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【発明の名称】 配管構造、既設管切削工法、不断流バルブ挿入工法、仕切弁体および不断流挿入用バルブ装置
【発明者】 【氏名】佐藤 敏之

【氏名】山下 保

【要約】 【課題】密閉ケースの小型化を図り、かつ、既設管が破損しにくい配管構造、既設管切削工法および不断水バルブ挿入工法を提供する。

【解決手段】既設管1の周方向に約180°の範囲にわたって切欠された溝状の切削溝12Cを有する既設管1と、該既設管1の周方向に複数個に分割されていると共に既設管1を気密状態で囲撓する密閉ケースと、閉塞状態において、既設管1における内周面1bと、該既設管1における切削溝12Cを形成する切削面12fとに接触するゴムパッキン8dを有し、密閉ケース内を既設管1の径方向に移動して、切削溝12Cから既設管1内に侵入することで、ゴムパッキン8bが内周面1bおよび切削面12fに圧接して、既設管1内の流体の流れを止める仕切弁体8aと、弁体8aを径方向に移動させる弁棒とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 既設管の周方向に約180°の範囲にわたって切欠された溝状の切削溝を有する既設管と、該既設管の周方向に複数個に分割されていると共に前記既設管を気密状態で囲繞する密閉ケースと、閉塞状態において、前記既設管における内周面と、該既設管における前記切削溝を形成する切削面とに接触するゴムパッキンを有し、前記密閉ケース内を前記既設管の径方向に移動して、前記切削溝から前記既設管内に侵入することで、前記ゴムパッキンが前記内周面および切削面に圧接して、前記既設管内の流体の流れを止める仕切弁体と、を備えた配管構造。
【請求項2】 既設管の周方向に約180°の範囲にわたって切欠された溝状の切削溝を有する既設管と、該既設管の周方向に複数個に分割されていると共に前記既設管を気密状態で囲繞する密閉ケースと、閉塞状態において、前記既設管における内周面と、該既設管における前記切削溝を形成する切削面とに接触するゴムパッキンを有し、前記密閉ケース内を前記既設管の径方向に移動して、前記切削溝から前記既設管内に侵入することで、前記ゴムパッキンが前記内周面および切削面に圧接して、前記既設管内の流体の流れを止める仕切弁体と、前記弁体を前記径方向に移動させる弁棒と、を備えた配管構造。
【請求項3】 請求項1もしくは2において、前記切削溝が切削工具により切削されて形成されていることを特徴とする配管構造。
【請求項4】 請求項3において、前記切削溝における周方向の両端部の切削面と、当該部分における前記既設管の表面とのなす角が45°よりも大きな角度に設定されている配管構造。
【請求項5】 請求項4において、前記切削溝は、該切削溝における周方向の両端部が略U字状に形成されている配管構造。
【請求項6】 請求項5において、前記切削溝は、該切削溝の両端部を除く部分が一定の溝の幅に設定されている配管構造。
【請求項7】 請求項1もしくは2において、前記密閉ケースは、前記既設管の外周面に沿って形成された第1分割ケースと、前記仕切弁体が移動する移動用孔を有すると共に、開弁時に仕切弁体の少なくとも一部を収容する第2分割ケースと、該第2分割ケースの前記移動用孔を閉塞する弁蓋と、を備えた配管構造。
【請求項8】 既設管の一部を、該既設管の周方向に複数個に分割された密閉ケースによって気密状態で囲繞すると共に、前記既設管の径方向に設定した軸線のまわりに回転自在に支持され、かつ、柱の先端面および外周面に切レ刃をそれぞれ複数有する切削工具を、前記密閉ケースに取り付けた状態で該密閉ケース内に収容し、前記切削工具を原動機の動力で前記軸線のまわりに回転させて該切削工具の回転により前記既設管を切削する切削運動を行わせつつ、前記切削工具を前記既設管の径方向に向って送ると共に、前記密閉ケースの少なくとも一部を前記既設管の前記周方向に回転させることにより、前記切削工具を前記周方向に回転させて前記切削工具に送り運動を行わせることで、前記既設管を前記切削工具によって前記周方向に約180°の範囲にわたって切削する既設管切削工法。
【請求項9】 請求項8において、前記切削工具が前記既設管の管壁の一部を貫通する位置まで前記切削工具を前記既設管の径方向の概ね中心に向って送った後、該切削工具が前記管壁を貫通した状態において前記切削工具に前記切削運動を行わせつつ前記送り運動を行わせる既設管切削工法。
【請求項10】 請求項8の切削工具により前記既設管を前記約180°の範囲にわたって切削した後に、該切削した切削溝から前記既設管内に侵入して、前記切削溝を閉塞すると共に前記既設管の内周面に圧接して、前記既設管を閉止する弁体を持つバルブを管路に挿入する不断流バルブ挿入工法。
【請求項11】 既設管の周方向に約180°の範囲にわたって切り開かれた開孔から前記既設管内に侵入して既設管内の流体の流れを止める仕切弁体において、前記既設管の開孔が溝状に形成され、該溝における周方向の両端部の切削面と、当該部分における前記既設管の表面とのなす角が45°よりも大きな角度に設定され、前記仕切弁体にはゴムパッキンが装着され、該ゴムパッキンは前記溝における切削面に圧接する第1ゴムパッキン部と、前記既設管の内周面に圧接する第2ゴムパッキン部とが連なって形成されていることを特徴とする不断流挿入用の仕切弁体。
【請求項12】 請求項11において、前記第1ゴムパッキン部は、前記仕切弁体における両端部が略U字状に形成され、前記両端部を除く部分が略一定幅の前記溝状の開孔に合致するように形成されている仕切弁体。
