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【発明の名称】 電気融着方法及び装置
【発明者】 【氏名】佐野 圭二

【氏名】黒岩 光之

【要約】 【課題】

【解決手段】継手に貼付したバーコードラベルより当該継手の電熱線抵抗R1 を読取り、その後融着開始前に抵抗計測回路21にて計測した電熱線の抵抗値Rと比較してR=R1 のとき抵抗計測回路21は正常に動作していると判断する。融着用電力供給回路4の出力電圧及び出力電流をそれぞれ計測し、両者から演算手段11にて電熱線の抵抗値R´を算出し、R≠R´のとき出力電圧計測回路と出力電流計測回路のいづれか一方、若しくは相方が故障していると判断し、スイッチ6をOFFにして出力を停止し、ブザー13及びCRT14に画像にて警報表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】プラスチック管との接合面に電熱線を埋設したエレクトロフュージョン継手とプラスチック管とを電気融着する際、出力電圧計測回路で出力電圧を計測し、その計測値が定電圧目標値と一致するように制御装置が出力電圧を制御する定電圧方式の電気融着方法において、抵抗計測回路により継手の電熱線の抵抗値Rを予め求めておき、出力電圧を計測する出力電圧計測回路と、出力電流を計測する出力電流計測回路とで融着時の出力電圧と出力電流を求めて、これら出力電圧と出力電流の二つの値より融着時の電熱線抵抗値R´を算出し、両抵抗値RとR´を比較して、両抵抗値の違いにより出力電圧計測回路の故障を検出することを特徴とする電気融着方法。
【請求項2】プラスチック管との接合面に電熱線を埋設したエレクトロフュージョン継手とプラスチック管とを電気融着する際に用いられ、出力電圧が調整可能な融着用電力供給回路と、該供給回路の出力電圧を計測する出力電圧計測回路と、定電圧目標値が格納される記憶装置を有し、出力電圧計測回路で計測された出力電圧が記憶装置に格納された定電圧目標値と一致するように融着用電力供給回路を制御する制御装置とよりなる定電圧方式の電気融着装置において、融着開始前に継手の電熱線抵抗値を読取る抵抗計測回路を設けると共に、融着用電力供給回路の出力電流を計測する出力電流計測回路を設け、制御装置には出力電圧計測回路と出力電流計測回路によって計測された出力電圧と出力電流の二つの値より算出した電熱線抵抗値R´と、抵抗計測回路により求めた電熱線抵抗値Rを比較する比較手段を設け、該比較手段の比較結果に基づいて制御装置が表示手段に異常表示のための出力をすることを特徴とする電気融着装置。
【請求項3】プラスチック管との接合面に電熱線を埋設したエレクトロフュージョン継手とプラスチック管とを電気融着する際、出力電流計測回路で出力電流を計測し、その計測値が定電流目標値と一致するように制御装置が出力電流を制御する定電流方式の電気融着方法において、抵抗計測回路により継手の電熱線抵抗値Rを予め求めておき、出力電圧を計測する出力電圧計測回路と出力電流を計測する出力電流計測回路とで融着時の出力電圧と出力電流を求めて、これら出力電圧と出力電流の二つの値より融着時の電熱線抵抗値R´を算出し、両抵抗値RとR´を比較して、両抵抗値の違いにより出力電流計測回路の故障を検出することを特徴とする電気融着方法。
【請求項4】プラスチック管との接合面に電熱線を埋設したエレクトロフュージョン継手とプラスチック管とを電気融着する際に用いられ、出力電流が調整可能な融着用電力供給回路と、該供給回路の出力電流を計測する出力電流計測回路と、定電流目標値が格納される記憶装置を有し、出力電流計測回路で計測された出力電流が記憶装置に格納された定電流目標値と一致するように融着用電力供給回路を制御する制御装置とよりなる定電流方式の電気融着装置において、融着開始前に継手の電熱線抵抗値を読取る抵抗計測回路を設けると共に、融着用電力供給回路の出力電圧を計測する出力電圧計測回路を設け、制御装置には出力電圧計測回路と出力電流計測回路によって計測された出力電圧と出力電流の二つの値より算出した電熱線抵抗値R´と、抵抗計測回路により求めた電熱線抵抗値Rを比較する比較手段を設け、該比較手段の比較結果に基づいて制御装置が表示手段に異常表示のための出力をすることを特徴とする電気融着装置。
