| 【発明の名称】 |
波形ねじ付薄肉管 |
| 【発明者】 |
【氏名】小野 芳美
【氏名】吉川 正樹
【氏名】加藤 昭彦
【氏名】鈴木 信久
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、専用の管継手を必要とすることなく、簡単な構造で適切に管接合が可能な波形ねじ付薄肉管を提供する。
【解決手段】波形ねじ付薄肉管1aは直管で薄肉管本体2aの一方の管端部外面に全厚が波形螺線状のテーパおねじ(スピゴット形状)3aを有し、他方の管端部内面に全厚が波形螺線状のテーパめねじ(ベル形状)4aを有する直管である。波形ねじ付薄肉管1aは全厚が波形螺線状のテーパおねじ3aと全厚が波形螺線状のテーパめねじ4aを有すので、テーパおねじ3aとテーパめねじ4aの有効管厚が薄肉管本体2aの他の部分とほぼ同等であり、波形ねじ付薄肉管1aの強度を保持できる。転造加工により薄肉管本体2aの管端部にねじを製作することが容易である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 薄肉管本体の一方の管端部外面に全厚が波形螺線状のテーパおねじを有し、他方の管端部内面に全厚が波形螺線状のテーパめねじを有することを特徴とする波形ねじ付薄肉管。 【請求項2】 薄肉管本体の一方の管端部外面に全厚が波形螺線状のテーパおねじを有し、他方の管端部に曲がり部を設け、曲がり部先端部内面に全厚が波形螺線状のテーパめねじを有することを特徴とする波形ねじ付薄肉管。 【請求項3】 薄肉管本体管体の一方の管端部外面に設けた全厚が波形螺線状のテーパおねじに続く管体外面平行部に一個または複数個の波形部を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の波形ねじ付薄肉管。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は金属管、樹脂管、複合材料管、複合構造管等の接続に用いる波形ねじ付薄肉管に関する。 【0002】 【従来の技術】金属管、樹脂管、複合材料管、複合構造管等の接続には、一般に平行ねじ(JIS B 0202)、テーパねじ(JIS B 0203)等が用いられている。ここでは、管本体が両方の管端部外面に平行おねじ又はテーパおねじを有し、内面に平行めねじ又はテーパめねじを有する管用ねじ継手とねじ接合される。上記のような平行ねじとテーパねじは、一般にねじ切削加工又はねじ転造加工によって製作される。 【0003】しかし、上記のような金属管、樹脂管、複合材料管、複合構造管等は薄肉管として用いる場合が多く、切削加工により薄肉管の管端部外面におねじを製作する場合、ねじ底の有効管厚の減少率が大きく、継手強度の低下が著しい。また、JIS等で規定されたねじ山高さよりも小さい寸法の管厚の薄肉管には適用できない。 【0004】また、薄肉管では、管端部の剛性低下により、切削加工が困難でねじ山の精度も低下し易い。 【0005】一方、転造加工により薄肉管の管端部にねじを製作する場合、薄肉管では、管端部の剛性低下により、転造加工によるJISで規定されているねじ等の製作が困難であり、ねじ部断面の非軸対称変形やねじ山不良が発生し易い。 【0006】そのために、薄肉管用ねじ継手の対策が種々検討されており、例えば、実開平4−117982公報に薄肉ステンレス鋼管用継手構造が開示されている。 【0007】上記技術は薄肉ステンレス鋼管と接合体に、ねじ嵌合させる波形螺線巻起伏を付し、管端部と接合体の間にパッキングを装着させ、接合体端部に、薄肉ステンレス鋼管に付された突起が螺入嵌着された際に、管の緩み、回転抜出しを阻止する孔及び切込みを付加したものである。 【0008】本技術によれば、それまでの管本体にねじ山を切削加工する加工代が足らず、ねじ接合継手が使用できなかった欠点が解消できる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開平4−117982号公報に開示された技術はいわゆる波形螺線状の平行ねじ継手であり、螺入嵌着された後の管の緩み、回転抜出しを防止する突起を薄肉ステンレス鋼管に付し、一方接合体端部に、突起が螺入嵌着された際に嵌合する孔と、突起の螺進を可能とする切込みを付加することが必要であり、ねじ継手構造が複雑で、その製作も煩雑である。 