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【発明の名称】 配管アダプタ
【発明者】 【氏名】大西 知文

【要約】 【課題】配管アダプタを作製する際に、材料コスト及び加工時間を低減でき、また建設省仕様の材質に安価に適合できる配管アダプタを提供する。

【解決手段】配管アダプタ1は、接水部2とこの接水部2とは別個に形成されたフランジ部3とを一体に組付けてなっている。また、接水部2とフランジ部3とは螺合手段を介して組付けられている。螺合手段は、接水部2及びフランジ部3のうち一方に形成された雄ねじ部4と他方に形成された雌ねじ部11からなり、配管接続用ねじ部とはねじ山形成方向が反対方向である。さらに、接水部2及びフランジ部3のうち少なくとも接水部2は青銅製である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 接水部及びフランジ部を備え、少なくとも前記接水部には配管接続用ねじ部が形成されている配管アダプタにおいて、接水部と、この接水部とは別個に形成されたフランジ部とを一体に組付けてなる配管アダプタ。
【請求項2】 前記接水部と前記フランジ部とは螺合手段を介して組付けられている請求項1に記載の配管アダプタ。
【請求項3】 前記接水部には、軸線方向における両端部に配管接続用ねじ部が設けられている請求項1又は請求項2に記載の配管アダプタ。
【請求項4】 前記螺合手段は、前記接水部及びフランジ部のうち一方に形成された雄ねじ部と他方に形成された雌ねじ部からなり、前記配管接続用ねじ部とはねじ山形成方向が反対方向である請求項2又は請求項3に記載の配管アダプタ。
【請求項5】 前記接水部及びフランジ部のうち少なくとも接水部は青銅製である請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の配管アダプタ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は配管用継手として使用される配管アダプタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7(a)及び(b)に示すように、一般に配管アダプタ50は接水部51とフランジ部52とを備えている。そして、従来このような配管アダプタ50は、接水部51とフランジ部52が一体に形成されていた。即ち、図7(a)において破線で示すようなフランジ部52と同じ外径の黄銅製筒体53から削り代54を削り出し、フランジ部52と接水部51とが一体化された黄銅製の配管アダプタ50を削り出し成形していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した従来の一体型の配管アダプタ50は、削り代54を削り出すことによって接水部51を作製していたため、削り代54の分だけ材料コスト及び加工時間がかかるという問題があった。また、建設省仕様では接水部51は青銅製であることが条件とされているが、建設省仕様に適合すべく青銅製の一体型配管アダプタを作製しようとすると、削り出し成形では前述した削り代54の分だけ材料を無駄にしてしまう。このため、青銅は黄銅よりも高価であるため材料コストが余計にかかってしまうという問題があった。
【0004】本発明は前記各問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は配管アダプタを作製する際に、材料コスト及び加工時間を低減でき、また建設省仕様にも安価に適合できる配管アダプタを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、接水部及びフランジ部を備え、少なくとも前記接水部には配管接続用ねじ部が形成されている配管アダプタにおいて、接水部と、この接水部とは別個に形成されたフランジ部とを一体に組付けてなることを要旨としている。従って、請求項1に記載の発明では、接水部とフランジ部とが別個に形成された後、両部材が一体に組付けされる。
【0006】請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記接水部と前記フランジ部とは螺合手段を介して組付けられていることを要旨としている。従って、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明の作用に加えて、螺合手段を介して接水部とフランジ部とは、強固に組付けられる。
【0007】請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記接水部には、軸線方向における両端部に配管接続用ねじ部が設けられていることを要旨としている。従って、請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、接水部には両側から配管が螺合締めつけされる。
