| 【発明の名称】 |
配管継手およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 久雄
【氏名】江藤 俊哉
【氏名】泉 亮一
|
| 【要約】 |
【課題】拡管による配管とフランジ部材との間の結合力が大きい配管継手を提供する。
【解決手段】冷媒通路31の開口部32を有する継手ベース部材30と、開口部32内に挿入される第1拡管部11を有する配管10と、配管10を継手ベース部材10に固定するフランジ部材20とを備え、フランジ部材20の取付孔22内に配管10を挿入し、配管10内に拡管パンチ70を挿入して配管10を拡管することにより取付孔22の内周面に圧着する第2拡管部14を形成するとともに、この第2拡管部14の拡管時に配管10の外周面から膨出してフランジ部材20の端面20bに圧着する膨出部15を形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流体通路(31)の開口部(32)を有する継手ベース部材(30)と、前記開口部(32)内に挿入される第1拡管部(11)を有する配管(10)と、前記配管(10)が挿入される取付孔(22)を有し、前記配管(10)を前記継手ベース部材(10)に固定するフランジ部材(20)とを備え、前記配管(10)に、前記配管(10)内に挿入される拡管パンチ(70)により拡管されて前記取付孔(22)の内周面に圧着する第2拡管部(14)、およびこの第2拡管部(14)の拡管時に前記配管(10)の外周面から膨出して前記フランジ部材(20)の端面(20b)に圧着する膨出部(15)を形成したことを特徴とする配管継手。 【請求項2】 前記取付孔(22)の内周面に凹凸形状を有するローレット部(24)を形成し、このローレット部(24)に前記第2拡管部(14)を圧着することを特徴とする請求項1に記載の配管継手。 【請求項3】 前記取付孔(22)の内周面に円筒状支持面(25)を形成し、この円筒状支持面(25)に前記第2拡管部(14)を圧着することを特徴とする請求項1または2に記載の配管継手。 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の配管継手を製造する製造方法であって、前記フランジ部材(20)の取付孔(22)に前記配管(10)内を挿入する工程と、前記配管(10)内に拡管パンチ(70)を挿入して前記配管(10)を拡管することにより、前記第2拡管部(14)および前記膨出部(15)を同時に形成する工程とを備えることを特徴とする配管継手の製造方法。 【請求項5】 前記配管(10)の先端部内に拡管パンチ(60)を挿入して前記第1拡管部(11)を形成した後に、前記第2拡管部(14)および前記膨出部(15)を形成する拡管工程を行うことを特徴とする請求項4に記載の配管継手の製造方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に言って配管継手およびその製造方法に関するもので、例えば、車両用空調装置における冷媒配管、温水配管等の継手に用いて好適なものである。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の配管継手として特開平8−247357号公報に記載されたものがある。この従来技術では、図7に示すように、フランジ部材20に、その一方の端面20bから他方の端面20aに向かって徐々に内径を絞った取付孔26を設け、この取付孔26に配管10を挿入した後に、図8に示すように、配管10内に配管10の内径側への変形防止するためのマンドレル80を挿入する。この状態において、図示しない所定形状のクランプにより配管10に対してフランジ部材20を挟むように軸方向両方から矢印81のプレス押圧力を加える。 【0003】このプレス工程において、取付孔26と配管10との間の隙間B(図7)を埋めるように、配管10が拡管されるとともに、フランジ部材20の端面20aの直後の部位に配管10の膨出部16が形成される。次に、別の所定形状のクランプ(図示せず)により、図9の矢印82方向から軸方向のプレス押圧力を配管10に加えて、膨出部16を軸方向に押しつぶした最終形状に成形する。次に、別の所定形状のクランプ(図示せず)により、図10の矢印83方向から軸方向のプレス押圧力を配管10に加えて、配管10の端部を拡大して拡管開口部17を成形するとともに、拡管開口部17と膨出部16との間にOリング収納用の凹溝18を形成する。 【0004】図11は、このようにして製造された配管継手構造の適用例であり、凹溝18にOリング13を収納し、配管10の先端部分(16、18、17部分)を継手ベース部材(接続相手部材)30の開口部32内に挿入して、配管10と開口部32とを接続した状態を示している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の従来技術によると、配管10の軸方向へのプレス押圧力により取付孔26と配管10との間の隙間Bを埋めるように配管10を拡管しているので、取付孔26と配管10との間の圧着力がどしても小さくなり、配管10とフランジ部材20との間の結合力が弱いという不具合がある。 