| 【発明の名称】 |
防音材 |
| 【発明者】 |
【氏名】濱田 真彰
【氏名】堀江 宣臣
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| 【要約】 |
【課題】省スペース(厚み)で低域の防音効果の高い防音材を提供する。
【解決手段】吸音部材本体3aは、発泡樹脂からなり、壁面に当接される当接面3sに開口した空洞部5をもつと共に、空洞部5を区画する内壁面及び当接面に一体的に表皮層3bが設けられてシート状の吸音部材3となっている。遮音部材4は、表皮層3bと反対側の吸音部材3の外面に設けられる。空洞部5を区画する内壁面には、その部分の表皮層の一部が他と独立した振動膜3cとなるように区切り手段としての溝6が形成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 壁面を覆うように装着され、該壁面に当接される当接面に開口した空洞部をもつ発泡樹脂製の吸音部材本体と、前記空洞部を区画する内壁面及び前記当接面に一体的に設けられた表皮層とからなるシート状の吸音部材と、前記表皮層と反対側の前記吸音部材の外面に設けられた遮音部材とを具備する防音材であって、前記空洞部を区画する内壁面に設けられる前記表皮層の部分は、独立した振動膜となるように他部分より区切られる区切り手段をもつことを特徴とする防音材。 【請求項2】 前記区切り手段は、前記空洞部の底面、側面の少なくとも一方を囲む溝である請求項1記載の防音材。 【請求項3】 前記表皮層は、前記吸音部材に接合されたフィルムからなる請求項1記載の防音材。 【請求項4】 前記表皮層は、発泡樹脂の成形時に形成されるスキン層である請求項1記載の防音材。 【請求項5】 前記表皮層の厚みは100μm以下である請求項1記載の防音材。 【請求項6】 前記発泡樹脂は、連続気泡軟質ウレタン発泡体である請求項1記載の防音材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、配管等の壁面に装着される防音材に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、一般の住宅では、二階にトイレが設置されるのが一般的であり、中には浴室やミニキッチンなども設置さる住宅が増加している。また、集合住宅などは、一、二階にそれぞれの世帯が形成されていることにより、キッチン、トイレ、浴室等の水道関係設備が各階に設置されている。 【0003】このような水道関係設備の配管においては、しばしば放射音が問題になっている。これらの対策として、配管、ホースの周りに、遮音層、吸音層をもつ防音材を装着している。上記遮音層は、壁面内側からの放射音を配管内部あるいは壁面内側に反射させるもので、所定密度と所定の厚みをもつPVC等の軟質樹脂が用いられる。 【0004】吸音層は、遮音層と壁面との間に設けられ、グラスウール等の繊維体を用いた多孔質型吸音部材、薄膜あるいは薄板を用いた振動板型吸音部材などが一般的である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、吸音層と遮音層で構成される従来の防音材は、壁面全体に吸音層が密着するため、吸音層を構成する吸音部材本体と配管との接触面積が大きくなり、配管表面の振動が伝わりやすくなる。この配管表面からの振動が防音材自体を振動させ、この振動により騒音が発生しているのが現状である。 【0006】近年では、一般住宅における外壁の遮音効果が高くされている。これによって、外からの音がかなり遮音され、室内の暗騒音が低下している。このため、住宅内で発生する音が特に目立つ状況にあり、配管に対する防音材の性能アップが一層求められている。また、配管、ホース等に装着される防音材は、一般的にスペースの点より半径方向に10mm程度の厚みに制限されるため、遮音層、吸音層を備えた防音材では十分な防音効果が達成されておらず、一部の周波数(比較的高域の周波数)の音しか防音できない。このように対象周波数が制約されると、配管構造、エンジン仕様、剛性の差などにより、特定の周波数、特に低域を含めた可聴域全体の音が問題となる箇所への適用には問題となる場合がある。 【0007】本発明は、省スペースで可聴域全体の吸、遮音効果の高い防音材を提供することを解決すべき課題とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく本発明の発明者等は種々検討を重ね、空洞部と振動部の両方の吸音部分をもつ吸音部材を用いることにより、低域を含めた高範囲において吸音することを考え、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の防音材は、壁面を覆うように装着され、該壁面に当接される当接面に開口した空洞部をもつ発泡樹脂からなる吸音部材本体と、前記空洞部を区画する内壁面及び前記当接面に一体的に設けられた表皮層とからなるシート状の吸音部材と、該表皮層と反対側の該吸音部材の外面に設けられた遮音部材とを具備する防音材であって、該空洞部を区画する内壁面に設けられる該表皮層の部分は、独立した振動膜となるように他部分より区切られる区切り手段をもつことを特徴とするものである。 