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【発明の名称】 空気圧工具の空気供給/排気システム
【発明者】 【氏名】内藤 恭裕

【氏名】竹村 元

【要約】 【課題】空気圧工具の排気による騒音や埃の飛散を減少させる。

【解決手段】空気圧釘打ち機3に二重管構造の同軸管継手を設け、同軸管継手の中心通路をエアチャンバへ接続し、外部通路と空気圧シリンダの排気ポートとを接続する。消音器2に管継手と同軸管継手を設け、管継手と同軸管継手の中心通路を中継管路で接続し、同軸管継手の外部通路を消音チャンバへ接続する。消音器2と空気圧釘打ち機3のそれぞれの同軸管継手を同軸エアホース5で接続し、消音器2の管継手とエアコンプレッサ1とをエアホース4で接続する。圧力空気は、エアコンプレッサ1からエアホース4、消音器2の中継通路、同軸エアホース5の中心ホースを通り空気圧釘打ち機3へ供給される。空気圧釘打ち機3の排出空気は、同軸管継手の外部通路からエアホース5の外部ホースを経て消音器2から大気へ排出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 空気圧シリンダを内蔵する空気圧工具に二重管構造の同軸管継手を設け、前記同軸管継手の中心通路を空気圧工具内のエアチャンバへ連通させ、同軸管継手の外部通路と空気圧シリンダの排気ポートとを接続する排気管路を設けて、同軸管継手の外部通路を通じて排気空気を排出するように形成し、消音チャンバを有する消音器に管継手と同軸管継手とを設け、管継手の空気通路と前記同軸管継手の中心通路とを接続する中継管路を設け、同軸管継手の外部通路を消音チャンバへ連通させ、空気圧工具の同軸管継手と消音器の同軸管継手とを二重管構造の同軸エアホースにより接続し、消音器の他方の管継手とエアコンプレッサの管継手とをエアホースを介して接続する構成の空気圧工具の空気供給/排気システム。
【請求項2】 上記消音器の消音チャンバに、消音チャンバへ流入する排気流を衝突させるバッフルプレートを設け、空気圧工具の排気中に含まれる潤滑油をバッフルプレートによって捕捉するように構成した請求項1記載の空気圧工具の空気供給/排気システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気圧工具の空気供給/排気システムに関するものであり、特に、空気圧工具の排気音を軽減し、排気流による埃の飛散を防止した空気圧工具の空気供給/排気システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般に、空気圧駆動式の釘打ち機やステープル打ち機等の工具は、ドライバを駆動するための空気圧シリンダを内蔵したハウジングの頭部に排気口が設けられていて、釘やステープルを打ち込んだ後にピストンの背面側の圧力空気を排気口から大気に排気してピストンが待機位置へ戻る構造となっている。したがって、空気圧工具を保持している作業者の至近距離で圧力空気が排気されるので、作業者が感じる音圧が高く、排気騒音による疲労が無視できない。また、排気口から噴出する空気流が周囲の埃やおが屑等を吹き上げて作業環境を悪化させるという問題がある。
【0003】上記の問題を解消するための提案としては、空気圧工具とエアホースの管継手を同軸二重管構造とし、中心通路を空気供給通路とし、中心通路を取巻く外部通路を排気通路としたもの(実公昭50−27608号)が知られている。
【0004】ここに記載されている管継手は、エアコンプレッサからの圧力空気が管継手の中心通路を通じて空気圧工具のエアチャンバへ供給され、空気シリンダを駆動後の排気は管継手の外部通路を通じて排出される構造である。空気圧工具へ管継手を介して接続されるエアホースは、管継手から或る程度の長さまでが空気供給ホースの外周に外部ホースを設けた同軸二重管構造であり、エアホースの中間で外部ホースが終わっていて外部ホースの端部は開放されている。したがって、空気シリンダを駆動した後の排気空気は、管継手の外部通路及びエアホースの外部ホースを通って外部ホースの開放端部から大気へ排出される。