【請求項13】 既設管に形成された開孔から該既設管内に侵入して、仕切弁体の第1ゴムパッキン部が前記既設管の開孔を形成する切削面に接触すると共に、第2ゴムパッキン部が前記既設管の内周面に接触して閉弁状態となる仕切弁体であって、先端面および円筒面に沿った切レ刃を持つ切削工具で前記既設管を管径方向に切り込み、その後、該切削工具を管の周方向に沿って移動させて該既設管の周方向に略180°の範囲にわたって形成された溝状の前記開孔における切削面に対応する接触面を、前記第1ゴムパッキン部が有することを特徴とする仕切弁体。
【請求項14】 既設管に形成された開孔から該既設管内に侵入して、仕切弁体の第1ゴムパッキン部が前記既設管の開孔を形成する切削面に接触すると共に、第2ゴムパッキン部が前記既設管の内周面に接触して閉弁状態となる仕切弁体であって、前記開孔が管径方向よりも管軸方向に幅狭な溝状に形成されているのに対し、前記第1ゴムパッキン部が前記溝状の開孔の切削面に沿った形状を持つことを特徴とする仕切弁体。
【請求項15】 既設管に形成された開孔から該既設管内に侵入して、仕切弁体の第1ゴムパッキン部が前記既設管の開孔を形成する切削面に接触すると共に、第2ゴムパッキン部が前記既設管の内周面に接触して閉弁状態となる仕切弁体であって、前記切削面に接触する第1ゴムパッキン部における管径方向の両端部が、前記第2ゴムパッキン部に対して段部を形成すると共に、該段部が前記仕切弁体の侵入方向に対して交差する面を持つことを特徴とする仕切弁体。
【請求項16】 既設管に形成された開孔から該既設管内に侵入して、仕切弁体の第1ゴムパッキン部が前記既設管の開孔を形成する切削面に接触すると共に、第2ゴムパッキン部が前記既設管の内周面に接触して閉弁状態となる仕切弁体であって、前記第1ゴムパッキン部は、管径方向の両端部を除いた部分が既設管の横断面に沿って形成された第1接触面と、該第1接触面を前記両端部において前記第2ゴムパッキン部に連ねる第2接触面とを有することを特徴とする仕切弁体。
【請求項17】 既設管に形成された開孔から該既設管内に侵入して、仕切弁体の第1ゴムパッキン部が前記既設管の開孔を形成する切削面に接触すると共に、第2ゴムパッキン部が前記既設管の内周面に接触して閉弁状態となる仕切弁体であって、前記第1ゴムパッキン部は、管径方向の両端部を除いた部分が既設管の横断面に沿った互いに略平行な一対の第1接触面と、これらの2つの第1接触面を前記両端部において連ねる略U字状の第2接触面とを有することを特徴とする仕切弁体。
【請求項18】 既設管と仕切弁体との間をシールするゴムパッキンを備え、前記既設管に形成された開孔から、該既設管の流路に対して略直交する直交方向に前記既設管内に侵入して閉弁状態となる仕切弁体において、前記既設管の開孔を形成する切削面に沿った表面を持つ第1ゴムパッキン部と、前記仕切弁体の下端から前記流路に略直交する平面に沿って前記既設管の内周面における略両端に至るまで延設された略半円弧状ないしU字状の第2ゴムパッキン部とを備えたゴムパッキンが前記仕切弁体に装着され、閉弁状態においては、前記既設管の開孔の切削面に前記第1ゴムパッキン部が圧接すると共に、前記既設管の流路を形成する内周面に前記第2ゴムパッキン部が圧接し、前記開孔の周方向の両端部を除く部分が略一定の幅に形成されているのに対し、前記第1ゴムパッキン部が前記開孔の切削面に沿った形状を持つことを特徴とする仕切弁体。
【請求項19】 既設管の周方向に複数個に分割されていると共に、前記既設管の一部を気密状態で囲繞し、かつ、該気密状態で前記既設管の周りを回転可能な密閉ケースと、該密閉ケースに収容された請求項11ないし18のいずれかに記載の前記仕切弁体とを備えた不断流挿入用バルブ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明のバックグラウンド】発明の分野:本発明は配管構造、既設管切削工法、不断流バルブ挿入工法、該工法に用いる仕切弁体および不断流挿入用バルブ装置に関するものである。
【0002】従来の技術の説明:従来より、不断水で既設管を穿孔し、該既設管を含む管路における前記既設管の穿孔箇所にバルブを挿入する不断水バルブ挿入工法は周知である。
【0003】図28(a),図28(b)は、U.S.P.No. 3,948,282 に開示された従来の不断水バルブ挿入工法の概略を示す。この図に示す従来技術では、図28(a)の既設管1を密閉ケース800で囲繞する。ついで、密閉ケース800に作業用仕切弁801などを取り付ける。この後、周知の工法に従って、ホールソー802により、既設管1に円形の孔803を穿孔する。この穿孔後、図28(b)に示すように、前記穿孔した円形の孔803に嵌まり込む弁体804を挿入する。
【0004】この従来のバルブ挿入工法では、既設管1の内径と略等しい直径の孔803を設けるので、図28(a)の密閉ケース800が管軸方向に長くなって大型化する。また、この従来技術では、円形の孔に相当する大きな面積について、図28(b)の弁体804に水圧が加わるので、弁棒806の直径が大きくなる。しかも、このバルブ挿入工法では、既設管1における孔803の周縁部805が薄肉になり、該周縁部805に弁体804からの圧力が加わるので、既設管1が破損し易い。
【0005】
【発明の概要】本発明は前記従来の問題を解決するためになされたもので、その主目的は、密閉ケースの小型化を図り得る配管構造、既設管切削工法および不断流バルブ挿入工法を提供することである。また、本発明の他の目的は、既設管が破損しにくい配管構造、既設管切削工法および不断流バルブ挿入工法を提供することである。また、本発明の更なる他の目的は、かかる工法等により挿入される仕切弁体等を提供することである。
