トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 コネクター
【発明者】 【氏名】城 靖

【要約】 【課題】

【解決手段】挿入管11と受入管12および挿入管11に付設された可撓性を有する円筒状のカム5で構成されるコネクターであって、挿入管11、受入管12とも径一定の円筒部分とその先端の限られた一部のみがテーパーになっており、挿入管11の円筒部に円周にそってリングパッキング4を配して、挿入管11外壁と受入管12内壁の間の間隙をリングパッキング4の作用で気密に密着させるコネクターであって、挿入管11の外側には、円筒状のカム5を配し、そのカム5の断面はコの字形になっており、このカム5は自由に回転可能であって、カム5の先端部は、挿入に際し、受入管12との接触、押圧によって外方向に拡がって、挿入管11の挿入に応じて受入管12の外壁を移動して外壁に設けた嵌合用の溝10に嵌合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 挿入管と受入管および挿入管に付設された可撓性を有する円筒状のカムで構成されるコネクターであって、挿入管の挿入部の大部分が外径一定の円筒状で、その先端の限られた一部のみが先細テーパーになっており、挿入管を受け入れる受入管も、その内径の大部分が、内径の一定の筒状に形成し、その限定された先端部に先端に向かって広がるように逆テーパーを形成し、該挿入管の外径一定の円筒部に円周にそってリングパッキングを配して、挿入管の挿入によって、気密に挿入管外壁と受入管内壁を密着させるコネクターであって、該挿入管の外側には、円筒状のカムを配し、そのカムの両端には嵌合用の突起が内に向かって円周にわたって形成され、その断面はコの字形になっており、このカムを該挿入管の外円周に設けた嵌合溝に嵌合してカムの位置を挿入管に固定し、このカムは自由に回転可能であって、該カムの他の一方の先端部は、挿入に際し、受入管との押圧によって外方向に拡がって、挿入管の挿入に応じて受入管の外壁を移動して外壁に設けた嵌合用の溝に嵌合して、挿入管の挿入位置を所定の深さに規制するとともに、該カムの受入管外壁への嵌合によって挿入管の内圧による離脱を防止するようにして、押し込みによる結合、牽引による離脱を可能にしたことを特徴とするコネクター。
【請求項2】 挿入管と受入管および挿入管に付設された可撓性を有する円筒状のカムで構成されるコネクターであって、挿入管の挿入部の大部分が外径一定の円筒状で、その先端の限られた一部のみが先細テーパーになっており、挿入管の円筒状の部分に円周に沿って溝を設け、ここに弾性体のリングパッキングを配し、挿入管には円筒状部分に続いて先端からみて遠位の部分に肉厚部分を設け、この肉厚部分に円周にそって角型の第1の嵌合用溝が設けてあり、この溝に外側から、円筒状でその両端に嵌合用の肉厚の突起を内に向かって円周にわたって形成しているカムを嵌合し、このカムは挿入管の回りを自由に回転可能であって、その両端は、断面で見て直角にコの字形に曲がったように内に向かって肉厚になっており、カムの他の一方の先端肉厚部はその断面で、半円状又は三角状ないし台形状に形成して、挿入管の挿入に際して受入管との接触点において、上記断面の半円状又は三角形状ないし台形状の部分で受入管の先端と斜めに接触するようにし、挿入圧によって円筒状のカムが外方向に拡がり易いように少なくとも2ケ以上の切り込みを円筒状のカムの先端側から該円筒側面に形成させ、該挿入管を受け入れる受入管は、その内径の大部分が、内径の一定の筒状に形成し、その限定された先端部には、先端に向かって広がる(径を増す)ように逆テーパーを形成させ、該受入管の外壁には円周に沿って管の長さ方向に直角に第2の嵌合用溝を構成し、前記挿入管の挿入で、円筒状カムの先端肉圧部がこの溝に嵌合するようになっていることを特徴とするコネクター。