【0008】請求項4に記載の発明は、前記請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記螺合手段は、前記接水部及びフランジ部のうち一方に形成された雄ねじ部と他方に形成された雌ねじ部からなり、前記配管接続用ねじ部とはねじ山形成方向が反対方向であることを要旨としている。従って、請求項4に記載の発明では、請求項2又は請求項3に記載の発明の作用に加えて、配管を接続する際において接水部に加わる回転力は、接水部とフランジ部との螺合手段を締めつける方向に働く。
【0009】請求項5に記載の発明は、前記請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記接水部及びフランジ部のうち少なくとも接水部は青銅製であることを要旨としている。従って、請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、接水部が青銅製とされ建設省仕様の材質に対応できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を家庭用配管に使用される配管アダプタに具体化した一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
【0011】図1〜図3に示すように、本実施形態における配管アダプタ1は接水部2とフランジ部3とを備えている。前記接水部2は青銅製で円筒状に形成されている。接水部2の前端(図1では左側)の外周面には雄ねじ部4が設けられている。この雄ねじ部4におけるねじ山形成方向は左方向、即ち左ねじである。接水部2の内周面のほぼ中央にはストッパ壁5が設けられ、このストッパ壁5には六角形状をなす掛止部6が貫通形成されている。掛止部6は六角レンチ(図示せず)が差し込まれるように形成されている。また接水部2の内周面には、ストッパ壁5を挟んだ前後(図1では左右)位置に配管接続用の雌ねじ部7,8が設けられている。前記両雌ねじ部7,8におけるねじ山形成方向は右方向、即ち右ねじである。従って、接水部2においては、同接水部2の前端外周面における前記雄ねじ部4のねじ山形成方向と、接水部2の内周面における前記両雌ねじ部7,8のねじ山形成方向とが反対方向とされている。
【0012】一方、前記フランジ部3は黄銅製で円板状に形成されている。フランジ部3の中央には貫通孔9が設けられており、その周縁には接水部2と接触する側に向かって突出部10が形成されている。貫通孔9及び突出部10の内周面には雌ねじ部11が設けられ、この雌ねじ部11は接水部2の前端外周面に設けられた前記雄ねじ部4と螺合可能に形成されている。図2に示すように、フランジ部3には複数(本実施形態では3箇所)のビス止め孔12が設けられている。
【0013】次に、前記配管アダプタ1の製造工程について説明する。まず、接水部2は、ほぼ中央にストッパ壁5を有した青銅製円筒として鋳造された後、このストッパ壁5に六角形状の掛止部6が撃ち抜き形成される。そして、接水部2の前端外周面に雄ねじ部4が形成される一方、接水部2の内周面には雌ねじ部7,8が形成される。すると、図1又は図3に示すような接水部2が形成される。
【0014】次に、フランジ部3は、黄銅製丸棒を鋳造し、この丸棒の一端において削り出しによって中央が円形突出した円板状の突出部10を形成する。そして、フランジ部3に必要な所定の厚みの分だけこの丸棒から切り出し、その突出した部分に対して貫通孔9を形成する。その後に、その貫通孔9及び突出部10の内周面に、接水部2の前端外周面における前記雄ねじ部4と螺合可能な雌ねじ部11を形成し、貫通孔9の外側にビス止め孔12を形成する。すると、図1又は図3に示すようなフランジ部3が形成される。このようにして製造された接水部2及びフランジ部3は、接水部2の雄ねじ部4とフランジ部3の雌ねじ部11を耐水性の接着剤を塗布した上で締めつけ固定して、一体形成される。
【0015】次に前記のように構成された配管アダプタ1の使用方法を説明する。図1に示すように、予め壁Wに設けられた貫通孔13に配管アダプタ1を嵌合する。次に、接水部2に設けられた掛止部6に室内側から図示しない六角レンチを差し込み、配管アダプタ1の回動を規制した状態で、室外からの配管の雄ねじ部(図示せず)を接水部2の雌ねじ部8(図1では右)に螺合締めつけして配管を配管アダプタ1に連結する。そして次に、前記六角レンチを掛止部6から外し、フランジ部3に設けられたビス止め孔12(図1には1箇所のみ図示)にビス14(本実施形態では3本)を挿通し、配管アダプタ1を壁Wに取り付け固定する。次に、室内側からの配管の雄ねじ部(図示せず)を接水部2の雌ねじ部7(図1では左)に螺合締めつけして配管を配管アダプタ1に連結する。
