圧縮変形した筒状の弾性シール材を接着してある点にある。 【0008】つまり、ライニング筒の外周面や既設管の内周面に凹凸があると、圧縮変形した弾性シール材が、その凹凸を埋める状態で、ライニング筒の端部外周面と既設管の内周面との間に接着する。 【0009】従って、ライニング筒の外周面や既設管の内周面に凹凸があっても、ライニング筒の端部外周面を既設管の内周面に対して隙間なく簡便に接着できる。 【0010】請求項2記載の発明の特徴構成は、前記筒状部材を、全周に亘って連続する筒壁を備えた筒状に形成してある点にある。 【0011】つまり、ライニング筒の端部外周面を、その全周に亘って一連に、既設管の内周面に圧着できる。 【0012】従って、ライニング筒の端部外周面を既設管の内周面に確実に固定できる。 【0013】請求項3記載の発明の特徴構成は、前記ライニング筒を、径方向に伸縮自在な筒状組紐に、伸縮性を備えたチューブを内嵌して構成してある点にある。 【0014】従って、既設管内に縮径状態で挿入し易い利点があるものの、筒状組紐によって外周側に凹凸が形成されていて、既設管に対する圧着部位に隙間ができ易い欠点があるライニング筒の端部外周面を既設管の内周面に対して隙間なく簡便に装着できる。 【0015】請求項4記載の発明の特徴構成は、既設管の内周面に接着して管状の気密層を形成するライニング筒の端部外周面を、そのライニング筒の端部内方に装着した筒状部材を拡径方向に塑性変形させて、前記既設管の内周面に圧着するライニング筒の端部固定方法であって、前記筒状部材の内周面を押圧してその筒状部材を拡径方向に塑性変形させる押圧面を備えている円錐台形状の拡径部材を、前記ライニング筒の端部内方に装着した筒状部材よりも奥側に、かつ、小径側端部を前記筒状部材側に向けて、管軸と同芯状に挿入し、前記筒状部材の端部と前記既設管との双方に対して管軸方向から当て付けられる反力受け部材と、前記拡径部材とを管軸方向に相対移動自在に螺着連結する螺軸部材の回転操作で、前記拡径部材を前記筒状部材に挿通させて、前記筒状部材を拡径方向に塑性変形させる点にある。 【0016】つまり、反力受け部材と拡径部材とが近接移動するように螺軸部材を回転操作すると、筒状部材が反力受け部材と拡径部材との間に挟み込まれ、既設管に対して当て付けられている反力受け部材が螺軸部材の回転に伴う反力を受け止めて、筒状部材よりも奥側に挿入した拡径部材が筒状部材の内周側に入り込み、筒状部材をその押圧面で筒軸方向の全長に亘って拡径方向に塑性変形させる。 【0017】従って、従来のように楔などを打ち込むことなく、全周に亘って連続する筒壁を備えた筒状部材でも簡便に拡径方向に塑性変形させて、ライニング筒の端部外周面を既設管の内周面に圧着することができる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。 【0019】図1は、既設管の一例である地中に埋設されている既設のガス管Bの内周面3にライニング筒Aを接着してあるライニング筒の端部固定構造を示す。 【0020】前記ライニング筒Aは、図2に示すように、径方向及び長手方向に伸縮自在な補強用のポリエチレン繊維製の筒状組紐5に、伸縮性を備えたチューブの一例としての薄肉のゴムチューブ6を挿通して構成してあり、ガス管Bの腐食によるガス漏れを補修したり予防する為に、このライニング筒Aを、後述するように、ガス管B内に縮径状態で挿入した後、拡径変形させて、ガス管Bの内周面3に接着し、ゴムチューブ6で管状の気密層4を形成するようにしてある。 【0021】前記ライニング筒Aの端部外周面2は、そのライニング筒Aの端部内方に装着したアルミ合金製の筒状部材1を拡径方向に塑性変形させて、ガス管B端部の内周面3に圧着してあり、筒状部材1は、全周に亘って連続する筒壁1aを備えた筒状に形成してある。 【0022】前記ライニング筒Aの端部外周面2とガス管Bの内周面3との間に、筒状部材1の拡径方向への塑性変形に伴って径方向外方に向けて押圧されて圧縮変形したNBR製の筒状の弾性シール材7を接着してある。 【0023】前記ライニング筒Aの端部端部内周面2をガス管Bの内周面3に圧着固定する方法を、図3〜図7を参照しながら説明する。図3(イ)に示すように、ライニング区間の両端にピットD1,D2を掘削して、ウインチ8aを備えた作業車8を一方のピットD1近くに待機させるとともに、ライニング筒Aを巻いてあるリール9aを備えた作業車9を他方のピットD2近くに待機させ、各ピットD1,D2内に露出させたガス管Bを切断して、通線具等を利用して牽引用ワイヤWを挿通し、その牽引用ワイヤWの一端をウインチ8aの巻き取りドラムに連結し、牽引用ワイヤWの他端をリール9aに巻いてあるライニング筒Aの先端に連結する。 【0024】そして、ウインチ8aの駆動で牽引用ワイヤWを巻き取って、エポキシ系接着材を筒状組紐5に含浸させながら、ライニング筒Aをガス管B内に引き込み、図3(ロ)に示すように、そのライニング筒Aをガス管Bの全長に亘って挿通する。 【0025】このとき、筒状組紐5が牽引力によって伸張しながら縮径して、ゴムチューブ6が径方向で小さく折りたたまれるので、ライニング筒Aを容易に挿通することができる。 