【請求項3】 挿入管と受入管および挿入管に付設された可撓性を有する円筒状のカムで構成されるコネクターであって、挿入管は、その大部分を形成する外径一定の円筒状の部分と先端に向かって径を減ずる限られた短いテーパーを有する部分で成り立っており、円筒状の部分の長さ(D)とテーパーを有する部分の長さ(d)との比;d/Dは、1/3〜1/40の間にあり、その円筒状の部分に円周に沿って溝を設け、ここに弾性体のリングパッキングを配し、挿入管には円筒状部分に続いた先端から見て遠位の部分にテーパー様に漸増する部分を含む肉厚部分を設け、その外円周にそって角型の第1の嵌合用溝が設けてあり、この溝に外側から、円筒状でその両端に嵌合用の肉厚の突起を内に向かって円周にわたって形成するカムを嵌合し、このカムは挿入管の回りを自由に回転可能であって、このカムの両端は、断面で見て直角にコの字形に曲がったように内に向かって肉厚になっており、第1の嵌合用溝に嵌合するカムのコの字形の肉厚部は角型で、一旦嵌合すれば離脱出来ないようになっており、反対側の肉圧先端部は、その断面で、半円状又は三角状ないし台形状に形成して、挿入時に、挿入管と受入管との接触点において、上記断面の半円状又は三角形状ないし台形状の部分が受入管と斜めに接触するようにし、加えてこのカムには少なくとも2ケ以上の切り込みを該円筒状のカムの先端側から内に向かって形成させ、挿入圧によって円筒状のカムの接触部が外方向に拡がるようになっており、一方該挿入管を受け入れる受入管は、その内径の大部分が、内径の一定の筒状に形成し、その限定された先端部には、先端に向かって広がる(径を増す)ように逆テーパーを形成させ、挿入管の円筒状の部分の長さ(D)と受入管のテーパー部分の長さ(d’)の比;d’/Dは、1/3〜1/40の間に設定し、該受入管の外壁に円周に沿って、その管の長さ方向に直角に角型の第2の嵌合用溝を構成し、前記挿入管の挿入で、挿入管に付設された円筒状カムの先端肉圧部がこの第2の嵌合用溝に嵌合するようになっており、嵌合後においてこのカムは自由回転が可能であり、挿入管外壁と該受入管内壁との間隙(CL)が、前記リングパッキングの厚み(X)の1/2〜1/20であることを特徴とするコネクター。
【請求項4】 特許請求の範囲第1項及び第2項において、リングパッキングの位置が、挿入管の円筒部分(テーパー部分を除く外径一定部分、嵌合溝部を除く)の外径Lと挿入管の円筒部分の先端からリングパッキングにいたる距離l(テーパー部を除く)の間に、1.0≧l/L≦0.05の関係にあることを特徴とするコネクター。
【請求項5】 特許請求の範囲第1項、第2項および第3項において、カムに設ける切り込みの形が亜鈴型、長方形型、台形型、雫型、円形型、U字型、V字型からなる群から選ばれた少なくともひとつであることを特徴とするコネクター。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は簡単な押し込みと牽引だけの操作で、ワンタッチで気密(あるいは液密)に結合させあるいは取り外しできるコネクターに関し、ガスあるいは水などの液体の配管の接続に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】水道の蛇口からホースへの接続のような家庭での身近かなものから、精密な理科学機器、さらに呼吸器、麻酔器などの極めて精密な医療器にいたるまで、液体あるいは気体の配管の接続に用いられるコネクターはこれまでよく知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなコネクターは必要な時に取りつけ、その役割が終わると取り外すことが多いために、脱着操作が簡単に行えることが好ましい。このような場合、結合したコネクターを通じて流れる流体の圧のために、コネクターが外れることがしばしば経験される。
【0004】コネクターを用いる器具が精密な理科学機器や、さらには呼吸器、麻酔器などの極めて精密な医療器の一部となると、もし内部を流れる流体(麻酔器にあっては麻酔ガス)がコネクターでリーク(漏洩)を起こしたり、コネクターの内部の流体内圧によってコネクターの離脱が起こったりすると、重大な結果を生ずることになる。
【0005】通常このようなトラブルを防止するために、コネクターに流路を構成するチューブを被せ、その結合部分をチューブの外側から何らかの部材を用いて締めつける方法が取られている。これは原理的には良い方法と言えるが、面倒な脱着操作の繰り返しを強いられることになり、これが、例えば人工呼吸器のような医療機器となると、スピーディーな処置が必要なだけに、治療にとって大きな障害となる。