【0016】ここで、接水部2及びフランジ部3に設けられた雌雄両ねじ部4,11からなる螺合手段と、接水部2の内周面に設けられた配管接続用の雌ねじ部7とは、ねじ山形成方向が反対方向であるので、室内から配管を締結する際には配管の回動に対応して接水部2は右方向に回動し、接水部2の雄ねじ部4とフランジ部3の雌ねじ部11とは、より一層螺合締めつけされる。
【0017】この実施の形態では以下のような効果を得ることができる。
(1) 接水部2とフランジ部3とをそれぞれ別体として形成した後、一体に組付けた。従って、配管アダプタ1を作製する際に、従来の配管アダプタ50の場合と比較して削り出す部分がほとんどないので材料コストの低減ができ、加工時間も短縮できる。
【0018】(2) 接水部2の雄ねじ部4及びフランジ部3の雌ねじ部11は左ねじで、接水部2の内周に設けられた雌ねじ部7,8は右ねじに形成されている。従って、室内(フランジ部側)からの配管を配管アダプタ1に取り付ける際に、その締結時に働く回転力が接水部2の雄ねじ部4とフランジ部3の雌ねじ部11とからなる螺合手段をより一層締めつけるので、接水部2とフランジ部3との螺合手段が緩む虞がなくなる。
【0019】(3) 接水部2を削り出しによって作製する際に、削り出す部分は従来と比較して雄ねじ部4だけなので、その分削り代を減少できる。従って、廃棄ロスが少なくなるので、接水部2を建設省仕様の材質に対応した青銅によっても低コストで作製できる。
【0020】(4) 接水部2とフランジ部3との接触部位を接着剤を塗布した上で締めつけ固定した。従って、接水部2とフランジ部3とはより強固に固定されるので耐久性が向上する。
【0021】なお、前記実施形態は、例えば、次のように変更して具体化してもよい。
○ 前記実施形態では、接水部2の前端に雄ねじ部4を形成する一方、フランジ部3に雌ねじ部11を設ける構成としたが、これに限らず、図4に示すような、接水部2の前端に係合部15を設け、この係合部15と嵌合可能な孔16をフランジ部3に設けて、係合部15と孔16との接触部位に接着剤を塗布した上で、この接水部2の係合部15をフランジ部3の孔16に嵌合して取り付け固定するものであってもよい。この場合、接水部2とフランジ部3を取り付ける箇所において螺合手段を用いていないので、接水部2及びフランジ部3の作製が容易になる。
【0022】○ 前記実施形態に限らず、接水部2とフランジ部3の螺合手段は、図5に示すようなものであってもよい。この場合、フランジ部3には孔の周縁に沿って円筒状の突出部17が設けられ、突出部17の外周面には螺合手段を構成する雄ねじ部18が設けられ、突出部17の内周面には配管接続用の雌ねじ部19が設けられている。また、接水部2の内周面にはストッパ壁5を挟んで雌ねじ部20,21が設けられ、螺合手段を構成する雌ねじ部20(図5では左)の内径は配管接続用の雌ねじ部21の内径よりも若干大きく形成され、この雌ねじ部20は突出部17の雄ねじ部18と螺合可能に形成されている。また、螺合手段としての雌雄両ねじ部18,20のねじ山形成方向と、フランジ部3の内周における雌ねじ部19及び接水部2の雌ねじ部21のねじ山形成方向は反対方向である。このようにしても、前記実施形態と同じく接水部2とフランジ部3とを別体として形成でき、室内から配管を接続する際も接水部2とフランジ部3との雌雄両ねじ部18,20からなる螺合手段はより一層螺合締めつけされる。さらに、この図5に示す実施形態のものにおいて、建設省仕様の材質に対応するためには、接水部2及びフランジ部3の両方を青銅製とすればよい。このようにすれば、建設省仕様の材質に対応できる。
【0023】○ 前記実施形態では、接水部2の内周面に室外からの配管接続用ねじ部として雌ねじ8を設けるとした。しかし、これに限らず、接水部2の室外側端部が壁Wから突出するように接水部2を長く形成し、壁Wから突出した接水部2の端部外周面に配管接続用雄ねじを設けてもよい。この場合、接水部2の室外側内周面には配管接続用ねじ部は形成されない。また、室外から接続される配管には、前記配管接続用雄ねじと螺合可能な雌ねじを設けるようにすればよい。このようにしても、室外から配管が接続可能となる。