【請求項5】プラスチック管との接合面に電熱線を埋設したエレクトロフュージョン継手とプラスチック管とを電気融着する際、出力電圧計測回路と出力電流計測回路で出力電圧と出力電流を計測して両計測値より出力電力を求め、求めた出力電力が定電力目標値と一致するように制御装置が出力電力を制御する定電力方式の電気融着方法において、抵抗計測回路により継手の電熱線抵抗値Rを予め求めておき、出力電圧計測回路と出力電流計測回路で計測した出力電圧と出力電流より融着時の電熱線抵抗値R´を算出して両抵抗値RとR´を比較し、両抵抗値の違いにより出力電圧計測回路又は出力電流計測回路の故障を検出することを特徴とする電気融着方法。
【請求項6】プラスチック管との接合面に電熱線を埋設したエレクトロフュージョン継手と、プラスチック管とを電気融着する際に用いられ、出力電力が調整可能な融着用電力供給回路と、該供給回路の出力電圧を計測する出力電圧計測回路と、上記供給回路の出力電流を計測する出力電流計測回路と、定電力目標値が記憶される記憶装置及び出力電圧計測回路により計測された出力電圧及び出力電流計測回路により計測された出力電流から出力電力を演算する演算手段を有し、該演算手段で演算された出力電力が記憶装置に格納された定電力目標値と一致するように融着用電力供給回路を制御する制御装置とよりなる定電力方式の電気融着装置において、融着開始前に継手の電熱線抵抗値を読取る抵抗計測回路を設けると共に、制御装置には上記各計測回路によって計測された出力電圧と出力電流より算出した電熱線抵抗値R´と、抵抗計測回路により求めた電熱線抵抗値Rを比較する比較手段を設け、該比較手段の比較結果に基づいて制御装置が表示手段に異常表示のための出力をすることを特徴とする電気融着装置。
【請求項7】プラスチック管との接合面に電熱線を埋設したエレクトロフュージョン継手と、プラスチック管とを下記三方式のうち、いづれか一つを選択して電気融着する方法において、抵抗計測回路により継手の電熱線抵抗値Rを予め求めておき、出力電圧計測回路と出力電流計測回路により計測した出力電圧と出力電流より融着時の電熱線抵抗値R´を算出し、両抵抗値RとR´を比較して、両抵抗値の違いにより出力電圧計測回路と出力電流計測回路のうちの1つ以上の故障を検出することを特徴とする電気融着方法。
■出力電圧計測回路で出力電圧を計測し、その計測値が定電圧目標値と一致するように制御装置が出力電圧を制御する定電圧方式。
■出力電流計測回路で出力電流を計測し、その計測値が定電流目標値と一致するように制御装置が出力電流を制御する定電流方式。
■出力電圧計測回路と出力電流計測回路で出力電圧及び出力電流を計測し、各計測値より求めた出力電力が定電力目標値と一致するように制御装置が出力電力を制御する定電力方式。
【請求項8】プラスチック管との接合面に電熱線を埋設したエレクトロフュージョン継手とプラスチック管とを電気融着する際に用いられ、出力電圧、出力電流又は出力電力が調整可能な融着用電力供給回路と、該供給回路の出力電圧及び出力電流をそれぞれ計測する出力電圧計測回路及び出力電流計測回路と、定電圧目標値、定電流目標値及び定電力目標値が格納される記憶装置及び出力電圧計測回路により計測された出力電圧と、出力電流計測回路により計測された出力電流から出力電力を演算する演算手段を有し、出力電圧計測回路により計測された出力電圧が記憶装置に格納される定電圧目標値と一致するように定電圧方式により、或いは出力電流計測回路により計測された出力電流が記憶装置に格納される定電流目標値と一致するように定電流方式により、或いはまた出力電圧と出力電流とから演算手段で演算された出力電力が記憶装置に格納される定電力目標値と一致するように定電力方式により融着用電力供給回路を制御する制御装置とよりなり、上記定電圧、定電流或いは定電力のいづれかの方式の選択が可能な電気融着装置において、継手の電熱線抵抗値を読取る抵抗計測回路を設けると共に、制御装置には出力電圧計測回路と出力電流計測回路によってそれぞれ計測された出力電圧と出力電流より求めた電熱線抵抗値R´と抵抗計測回路により求めた電熱線抵抗値Rを比較する比較手段を設け、該比較手段の比較結果に基づいて制御装置が表示手段に異常表示のための出力をすることを特徴とする電気融着装置。