【0006】前記目的を達成するために、本発明の配管構造は、既設管と、密閉ケースと、仕切弁体とを備えている。前記既設管は、該既設管の周方向に約180°の範囲にわたって切欠された溝状の切削溝を有する。前記密閉ケースは、前記既設管の周方向に複数個に分割されていると共に前記既設管を気密状態で囲繞する。前記仕切弁体は、閉塞状態において、前記既設管における内周面と、該既設管における前記切削溝を形成する切削面とに接触するゴムパッキンを有する。該仕切弁体は前記密閉ケース内を前記既設管の径方向に移動して、前記切削溝から前記既設管内に侵入することで、前記ゴムパッキンが前記既設管内の流体の流れを止める。
【0007】本発明の好ましい実施例では、前記溝状の切削溝は、既設管を切削工具により切削して形成する。また、本発明の好適な実施例では、前記切削溝における周方向の両端部の切削面と、当該部分における前記既設管の表面とのなす角が45°よりも大きな角度に設定されており、より好ましくは45°〜90°の範囲に設定される。また、本発明の更に好適な実施例では、前記切削溝における周方向の両端部が略U字状に形成されている。
【0008】本発明の配管構造は、たとえば本発明の既設管切削工法で既設管を切削した後に、本発明の不断流バルブ挿入工法により、バルブを管路に挿入されることによって完成される。
【0009】すなわち、本発明の既設管切削工法は、まず、既設管の一部を、該既設管の周方向に複数個に分割された密閉ケースによって気密状態で囲繞すると共に、前記既設管の径方向に設定した軸線のまわりに回転自在に支持され、かつ、柱の先端面および外周面に切レ刃をそれぞれ複数有する切削工具を、前記密閉ケースに取り付けた状態で該密閉ケース内に収容する。ついで、前記切削工具を原動機の動力で前記軸線のまわりに回転させて該切削工具の回転により前記既設管を切削する切削運動を行わせつつ、前記切削工具を前記既設管の径方向に向って送ると共に、前記密閉ケースの少なくとも一部を前記既設管の前記周方向に回転させることにより、前記切削工具を前記周方向に回転させて前記切削工具に送り運動を行わせることで、前記既設管を前記切削工具によって前記周方向に約180°の範囲にわたって切削する。
【0010】本発明の切削工法にしたがって、前記切削工具により前記既設管を約180°の範囲にわたって切削した後にバルブを管路に挿入する。このバルブの仕切弁体は、前記切削した切削溝から前記既設管内に侵入して、前記切削溝を閉塞すると共に前記既設管の内周面に圧接して、前記既設管を閉止する。
【0011】本発明において、「既設管」とは、管内に水のような流体が流れている管をいい、一般に、地中に埋設されていることが多い。「密閉」とは、完全に密閉するという意味ではなく、不断水(流)で工事ができる程度の水(気)密性を保つという意味である。したがって、「密閉ケース」とは、既設管内を流れる流体の圧力に耐え得る耐圧性能と、ある程度の止水性能を持つケースをいう。また、「気密状態で囲繞する」とは、切削や、切削後のバルブ挿入などの作業に支障を来さない程度に密閉するという意味であり、たとえば、前記密閉ケースに排水口を設け、該排水口を切削中に開いておいて、該排水口から水と共に切粉を排出してもよい。
【0012】本切断工法に用いる「切削工具」は、複数の切レ刃を有しているのであるから、該切削工具には、バイトや、単一の連続した切レ刃を持つカッタホイールは含まれない。ここで、本明細書において、「柱状」とは、円柱の他に円錐台や、円柱に円錐を加えた形状、更には円錐形も含まれることを意味する。また、切削工具の外径に比べ長さが短い柱状であってもよい。また、管の内面にモルタルライニングを有する既設管を切削する場合には、超硬合金からなる切レ刃(チップ)を多数設けた切削工具や、ダイヤモンドの粒子を切レ刃とする切削工具を用いるのが好ましい。
【0013】また、本発明において、「切削」とは、複数の切レ刃を回転させて管壁の一部を削り取ることをいう。また、「切削運動」とは、複数の切レ刃を回転させることをいい、一方、「送り運動」とは、前記切削工具により管壁の新しい部分を次々と削ることができる位置に、前記切削工具を移動させることをいう。本発明において、「切削工具を前記既設管の径方向に送ると共に、密閉ケースを周方向に回転させる」とは、切削工具を既設管の径方向に送った後に、密閉ケースを回転させる場合の他に、切削工具を既設管の径方向に送りながら(送りつつ)、密閉ケースを回転させる場合を含む。
【0014】なお、本発明において、「バルブを(管路に)挿入する」とは、バルブや仕切弁体を既設管の切削除去部分に物理的に挿入することを意味するのではなく、既設の管路の止水ないし流量を調節する弁を当該管路に設置することをいう。また、本切削工法において、「前記周方向に約180°の範囲にわたって切削する」とは、既設管の内径に近似した大きさの前記仕切弁体を切削溝から挿入できる程度の範囲にわたって既設管を切削することを意味し、一般に150°〜170°程度の180°よりも小さな値に設定される。
【0015】一方、本発明の仕切弁体は、既設管に形成された開孔から該既設管内に侵入して、仕切弁体の第1ゴムパッキン部が前記既設管の開孔を形成する切削面に接触すると共に、第2ゴムパッキン部が前記既設管の内周面に接触して閉弁状態となる仕切弁体であって、先端面および円筒面に沿った切レ刃を持つ切削工具で前記既設管を管径方向に切り込み、その後、該切削工具を管の周方向に沿って移動させて該既設管の周方向に約180°の範囲にわたって形成された溝状の前記開孔における切削面に対応する接触面を、前記第1ゴムパッキン部が有することを特徴とする。
【0016】また、本発明の不断流挿入用バルブ装置(仕切弁)は、既設管の周方向に複数個に分割されていると共に、前記既設管の一部を気密状態で囲繞し、かつ、該気密状態で前記既設管の周りを回転可能な密閉ケースと、該密閉ケースに収容された前記仕切弁体とを備えている。前述の配管構造や工法では当該配管構造や工法を実施するための装置を直接侵害として捉えることが困難であるため、権利の範囲を施工前に容易に画することができるようにするために前記仕切弁体および不断流挿入用バルブ装置についても権利を請求する。