【0005】上記の管継手及び同軸エアホースを使用した場合は、同軸エアホースにより排気口が作業者から遠ざけられて作業者が感じる騒音が低下し、作業者の顔前に埃等が吹き上げられることはない。しかし、減音効果は殆どないので排気音の絶対音量は空気圧工具から直接排気するものと大差なく、また、床面にエアホースを引き回した場合は、床面に接している外部ホースの端部排気口からの排気による埃等の飛散量は、空気圧工具から直接排気するものより多くなることがある。
【0006】そこで、排気音の絶対音量並びに排気流速を低下させて、騒音と埃等の飛散を可及的に抑制するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は上記課題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を達成するために提案するものであり、空気圧シリンダを内蔵する空気圧工具に二重管構造の同軸管継手を設け、前記同軸管継手の中心通路を空気圧工具内のエアチャンバへ連通させ、同軸管継手の外部通路と空気圧シリンダの排気ポートとを接続する排気管路を設けて、同軸管継手の外部通路を通じて排気空気を排出するように形成し、消音チャンバを有する消音器に管継手と同軸管継手とを設け、管継手の空気通路と前記同軸管継手の中心通路とを接続する中継管路を設け、同軸管継手の外部通路を消音チャンバへ連通させ、空気圧工具の同軸管継手と消音器の同軸管継手とを二重管構造の同軸エアホースにより接続し、消音器の他方の管継手とエアコンプレッサの管継手とをエアホースを介して接続する構成の空気圧工具の空気供給/排気システムを提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を図に従って説明する。図1は空気圧工具の空気供給/排気システムの構成図であり、1はエアコンプレッサ、2は消音器、3は空気圧釘打ち機である。エアコンプレッサ1と消音器2はエアホース4で接続し、消音器2と空気圧釘打ち機3は同軸エアホース5で接続している。エアコンプレッサ1が送り出す高圧空気は、エアホース4から消音器2の中継通路及び同軸エアホース5の中心ホースを通って空気圧釘打ち機3へ供給され、空気圧釘打ち機3の排出空気は同軸エアホース5の外部ホースを経て消音器2から大気へ排出される。
【0009】図2は消音器2を示し、直管である内筒6の一端部(図1において左)に形成した小径部6aと、他端部に設けた通気穴付きのフランジ6bとにそれぞれ円形のエンドプレート7,8を装着して、内筒6を取り囲む円筒形の外カバー9を二枚のエンドプレート7,8の縁部で挟み、二枚のエンドプレート7,8に設けた複数の穴にステーボルト10を挿通し、ステーボルト10の両端部にナット11を締めつけて固定している。外カバー9には多数の排気穴(図示せず)を設けてあり、外カバー9とステーボルト10との間にフェルト等の吸音材12を充填している。
【0010】内筒6のフランジ6b側の端部には同軸二重管継手のソケット13(以下、同軸ソケットという)をねじ込み、他端部に一般的な単管継手のプラグ14をねじ込んである。同軸ソケット13の中心通路13aは、内筒6の内部通路6cを通じてプラグ14の中心通路14aへ連通し、同軸ソケット13の外部通路13bは、内筒6のフランジ6bの通気穴6dと外カバー9の排気穴を通じて大気へ連通している。
【0011】同軸ソケット13には同軸エアホース5の同軸プラグ15を接続し、同軸エアホース5の他端の同軸ソケットを空気圧釘打ち機3の同軸プラグへ接続し、プラグ14にはエアホース4のソケット(図示せず)を接続して、エアホース4の他端のプラグをエアコンプレッサのソケットに接続する。
【0012】図3は空気圧釘打ち機3を示し、グリップ部16の端部に同軸プラグ15が装着され、同軸プラグ15の中心通路15aは、グリップ部16内のエアチャンバ17に連通し、同軸プラグ15の外部通路15bは、グリップ部16内を通る排気管路18を介して空気圧シリンダ19のヘッド側の排気ポート20へ連通している。エアコンプレッサ1が送り出す圧力空気は、エアホース4、消音器2の内部通路、同軸エアホース5の中心ホース5aを経て空気圧釘打ち機3のエアチャンバ17に供給される。