【0009】本発明の防音材において、区切り手段は、空洞部の底面、側面の少なくとも一方を囲む溝とすることができる。これにより、溝部分の表皮層の剛性が増し、該溝によって区切られた表皮層の部分が独立した振動膜となる。他の区切り手段としては、前記溝部分が突起状になっていてもよく、さらには空洞部の底面、側面の任意の位置に溝状あるいは突起状の区切り手段を用いても同様の効果を得ることができる。 【0010】また、上記構成では、空洞部を区画する吸音部材本体の全表面にフィルム等による膜を一括形成することで振動膜を簡単に形成することができる。本発明の防音材において、表皮層は、吸音部材本体に接合されたフィルムで構成してもよい。このフィルムは、発泡樹脂の切断面で空洞が形成される場合に有効である。 【0011】本発明の防音材において、表皮層は、発泡樹脂の切断面で空洞が成形される吸音部材本体の成形時に、該吸音部材本体の表面に形成されるスキン層をもちいてもよい。本発明の防音材において、表皮層の厚みは100μm以下が好ましい。本発明の防音材において、吸音部材は連続気泡軟質ウレタン発泡体であることが好ましい。 【0012】 【作用効果】本発明の防音材においては、吸音部材本体の空洞部を区画する表皮層が独立した振動膜となる。この表皮層による振動膜は、それ自身の重量と、背後の発泡樹脂からなる吸音部材本体のバネ性により、特定の周波数、特に低域で共振現象が発生する。この共振時、表皮層の振動により、入射音が熱エネルギーに変換され、吸音する。また、吸音部材本体は厚みを制限されてその空洞部の容積が小さくなっても、高域の吸音効果を有する。従って、本発明の防音材は省スペースで可聴域全体に吸、遮音効果の高い防音材となる。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明の防音材は、キッチン、トイレ、浴室等の水道関係設備の配管の外周面等の壁面を覆うように、該壁面に装着する。吸音部材となる発泡樹脂としては、発泡ポリエチレン、発泡PVC等の熱可塑性樹脂発泡体、あるいは発泡ウレタン等が用いられる。加工性の点からは軟質発泡体が好ましく、吸音性の点からは連続気泡のポリウレタン発泡体が特に好ましい。 【0014】表皮層は、発泡樹脂の成形時に形成されるスキン層あるいはウレタンフィルムを用いることができる。独立した表皮層の背後の発泡樹脂は、独立した該表皮層の共振周波数を低減を目的とする周波数に合わせるため、該共振周波数に関係する重量と、バネ定数を調整する。独立した表皮層の重量は厚み等により調整することができ、バネ定数は気泡率等で調整することができる。 【0015】上記共振周波数は、主に吸音部材本体の厚みでは吸音効果のでない低周波数に設定することが好ましい。本発明の防音材は、装着される壁面の形状に予め成形されていてもよいし、装着前はシート状で、装着時に壁面の形状に合わせて巻付け等するものでもよい。 【0016】 【実施例】次に本発明を具体的に実施例1.2によって図面とグラフを参照して説明する。(実施例1)本実施例の防音材1は、図1及び図2に示すように、壁面としての円筒状の配管2の外周面へ装着されるものであり、配管2の外周面を筒状に覆う吸音部材3と、吸音部材3の外面に設けられた遮音部材4とから構成されている。 【0017】吸音部材3は、図2に示すように、配管2の外周面に当接される当接面3sに開口した空洞部5をもつ連続気泡軟質ウレタン発泡体で構成された吸音部材本体3aと、連続気泡軟質ウレタン発泡体によって成形される吸音部材本体3aの成形時に、該吸音部材本体3aの表面に形成される本発明の表皮層としてのスキン層3bとから構成されている。 【0018】そして、本実施例では、前記空洞部5の底面の表皮層3bを囲う溝6が形成されている。空洞部5は、ここでは図3に示すように、円盤状であり、溝6は空洞部5の円柱の直径とほぼ一致した円形に形成される。これにより、溝6が形成された表皮層部分は、他の部分に比し剛性が増すことになり、溝6で囲まれた円形部分の表皮層3bを独立した振動膜3cとすることができる。 【0019】遮音部材4は、比重を高くしたゴム、軟質樹脂等で構成されている。上記構成の防音材1は、本実施例では、図3に示すようにシート状に形成し、配管2へ巻付けるようにする。このシート状の防音材1は、遮音部材4、吸音部材3の二層の一体成形品として製造することができる。空洞部5も成形時に形成する。溝6は空洞部5の成形と同時に形成してもよいし、成形後にプレス加工等により形成してもよい。 