【0006】よってワンタッチで簡単に、かつ確実にしかも気密に接続したり、必要に応じ取り外しが容易に出来、使用時に外れることがないコネクターが望まれ、各種の機構が提案されているが、いずれも嵩張り、重く大きいものとなり、簡便な取扱いには未だに不充分であり、このような要求に応えるコネクターは多大な要望にかかわらず実現されていなかった。
【0007】従来、このような流体路のコネクターは、挿入側と受入側との結合を容易にするために、挿入側の挿入管先端にテーパーを付けて挿入を容易にするのが常識となっている。図6の参考例に示すように、挿入の点では利点となっても、結合後の結合安定性(挿入管が内圧で離脱する)が悪く、外部から締めつけたり、特殊な嵌合の手段で結合部を離脱から守る方法を講じている。そのため結合部が大きくなり易く、嵩張り且つ重くなるので取扱性、機敏性に欠けることが多い。
【0008】また先端先細のテーパーをつけた挿入管にO- リングを配し、このO- リングの作用で気密性もしくは液密性を保とうとすれば、必然的に挿入部位を厳密に制御しないと、0−リングと挿入管の受け入れる側の管の内面とのクリアランス(間隙)が挿入の深さによって一定とならず(深く挿入すればするほど、クリアランスは大となって、気密性は失われる)挿入度によって漏洩の可能性、安定性が変わってくる。
【0009】このような状態では、たとえば、麻酔器や呼吸器のような、敏速性や易操作性、安全確実性を求められる精密機器、医療機器に至っては、実用的見地から大いに疑問があることは論を俟たない。これは操作の煩雑さに加えて、その装置が大袈裟になって使用者からみれば、面倒で操作しにくいものとなる。さらに確実な流体の漏洩防止という観点からみても充分ということは出来ないのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、以上のような現状に鑑み、結合が容易で、挿入・牽引のみの操作で確実にチューブを結合、離脱ができること、結合が安定であること、気密性、液密性(以後この液密性も含めて気密性という)が優れていること、結合部が大袈裟にならず、軽量であること、結合部が短くしかも高頻度の結合・離脱に耐える耐久性に富んでいること、メンテナンスに労を要しないことなどを念頭に、鋭意検討を続け遂に本発明に到達したものである。
【0011】本発明の特徴は、挿入管と受入管および挿入管に付設された可撓性を有する円筒状のカムで構成するコネクターであって、挿入管の挿入部の大部分が外径一定の円筒状で、その先端の限られた一部のみが先細テーパーになっていることにある。そして挿入管と受入管とのあいだの気密性は挿入管に配したリングパッキングで行い、本発明ではリングパッキングの配された部分を含めて挿入管の外径は変わらないので、気密性は安定に保証されるのである。この方法に付きまとう結合安定性、すなはち、結合の離脱の可能性を一定の力の範囲内では確実に除く方式を考案したことが、本発明の特徴のひとつである。また結合部が極めて短く、そして高度の気密性を保つことも本発明の特徴といえる。即ち本発明の特徴は、挿入管の外側に円筒状のカムをはめ込み、この円筒状のカムの先端に中心に向かって嵌合用の突起を円周にわたって形成し、この嵌合突起を、受入管の外壁の円周にそって設けた嵌合用溝に嵌合させて、位置を安定に固定することを特徴としている。
【0012】また挿入、牽引によって簡単かつ確実に結合、離脱を行えるように、前記嵌合突起は、その断面で見て半円形、三角形、又は台形になっていることを特徴としている。
【0013】さらに、本発明は、コネクターの結合時の上記嵌合に際して、カムの先端が開き易いようにこの円筒状のカムの側面に先端から内に向けてU字状もしくはV字状の切り込みを設けてカムの先端を開きやすくしたことを特徴としているものである。このように構成することにより、カムはある一定以上の力が加われば、受入管と脱着可能にすることが出来るのである。