【0026】次に、ライニング筒Aの挿通方向先端側をガス管Bの開口に沿って切断し、その端部外周面2をガス管Bの一方の端部内周面3に圧着固定する。 【0027】先ず、弾性シール材7にエポキシ系接着材を塗布して、図4に示すように、拡径方向に押し広げた筒状組紐5とガス管Bとの間に嵌め込む。尚、この弾性シール材7には、筒状組紐5の端面とガス管Bの端面とに当て付けられて位置決めする環状の鍔7aを一体形成してある。 【0028】次に、図5に示すように、筒状部材1をセットした管端固定具Eをガス管Bの端部に取り付けて、その筒状部材1をライニング筒Aの端部内方に装着する。 【0029】前記管端固定具Eは、図8にも示すように、反力受け部材10と、筒状部材1の内周面を押圧してその筒状部材1を拡径方向に塑性変形させる押圧面11aを備えている円錐台形状の拡径部材11とを、螺軸部材12で管軸X方向に相対移動自在に螺着連結して構成されている。 【0030】前記反力受け部材10は、ガス管Bの切断端面に対して管軸X方向から当て付けられる筒状部10aと、筒状部材1の端面に対して管軸X方向から当て付けられる基部10bとを一体に備え、螺軸部材12は、異径に形成した回転操作部12aを外方に突出させて基部10bに着脱自在に螺合されている。 【0031】前記筒状部材1には、拡径部材11よりも大径で、かつ、拡径部材11よりも長さが長い大径筒部1aが一体形成され、大径筒部1aを反力受け部材10側に向けて、反力受け部材10と拡径部材11との間に位置させて螺軸部材12に遊嵌されている。 【0032】前記拡径部材11は、貫通孔11bに抜け止め状態で挿通した螺軸部材12に相対回転自在に支持されて、筒状部材1よりも奥側に、かつ、小径側端部を筒状部材1側に向けて、ライニング筒Aに管軸Xと同芯状に挿入するようにしてある。 【0033】そして、反力受け部材10と拡径部材11とが近接移動するように螺軸部材12を回転操作すると、筒状部材1が反力受け部材10と拡径部材11との間に挟み込まれ、ガス管Bに対して当て付けられている反力受け部材10が螺軸部材12の回転に伴う反力を受け止めて、拡径部材11が筒状部材1の内周側に入り込み、図6,図7に示すように、その拡径部材11が筒状部材1から抜け出て大径筒部1aの内側に入り込むまで、螺軸部材12を回転操作する。 【0034】つまり、管端固定具Eの操作により、拡径部材11を筒状部材1に挿通させて、その筒状部材1を押圧面11aによって筒軸方向の全長に亘って拡径方向に塑性変形させ、図7に示すように、ライニング筒Aの挿入方向先端側の端部外周面2が、径方向外方に向けて押圧されて圧縮変形した弾性シール材7を挟んで、ガス管Bの一方の端部内周面に隙間なく圧着固定される。 【0035】次に、管端固定具Eをガス管B端部から外して、弾性シール材7の鍔7aと筒状部材1の大径筒部1aとを切断除去した後、ゴムチューブ6の挿通方向後端側を密封して、ライニング筒A内に加圧空気を供給し、一旦、ゴムチューブ6をガス管Bの内周面に沿う形状に膨らませると、筒状組紐5は、長手方向に収縮しながら拡径して、ガス管Bとゴムチューブ6との間に挟み付けられる。 【0036】次に、加圧空気の供給を停止し、ライニング筒Aの挿通方向後端側をガス管Bの開口に沿って切断して、その端部外周面2を、前述と同様に、拡径変形させた筒状部材1でガス管Bの他方の端部内周面3に圧着固定する。 【0037】そして、ライニング筒Aの挿通方向後端側を密封し、ライニング筒A内に加熱加圧蒸気を供給してエポキシ系接着材を硬化させると、図1に示したように、ゴムチューブ6が筒状組紐5に内嵌した状態で接着したライニング筒Aが、ガス管Bの内周面3に接着固定される。 【0038】〔その他の実施形態〕 〈1〉上記実施形態では、筒状の弾性シール材を示したが、Oリング状の弾性シール材であっても良い。 〈2〉上記実施形態では、筒状組紐にゴムチューブを挿通してあるライニング筒を示したが、筒状組紐に軟質の樹脂チューブを挿通してあるライニング筒やポリエチレン製のライニング筒であっても良い。 〈3〉上記実施形態では、全周に亘って連続する筒壁を備えた筒状部材を示したが、周方向の一箇所を分断してある断面がC形の筒状部材であっても良い。 〈4〉上記実施形態では、ライニング筒の端部を既設管の切断端部における内周面に圧着固定したが、既設管の端部以外の内周面に圧着固定しても良い。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000284 【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年9月10日(1998.9.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
|
| 【公開番号】 |
特開2000−88181(P2000−88181A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月31日(2000.3.31) |
| 【出願番号】 |
特願平10−256136 |
|