【0024】○ 前記実施形態では、接水部2の前端外周に設けられた雄ねじ部4及びフランジ部3に設けられた雌ねじ部11が左ねじに形成され、接水部2の内周において、室内からの配管と連結される雌ねじ部7及び室外からの配管と連結される雌ねじ部8が右ねじに形成されていた。しかし、これに限らず、接水部2の前端外周に設けられる雄ねじ部4、フランジ部3に設けられる雌ねじ部11及び室外からの配管と連結される接水部2の雌ねじ部8の各ねじ山形成方向と、室内からの配管と連結される接水部2の雌ねじ部7のねじ山形成方向とが反対方向に形成されていてもよい。この場合、室内及び室外からの配管を配管アダプタ1に連結する際、共に接水部2及びフランジ部3における螺合手段は締めつけられる。
【0025】○ 前記実施形態において、接水部2の前端外周に設けられる雄ねじ部4、フランジ部3に設けられる雌ねじ部11及び室内からの配管と連結される接水部2の雌ねじ部7の各ねじ山形成方向と、室外からの配管と連結される接水部2の雌ねじ部8のねじ山形成方向とを反対方向に形成するようにしてもよい。また、配管アダプタ1上に設けられているすべてのねじのねじ山形成方向が同じ方向であってもよい。
【0026】○ 前記実施形態では、接水部2を青銅製、フランジ部3を黄銅製として作製したが、接水部2に限らずフランジ部3も青銅で作製してもよい。また、接水部2及びフランジ部3を共に黄銅製としてもよい。この場合、より安価に配管アダプタ1を作製できる。
【0027】○ 接水部2とフランジ部3の接触部位を接着剤を塗布することによって強固に固定するに限らず、接水部2とフランジ部3とを螺合した後に、その螺合部の外表面に沿って、溶接により固定するものであってもよい。
【0028】○ 前記実施形態では、室外から配管を配管アダプタ1に接続し、次に配管アダプタ1を壁Wに取り付け、そして室内の配管を配管アダプタ1に接続した。しかし、これに限らず、配管アダプタ1を壁Wに取り付け、室内又は室外の配管を順に配管アダプタ1に接続してもよい。この場合には、配管アダプタに設けられる各ねじ部のうち室内からの配管接続用ねじ部である雌ねじ7のねじ山形成方向のみが反対方向であるという別の実施形態において、配管を接続する際には室内及び室外から配管を接続する際、共に雌雄両ねじ部4,11からなる螺合手段は締めつけられるのでより効果を奏する。
【0029】○ 接水部2の内周のほぼ中央に六角レンチを差し込むための六角形状の掛止部6を備えるに限らず、図6(a)及び(b)に示すような、接水部2の外側面にモンキーレンチ等で把持可能な切欠部22を備えてもよい。このようにしても、室外から配管を配管アダプタ1に取り付ける際に、配管アダプタ1を把持できる。
【0030】○ 前記実施形態では配管アダプタ1を家庭用として適用したが、これに限らず、工場用として使用してもよい。次に、前記各実施形態から把握できる請求項に記載の発明以外の技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
【0031】(1) 請求項1〜4のいずれか一項に記載された配管アダプタにおいて、接水部とフランジ部との接触面は接着によって固定されている。この場合、接水部とフランジ部との組付け箇所の耐久性を向上できる。
【0032】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、接水部とフランジ部を別体として形成したので、削り代を少なくして材料コストを低減でき、また作製の際の加工時間を短縮できる。
【0033】請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明の効果に加えて、接水部とフランジ部とを螺合によって組付けるので、組付けが容易にできる。請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、別体として形成した配管アダプタに配管接続用ねじ部を設けることができる。
【0034】請求項4に記載の発明では、請求項2又は請求項3に記載の発明の効果に加えて、接水部とフランジ部とを螺合する螺合手段と、配管接続口のねじ部とはねじ山形成方向が反対方向であるので、配管を締結する際には、その締結時に働く回転力が接水部とフランジ部の螺合手段をより一層螺合締めつけすることとなり、螺合手段が緩む虞がなくなる。
【0035】請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、接水部を青銅によって形成したので、建設省仕様の材質として対応できる。
【出願人】 【識別番号】000128968
【氏名又は名称】株式会社オンダ製作所
【出願日】 平成10年7月24日(1998.7.24)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
【公開番号】 特開2000−46261(P2000−46261A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平10−209573