【0017】
【実施例の説明】本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲は請求の範囲によって定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
【0018】第1実施例図1ないし図12は第1実施例を示す。以下、第1実施例の既設管切削工法および不断水バルブ挿入工法を工程順に説明する。
【0019】切断装置(切削装置)図2に示すように、本実施例では、中央の第1密閉ケース2Aと左右一対の第2密閉ケース2Bとを用いる。前記第1密閉ケース2Aは、図1に示すように、周方向に2分割された第1および第2分割ケース221,222と、案内用ブッシュ222aとを備えてなる。なお、前記第2密閉ケース2B(図2)も周方向に2分割されている。図3(a)に示すように、これらの各ケース221(図2),222,2A,2Bの間や、第2密閉ケース2Bと既設管1との間は、ゴムリング224などでシールされている。
【0020】前記第2分割ケース222は、既設管1の径方向Cの外方に分岐状に突出する分岐状部222bを有しており、該分岐状部222bに前記案内用ブッシュ222aを介して主軸受け232が既設管1の径方向Cに摺動自在かつ進退自在に取り付けられている。前記案内用ブッシュ222aと分岐状部222bおよび主軸受け232との間は、ゴムリング224によりシールされている。第2分割ケース222における前記分岐状部222bには、柱状の切削工具230が入り込む開口222cが形成されている。
【0021】前記第1密閉ケース2Aに固定した案内用ブッシュ222aには主軸受け232を介して切断機3が取り付けられている。すなわち、前記主軸受け232の上方には、工具回転用の第1モータ(原動機の一例)231が固定されている。一方、前記主軸受け232の内側には、前記切削工具230が配設されている。切削工具230は、主軸受け232に回転自在に支持された主軸(カッタ軸)233に一体に形成されている。前記第1モータ231は、該第1モータ231の出力軸231aおよび主軸233に固定したカップリング234を介して、切削工具230を回転させる。
【0022】図3(b)に示すように、前記切削工具230は、略円柱の先端面230dと外周面230eにそれぞれ複数の切レ刃230fを有する。また、該切削工具230には前記主軸233が一体に形成されている。図1に示すように、前記切削工具230および主軸233の軸線233aは、既設管1の径方向Cに設定されている。前記切削工具230は、前記既設管1の径方向Cに設定された前記軸線233aのまわりに回転することで切削運動を行う。
【0023】図3(a)の前記分岐状部222bには、切込送り用フレーム236が固定されている。該切込送り用フレーム236は、前記分岐状部222bに固定した長ボルト236aと、該長ボルト236aの上端に固定した天板236bとを備えている。前記切込送り用フレーム236の前記天板236bに設けたブッシュ236cには、切込送り用雄ネジ237が螺合している。
【0024】該切込送り用雄ネジ237を回転させて切込方向Cにねじ込むことにより、主軸受け232が切込方向Cに進む。したがって、切削工具230を回転させながら、主軸受け232と共に切削工具230を切込方向Cに送って切削工具230を開口222cに進入させていくことで、図4に示すように、切削工具230によって既設管1を切削することができる。なお、前記案内用ブッシュ222aは、図1の連結金具238を介して切込送り用フレーム236に固定されており、切削完了後に切込送り用フレーム236と共に回収されるようになっている。
【0025】本実施例では、第1密閉ケース2Aを既設管1のまわりに回転させる図2のケース回転装置4を設けている。ケース回転装置4は、ケース回転用の一対の第2モータ242を有している。該第2モータ242は、その出力軸247を介して、ケース回転用の駆動ギヤ244を回転させる。該駆動ギヤ244は、第1密閉ケース2Aに固定したケース回転用の従動ギヤ245を回転させる。したがって、図4の切込状態で切削工具230を回転させながら、第1密閉ケース2Aを既設管1のまわりに約180°程度回転させることにより、既設管1を切削して図8の切削溝12Cを形成することができる。
【0026】図3に示すように、第2密閉ケース2Bは、ズレ防止具5Aを構成している。該第2密閉ケース2Bは、既設管1の周方向R(図1)に2分割されている。該第2密閉ケース2Bには、管軸方向Sに離れた2箇所に各々、多数の止ネジ251が周方向R(図1)に設けられている。前記第1密閉ケース2Aと第2密閉ケース2Bとは、互いに管軸方向Sおよび径方向に、ライナ252を介して摺動する回転案内部250を有している。前記一対の第2密閉ケース2Bは止ネジ251によって既設管1に固定されている。前記第2密閉ケース2Bは、第1密閉ケース2Aを案内して、第1密閉ケース2Aが既設管1の管軸方向Sにズレたり、ブレたりするのを防止する。したがって、第1密閉ケース2Aは、既設管1のまわりを回転する際に、スムースに回転する。なお、ライナ252に代えてボールベアリングなどを用いてもよい。
【0027】切削工程つぎに、切削の手順について説明する。まず、図2の既設管1内に流体(水)が流れている状態で、作業者は第1および第2密閉ケース2A,2Bを既設管1に取り付けると共に、図1の組立ボルト228により両分割ケース221,222を組み立てる。こうして、図2のように、第1および第2密閉ケース2A,2Bが、既設管1を気密状態で囲繞する。なお、切断機3は、第1密閉ケース2Aの案内用ブッシュ222aに予め取り付けておく。