【0010】本発明は、上記のような問題点を解決して、簡単な構造で適切な管接合が可能な波形ねじ付薄肉管を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】第一の発明は薄肉管本体の一方の管端部外面に全厚が波形螺線状のテーパおねじを有し、他方の管端部内面に全厚が波形螺線状のテーパめねじを有することを特徴とする波形ねじ付薄肉管である。 【0012】第二の発明は薄肉管本体の一方の管端部外面に全厚が波形螺線状のテーパおねじを有し、他方の管端部に曲がり部を設け、曲がり部先端部内面に全厚が波形螺線状のテーパめねじを有することを特徴とする波形ねじ付薄肉管である。 【0013】第三の発明は、第一の発明または第二の発明において、薄肉管本体管体の一方の管端部外面に設けた全厚が波形螺線状のテーパおねじに続く管体外面平行部に一個または複数個の波形部を有することを特徴とする波形ねじ付薄肉管である。 【0014】本発明によれば、薄肉管同士が直接に簡単確実に接合されるので、作業能率が非常に向上できる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図によって詳述する。 【0016】図1は本発明の一実施の形態を示す側面図であり、図2は図1の符号Aで示す要部拡大断面図であり、図3は図1の符号でB示す要部拡大断面図である。 【0017】波形ねじ付薄肉管1aは薄肉管本体2aの一方の管端部外面に図2に示す全厚が波形螺線状のテーパおねじ(スピゴット形状)3aを有し、他方の管端部内面に図3に示す全厚が波形螺線状のテーパめねじ(ベル形状)4aを有する直管である。 【0018】上記したように、波形ねじ付薄肉管1aは薄肉管本体2aの管端部に全厚が波形螺線状のテーパおねじ3aと全厚が波形螺線状のテーパめねじ4aを有すので、テーパおねじ3aとテーパめねじ4aの有効管厚が薄肉管本体2aの他の部分とほぼ同等であり、波形ねじ付薄肉管1aの強度を保持できる。 【0019】波形ねじ付薄肉管1aは、上記構造なので、転造加工により薄肉管本体2aの管端部にねじを製作することが容易である。また、波形ねじ付薄肉管1aが極薄肉または極軟材の場合は、薄肉管本体2aの内部にソリッドゴムなどの充填物や円筒状の支持金物を挿入し、ねじ加工部の加工外力に対する剛性を高め、所定のねじ形状が得られるようにする。 薄肉管本体2aのおねじの製作には転造加工の他にプレス加工でも製作することができる。 【0020】本発明に用いる薄肉管本体2aの全長は任意であるが、プレハブ配管では建築用配管図の部品の長さを有効長とし、一般的な用途には4、000mm、5、000mm等を定尺とする。なお、有効長は薄肉管本体全長からねじ噛合い長さを差引いた値である。 【0021】また、本発明は、JISの管材料である配管用鋼管、熱伝達用鋼管、構造用鋼管、特殊用途鋼管および合金管の中で管厚の絶対値が小さいものや管径に比較して相対的に薄肉管である寸法のものに適用される。例えば、一般配管用ステンレス鋼鋼管(JISG3448)や、一般構造用炭素鋼鋼管(JISG3444)に適している。また、非鉄金属材料の管、銅合金管、アルミニウム管、アルミニウム合金管など比較的管厚の小さい管や非金属材料の各種樹脂管などにも適用される。更に、JISの管厚に対し、一層薄肉化を図った特殊仕様の極薄管などにも有効である。 【0022】図2、図3では、浅溝型(ねじ山の高さhが管厚tよりも小さいねじ寸法)の波形ねじ付薄肉管1aを示している。 【0023】図2に示すように、波形ねじ付薄肉管1aの薄肉管本体2aは一方の管端部に浅溝型テーパおねじ3aが設けられており、浅溝型テーパおねじ3aはねじ山の高さhが管厚tよりも小さい(t>h)ねじ寸法になっている。 【0024】ねじ山の高さhはテーパおねじ3aを有する薄肉管本体2aの管端部の(外径D−谷の径d)/2の平均の高さである。ねじ部有効長さLにはねじピッチPで3山のねじが、二点鎖線によるテーパ線Mで示すようにテーパ1/16(直径)で管先端に向かって縮径するように製作されている。 【0025】ここでは一点鎖線で示す管軸中心線Sを用いて、断面形状の管端部が管軸中心線Sに対して、軸対称状に管端方向に狭めたテーパ状であることを鮮明に表わしている。 【0026】ねじ山の波形は連続的な円弧、あるいは正弦波状の曲線からなっている。ねじ部全域でねじ加工による管厚減少はない。 【0027】一方、図3に示すように、ねじ加工されたテーパめねじ4aは、テーパ線Mに示すように管端方向に広めたテーパ状にして、後述する図4に示すように、接合する他の波形ねじ付薄肉管のテーパおねじ(テーパおねじ3aと同じ)とねじ接合ができるようにしている。