【0014】本発明の特徴のひとつは、挿入管と受入管および挿入管に付設された可撓性を有する円筒状のカムで構成するコネクターであって、挿入管の挿入部の大部分が外径一定の円筒状で、その先端の限られた一部のみが先細テーパーになっており、挿入管の円筒状の部分に円周に沿って溝を設け、ここに弾性体のリングパッキングを配し、挿入管には円筒状部分につづいて先端からみて遠位の部分にテーパー様に漸増する部分を含む肉厚部分を設け、この肉厚部分に円周にそって角型の嵌合用溝(6)(図1(a)参照)が設けてあり、この溝に外側から、円筒状でその両端に嵌合用の肉厚の突起を内に向かって円周にわたって形成するカムの一端を嵌合し、このカムは挿入管の回りを自由に回転可能であって、その両端は、断面で見て直角にコの字形に曲がったように内に向かって肉厚になっており、該カムの他の先端肉厚部はその断面で、半円状又は三角状ないし台形状に形成して(図2参照)、挿入に際して受入管との接触点において、上記断面の半円状又は三角形状ないし台形状の部分で受入管の先端と斜めに接触するようにし、挿入圧によって円筒状のカムが外方向に拡がり易いように少なくとも2ケ以上の切り込みを円筒状のカムの先端側から該円筒側面に形成させ、該挿入管を受け入れる受入管は、その内径の大部分が、内径の一定の筒状に形成し、その限定された先端部には、先端に向かって広がる(径を増す)ように逆テーパーを形成させ、該受入管の外壁には円周に沿って管の長さ方向に直角に嵌合用の溝((10)図1(b)参照)を構成し、前記挿入管の挿入で、円筒状カムの先端肉圧部がこの溝に嵌合するようになっていることを特徴とするコネクターである。
【0015】さらに詳しくは、本発明は、挿入管と受入管および挿入管に付設された可撓性を有する円筒状のカムで構成するコネクターであって、挿入管は、その大部分を形成する外径一定の円筒状の部分と先端に向かって径を減ずる限られた短いテーパーを有する部分で成り立っており、円筒状の部分の長さ(D)とテーパーを有する部分の長さ(d)の比;d/D(図1(c),(d)参照)は、1/3〜1/40の間にあり、その円筒状の部分に円周に沿って溝を設け、ここに弾性体のリングパッキングを配し、挿入管には円筒状部分に続いた先端から見て遠位の部分にテーパー様に漸増的に肉厚部分を設け、ここに円周にそって角型の嵌合用の溝(6)が設けてあり、この溝に外側から、円筒状でその両端に嵌合用の肉厚の突起を内に向かって円周にわたって形成するカムを嵌合し、このカムは挿入管の回りを自由に回転可能であって、このカムの両端は、断面で見て直角にコの字形に曲がったように内に向かって肉厚になっており、該嵌合溝(6)に嵌合するカムのコの字形の肉厚部は角型で、一旦嵌合すれば離脱出来ないようになっており、反対側の肉圧先端部は、その断面で、半円状又は三角状ないし台形状に形成して、挿入時に、挿入管と受入管との接触点において、上記断面の半円状又は三角形状ないし台形状の部分が受入管と斜めに接触するようにし、加えてこのカムには少なくとも2ケ以上の切り込みを該円筒状のカムの先端側から該円筒側面に形成させ、挿入圧によって円筒状のカムの接触部が外方向に拡がるようになっており、該円筒状のカムの先端肉圧部の位置は、前記リングパッキングの位置に略一致させ、一方該挿入管を受け入れる受入管は、その内径の大部分が、内径の一定の筒状に形成し、その限定された先端部には、先端に向かって広がる(径を増す)ように逆テーパーを形成させ、このテーパー部分の長さ(d’)と挿入管のテーパー部の長さ(d)の間に、d’≧dなる関係を有し(図1(b)、(c)、(d)参照)、該受入管の外壁に円周に沿って該受入管の長さ方向に直角に角型の嵌合用の溝(10)を構成し、前記挿入管の挿入で、挿入管に付設された円筒状カムの先端肉圧部がこの溝に嵌合するようになっており、嵌合後においてこのカムは自由回転が可能であり、挿入管外壁と該受入管内壁との間隙(CL)が、前記リングパッキングの厚み(X)(図1(d)参照)の1/2ないし1/20であることを特徴とするコネクターである。CLがXの1/2より大きいと気密性に不安定さを生じ、1/20より小さいと挿入、引き離しが困難である。
【0016】挿入管の外径あるいは、受入管の内径が一定の円筒状部分とテーパー部の比が1/3〜1/40の間に設定したのは、多くの実施経験から、この範囲がもっとも操作性が良いためである。もしこの比が1/3より大きいと挿入部分が長くなり過ぎて操作性が悪く、1/40より小さいと嵌合時にうまく嵌まらないことが頻発する。