【0028】ついで、図5(a)ないし図5(b)に示すように、切削工具230による切削位置を設定する。すなわち、図2のケース回転装置4を駆動させて、切削工具230の軸線233aが略水平となる位置まで、第1密閉ケース2Aおよび切断機3を回転させる。
【0029】ついで、作業者が図1の第1モータ231を駆動させると、該第1モータ231は、切削工具230を主軸233の軸線233aのまわりに回転させて、該切削工具230の回転により既設管1を切削する切削運動を行わせる。該切削運動を行っている状態で、作業者が切込送り用雄ネジ237を切込方向Cにネジ込んでいくと、やがて、図5(b)の二点鎖線で示すように、切削工具230の先端面230dが既設管1の管壁1aの一部を貫通する位置まで進む。こうして、切削工具230による切込が完了する。
【0030】この切込後、作業者が図2のケース回転用の第2モータ242を駆動させると、一対の駆動ギヤ244および従動ギヤ245を介して、第1密閉ケース2Aが第2密閉ケース2Bに案内された状態で既設管1のまわりを回転する。これにより、切削工具230は第1密閉ケース2Aと共に既設管1の外周に沿って約180°(たとえば160°)回転しながら主軸233のまわりを回転して、既設管1を半円環状に切削して、既設管1に切削溝12Cを形成する。すなわち、前記第2モータ242(図1)は、前記第1密閉ケース2Aを前記既設管1の前記周方向R(図1)に回転させることにより切削工具230を周方向Rに回転させて、図5(b)ないし図5(c)に示すように、切削工具230に送り運動を与える。これにより、切削工具230は、前記既設管1を半円環状に切削して、既設管1に切削溝12Cを形成する。該切削完了後、切削工具230を二点鎖線で示すように元の位置に復帰させる。その後、作業者は図2のケース回転装置4を取り外す。なお、主軸受け232に排水用バルブを取り付けておいて該排水用バルブから切削の際の切粉を排出させてもよい。
【0031】切断機除去工程つぎに、以下に説明する方法で、作業者は切断機3を除去する。すなわち、図6のように、分岐状部222bに作業用仕切弁273を接合し、更に、該作業用仕切弁273に作業用上部タンク274を重ねて接合する。この接合時に、作業者は作業用上部タンク274を貫通する昇降シャフト276の先端部に切込送り用フレーム236を接合する。この接合後、作業者はナット239を取り外す。該取外し後、作業者は図7の昇降シャフト276を引き上げて切断機3を第1密閉ケース2Aから作業用上部タンク274内に取り出す。この取出後、作業者は作業用仕切弁273を閉弁する。該閉弁後、作業者は作業用上部タンク274を作業用仕切弁273から切り離す。
【0032】つぎに、管路に挿入されるバルブの仕切弁体の構造について説明する。バルブは、図8に示す仕切弁体8aを備えている。該仕切弁体8aには、ゴムパッキン8dが装着されている。該ゴムパッキン8dは、仕切弁体8aが切削溝12Cから既設管1内に侵入すると、切削溝12Cを閉塞すると共に、既設管1の内面1bに圧接する。すなわち、ゴムパッキン8dは、図9(c),図9(d)のように、切削溝12Cの切削面12fに圧接する第1ゴムパッキン部8d1と、既設管1の内周面1bに圧接する第2ゴムパッキン部8d2とが連なって形成されている。なお、前記仕切弁体8aには、図9(a),図9(b)に示す前記第1および第2ゴムパッキン部8d1,8d2を装着するための、第1および第2装着溝8a1,8a2が形成されている。
【0033】バルブ挿入工程つぎに、作業者は図10の弁蓋8bおよび前記仕切弁体8aを作業用上部タンク274に収容し、該作業用上部タンク274を作業用仕切弁273に接合する。仕切弁8Aは、仕切弁体8aを開閉させるスピンドル8cを備えている。該仕切弁8Aは、スピンドル8cを回転させると、図8の仕切弁体8aが切削溝12Cから既設管1内に入り込んで、仕切弁体8aに設けたゴムパッキン8dが既設管1の切削面12fおよび既設管1の内周面1bに圧接するバルブを構成する。すなわち、既設管1は、仕切弁8Aの弁箱の一部を構成している。
【0034】前記図10の作業用上部タンク274の取付後、作業者は図11のように作業用仕切弁273を開弁し、昇降シャフト276を下降させる。これにより、弁蓋8bが分岐状部222bに当接する。この当接後、作業者はフランジボルト8eにより弁蓋8bと分岐状部222bとを接合する。この接合後、作業者は作業用上部タンク274および作業用仕切弁273を撤去する。その後、作業者は図12の第2密閉ケース2Bのパッキン挿入部260にゴムリング264を押し込むと共に割押輪265を第2密閉ケース2Bに装着する。こうして、切削溝12Cに対応する箇所に仕切弁8Aが配置されて、仕切弁8Aが管路1Aに挿入される。
【0035】ここで、本第1実施例では、図8の切削面12fおよび既設管1の内周面1bに、ゴムパッキン8dが圧接するので、つまり、既設管1を弁箱としているので、既設管1に大きな外力が加わることになる。しかし、本実施例では、既設管1に形成される切削溝12Cの幅が小さく、特に、既設管1に薄肉の部分が生じないから、仕切弁体8aで管路1Aを閉止した際に、既設管1が破損するおそれがない。また、仕切弁体8aを閉止した際には、仕切弁体8aが第1ゴムパッキン部8a1を介して切削面12fに管軸方向Sに支持されるので、止水時の圧力を受けても弁体8aが歪みにくい。また、切削溝12Cの幅が小さいので、水圧による弁体8aを上方へ押し上げる力も小さい。したがって、スピンドル8cを細くすることもできる。