【請求項9】電熱線抵抗値R´を温度補正することを特徴とする請求項1、3、5又は7のいづれかの請求項に記載の電気融着方法。
【請求項10】電熱線抵抗値R´を温度補正する補正手段を設けたことを特徴とする請求項2、4、6又は8のいづれかの請求項に記載の電気融着装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、エレクトロフュージョン継手とプラスチック管との電気融着方法及び装置に関し、ことに融着時における電気融着装置の故障検出が可能な電気融着方法及び装置に関する。
【0002】
【従来技術】上下水道管やガス管、給湯管などに使用されるプラスチック管の継手として近年開発されたものにエレクトロフュージョン継手がある。この継手は、プラスチック管との接合面に電熱線をコイル状に埋設した成形品よりなるもので、プラスチック管との融着は、継手を管端部に嵌挿するか、管外周面に側方より押付けた状態で通電して接合面を加熱溶融することにより行われ、継手の通電方式には従来、電圧を一定に制御して通電する定電圧方式と、電流を一定に制御して通電する定電流方式と、電力を一定に制御して通電する定電力方式がある。
【0003】図1及び図2は、定電圧、定電流、定電力の三方式に対応できる電気融着装置の一例を示すもので、エレクトロフュージョン継手1とプラスチック管とを電気融着する際に用いる電気融着装置2は、制御装置としてのマイコン3と、出力電圧、出力電流、出力電力がマイコン3によって制御される融着用電力供給回路4と、融着用電力供給回路4から継手1の電熱線5に供給される電流をON−OFFするスイッチ6と、融着用電力供給回路4からの出力電圧を計測する出力電圧計測回路7と、出力電流を計測する出力電流計測回路8からなり、マイコン3は定電圧目標値を格納する格納部9aと、定電流目標値を格納する格納部9bと、定電力目標値を格納する格納部9cを有する記憶装置9と、出力電圧計測回路7により計測された出力電圧と出力電流計測回路8により計測された出力電流より出力電力を演算する演算手段11と、記憶装置9の格納部9aに格納された定電圧目標値と出力電圧計測回路7により計測された計測値、格納部9bに格納された定電流目標値と出力電流計測回路8により計測された計測値或いは格納部9cに格納された定電力目標値と演算手段11により算出した電力値とを比較する比較手段12と、比較手段12での比較結果、両者の差が許容値のしきい値を越えたときスイッチ6をOFFに切換える機能と、ブザー13及びCRTよりなる表示手段14に出力し、警報音発生及び文字、図形、模様等により警報表示させる機能と、両者の差がしきい値の範囲内であるとき、両者の差が解消されるように融着用電力供給回路4を制御する機能とを有する制御手段15とからなっている。図中、16はスタートスイッチであり、17は電源スイッチである。
【0004】上記装置は以上のように構成され、定電圧方式で電気融着を行う場合、電源スイッチ17を入れ、スイッチ18及び19をそれぞれUに切換えたのち、スタートスイッチ16をON入力すると、制御手段15からの制御信号によりスイッチ6がONに切換えられ、また融着用電力供給回路4に対して制御信号の初期値が送られる。これにより融着用電力供給回路4から制御信号の初期値に応じた電圧が出力され、継手1の電熱線5に印加されて融着が開始される。融着開始後、出力電圧計測回路7にて計測された出力電圧Vmと記憶装置9の格納部9aに格納された定電圧目標値Vs が比較手段12において比較され、|Vs −Vm|が許容されるしきい値Qを越え、かつその状態が異常検出の設定時間Tfを連続して越えたとき、スイッチ6をOFFにし出力を停止すると共に、ブザー13により警報音を発生させ、かつ表示手段14に文字、図形、模様等により異常によって融着を中止した旨警報表示させる。Vs ≠Vm であるときには、制御手段15からの制御信号により融着用電力供給回路4の出力電圧をVm がVsに近づくように制御する。出力後、設定時間経過すると、融着が終了する。図3は、上述のフローチャートを示す。