ここでは一点鎖線で示す管軸中心線Sを用いて、断面形状の管端部が管軸中心線Sに対して軸対称状に管端方向に広めたテーパ状であることを鮮明に表わしている。 【0028】図4は本発明の波形ねじ付薄肉管のねじ接合状態の一例を示す図である。波形ねじ付薄肉管1aの薄肉管本体2aの管端部に設けたテーパおねじ3aと波形ねじ付薄肉管1bの薄肉管本体2bの管端部に設けたテーパめねじ4bとがねじ接合されている。テーパ状にしているので、波形ねじ付薄肉管1aの管端部を波形ねじ付薄肉管1bの管端部に差込み、当接させて波形ねじ付薄肉管1aと波形ねじ薄肉管1bの相対回転を生じさせると、締込みに伴うねじの噛み合いによって波形ねじ付薄肉管1aと波形ねじ付薄肉管1bとがねじ接合する。テーパおねじとテーパめねじのピッチやテーパが同じであり、管のねじ接合では所定の山数もしくは締付けトルクで管同士を相対回転させて基準径の位置で締付けが完了する。 【0029】ねじの山数やピッチは図4の山数やピッチに限定されるものではなく、適宜決めることができる。 【0030】図5は、本発明による他の実施の形態を示す要部拡大断面図である。ここでは深溝型(ねじ山の高さhが管厚tと等しいかまたは大きいねじ寸法)の波形ねじ付薄肉管1cを示している。 【0031】図5に示すように、深溝型テーパおねじ3cはねじ山の高さhが管厚tと等しいかまたは大きい(t≦h)ねじ寸法になっている。ねじ山の高さhはテーパおねじ3cを有する薄肉管本体2cの管端部の(外径D−谷の径d)/2の平均の高さである。 【0032】ねじ部有効長さLにはねじピッチPで3山のねじが、テーパ線Nで示すようにテーパ1/16(直径)で管先端に向かって縮径するように製作されている。ここでは一点鎖線で示す管軸中心線Sを用いて、断面形状の管端部が管軸中心線Sに対して、軸対称状に管端方向に狭めたテーパ状であることを鮮明に表わしている。 【0033】ねじ山の波形は連続的な円弧、あるいは正弦波状の曲線からなっている。ねじ部全域でねじ加工による管厚減少はない。 【0034】次に本発明の波形ねじ付薄肉管が一方の管端部に曲がり部を有する場合について述べる。 【0035】図6は本発明の他の実施の形態を示す一部断面を有する側面図である。図6に示すように、波形ねじ付薄肉管1dは薄肉管本体2dの一方の管端部に曲がり部5を設け、曲がり部先端部内面に全厚が波形螺線状のテーパめねじ4dを有している。ここでは、波形ねじ付薄肉管1eの薄肉管本体2eの一方の管端部に設けたテーパおねじ3eがテーパめねじ4d内に挿入されて、ねじ接合されている。波形ねじ付薄肉管1dの直管部6の図示しない管端部外面には、テーパおねじ3eと同じ全厚が波形螺線状のテーパおねじを有している。 【0036】波形ねじ付薄肉管1dのテーパめねじ4dと波形ねじ付薄肉管1eのテーパおねじ3eとは、テーパ線Qで示すようにテーパ状にしているので、波形ねじ付薄肉管1eの管端部を波形ねじ付薄肉管1dの管端部に差込み、当接させて波形ねじ付薄肉管1eと波形ねじ薄肉管1dの相対回転を生じさせると、締込みに伴うねじの噛み合いによって波形ねじ付薄肉管1dと波形ねじ付薄肉管1eとがねじ接合する。 【0037】ここでは一点鎖線で示す管軸中心線Sを用いて、断面形状の管端部が管軸中心線Sに対して管端方向に狭めたテーパ状であることを鮮明に表わしている。 【0038】図7は本発明を構成する波形ねじ付薄肉管の曲がり部状態の他の例を示す一部断面を有する側面図である。 【0039】図6と共通する個所は同じ符号を付けて、その説明を省略した。図7において、波形ねじ付薄肉管1dは直管部6の管端部6aを所定の角度に曲げて、テーパめねじ4dを有する短管7を溶接接合して一体的にしている。符号Qはテーパ線である。溶接接合された短管7のテーパめねじ4dには、波形ねじ付薄肉管1eのテーパおねじ3eが挿入されてねじ接合されている。符号8は溶接部を示す。 ここでは一点鎖線で示す管軸中心線Sを用いて、断面形状の管端部が管軸中心線Sに対して管端方向に狭めたテーパ状であることを鮮明に表わしている。 【0040】テーパめねじ4dを有する短管7を溶接接合して一体的にしているで、波形ねじ付薄肉管1dの製作が容易である。 【0041】図8は本発明を構成する波形ねじ付薄肉管の曲がり部状態の他の例を示す一部断面を有する側面図である。図6、図7と共通する個所は同じ符号を付けて、その説明を省略した。 