【0036】なお、第1実施例では、密閉ケースを第1密閉ケース2Aと第2密閉ケース2Bとに分割して、密閉ケースの一部、すなわち、第1密閉ケース2Aを回転させたが、本発明では、第1密閉ケース2Aと第2密閉ケース2Bとを一体に形成してもよい。この場合、密閉ケースの横にズレ防止具を別途設け、密閉ケース全体を回転させる。この一例を次の第2実施例に示す。
【0037】第2実施例図13ないし図24は第2実施例を示す。以下、第2実施例では密閉ケースについて説明した後、配管構造について説明する。
【0038】密閉ケース図13(a)に示すように、密閉ケース2は第1および第2分割ケース211,212に分割されており、図13(b)のゴムパッキン214により、分割面215がシールされている。なお、2つの分割ケース211,212の分割面215は、互いにメタルタッチするようになっている。また、密閉ケース2の両端部には、図15のゴムリング264が押し込まれるパッキン挿入部260が設けてある。
【0039】図14(a)の第2分割ケース212のフランジ216には、図14(b)に示すように、弁蓋固定用のボルト挿通孔217および作業用仕切弁固定用のボルト挿通孔218が形成されている。なお、219は組立ボルト挿入用の孔である。
【0040】配管構造図15〜図18は配管構造を示す。図15において、既設管1には切削溝12Cが形成されている。図16に示すように、該切削溝12Cは、既設管1の周方向に約180°の範囲にわたって切欠されている。該切削溝12Cは、後述する切削工具により、既設管1が切削されて形成される。該切削溝12Cは、図15に示すように、周方向の両端部12c1が略U字状に形成されている。このように、切削溝12Cの両端部12c1が滑らかな曲線を描いているので、該両端部12c1のシールが容易になる。なお、前記切削溝12Cにおける前記両端部12c1を除く部分は、一定の溝の幅に形成されている。
【0041】また、前記切削溝12Cを形成する切削面12fは、当該部分における既設管1の表面1cに対してなす角が45°〜90°の範囲に設定されている。すなわち、図16に示すように、既設管1は、切削溝12Cの周縁の部分において、薄肉の部分を有していない。したがって、図17および図18のように、弁体8aのゴムパッキン8dが切削面12fに圧接しても、既設管1が破損するおそれはない。そのため、仕切弁8Aを何回も開閉することができる。
【0042】前記密閉ケース2は既設管1の周方向Rに2つに分割されており、ゴムパッキン214によりシールがなされて、既設管1を気密状態で囲繞している。第1分割ケース211は、既設管1の外周面に沿って形成されている。一方、第2分割ケース212は、仕切弁体8aが既設管1の径方向Cに移動する移動用孔212dを有している。前記第2分割ケース212には、弁蓋8bが固定されている。該弁蓋8bは前記第2分割ケース212の移動用孔212dを閉塞している。前記弁蓋8bおよび第2分割ケース212は、図16の開弁時において、仕切弁体8aを収容する空間を形成している。
【0043】図17のように、前記仕切弁体8aは、ゴムパッキン8dを有している。該ゴムパッキン8dは、切削溝を形成する切削面12f(図18の破線で示す)に接触する第1ゴムパッキン8d1と、既設管1の内周面1bに接触する第2ゴムパッキン8d2とが一体になって形成されている。該ゴムパッキン8dは仕切弁体8aに一体に焼き付けて成型されている。
【0044】前記仕切弁体8aは、スピンドル(弁棒)8cを回転させると、図15および図17に示すように、密閉ケース2内を既設管1の径方向Cに移動する。前記仕切弁体8aは、前記切削溝12Cから既設管1内に侵入することで、ゴムパッキン8dが切削面12fと既設管1の内周面1bに接触して、既設管1内の流体の流れを止める。なお、本実施例の既設管1の内周面1bは、モルタルライニングにより形成されている。
【0045】切断装置(切削装置)前記密閉ケース2は、図19に示すように、周方向に2分割された第1および第2分割ケース211,212と、案内用ブッシュ212aとを備えてなる。
【0046】前記第2分割ケース212は、既設管1の径方向Cの外方に分岐状に突出する分岐状部212bを有しており、該分岐状部212bに前記案内用ブッシュ212aを介して主軸受け232が既設管1の径方向Cに摺動自在かつ進退自在に取り付けられている。図21(a)に示すように、前記案内用ブッシュ212aと分岐状部212bおよび主軸受け232との間は、ゴムリング214によりシールされている。第2分割ケース212における前記分岐状部212bには、柱状の切削工具230が入り込む開口212cが形成されている。
【0047】前記密閉ケース2に固定した案内用ブッシュ212aには主軸受け232を介して切断機3が取り付けられている。すなわち、前記主軸受け232の上方には、工具回転用のモータ(原動機の一例)231が固定されている。一方、前記主軸受け232の内側には、前記切削工具230が配設されている。切削工具230は、主軸受け232に回転自在に支持された主軸(カッタ軸)233に一体に形成されている。前記モータ231は、該モータ231の出力軸231aおよび主軸233に固定したカップリング234を介して、切削工具230を回転させる。