【0017】本発明に用いるカムは結合に際しても、脱離に際しても挿入管に付設したカムの先端が外側に開いて広がる必要がある。そのための必須の条件はカムが可撓性を有することである。このためにカムを構成する素材は、可撓性のプラスチック、たとえばナイロンなどのポリアミド樹脂、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、塩化ビニール樹脂などの可撓性を有するプラスチックが用いられる。また可撓性を有するメタル製のもの、たとえば鋼(はがね)であってよく、薄いステンレスでも、ジュラルミンであってもよい。
【0018】本発明のコネクターの結合時のカムの位置は、挿入管上のリングパッキングの位置と受入管のカム嵌合溝の位置が略合致するのが望ましく、このために、カムの両嵌合突起間の長さ(p)と挿入管のリングパッキン用溝とカム付設用溝との距離(p’)(図1(c)、(d)参照)がほぼ等しいことが望まれる。
【0019】本発明に用いるカムの切り込みの形は、その目的である挿入時のカムの先端の開き易さ付与目的に合うものであれば、いろんな形が考えられる。図4に示すような、V字型、亜鈴型、長方形型、台形型、雫型、円形型、U字型、などがあるが、その中でU字型、がもっとも好ましい。台形型、雫型、円形型は、カムは開きにくいが、結合後脱離抵抗性が高くV字型が最も離脱が容易である(図4参照)。これらの型は、その目的、要求性から任意に選ぶことが出来る。
【0020】ここでカムの重要な役割について述べる。カムの第1の役割は挿入した挿入管が、容易にはずれないようにする役割である。一方はずしたいときに、ある一定の力で引き抜く操作で容易に引き抜けないと本コネクターの機能を達成出来ないことになる。この引き抜きやすさ、結合安定性を微妙に調整するためにカムにもうけられた切り込みの形が大きい貢献をするのである。V字型の切り込みは、U字型の切り込みより容易に引き抜くことができる。この原理に基づいて、たとえば6ポンド(3〜4Kg)の力までは離脱しないようにしたければ、U字型の切り込み、3ポンド(1〜2Kg)の力で引き抜けるようにしたい時はV字型の切り込みのカムを使用するなどの選択が出来るのである。さらに強固な結合安定性が要求されるときは、たとえば、雫型や逆V字型の切り込みを採用すればよい。カムの第2の役割は挿入した挿入管の位置決めの役割である。カムの嵌合溝の位置を決めると自動的に挿入管の挿入の深さが決まるので、いつも同じ位置にまで挿入管を受入管に挿入することができる。
【0021】更に本発明のカムの役割は、その多くの機能に加えて、コネクターそのものを驚くほどに軽量、小型化を達成したことにある。通常カムの機構でコネクターを安定に保持する方法は公知であるが、カムそのものが大袈裟になり、嵩張りもさることながら、結合部が大きくなりとても使いにくいものである。本発明によるコネクターは、極めて軽量で、大きさも小さく、コネクター部の最大径は、コネクターにつながるチューブ径のせいぜい30%増しに過ぎない。このような小型、軽量で確実にリークなしに脱着できるクイックコネクターは、医療分野で垂涎のものであった。カムを可撓性のある材質を用い、その可撓性を利用して結合、脱離を行うコネクターの例はない。
【0022】本発明のコネクターが文字通りクイックコネクターとして呼称することができるような、簡単かつ有用に機能するためには、操作の容易さに加えて気密度の確実性がなければならない。本発明者は多くの実験データーから挿入、牽引の容易さと気密度安定性を同時に達成するためには、挿入管の外径および受入管の内径がともに、一定の円筒状でなければならないこと、気密性は挿入管の外周にリングパッキングを配し、このリングパッキング厚みで気密性を保持するのがもっとも確実であること、リングパッキング厚みをある一定の範囲に規制すると、次に述べるリングパッキングの位置設定とともに挿入し易さ、引き抜きやすさが容易に達成されることを確認した。
【0023】リングパッキングの位置の最適条件は、挿入管の径に関連しており、挿入管の円筒部分(テーパー部分を除く外径一定部分、嵌合溝部を除く)の外径Lと挿入管の円筒部分の先端からリングパッキングにいたる距離l(テーパー部を除く)(図1(c)、(d)図5参照)の間に、1.0≧l/L≦0.05の関係にあることが必要なことを見いだした。