【0005】以上は定電圧方式によるものであるが、定電流方式による場合は、スイッチ18及び19をそれぞれIに切換えたのちスタートスイッチ16を押すことにより電気融着が開始される。そして融着中、格納部9bに格納された定電流目標値と出力電流計測回路8にて計測された出力電流値が比較手段12において比較され、その差が解消されるように融着用電力供給回路4の出力電流を制御する。差がしきい値を連続して設定時間越えるときには、上記と同様、出力を停止すると共に、ブザー13及び表示手段14にて異常により融着中止した旨警報表示する。
【0006】定電力方式による場合、スイッチ18及び19をそれぞれPに切換えたのちスタートスイッチ16を押すことにより電気融着が開始される。そして融着中、格納部9cに格納された定電力目標値と演算手段11により算出した出力電力値が比較手段12において比較され、その差が解消されるように融着用電力供給回路4の出力電力を制御する。差がしきい値を連続して設定時間越えるときには上記と同様、出力を停止すると共に、ブザー13及び表示手段14にて異常により融着中止した旨警報表示する。
【0007】上記装置によれば、電源入力の電圧或いは出力の負荷の軽重にかゝわらず、融着用電力供給回路から目標値にごく近い電圧、電流或いは電力が出力されるようになり、また融着用電力供給回路からの出力が許容範囲を越えるときには出力を停止させることにより、故障によって出力が許容範囲を越える場合に生ずる加熱過剰或いは溶融不足を解消することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述する電気融着装置において、定電圧方式による電気融着で、出力電圧計測回路が故障した場合、該回路が計測した出力電圧と、融着用電力供給回路から出力される実際の出力電圧とに差を生ずる。これにより制御が正常に行われていても融着用電力供給回路から出力される実際の出力電圧は前記の差の分ずれるようになる。実際の出力電圧がずれたまゝ融着が続行された場合、加熱不足や加熱過剰を生じても使用者はそれを感知することができない。
【0009】定電流方式による場合も、出力電流計測回路が故障すると、上記と同様の問題を生ずる。定電力方式による場合は、出力電圧計測回路、出力電流計測回路及び演算手段のうち、一つ以上が故障すると、上記と同様の問題を生ずる。本発明は、上記の問題を解決しようとするもので、第1の目的は、定電圧方式による電気融着方法及び装置において、電気融着装置における出力電圧計測回路の故障を検出できるようにするものであり、第2の目的は、定電流方式による電気融着方法及び装置において、電気融着装置における出力電流計測回路の故障を検出できるようにするものである。更に第3の目的は、定電力方式による電気融着方法及び装置において、電気融着装置における出力電圧計測回路と出力電流計測回路のいづれか一つ以上の故障を検出できるようにするものであり、第4の目的は、定電圧方式と定電流方式と定電力方式のいづれかの方式による電気融着が選択可能な方法及び装置において、電気融着装置における出力電圧計測回路と出力電流計測回路のいづれか一つ以上の故障を検出できるようにするものである。
【0010】
【課題の解決手段】請求項1記載の発明は、第1の目的を達成する電気融着方法に関する発明で、プラスチック管との接合面に電熱線を埋設したエレクトロフュージョン継手とプラスチック管とを電気融着する際、出力電圧計測回路で出力電圧を計測し、その計測値が定電圧目標値と一致するように制御装置が出力電圧を制御する定電圧方式の電気融着方法において、抵抗計測回路により継手の電熱線の抵抗値Rを予め求めておき、出力電圧を計測する出力電圧計測回路と、出力電流を計測する出力電流計測回路とで融着時の出力電圧と出力電流を求めて、これら出力電圧と出力電流の二つの値より融着時の電熱線抵抗値R´を算出し、両抵抗値RとR´を比較して、両抵抗値の違いにより出力電圧計測回路の故障を検出することを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明は、第1の目的を達成する電気融着装置に関する発明で、プラスチック管との接合面に電熱線を埋設したエレクトロフュージョン継手とプラスチック管とを電気融着する際に用いられ、出力電圧が調整可能な融着用電力供給回路と、該供給回路の出力電圧を計測する出力電圧計測回路と、定電圧目標値が格納される記憶装置を有し、出力電圧計測回路で計測された出力電圧が記憶装置に格納された定電圧目標値と一致するように融着用電力供給回路を制御する制御装置とよりなる定電圧方式の電気融着装置において、融着開始前に継手の電熱線抵抗値を読取る抵抗計測回路を設けると共に、融着用電力供給回路の出力電流を計測する出力電流計測回路を設け、制御装置には出力電圧計測回路と出力電流計測回路によって計測された出力電圧と出力電流の二つの値より算出した電熱線抵抗値R´と、抵抗計測回路により求めた電熱線抵抗値Rを比較する比較手段を設け、該比較手段の比較結果に基づいて制御装置が表示手段に異常表示のための出力をすることを特徴とする。