【0048】図21(b)に示すように、前記切削工具230は、略円柱の先端面230dと外周面230eとにそれぞれ複数の切レ刃230fを有する。また、該切削工具230には前記主軸233が一体に形成されている。また、本実施例では、図15のように切削面12fをテーパ状にするために、図21(b)の切削工具にテーパ部230tを設けている。また、前記テーパ部230tが既設管1の中心に向かって入り過ぎないようにするために、切削工具230には、切込ストッパ230sが固定してある。該切込ストッパ230sは硬質の樹脂製で、該切込ストッパ230sには、切粉を逃がすための溝を形成しておくのが好ましい。なお、本実施例では切込ストッパを切削工具230に設けずに、案内用ブッシュ212aに設けてもよい。図19に示すように、前記切削工具230および主軸233の軸線233aは、既設管1の径方向Cに設定されている。前記切削工具230は、前記既設管1の径方向Cに設定された前記軸線233aのまわりに回転することで切削運動を行う。
【0049】図21(a)の前記分岐状部212bには、切込送り用フレーム236が固定されている。該切込送り用フレーム236は、前記分岐状部212bに固定した長ボルト236aと、該長ボルト236aの上端に固定した天板236bとを備えている。前記切込送り用フレーム236の前記天板236bに設けたブッシュ236cには、切込送り用雄ネジ237が螺合している。
【0050】該切込送り用雄ネジ237を回転させて切込方向Cにねじ込むことにより、主軸受け232が切込方向Cに進む。したがって、切削工具230を回転させながら、主軸受け232と共に切削工具230を切込方向Cに送って切削工具230を開口212cに進入させていくことで、図22に示すように、切削工具230によって既設管1を切削することができる。なお、前記案内用ブッシュ212aは、図19の連結金具238を介して切込送り用フレーム236に固定されており、切削完了後に切込送り用フレーム236と共に回収されるようになっている。
【0051】図20に示すように、前記密閉ケース2の両側には、ズレ防止具5が設けてある。該ズレ防止具5は、多数の止ネジ251で既設管1に固定されており、ライナ252を介して、密閉ケース2の両側に接触している。これによりズレ防止具5は、密閉ケース2を案内して、密閉ケース2が既設管1の管軸方向Sにズレたり、ブレたりするのを防止する。したがって、密閉ケース2は、既設管1のまわりを回転する際に、スムースに回転する。なお、253はライナ252を密閉ケース212に押し付ける押付ネジである。
【0052】切削工程つぎに、切削の手順について説明する。まず、図20の既設管1内に流体(水)が流れている状態で、作業者は密閉ケース2を既設管1に取り付けると共に、図示しない組立ボルトにより両分割ケース211,212を組み立てる。こうして、図20のように、密閉ケース2が、既設管1を気密状態で囲繞する。なお、切断機3は、密閉ケース2の案内用ブッシュ212aに予め取り付けておく。
【0053】ついで、図23(a)ないし図23(b)に示すように、切削工具230による切削位置を設定する。すなわち、作業者は人力またはウィンチなどにより切削工具230の軸線233aが略水平となる位置まで、密閉ケース2および切断機3を回転させる。
【0054】ついで、作業者が図19のモータ231を駆動させると、該モータ231は、切削工具230を主軸233の軸線233aのまわりに回転させて、該切削工具230の回転により既設管1を切削する切削運動を行わせる。該切削運動を行っている状態で、作業者が切込送り用雄ネジ237を切込方向Cにネジ込んでいくと、やがて、図23(b)の二点鎖線で示すように、切削工具230の先端面230dが既設管1の管壁1aの一部を貫通する位置まで進む。この際、図22の切込ストッパ230sは、既設管1の外周面に当接する。こうして、切削工具230による切込が完了する。
【0055】この切込後、図23(b)ないし図23(c)のように作業者が密閉ケース2を既設管1のまわりに回転させる。これにより、切削工具230は密閉ケース2と共に既設管1の外周に沿って約180°(たとえば160°)回転しながら軸線233aのまわりを回転して、既設管1を半円環状に切削して、既設管1に切削溝12Cを形成する。これにより、図23(c)および図24に示すように、切削工具230は、前記既設管1を半円環状に切削して、既設管1に切削溝12Cを形成する。該切削完了後、図23(c)の切削工具230を二点鎖線で示すように元の位置に復帰させる。
【0056】切断機除去工程つぎに、前述の実施例と同様の方法で、作業者は切断機3を除去し、更に、図15および図16に示すように、管路1Aにおける切削溝12Cに対応する箇所に仕切弁8Aを挿入する。
【0057】このように、本配管構造では、図15の切削溝12Cの幅が小さいので、密閉ケース2を小型にすることができる。
【0058】ところで、本発明の切削溝12Cを切削する切削工具は、図25(a)のように円錐台形や、図25(b)のように円錐形や、あるいは、図25(c)のように円柱形であってもよい。また、切レ刃230fとしては、超硬のチップの他に図25(b)および図25(c)のように多数のダイヤモンドの粒子を採用してもよい。
【0059】また、既設管1を切削する方法としては、必ずしも密閉ケース2を回転させる必要はなく、図25(d)のように、略円柱状の切削工具230を円周方向Rに平行移動させて、切削溝12Cを形成してもよい。また、他の切削方法としては、図25(e)のように、円柱状のフライスからなる切削工具230の側面を既設管1に押し付けるようにして、切削溝12Cを形成してもよい。
【0060】つぎに、本発明にかかる仕切弁体8aを表現を変えて説明する。本仕切弁体8aは図8の既設管1に形成された開孔(切削溝)12Cから該既設管1内に侵入して、仕切弁体8aの第1ゴムパッキン部8d1が前記既設管1の開孔12Cを形成する切削面12fに圧接すると共に、第2ゴムパッキン部8d2が前記既設管1の内周面1bに圧接して閉弁状態となる。前記第1ゴムパッキン部8d1は、図3の先端面230dおよび略円筒面に沿った切レ刃230fを持つ切削工具230で前記既設管1を管径方向Cに切り込み、その後、図5のように該切削工具230を管の周方向に沿って移動(回動)させて該既設管1の周方向に略180°の範囲にわたって形成された溝状の前記開孔12Cにおける切削面12fに対応する圧接面を有する。