【0024】l/L の値が、0.05より小さいと、気密性保持が不安定となり、1.0より大きいと引き抜挿入に大きい力を必要とし、操作性に欠けることになる。なお、本発明に用いるリングパッキングの厚み(X)の好ましい範囲(図1(d)参照)としては、挿入管外壁と該受入管内壁との間隙(CL)との間に、X/2≧(CL)≧X/20の条件が必要であること見い出したが、上記条件を備えたリングパッキングに加えて、さらに別のリングパッキングを併用して、複数個のリングパッキングを用いることも出来る。
【0025】
【作用】以上のように、本発明は口径の大小にかかわらず、非常にコンパクトかつ軽量に構成され、嵩張らず簡単な操作、すなわち押し込み結合、牽引で引き離しが出来るワンタッチコネクターでしかも完全に気密性を保つことができるので、特に小口径のチューブを使用する麻酔器、呼吸器など精密医療機器に適用可能で、有用な手段を提供するものであり、医療に貢献できるものである。以上の本発明をさらに実施例によって詳しく説明する。
【0026】
【発明の実施の形態】実施例1を、図1〜図4に基づいて説明する。本例は、本発明の一例で挿入管(11)はチューブ(1)に連結されており、受入管(12)は壁体(2)に固定された例である。
【0027】図1(a)は挿入管(11)の断面を示す。挿入管(11)の先端部には円周にそって角型の嵌合溝(3)があり、そこにO- リング(4)(O- リングパッキング)がはめこまれている。プラスチック製の円筒状カムリング(5)は挿入管(11)の肉厚部(7)に設けられた角型の嵌合溝(6)にはめ込まれており、カムリング(5)の挿入管(11)側の嵌合突起部(5b)は角型断面であり、そのはめ込み溝(6)も、角型すなわち角( かど) が直角になっているので、一旦はめ込むともはや抜くことが出来ないようになっている。このカムリングの嵌合は、強く押し込むことによって達成されるが、挿入管の肉厚部(7)がテーパー部(8)( 図1(a)、(d)などにおいて符号(8)で示す部分 )になっており、プラスチック製のカムリング(5)が可撓性を有するために強い押圧力で押し込み嵌合が可能である。一方カムリング(5)の先端側の嵌合用突起(9)は断面が半円状に形成されており、受入管(12)の先端部との接触がこの半円部に当たるために、カムリング(5)にある切れ込み(5a)(図1(d)参照)の効果もあって容易に嵌合ができるのである(図2参照)。
【0028】この結合を離脱するには、単に引っ張るだけでよい。何故ならカムリング(5)の先端嵌合部(9)の形が断面半円形であるため、受入管(12)の嵌合溝(角型)(10)の角(かど)と斜めに接するので自然にカムリング(5)が開くからである(図2参照)。すなわちカムリング(5)の先端の嵌合突起部(9)の形が重要なことがわかる。
【0029】図1(d)は、挿入管(11)および受入管(12)の分解図である。ここで説明した結合と離脱の様態を、わかりやすく図解したのが図2である。ここではカムリング(5)と受入管(12)の一部を拡大している。図2は、(a)から(b),(c),(d)の順に挿入嵌合ならびに引き抜きの態様を循環的に示している。なお、嵌合時にはカムリング(5)の嵌合突起(9)と受入管(12)の嵌合溝(10)との間には、間隙があり、嵌合時にカムリング(5)は自由回転が可能である。
【0030】図3に、カムリング(5)の先端嵌合突起(9)の形状の例を断面図で示す。図3(a)は半円型、(b)は三角形型、(c)は台形型である。このようにカムリング(5)の先端嵌合突起(9)の断面形状を、受入管(12)の先端との接触点で斜めに接するようにして挿入を容易にし、また引き抜き時には嵌合溝(10)の角(かど)と斜めに接するため、引き抜きも容易になり、押し込み、牽引で確実に脱着出来るクイックコネクターと呼べるようなコネクターができる。
【0031】図4に本発明のカムリング(5)に適用される切り込み(5b)の例を示す。図4(a)はV字型、(b)は亜鈴型、(c)は長方形型、(d)は台形型、(e)は雫型、(f)は円形型、の例である。図1には、U字型のカムを例示している。
【0032】