【0012】請求項1及び2記載の発明において、抵抗値RとR´が不一致であると、抵抗計測回路と出力電圧計測回路と出力電流計測回路のうちの一つ以上が故障と判断できる。これにより、出力電圧計測回路が故障した場合、故障が検出される。但しRとR´が不一致になるのは出力電圧計測回路の故障以外に抵抗計測回路や出力電流計測回路の故障もあり得るので、RとR´の不一致を検出しても、抵抗計測回路と出力電圧計測回路と出力電流計測回路のいづれが故障したのかまでは特定できない。
【0013】請求項3記載の発明は、第2の目的を達成する電気融着方法に関する発明で、プラスチック管との接合面に電熱線を埋設したエレクトロフュージョン継手とプラスチック管とを電気融着する際、出力電流計測回路で出力電流を計測し、その計測値が定電流目標値と一致するように制御装置が出力電流を制御する定電流方式の電気融着方法において、抵抗計測回路により継手の電熱線抵抗値Rを予め求めておき、出力電圧を計測する出力電圧計測回路と出力電流を計測する出力電流計測回路とで融着時の出力電圧と出力電流を求めて、これら出力電圧と出力電流の二つの値より融着時の電熱線抵抗値R´を算出し、両抵抗値RとR´を比較して、両抵抗値の違いにより出力電流計測回路の故障を検出することを特徴とする。
【0014】請求項4記載の発明は、第2の目的を達成する電気融着装置に関する発明で、プラスチック管との接合面に電熱線を埋設したエレクトロフュージョン継手とプラスチック管とを電気融着する際に用いられ、出力電流が調整可能な融着用電力供給回路と、該供給回路の出力電流を計測する出力電流計測回路と、定電流目標値が格納される記憶装置を有し、出力電流計測回路で計測された出力電流が記憶装置に格納された定電流目標値と一致するように融着用電力供給回路を制御する制御装置とよりなる定電流方式の電気融着装置において、融着開始前に継手の電熱線抵抗値を読取る抵抗計測回路を設けると共に、融着用電力供給回路の出力電圧を計測する出力電圧計測回路を設け、制御装置には出力電圧計測回路と出力電流計測回路によって計測された出力電圧と出力電流の二つの値より算出した電熱線抵抗値R´と、抵抗計測回路により求めた電熱線抵抗値Rを比較する比較手段を設け、該比較手段の比較結果に基づいて制御装置が表示手段に異常表示のための出力をすることを特徴とする。
【0015】請求項3及び4記載の発明においても、抵抗値RとR´が不一致である場合は、抵抗計測回路と出力電圧計測回路と出力電流計測回路のうちの一つ以上が故障と判断され、これにより出力電流計測回路が故障した場合、故障が検出される。この場合も前述したように、抵抗計測回路や出力電圧計測回路の故障もあり得るので、RとR´の不一致を検出しても、いづれの故障であるかは特定できない。
【0016】請求項5記載の発明は、第3の目的を達成する電気融着方法に関する発明で、プラスチック管との接合面に電熱線を埋設したエレクトロフュージョン継手とプラスチック管とを電気融着する際、出力電圧計測回路と出力電流計測回路で出力電圧と出力電流を計測して両計測値より出力電力を求め、求めた出力電力が定電力目標値と一致するように制御装置が出力電力を制御する定電力方式の電気融着方法において、抵抗計測回路により継手の電熱線抵抗値Rを予め求めておき、出力電圧計測回路と出力電流計測回路で計測した出力電圧と出力電流より融着時の電熱線抵抗値R´を算出して両抵抗値RとR´を比較し、両抵抗値の違いにより出力電圧計測回路又は出力電流計測回路の故障を検出することを特徴とする。
