| 【発明の名称】 |
コンクリート圧送用脈動吸収装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 幸信
【氏名】佐波 弘一朗
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| 【要約】 |
【課題】圧送時の脈動を平滑化すること。
【解決手段】装置は、コンクリートポンプ10に一端が接続された圧送経路12に中に介装された中空構造の弾性筒体14を有している。 弾性筒体14は、内容積が流通するコンクリートの圧力に対応して、拡大,縮小するようになっている。圧送経路12に、コンクリートを送り込むと、コンクリートは、脈動を繰返しながら吐出口側に送出される。弾性筒体14は、脈動圧が高くなると、その内容積が拡大し、弾性筒体14から吐出するコンクリートの脈動圧が低くなる。また、脈動圧が低くなると、弾性筒体14の内容積が縮小し、弾性筒体14から吐出するコンクリートの脈動圧が高くなる。このため、弾性筒体14を通過して、弾性筒体14から吐出されるコンクリートの脈動圧は、平滑化されたものとなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コンクリートの圧送経路中に介装され、前記圧送経路中を流下するコンクリートの脈動圧力に応じて、内容積が拡大,縮小する弾性筒体を有することを特徴とするコンクリート圧送用脈動吸収装置。 【請求項2】 前記弾性筒体は、その外周側が筒状容器部により密閉状態で包囲され、この筒状容器部と前記弾性筒体との間に、前記コンクリート脈動圧力に応じて、流体を注入,排除する圧力調整器を設置したことを特徴とする請求項1記載のコンクリート圧送用脈動吸収装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、コンクリートを圧送する際に用いられる脈動圧力の吸収装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】コンクリート構造物の構築現場において、打込み場所までコンクリートを運搬する方法には、様々な提案があり、このなかには、コンクリートポンプを用いる圧送方法がある。 【0003】このようなコンクリートの圧送方法は、コンクリートをポンプにより加圧して、圧送管内を通過させるので、連続的に大量のコンクリートを打込み場所まで運搬することができるという利点がある。 【0004】ところが、このようなコンクリートの圧送方法では、特別な場合を除いて、ポンプによる脈動圧が発生し、この脈動圧に基づいて、以下に示すような解決すべき問題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】すなわち、コンクリートの圧送時には、圧送管の先端側で、通常、作業員が先端ホースを保持し、打込み場所を移動するが、圧送時に脈動圧が発生すると、圧送ホースが脈動により暴れだし、作業員が跳ね飛ばされる恐れがある。 【0006】また、脈動を抑えるために、例えば、圧送管を配筋などに強固に固定すると、脈動により配筋が損傷を受ける恐れがあるだけでなく、作業性も悪くなる。 【0007】さらに、コンクリートに急結剤や急硬剤を添加して、吹付けコンクリートを施工する場合になどには、脈動のためにこれらの添加剤の配合が不均一になり、部分的に過剰ないしは過少添加になるという問題があり、コンクリートの圧送時の脈動の解消対策が希求されていた。 【0008】本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、コンクリートの圧送時の脈動発生を解消ないしは低減することができる脈動吸収装置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、コンクリートの圧送経路中に介装され、前記圧送経路中を流下するコンクリートの脈動圧力に応じて、内容積が拡大,縮小する弾性筒体を有している。このように構成したコンクリート圧送用脈動吸収装置によれば、圧送経路中を流下するコンクリートの脈動圧に応じて、内容積が拡大,縮小する弾性筒体を有しているので、コンクリートの脈動圧が大きくなると、弾性筒体の内容積が拡大して、圧力を低下させるとともに、脈動圧が小さくなると、弾性筒体の内容積が縮小して、圧力を上昇させる。この結果、弾性筒体のコンクリート吐出側において、脈動圧の平滑化を図ることができる。前記弾性筒体は、その外周側が筒状容器部により密閉状態で包囲され、この筒状容器部と前記弾性筒体との間に、前記コンクリート脈動圧力に応じて、流体を注入,排除する圧力調整器を設置することができる。この構成によれば、コンクリートの脈動圧が、弾性筒体の内容積の拡大,縮小による前述した平滑化による吸収効果を越えた場合に、圧力調整器により、強制的に流体を注入,排除することで、弾性筒体の内容積を変えて、脈動圧を吸収することができる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照にして詳細に説明する。図1および図2は、本発明にかかるコンクリート圧送用脈動吸収装置の一実施例を示している。 【0011】同図に示した脈動吸収装置は、コンクリートポンプ10に一端が接続された圧送経路12に中に介装された中空構造の弾性筒体14を有している。 【0012】弾性筒体14は、例えば、天然ないしは合成ゴムなどの柔軟な弾性体から構成され、内容積が流通するコンクリートの圧力に対応して、拡大,縮小するようになっていて、両端側に接続フランジ16が固設されている。 【0013】接続フランジ16は、圧送経路12中に設けられたフランジ18とボルトナットを用いて連結接続される。このように構成したコンクリート圧送経路12に、コンクリートポンプ10を駆動させて、コンクリートを送り込むと、圧送経路12中を流下するコンクリートは、図2に実線で示すような、脈動を繰返しながら吐出口側の送出される。 【0014】このとき、本実施例の弾性筒体14は、以下に説明するような挙動を示し、この脈動を吸収する。