【実施例2】実施例1のコネクターを用い、本文に記した形状の効果を示す実験結果を以下の表1にまとめて示した。ここで挿入/引き抜きの容易さは、200回の繰り返し操作でのテストの結果であり、気密性は結合後、4kg/平方センチメートルの気圧下で石鹸水によるリークテストによった。その結果、d/D(図1(d)参照)は、1/3≧d/D≧1/40の範囲が適当であるという結果が得られた。
【0033】
【表1】

【0034】
【実施例3】実施例1のコネクターを用い、本文に記した形状の効果を示す実験結果を以下の表2にまとめて示した。ここで挿入/引き抜きの容易さは、200回の繰り返し操作でのテストの結果であり、気密性は結合後、4kg/平方センチメートルの気圧下で石鹸水によるリークテストによった。その結果、d’/d≧1の時,および1/3≧d’/D≧1/40のときに非常によい結果が得られた(d’は図1(b)、dは図1(d)をそれぞれ参照)。
【0035】
【表2】

【0036】
【実施例4】実施例1のコネクターを用い、本文に記した挿入管の形状( 図1(c)、(d)、図5参照)の効果を示す実験結果を以下の表3にまとめて示した。本例では、挿入/引き抜きの容易さを、200回の繰り返し操作でのテストで調べ、その結果をまとめた。気密性は結合後、4kg/平方センチメートルの気圧下で石鹸水によるリークテストによった。リングパッキングの位置設定は、挿入し易さ、引き抜きやすさと関連しており、リングパッキングの位置の最適条件は、挿入管の径に関連し、挿入管の円筒部分(テーパー部分を除く外径一定部分、嵌合溝部を除く)の外径Lと挿入管の円筒部分の先端からリングパッキングにいたる距離l(テーパー部を除く)(図1(c)、(d)、図5参照)の間とは1.0≧l/L≧0.05 の関係にあることが必要なことをが以下の表3から判る。もし、l/L の値が、0.05より小さいと、気密性保持が不安定となり、1.0より大きいと引き抜挿入に大きい力を必要とし、操作性に欠けることになる(l及びLは図1(d)参照)。
【0037】
【表3】

【0038】
【実施例5】実施例1のコネクターを用い、本文に記した形状の効果を示す実験結果を以下の表4にまとめて示した。本例では、挿入/引き抜きの容易さを、200回の繰り返し操作でのテストで調べ、その結果をまとめた。気密性は結合後、4kg/平方センチメートルの気圧下で石鹸水によるリークテストによった。本例では、挿入管外壁と該受入管内壁との間隙(CL)とリングパッキングの厚み(X)(図1(d)参照)と本コネクターの脱着の操作性、気密保持性に対する関係を調べたものである。CLがXの1/2より大きいと気密性に不安定さがあり、1/20より小さいと挿入、引き離しが困難になってくるのである。そして、0.5X≧CL≧0.05Xの関係が成立する時がもっとも良いことがわかる。
【0039】
【表4】

【0040】
【参考例】参考例として、従来のコネクターのように挿入管の挿入部がかなりの長さにわたってテーパーになっており、リングパキングがこのテーパー部に設置されている典型的な公知のネクター(図6)を用いて操作性、気密保持性を調べてみた。
【0041】図6(a)は挿入管(11’)、カムリング(5)、受入管(12)の構成図であり、図6(b)は挿入管(11’)の挿入部の部分拡大図である。挿入管(11’)のテーパーは挿入部の全体に及んでおり、テーパーの角度は本例では2度である。本例で67回の脱着を繰り返したところ、脱着の操作は全く問題なかったが、67回中7回のリークがあり、実用的には、メディカル精密機器への適用に問題があると思われる。
【0042】
【発明の効果】本発明によって、これまで大変な手間でしかも気密性に不安がつきまっとっていた気体、液体の輸送回路の結合、離脱操作が、簡単にワンタッチで可能となり、しかも使用時に離脱することなくかつリークの恐れがなく、精密医療器に適用することにより、操作性、安全性、確実性からみても極めて有用であり、治療の改善に資するところ大である。
【出願人】 【識別番号】596086907
【氏名又は名称】城 靖
【出願日】 平成10年7月31日(1998.7.31)
【代理人】 【識別番号】100065950
【弁理士】
【氏名又は名称】土屋 勝
【公開番号】 特開2000−46278(P2000−46278A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平10−229984