【0042】図8において、波形ねじ付薄肉管1dは直管部6の管端部6bに所定の角度の曲がり管9を溶接接合して曲がり部を設け、更に曲がり管9の管端部にテーパめねじ4dを有する短管7を溶接接合して一体的にしている。符号Qはテーパ線である。溶接接合された短管7のテーパめねじ4dには、波形ねじ付薄肉管1eのテーパおねじ3eが挿入されてねじ接合されている。符号8は溶接部を示す。 【0043】ここでは一点鎖線で示す管軸中心線Sを用いて、断面形状の管端部が管軸中心線Sに対して管端方向に狭めたテーパ状であることを鮮明に表わしている。 【0044】曲がり管9を介してテーパめねじ4dを有する短管7を溶接接合して一体的にしているで、波形ねじ付薄肉管1dの製作が一層容易である。 【0045】図9は本発明の他の実施の形態を示す要部側断面図である。図9に示すように、波形ねじ付薄肉管1fは薄肉管本体2fの管端部外面に全厚が波形螺線状のテーパおねじ3fを有している。符号Oはテーパ線である。テーパおねじ3fに続く薄肉管本体2fの外面平行部10に波形11を有している。波形11の個数は1個以上を適宜決めることができる。一般には2〜5個が設けられる。ここでは一点鎖線で示す管軸中心線Sを用いて、断面形状の管端部が管軸中心線Sに対して管端方向に狭めたテーパ状であることを鮮明に表わしている。波形ねじ付薄肉管1fは図示しない波形ねじ付薄肉管とねじ接合して配管した後に外力を受けた場合、その外力を吸収して、配管への影響を緩和できる。 【0046】この波形部11はテーパおねじ3fを製作する場合に同じ加工装置を用いて容易に設けることができる。 【0047】図1〜図9では、波形ねじ付薄肉管の波形螺線状のテーパおねじと波形ねじ付薄肉管のテーパめねじをねじ嵌合させた場合について述べたが、本発明では管の表面にライニング材を配置して防食性を付与したり、テーパおねじとテーパめねじとの間にシール材を配置して、シール性をより向上させることができる。シール材は、現地で液状シール材、テープ状のシール材等を配置することができ、また、工場で予めごム系統等のシール材をテーパおねじ等に配置しておくこともできる。また、直管による波形ねじ付薄肉管、曲がり部を有する波形ねじ付薄肉管を適宜組合わせて、ねじ接合できる。 【0048】以上の実施の形態に示すように、専用の管継手が不要で、且つ、管同士は一回のねじ込み作業で接合が完了できるので、作業能率が高い。また、配管に作用する引張り、圧縮および曲げなどの作用荷重に対し、接合部の変形や破壊が生じることがなく、かつ、シール性も保持されるので、本来管本体が有する材料の強度を、配管全体として充分発揮することができる。更に、ねじ形状が曲線的であるために、管本体の引張りや曲げの荷重に対する応力集中を緩和できるので繰返し負荷に対してもこの部分から先に疲労亀裂が発生することもなく、配管の強度を確保できる。 【0049】また、ねじ加工における有効管厚の減少が殆どないため、薄肉管の管厚減少に伴う管体強度の低下は少ない。市販の管用ねじ転造機での成形加工が可能であり、現地施工に適用可能である。成形加工力が小さいので軟質材の管にも適用可能である。 【0050】また、波形ねじは、JISの管用テーパねじに比較してピッチが相当大きくなっており、少ない回転量で所定の締付けが終了するので施工能率が向上する。 【0051】 【発明の効果】本発明によれば、専用の管継手を必要とすることなく、薄肉管接合が可能で、その製作も容易である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004123 【氏名又は名称】日本鋼管株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年7月30日(1998.7.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097272 【弁理士】 【氏名又は名称】高野 茂
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| 【公開番号】 |
特開2000−46260(P2000−46260A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月18日(2000.2.18) |
| 【出願番号】 |
特願平10−215567 |
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