【0017】請求項6記載の発明は、第3の目的を達成する電気融着装置に関する発明で、プラスチック管との接合面に電熱線を埋設したエレクトロフュージョン継手と、プラスチック管とを電気融着する際に用いられ、出力電力が調整可能な融着用電力供給回路と、該供給回路の出力電圧を計測する出力電圧計測回路と、上記供給回路の出力電流を計測する出力電流計測回路と、定電力目標値が記憶される記憶装置及び出力電圧計測回路により計測された出力電圧及び出力電流計測回路により計測された出力電流から出力電力を演算する演算手段を有し、該演算手段で演算された出力電力が記憶装置に格納された定電力目標値と一致するように融着用電力供給回路を制御する制御装置とよりなる定電力方式の電気融着装置において、融着開始前に継手の電熱線抵抗値を読取る抵抗計測回路を設けると共に、制御装置には上記各計測回路によって計測された出力電圧と出力電流より算出した電熱線抵抗値R´と、抵抗計測回路により求めた電熱線抵抗値Rを比較する比較手段を設け、該比較手段の比較結果に基づいて制御装置が表示手段に異常表示のための出力をすることを特徴とする。
【0018】請求項5及び6記載の発明においても抵抗値RとR´が不一致である場合は、抵抗計測回路と出力電圧計測回路と出力電流計測回路と演算手段のうち、一つ以上の故障が検出される。このうち、制御装置が正常に動作し始めれば、制御装置の同じハードウェアを用いて行われる演算手段も正常に動作すると考えられるので、演算手段は故障の候補から外すことができる。
【0019】請求項7記載の発明は、第4の目的を達成する電気融着方法に関する発明で、プラスチック管との接合面に電熱線を埋設したエレクトロフュージョン継手と、プラスチック管とを下記三方式のうち、いづれか一つを選択して電気融着する方法において、抵抗計測回路により継手の電熱線抵抗値Rを予め求めておき、出力電圧計測回路と出力電流計測回路により計測した出力電圧と出力電流より融着時の電熱線抵抗値R´を算出し、両抵抗値RとR´を比較して両抵抗値の違いにより出力電圧計測回路と出力電流計測回路のうちの1つ以上の故障を検出することを特徴とする。
【0020】■出力電圧計測回路で出力電圧を計測し、その計測値が定電圧目標値と一致するように制御装置が出力電圧を制御する定電圧方式。
■出力電流計測回路で出力電流を計測し、その計測値が定電流目標値と一致するように制御装置が出力電流を制御する定電流方式。
■出力電圧計測回路と出力電流計測回路で出力電圧及び出力電流を計測し、各計測値より求めた出力電力が定電力目標値と一致するように制御装置が出力電力を制御する定電力方式。
【0021】請求項8記載の発明は、第4の目的を達成する電気融着装置に関する発明で、プラスチック管との接合面に電熱線を埋設したエレクトロフュージョン継手とプラスチック管とを電気融着する際に用いられ、出力電圧、出力電流又は出力電力が調整可能な融着用電力供給回路と、該供給回路の出力電圧及び出力電流をそれぞれ計測する出力電圧計測回路及び出力電流計測回路と、定電圧目標値、定電流目標値及び定電力目標値が格納される記憶装置及び出力電圧計測回路により計測された出力電圧と、出力電流計測回路により計測された出力電流から出力電力を演算する演算手段を有し、出力電圧計測回路により計測された出力電圧が記憶装置に格納される定電圧目標値と一致するように定電圧方式により、或いは出力電流計測回路により計測された出力電流が記憶装置に格納される定電流目標値と一致するように定電流方式により、或いはまた出力電圧と出力電流とから演算手段で演算された出力電力が記憶装置に格納される定電力目標値と一致するように定電力方式により融着用電力供給回路を制御する制御装置とよりなり、上記定電圧、定電流或いは定電力のいづれかの方式の選択が可能な電気融着装置において、継手の電熱線抵抗値を読取る抵抗計測回路を設けると共に、制御装置には出力電圧計測回路と出力電流計測回路によってそれぞれ計測された出力電圧と出力電流より求めた電熱線抵抗値R´と抵抗計測回路により求めた電熱線抵抗値Rを比較する比較手段を設け、該比較手段の比較結果に基づいて制御装置が表示手段に異常表示のための出力をすることを特徴とする。
【0022】上記各発明における表示手段としては、ブザーやCRTなどで、異常により融着中止した旨の警報表示は警報音発生や文字、図形、模様等の画像によって行われる。
【0023】請求項9記載の発明は、請求項1、3、5又は7記載の発明において、電熱線抵抗値R´を温度補正することを特徴とし、請求項10記載の発明は、請求項2、4、6又は8記載の発明において、電熱線抵抗値R´を温度補正する補正手段を設けたことを特徴とする。