【0006】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、配管とフランジ部材との間の拡管による結合力が大きい配管継手を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1〜3記載の発明では、継手ベース部材(30)の開口部(32)内に挿入される第1拡管部(11)を有する配管(10)と、配管(10)を継手ベース部材(10)に固定するフランジ部材(20)とを備え、フランジ部材(20)の取付孔(22)内に配管(10)を挿入し、配管(10)内に拡管パンチ(70)を挿入して配管(10)を拡管することにより取付孔(22)の内周面に圧着する第2拡管部(14)を形成するとともに、この第2拡管部(14)の拡管時に配管(10)の外周面から膨出してフランジ部材(20)の端面(20b)に圧着する膨出部(15)を形成したことを特徴としている。 【0008】これによると、配管(10)内に挿入した拡管パンチ(70)により配管(10)を直接径方向に拡管するため、配管(10)とフランジ部材(20)の取付孔(22)との間の圧着力を増大でき、配管とフランジ部材との間の結合を強固に行うことができる。しかも、フランジ部材(20)の端面(20b)に圧着する膨出部(15)の形成により、配管とフランジ部材との間の結合力をより一層向上できる。 【0009】これに加え、膨出部(15)は配管(10)の外周面から膨出するから、膨出部(15)により配管(10)の軸方向の抜け止め効果を発揮することもできる。請求項2記載の発明では、取付孔(22)の内周面に凹凸形状を有するローレット部(24)を形成し、このローレット部(24)に第2拡管部(14)を圧着することを特徴としている。これによると、ローレット部(24)の凹凸形状に第2拡管部(14)が食い込むことにより、配管とフランジ部材との間の結合力をさらに向上できる。 【0010】また、請求項3記載の発明では、取付孔(22)の内周面に円筒状支持面(25)を形成し、この円筒状支持面(25)に第2拡管部(14)を圧着することを特徴としている。これによると、第2拡管部(14)が円筒状支持面(25)の部位において円周方向の全周にわたって連続的に圧着するので、配管とフランジ部材の取付孔との結合面に水等の流体が通過可能な微小隙間の発生を確実に防止できる。 【0011】また、請求項4、5記載の発明は、上記した請求項1〜3記載の配管継手を製造する製造方法に係るものであって、上記作用効果を発揮する配管継手を良好に製造することができる。なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態による配管継手構造を示すもので、車両用空調装置における冷凍サイクルの冷媒配管、あるいは温水配管等の種々な用途に適用可能である。本実施形態では、冷凍サイクルの冷媒配管に適用した場合を例にとって以下説明する。 【0013】配管10は金属(例えばアルミニウム)製であり、その先端部は、フランジ部材20を介して継手ベース部材(接続相手部材)30にボルト(締結手段)40により固定される。ここで、継手ベース部材30は例えば、冷凍サイクルの圧縮機のハウジング、あるいは凝縮器のタンク部材に備えられる部材であり、この継手ベース部材30も金属(例えばアルミニウム)製である。継手ベース部材30には冷媒(流体)通路31およびこれに連通している円形の開口部32を有している。 【0014】この開口部32は、冷媒通路31の端部に設けられ、冷媒通路31よりも内径(φA)を拡大している。また、継手ベース部材30にはボルト40を締結するためのネジ孔33が形成されている。一方、配管10の先端部には第1拡管部11が形成され、この第1拡管部11に形成した凹溝12にゴム製のOリング(弾性シール材)13を嵌着している。そして、このOリング13が継手ベース部材30の冷媒通路31の端部の開口部32の内壁面に弾性的に圧着する状態で、配管10の第1拡管部11を開口部32内に挿入するようになっている。これにより、配管10の第1拡管部11と継手ベース部材30の開口部32との嵌合部におけるシール作用を得る。 【0015】また、フランジ部材20も金属(例えばアルミニウム)製であり、このフランジ部材20は第1、第2の2つの取付孔21、22を有している。第1の取付孔21はボルト40の挿入用の孔であり、これに対して、第2の取付孔22は配管10の挿入用の孔であって、第2の取付孔22の内壁面に配管10は一体に固定される。 【0016】フランジ部材20の第2の取付孔22は以下の3つの部分から構成される。すなわち、図2に示すように、フランジ部材20の一方の端面20a側に位置して、配管10の第1拡管部11の肩部11aを支持する皿状の拡大部23と、ローレット部24と、フランジ部材20の他方の端面20b側に位置する円筒状支持面25とにより第2の取付孔22が構成されている。