すなわち、本実施例の弾性筒体14は、圧送経路12中を流下するコンクリートの脈動圧が高くなると、その内容積が拡大し、その結果、弾性筒体14から吐出するコンクリートの脈動圧が低くなる。 【0015】他方、圧送経路12中を流下するコンクリートの脈動圧が低くなると、弾性筒体14の内容積が縮小し、その結果、弾性筒体14から吐出するコンクリートの脈動圧が高くなる。 【0016】このため、弾性筒体14を通過して、弾性筒体14から吐出されるコンクリートの脈動圧は、図2に点線で示すように、平滑化されたものとなり、ほぼ一定量を常時、コンクリート圧送経路12の吐出端側に送出すことができる。 【0017】さて、以上のように構成された脈動吸収装置によれば、弾性筒体14を接続フランジ16を介して、圧送経路12に連結するだけなので、取扱および構造が簡単で、しかも、特別な操作を必要とすることなく、脈動圧を平滑化することができる。 【0018】また、弾性筒体14の接続個所は、コンクリートポンプ10の出口近傍から、圧送経路12の吐出口近傍まで、任意に選択することができ、自由度が非常に大きい。 【0019】図3は、本発明にかかる脈動吸収装置の他の実施例を示しており、上記実施例と同一もしくは相当する部分には、同一符号を付してその説明を省略するとともに、以下のその特徴点についてのみ説明する。 【0020】同図に示した実施例では、弾性筒体14は、その外周側が筒状容器部20により密閉状態で包囲され、この筒状容器部20と弾性筒体14との間の空間21に、コンクリート脈動圧力に応じて、流体、具体的には、オイルOを注入,排除する圧力調整器22を設置している。 【0021】弾性筒体14の両端には、金属製の接続パイプ23がそれぞれ接続されていて、各接続パイプ23は、筒状容器部20の貫通部分において、容器部20に固着されている。 【0022】また、各接続パイプ23の端部には、接続用フランジ16がそれぞれ固設されている。オイルOは、オイルタンク24内に収納され、このオイルタンク24は、空間21とオイル供給通路26およびオイルリターン通路28を介して接続されている。 【0023】オイル供給通路26とオイルリターン通路28には、それぞれ制御弁30,32が介装されていて、圧力調整器22は、コンクリートポンプ10側の接続パイプ23の内面に固設された圧力センサー34の検出値に基づいて、制御弁30,32を以下のように開閉制御する。 【0024】すなわち、本実施例の脈動吸収装置では、コンクリートの脈動圧が、弾性筒体14の内容積の拡大,縮小による前述した平滑化による吸収効果を越えた場合に、圧力調整器22により、強制的にオイルOを注入,排除することで、弾性筒体14の内容積を変えて、脈動圧を吸収するように作動させる。 【0025】このため、圧力センサー34の検出圧は、弾性筒体14の内容積の拡大,縮小の弾性限界の近傍に設定する。圧力センサー34の検出圧をこのように設定すると、この検出圧までは、圧力調整器22が作動せず、弾性筒体14の拡大,縮小機能に基づいて、コンクリートの脈動圧の平滑化が行われる。 【0026】そして、コンクリートの脈動圧の最大ないしは最小値が、弾性筒体14の弾性限界近傍になった場合には、圧力センサー34がこれを検出すると、圧力調整器22が作動する。 【0027】この場合の作動は、圧力調整器22により、強制的にオイルOを注入,排除することで、弾性筒体14の内容積を変えて、脈動圧を吸収するようにさせるものであるが、特に、脈動圧の最小値が弾性限界よりも低い場合に効果的に機能する。 【0028】すなわち、脈動圧が弾性筒体14の弾性限界を越えた場合には、圧力調整器22により空間21内からオイルOを排除しても、弾性筒体14を強制的に拡大することは難しいが、脈動圧が弾性筒体14の縮小限界以下になった場合には、空間21内にオイルO注入することで対応することが可能なる。 【0029】なお、この実施例の場合には、圧力センサー34によりコンクリートの流下方向の前流側で脈動を検出することができるので、この脈動に基づいて、弾性筒体14を予測制御することもできる。 【0030】つまり、圧力センサー34で検出された圧力値に基づいて、圧力値が高ければ、予め弾性筒体14を拡大し、また、圧力値が低ければ、予め弾性筒体14を縮小させることができる。 【0031】このような予測制御を行うと、コンクリートの脈動に追随した状態での平滑化が行える。 【0032】また、上記実施例で示した流体は、オイルだけでなく、他の流体、例えば、水,空気などであってもよい。 【0033】 【発明の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、本発明にかかるコンクリート圧送用脈動吸収装置によれば、圧送時の脈動を平滑化することにより、常時ほぼ一定量を圧送することが可能になり、コンクリート打設作業の安全性が向上するとともに、脈動に基づく添加剤の配合の不均性を排除することも可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000549 【氏名又は名称】株式会社大林組
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| 【出願日】 |
平成10年9月16日(1998.9.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087686 【弁理士】 【氏名又は名称】松本 雅利
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| 【公開番号】 |
特開2000−88175(P2000−88175A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月31日(2000.3.31) |
| 【出願番号】 |
特願平10−261187 |
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