【0024】電熱線抵抗値は、電熱線の温度によって異なり、融着が開始されて電熱線温度が上昇するのに伴い大きくなる。したがって温度補正しないと、各計測回路や演算手段が正常に動作していても、RとR´が一致しなくなる。
【0025】
【発明の実施の形態】図4及び図5は、本発明に係わる電気融着装置の一例を示すもので、図1及び図2に示す従来の電気融着装置と同一構造のものは、同一符号で示してある。すなわち図4に示す電気融着装置は、図1に示す電気融着装置2において、継手1の電熱線5の抵抗値を計測する抵抗計測回路21とバーコード読取装置22を新たに設けたものである。
【0026】図5に示す制御装置としてのマイコン23は、図2に示すマイコン3において、上記バーコード読取装置22で継手1のバーコードラベル(図示しない)より読み取った電熱線抵抗値R1を一時的に記憶する第1の記憶手段24と、抵抗計測回路21により検出された電熱線抵抗値Rを一時的に記憶する第2の記憶装置25と、記憶手段24に記憶された電熱線抵抗R1と、記憶装置25に記憶された抵抗値Rとを比較し、その結果を制御手段15に出力する第2の比較手段26と、出力電圧計測回路7と出力電流計測回路8により計測した出力電圧と出力電流から演算手段11により演算して求めた電熱線抵抗を温度補正する補正手段27を新たに設けてなるもので、第2の比較手段26は上記機能のほか更に補正手段27によって補正した電熱線抵抗値R´と抵抗計測回路21により検出された電熱線抵抗値Rを比較し、その結果を制御手段15に出力する機能を有している。
【0027】本装置は以上のように構成され、定電圧方式で電気融着を行うときには図6に示すように、先ず電源スイッチ17を入れ(ステップS1)、ついでバーコード読取装置22により継手1に貼付されたバーコードラベルから当該継手の電熱線抵抗値R1 を読取り、マイコン23の第1の記憶手段24に記憶させておくと共に、スイッチ18、19をそれぞれUに切換える(ステップS2)。次にスタートスイッチ16を押してON入力する(ステップS3)。融着開始前に抵抗計測回路21により継手の電熱線抵抗Rが計測され(ステップS4)、結果が第2の記憶手段25に記憶される。そして第1の記憶手段24に記憶された電熱線抵抗値R1 と比較され(ステップS5)、R1 ≠Rのとき、制御手段15は継手1の異常(電熱線抵抗値異常)又は抵抗計測回路21の故障であると判断し、融着を開始せずブザー13により警報音を発生させ、かつ表示手段としてのCRT14に警報表示して(ステップS6)融着開始不可とする。ステップS5でR1=Rであった場合、抵抗計測回路21も継手1も正常であると判断し、スイッチ6をONに切り換え(ステップS7)、融着を開始する(ステップS8)。融着の開始に伴って出力電圧計測回路7及び出力電流計測回路8により、出力電圧Vm 及び出力電流がそれぞれ計測される(ステップS9)。
【0028】次に出力電圧計測回路7と出力電流計測回路8により計測された出力電圧Vmと、出力電流より演算手段11が電熱線抵抗値R´を算出し(ステップS10)、温度補正手段27により温度補正したのち(ステップS11)、第2の記憶手段25に記憶されていた電熱線抵抗値Rと比較する(ステップS12)。その結果、R≠R´のとき制御手段15は、制御手段が正常に動作することにより演算手段11も正常に動作すると判断し、出力電圧計測回路7と出力電流計測回路8のいづれか一方、若しくは相方が故障したと判断し、スイッチ6をOFFにして融着を停止すると共に、ブザー13により警報音を発生させ、かつCRT14に異常によって融着を中止したことを警報表示し(ステップS13)融着を中止する。
【0029】R=R´のとき融着が続行され、以後前述したと同様のプロセスが続けられる。すなわち、出力電圧計測回路7により出力電圧Vmが計測され(ステップS14)、この出力電圧Vmと記憶装置9の格納部9aに格納された定電圧目標値Vsが比較手段13において比較される。そして、|Vs −Vm |が許容されるしきい値Qを越え(ステップ15)、その状態が異常検出の設定時間Tfを連続して越えたとき(ステップ16)、スイッチ6をOFFにし出力を停止すると共に、ブザー13により警報音を発生させ、かつ表示手段14に文字、図形、模様等により異常により融着中止したことを警報表示させる(ステップ17)。Vs ≠Vmであるときには(ステップ18)、制御手段15からの制御信号により融着用電力供給回路4の出力電圧VmをVsに近づくように制御する(ステップ19)。出力後、設定時間経過すると(ステップ20)、融着が終了する(ステップ21)。