【0020】本実施例の防音材1によれば、空洞部5の底面に形成された表皮層3bが溝6によって囲まれていることによって、図4に示すように、溝6の表皮層3bが節となり、独立した振動膜3cとなる。この振動膜3cは、それ自身の重量と、背後の吸音部材本体部分7のバネ性により、特定の周波数で共振現象が発生する。この共振時、振動膜3cは振動することにより、入射音を熱エネルギーに変換し、吸音を行うことになる。 【0021】共振周波数fは、次式で決る。 【0022】 【数式1】 f=(1/2π)・(K/M)1/2数式1でKは背後の吸音部材本体部分7のバネ定数(単位系:ML-1T-2)であり、Mは振動膜3cの質量である。従って、吸音部材本体3aの密度を小さくすることによりKが小さくなり共振周波数、すなわち、防音の対象周波数を低くできる。また、表皮層3bの厚みを小さくすることにより、Mが小さくなり、防音の対象周波数は高くなる。 【0023】吸音部材本体3aのみの防音の対象周波数は、6KHz付近である。そして吸音部材本体3aに空洞部5を設けることによって、対象周波数を低域に広げることができる。しかし、空洞部5によっても3KHz付近程度しか対象周波数は下がらない。ところが、本実施例のように空洞部底面に振動膜3cを形成し、この振動膜3cの共振周波数をK、Mで調整することにより更に防音対象周波数を低域に広げることができる。 【0024】図6は吸音部材本体3aに表皮層3bが無い場合と表皮層3b(振動膜3c)を設けた場合の吸音率を100Hzから6.3KHzまで1/3オクターブ毎に測定したものである。表皮層3bが無い吸音部材本体(比較例1)と、表皮層3bを設けた吸音部材本体3a(本発明)の密度及び厚みは同じとした。吸音部材本体3aの厚みは15mmとし、表皮層3bの厚みは30μmとした。遮音部材4の厚みは1.5mmとした。また、空洞部5は、図4に示すように、底面が平坦な円柱状に形成し、その高さは7.5mm、直径は30mmとした。 【0025】図6によれば、白のドットで示される表皮層3bが無い場合の吸音率特性は、吸音率0.5の周波数が2〜2.5KHzの間であるのに対し、黒のドットで示される表皮層3bを設けた場合の吸音率特性は、吸音率0.5の周波数が1.25〜1.6KHzに低下している。また、図7は吸音部材本体3aの厚みを10mmとした場合の同条件の吸音率特性である。図7によれば、表皮層3bが無い場合(比較例2)の吸音率特性は、吸音率0.5の周波数が3.15KHz付近であるのに対し、表皮層3b(振動膜3c)を設けた場合(本発明)の吸音率特性は、吸音率0.5の周波数が1.6KHzに下がっている。 (実施例2)本発明の実施例2は、図5に示すように、吸音部材本体3aに断面V字状の空洞部8を形成した。そして、この空洞部8を区画する斜面に他の表皮層3bと独立した振動膜3c′が形成されるように、V字の頂部(底部)に沿ってプレス等により溝6aを形成した。 【0026】このような構成の防音材11(本発明)と、比較例3の防音材3との吸音率特性を測定して図8に示す。防音材11は、その吸音部材本体3aの厚みを20mmとし、表皮層3bの厚みは30μmとした。比較例3の防音材は、吸音部材本体3aの厚みが20mmで表皮層がないものである。比較例3の防音材では、吸音率0.5の周波数が1.25KHz付近であるのに対し、本発明の防音材11では、吸音率0.5の周波数がほぼ800Hzにも下がっている。 【0027】このように実施例1、2共、空洞部5を区画する内壁面に振動膜を形成することにより、防音対象周波数を低域に広げることができた。その効果は吸音部材本体の厚みを大きくすると一層良好になることがわかった。しかし、厚み10mmの吸音部材本体を用いたものでも、同厚みの振動膜を設けないものより吸音率特性が低周波数に広がり、省スペースで多大な防音効果があることがわかった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000219602 【氏名又は名称】東海ゴム工業株式会社 【識別番号】000219668 【氏名又は名称】東海化成工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年7月27日(1998.7.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081776 【弁理士】 【氏名又は名称】大川 宏
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| 【公開番号】 |
特開2000−46283(P2000−46283A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月18日(2000.2.18) |
| 【出願番号】 |
特願平10−211275 |
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