ここで、ローレット部24は多数の凸部24aと凹部24bとを円周方向に交互に形成したものであり、そして、円筒状支持面25の内径はローレット部24の凸部24aの頂部内径と一致するようになっている。 【0017】また、配管10において、先端部の第1拡管部11よりも軸方向の奥側部位には、ローレット部24に対向してローレット部24に圧着する第2拡管部14が形成してある。さらに、配管10において、フランジ部材20の他方の端面20bよりも外方の部位に、端面20bに圧着する膨出部15が形成してある。この第2拡管部14と膨出部15と第1拡管部11の肩部11aの各部位で、配管10はフランジ部材20に圧着する。特に、ローレット部24の凹凸形状により円周(回転)方向に対しても、配管10をフランジ部材20に強固に一体化できる。 【0018】次に、本実施形態における配管継手の製造方法について説明する。フランジ部材20はアルミニウム材から図2に示す形状に予め成形しておく。本発明は特に配管10の成形方法、およびフランジ部材20と配管10の一体化方法に特徴を有しているので、以下、これらについて工程順に詳述する。 ■配管挿入工程図3に示すように、配管10が同一径の単純なパイプ形状である形態において、配管10の先端部をフランジ部材20の第2の取付孔22に端面20b側から挿入して、配管10の先端部を他方の端面20aの上方へ所定量突出させる。そして、配管10を端面20bの下方に位置するパイプチャック装置50により保持する。 【0019】■第1の拡管工程拡管用パンチ60は、配管10の内径より若干小さい外径を有する小径案内部61とテーパ状部62と拡管用大径部63とを有するものであり、拡管用大径部63は配管10の内径より所定量大きい外径になっている。そして、この拡管用パンチ60を配管10内にその先端部から挿入し、テーパ状部62と拡管用大径部63とにより配管10の先端部を拡管する。これにより、図4に示すように第1拡管部11を成形することができる。 【0020】この成形工程において、第1拡管部11の肩部11aはフランジ部材20の皿状の拡大部23に圧着する。ここで、第1拡管部11の外形φCは、前述のごとく継手ベース部材30の冷媒通路31の開口部32の内径φAより若干小さくしてある。 ■第2の拡管工程図5において、拡管用パンチ70は、配管10の内径より若干大きい外径を有する拡管用パンチ部71を先端部に有している。この拡管用パンチ70を配管10の第1拡管部11を通過して、その奥側に挿入し、拡管用パンチ部71により配管10の第1拡管部11の奥側部位を拡管して、図5に示すように第2拡管部14を成形する。このとき、フランジ部材20の端面20bとパイプチャック装置50との間に所定間隔Lを設定するとともに、拡管用パンチ部71による拡管領域が端面20bの直後の部位まで及ぶように拡管用パンチ部71の挿入位置を設定することにより、端面20bの直後の部位に配管10の膨出部15を成形できる。 【0021】上記成形工程において、第2拡管部14がフランジ部材20のローレット部24の凹凸形状に食い込むように圧着するとともに円筒状支持面25に圧着する。さらに、膨出部15が円筒状支持面25の端部から端面20bにかけて圧着する。これにより、配管10とフランジ部材20とを強固に圧着できる。また、第2拡管部14が円筒状支持面25の部位において円周方向の全周にわたって連続的に圧着するので、配管10とフランジ部材20との結合面に水等の流体が通過可能な微小隙間の発生を防止できる。なお、膨出部15は配管10の軸方向の抜け止め作用を果たすこともできる。 【0022】■凹溝成形工程配管10の第1拡管部11の外周側で、円周方向に回転する回転ローラ(図示せず)を第1拡管部11の外周面に押しつけて、Oリング用の凹溝12を転造加工する。 以上の■〜■の工程により、図1に示す配管継手の製造を完了できる。 (他の実施形態)なお、上記した実施形態では、第1拡管部11を拡管してから第2拡管部14の拡管を行っているが、第1拡管部11の拡管と第2拡管部14の拡管を一回の拡管工程で行うことも可能である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
|
| 【出願日】 |
平成10年7月27日(1998.7.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100022 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 洋二 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2000−46259(P2000−46259A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月18日(2000.2.18) |
| 【出願番号】 |
特願平10−211442 |
|