【0030】定電流方式で電気融着を行うときには、図5に示すスイッチ18及び19をそれぞれIに切換えてスタートスイッチ16を押しON入力する。融着開始前に前記と同様、RとR1の比較が行われ、R1≠Rのときにはブザー13による警報音発生、CRT14での警告表示がなされる一方、R1=Rのときには融着を開始する。次にRとR´の比較が行われ、R≠R´のときには出力電圧計測回路7と出力電流計測回路8のいづれか一方、若しくは相方が故障したと判断し、出力を停止すると共にブザー13での警報音発生、CRT14に異常により融着中止したことを表示する。R=R´のとき、つまり出力電圧計測回路7及び出力電流計測回路8に故障がないとき、格納部9bに格納された定電流目標値と出力電流計測回路8にて計測された出力電流が比較手段12において比較され、その差が許容値のしきい値を越えた状態が設定時間Tf続く状態に至らないときには、差が解消されるように融着用電力供給回路4の出力電流を制御する。上記差がしきい値を越え、かつ越えた状態が連続して設定時間Tf持続したときには、上記と同様、出力を停止すると共に、ブザー13での警報音発生及びCRT14で異常により融着中止したことを表示する。
【0031】定電力方式で電気融着を行うときは、スイッチ18及び19をそれぞれPに切換えてスタートスイッチ16を押しON入力する。融着開始前に前記と同様、RとR1の比較が行われ、R1≠Rのときにはブザー13による警報音発生、CRT14での警告表示がなされる一方、R1=Rのときには融着を開始する。次にRとR´の比較が行われ、R≠R´のときには出力電圧計測回路7と出力電流計測回路8のいづれか一方、若しくは相方が故障したと判断し、出力を停止すると共にブザー13での警報音発生、CRT14に異常により融着中止したことを表示する。R=R´のとき、つまり出力電圧計測回路7及び出力電流計測回路8に故障がないとき、格納部9cに格納された定電力目標値と演算手段11により求めた演算値が比較手段12において比較され、その差が許容値のしきい値を越えた状態が設定時間Tf続く状態に至らないときは差が解消されるように融着用電力供給回路4の出力電圧又は出力電圧を制御する。差がしきい値を越えた状態が連続して設定時間Tf持続したときには上記と同様、出力を停止すると共に、ブザー13での警報音発生及びCRT14で異常により融着中止したことを表示する。
【0032】
【発明の効果】請求項1及び2記載の発明においては、定電圧方式で電気融着する際に用いる電気融着装置の出力電圧計測回路の故障を検出することができ、請求項3及び4記載の発明においては、定電流方式で電気融着する際に用いる電気融着装置の出力電流計測回路の故障を検出することができる。請求項5及び6記載の発明においては、定電力方式で電気融着する際に用いる電気融着装置の出力電圧計測回路と出力電流計測回路のいづれか一方若しくは相方の故障を検出することができる。
【0033】請求項7及び8記載の発明においては、定電圧、定電流或いは定電力のいづれかの方式を選択して電気融着する際に用いる電気融着装置の出力電圧計測回路と出力電流計測回路のいづれか一以上の故障を検出することができる。請求項9及び10記載の発明においては、電熱線の抵抗値を温度補正することにより故障検出の精度を上げることができる。
【出願人】 【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
【出願日】 平成10年9月17日(1998.9.17)
【代理人】 【識別番号】100079636
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 晃一
【公開番号】 特開2000−88172(P2000−88172A)
【公開日】 平成12年3月31日(2000.3.31)
【出願番号】 特願平10−262806