【0013】空気圧釘打ち機3の構成並びに動作原理は周知であるので簡単に説明するが、トリガレバー21を引くことにより、空気圧シリンダ19のヘッドバルブ22の上面に作用しているパイロット圧が排出され、ヘッドバルブ22が図3に示す下降位置から上昇してエアチャンバ17から空気圧シリンダ19のヘッド側空気室内に圧力空気が流入する。これにより、ピストン23及びドライバ24がシリンダ内を急激に下降して、ドライバ24がノーズ部25内の釘を打撃して木材等に釘を打込む。
【0014】打込み後にトリガレバー21を戻せば、ヘッドバルブ22の上面にパイロット圧が加わり、パイロット圧によりヘッドバルブ22が下降してエアチャンバ17と空気圧シリンダ19との連通が断たれるとともに、ヘッド側の排気ポート20が排気管路18に連通する。これにより、ヘッド側空気室内の圧力空気は、排気管路18から同軸エアホース5の外部ホース5b内、及び消音器2の同軸ソケット13の外部通路13bを通り、内筒6と外カバー9とによって形成される消音チャンバ内で減音され、吸音材12及び外カバー9の排気穴を通じて大気へ排出される。
【0015】このように、空気圧工具3の排気空気を作業者から離れた場所で消音器2を介して排出するので、排気音の絶対音量が低下し、特に作業者に聞こえる排気音量が著しく低下する。また、消音器2により排気流の流速が減速されるので、消音器2を床面に置いた場合であっても、床上の埃等を飛散させることが少なく衛生的であり、消音器を埃等の少ない場所や床面よりも高い位置に設置することにより、さらに埃等の飛散を防止することができる。
【0016】図4は、請求項2記載の発明における消音器の実施形態を示し、この消音器31は、両端のエンドプレート32,33の間にカップ形のバッフルプレート34を挿入して外カバー35の内部を二室に区分している。バッフルプレート34は、空気圧釘打ち機の排気中に含まれる潤滑オイルの霧状油滴を捕捉するためのものであり、その中心穴を内筒36に形成した小径部36aに挿入し、カップ部34aの端面は同軸ソケット13側のエンドプレート33の内側面に接して、内筒36とエンドプレート33とにより挟まれて固定されている。
【0017】バッフルプレート34には複数の通気穴34bが形成されており、両端のエンドプレート32,33を連結するステーボルト37が通気穴34a内を通っている。同軸ソケット13の外部通路13bからエンドプレート33とバッフルプレート34との間の空間に流入した排気流は、バッフルプレート34に衝突して排気中に含まれる霧状の油滴がバッフルプレート34に付着する。そして、大部分の油滴を除去された空気がバッフルプレート34の通気穴34bから吸音材38を通過して外カバー35の排気穴から大気へ放出される。したがって、周辺に油滴が飛散することがなく、油滴で汚染されることが防止されるとともに、吸音材38の汚れや目詰まりが軽減されて耐用時間が延長されるという効果がある。
【0018】尚、この発明は上記の実施形態に限定するものではなく、この発明の技術的範囲内において種々の改変が可能であり、この発明がそれらの改変されたものに及ぶことは当然である。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の空気圧工具の空気供給/排気システムは、空気圧工具の排気空気を同軸エアホースを通じて作業者から離れた位置の消音器へ導いて排気するので、排気音が低下し、特に、作業者の位置における排気音を著しく減少させることができる。また、消音器により排気流速が低下するので、埃等が飛散することも殆ど無くなり、騒音や衛生面の問題を改善でき、作業環境の向上に寄与する発明である。
【出願人】 【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
【出願日】 平成10年9月16日(1998.9.16)
【代理人】 【識別番号】100060575
【弁理士】
【氏名又は名称】林 孝吉
【公開番号】 特開2000−88176(P2000−88176A)
【公開日】 平成12年3月31日(2000.3.31)
【出願番号】 特願平10−261368