【0061】ここで、前記図8の切削溝12Cが円形の開孔よりも管軸方向Sに幅狭であれば、密閉ケース2が管軸方向に小さくなると共に、仕切弁体8aが水圧を受ける面積が小さくなる。したがって、本発明では、前記開孔12Cが管径方向よりも管軸方向Sに幅狭な溝状に形成されているのに対し、前記第1ゴムパッキン部8d1が前記溝状の開孔12Cの切削面12fに沿った形状を持っていればよい。
【0062】また、図26に示すように、本発明の仕切弁体8aは、前記切削面12fに圧接する第1ゴムパッキン部8d1における管径方向の両端部8d3が、前記第2ゴムパッキン部8d2に対して段部を形成すると共に、該段部8d3が前記仕切弁体8aの侵入方向Cに対して交差する面8d5を持つ。このような交差面8d5は、切削面12fに大きな力で当接しても、前記切削溝12Cの両端部から既設管1が破損するのを防止する。
【0063】前記各実施例における第1ゴムパッキン部8d1は、図9のように、管径方向の両端部8d3を除いた部分が既設管1の横断面に沿って形成された一対の第1圧接面8d4を有する。また、第1ゴムパッキン部8d1は、前記2つの第1圧接面8d4を前記両端部8d3において連ねる略U字状の第2圧接面8d5を有する。前記第2圧接面8d5は、管径方向の両端部において、図26の第1ゴムパッキン部8d1が第2ゴムパッキン部8d2に向かって管軸方向Sおよび管周方向Rに湾曲していることにより形成されている。
【0064】ところで、前記実施例では柱状の切削工具230で切削する例について説明したが、本発明では図25(f)に示すように円板状の切削工具230で切削してもよい。また、この場合、図26(b)のように切削溝12Cは、その両端部がU字状とならず、一定幅Wとなるが、この場合も本発明の範囲に含まれる。
【0065】また、前記各実施例では、切削後に仕切弁体8aを密閉ケース2内に収容したが、本発明では切削前に仕切弁体8aを密閉ケース2内に収容しておいてもよい(たとえば、U.S.P.4,516,598 、同1,989,768)。
【0066】また、本発明では、管路に挿入した仕切弁体8aで既設管1を閉止した後、当該仕切弁体8aをストッパボルトで固定し、仕切弁8Aを構成する弁蓋8bおよび弁棒8cなどを除去し、代わりに蓋を取り付けて、仕切弁体8aをストッパとして用いてもよい。
【0067】つぎに、仕切弁体8aの他の使用方法を図27を用いて説明する。図27(a)において、仕切弁体8aは前記第1圧接面8d4を片側だけ有している。今、バルブ8Aにはバイパス(分岐配管)300が接続されており、仕切弁体8aを下降させて閉弁した後、既設管1を切断して図27(b)のメカ帽301を取り付け、この後、仕切弁体8aを上昇させると、既設管1の流れをバイパス300側にすることができる。すなわち、仕切弁体8aが第1圧接面8d4を片側だけに有している場合も本発明の範囲に含まれる。換言すれば、仕切弁体8aは、切削溝12Cを形成する切削面12fの全てに接する必要はなく、片側のみに接触してもよい。
【0068】また、本発明において、仕切弁体8aのゴムパッキン8dは、図26(a)の仕切弁体8aの両側面8a3も覆うようにしてもよく、すなわち仕切弁体8aにおける既設管1内に侵入する部分全体を被覆してもよい。
【0069】以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。たとえば、切削工具に切削運動を与える原動機としては、モータの他にエンジンなどを用いてもよい。また、原動機を地上に設置して、該原動機の動力をフレキシブルシャフトでカッタ軸を介して切削工具に伝達してもよい。また、密閉ケースで既設管を囲繞した後に、該密閉ケースに切削工具を取り付けてもよい。更に、既設管1の切削後に、密閉ケースに仕切弁を介して、分岐管を接続してもよい。また、切削工具で既設管を切り込む際には、切削工具を前記各実施例のように、既設管の径方向の概ね中心に向かって送るのが一般に好ましいが、本発明では、中心に向かう必要はなく、径方向に向かって送ればよい。また、密閉ケースは周方向に3つないし4つに分割してもよい。さらに、弁体は上方、側方または下方などいずれの方向から挿入してもよい。さらに、本発明は水道管だけでなく、ガス管などにも適用できる。すなわち、既設管内を流れる流体は、水の他にガスやオイルなど他の流体であっても本発明の範囲に含まれる。したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、既設管の径方向に軸線が設定された切削工具を、既設管の周方向に送って溝状に既設管を切削する。そのため、既設管における切削溝の周縁部が薄肉にならないから、弁体が前記切削溝に嵌合した際に既設管の破損するおそれがない。しかも、このように既設管を破損するおそれがないから、シール面(圧接面)に大きな力を付加することもできるので、シール性が向上する。また、本発明において切削する開孔は、円形の孔よりも管軸方向の幅が狭いので、水圧により仕切弁体に加わる荷重が小さくなるから弁棒の直径を小さくし得ると共に、密閉ケースが管軸方向に短くなる。
【出願人】 【識別番号】000132080
【氏名又は名称】株式会社スイケンテクノロジー
【出願日】 平成11年3月29日(1999.3.29)
【代理人】 【識別番号】100102060
【弁理士】
【氏名又は名称】山村 喜信
【公開番号】 特開2000−88173(P2000−88173A)
【公開日】 平成12年3月31日(2000.3.31)
【出願番号】 特願平11−86849