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【発明の名称】 バルブ
【発明者】 【氏名】岩田 輝夫

【要約】 【課題】従来のバルブは、バルブ本体のガス流路となる部分は防食対策が採られているが、その駆動機構側は勿論のこと、駆動機構側をバルブ本体から遮断するシール機構に関しても何等の防食対策が採られていないため、このシール機構等が腐食性ガスで腐食され、あるいはシール機構等に反応生成物が付着されることによりバルブの動作不良等生じる。

【解決手段】本発明のバルブ10は、バルブ本体11内を上下に移動してガス出入口11Aを開閉する弁体12と、この弁体12を開閉駆動するためにバルブ本体11の貫通孔11Bを貫通して弁体12とバルブ本体11の外側のシリンダ13を連結するロッド14と、このロッド14と貫通孔11Bの間の隙間を閉じるベローズ15とを備え、弁体12による流路11Aの開放時にバルブ本体11の内側から貫通孔11Bを閉止する第2の弁体17をロッド13に取り付けたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 腐食性ガス及び/または微粒子を含むガスが流れる配管に配設されるバルブにおいて、バルブ本体と、このバルブ本体内でガス出入口を開閉する弁体と、この弁体を開閉駆動するために上記バルブ本体の貫通孔を貫通して上記弁体と上記バルブ本体外側の駆動機構を連結するロッドと、このロッドと上記貫通孔の間の隙間を閉じるシール機構とを備え、上記弁体による上記流路の開放時に上記バルブ本体の内側から上記貫通孔を閉止する第2の弁体を上記ロッドに取り付けたことを特徴とするバルブ。
【請求項2】 上記シール機構がベローズからなることを特徴とする請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】 上記シール機構がOリングからなることを特徴とする請求項1に記載のバルブ。
【請求項4】 上記バルブ本体の内面または第2の弁体の上記バルブ本体との接触面に上記貫通孔を遮断するシール部材を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のバルブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腐食性ガス及び/または微粒子を含むガスが流れる配管に配設されるバルブに関し、更に詳しくは、耐食性、機能の持続性等を向上させたバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】生産工場ではガスを給排するために種々のガス配管が敷設されている。そして、ガス配管におけるガスの流量制御には多種類のバルブが用いられている。特に腐食性ガスが流れるガス配管の流路には種々の耐食性材料を用いるなどして様々な防食対策が施されている。
【0003】例えば、半導体工場においても半導体ウエハ等の被処理体を処理するために多くのプロセスガスが用いられている。例えば、図3は成膜処理やエッチング処理に用いられる処理装置を示す概念図である。図3に示す処理装置は、例えば所定の真空雰囲気下で被処理体に対して所定の処理を行う処理容器1と、処理容器1に接続された複数のガス供給管2及びガス排気管3と、ガス排気管3に取り付けられたバルブ4とを備え、複数のガス供給管2から複数種のプロセスガスを処理容器1内へ供給し、処理容器1内で被処理体Wに対して所定の処理を施した後、処理容器1内の未反応ガスや反応副生成物等をガス排気管3から排気し、バルブ4を介して排気流量を制御している。プロセスガスとしては腐食性ガスが用いられることが多いため、処理容器1、ガス導入管2、ガス排出管3及びバルブ4等のガス流路には万全の防食対策が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のバルブは、一般に、バルブ本体と、バルブ本体内でガス流路を開閉する弁体と、弁体の駆動機構とを備え、バルブ本体のガス流路となる部分は防食対策が採られているが、駆動機構は勿論のこと、駆動機構側をバルブ本体から遮断するシール機構に対しても何等の防食対策が採られていないため、このシール機構がプロセスガスや反応生成物等の腐食性ガスで腐食され、ひいてはこの部分から真空破壊が生じるという課題があった。また、ガス排気管3を流れる副生成物の中にはパーティクルもあり、このパーティクルがシール機構に詰まり、弁体の動作不良を招いたり、真空破壊を招いたりすることがあった。
【0005】本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、バルブ本体を駆動機構側から遮断するシール機構や駆動機構の腐食を確実に防止したり、ガス中に微粒子が含まれている場合にはパーティクルに起因する動作不良を確実に防止することができ、ひいては配管系の真空破壊やガス漏れを生じる虞がないバルブを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載のバルブは、腐食性ガスまたは微粒子を含むガスが流れる配管に配設されるバルブにおいて、バルブ本体と、このバルブ本体内でガス出入口を開閉する弁体と、この弁体を開閉駆動するために上記バルブ本体の貫通孔を貫通して上記弁体と上記バルブ本体外側の駆動機構を連結するロッドと、このロッドと上記貫通孔の間の隙間を閉じるシール機構とを備え、上記弁体による上記流路の開放時に上記バルブ本体の内側から上記貫通孔を閉止する第2の弁体を上記ロッドに取り付けたことを特徴とするものである。
【0007】また、本発明の請求項2に記載のバルブは、請求項1に記載の発明において、上記シール機構がベローズからなることを特徴とするものである。
【0008】また、本発明の請求項3に記載のバルブは、請求項1に記載の発明において、上記シール機構がOリングからなることを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の請求項4に記載のバルブは、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、上記バルブ本体の内面または第2の弁体の上記バルブ本体との接触面に上記貫通孔を遮断するシール部材を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図1、図2に示す実施形態に基づいて本発明を説明する。本発明のバルブは種々のガス配管に取り付けて使用されるが、本実施形態では例えば図3に示す処理装置のガス排出管に取り付けて使用する場合について説明する。
【0011】本実施形態のバルブ10は、図1に示すように、薄い矩形状に形成されたバルブ本体11と、バルブ本体11内を上下に移動してガス出入口11Aを開閉する弁体12と、この弁体12を開閉駆動するためにバルブ本体11の貫通孔11Bを貫通して弁体12とバルブ本体11の外側の駆動機構(本実施形態ではシリンダ)13を連結するロッド14と、このロッド14と貫通孔11Bの間の隙間を閉じるシール機構(本実施形態ではベローズ)15とを備え、ベローズ15を介してバルブ本体11内の気密が保持された仕切弁として構成されている。そして、ベローズ15はシリンダ13側に形成された収納部16内に収納されている。このベローズ15の上端はロッド14に連結され、その下端は収納部16内の取付部材16Aに連結されている。
【0012】しかし、上述のままではベローズ15はバルブ本体11内を流れるプロセスガスに曝され、プロセスガスが腐食性ガスであればベローズ15がプロセスガスによって腐食される。そこで、本実施形態では、バルブ本体11のガス出入口11Aが開放されてプロセスガスがバルブ本体11内を流れる時にはバルブ本体11の貫通孔11Bを閉止し、ベローズ15以遠をバルブ本体11から遮断し、プロセスガスがベローズ15側へ到達しないようにしてある。
【0013】即ち、上記ロッド14には所定形状のプレートが第2の弁体17として取り付けられている。第2の弁体17は弁体12によってバルブ本体11のガス出入口11Aを開放した時にバルブ本体11の内面に密着して貫通孔11Bを閉止する位置に取り付けられている。バルブ本体11の内面には貫通孔11Bを囲む溝11Cが形成され、この溝11Cに対してOリング18が装着されている。従って、第2の弁体17が貫通孔11Bを閉じるとOリング18を介してベローズ15をバルブ本体11側からより確実に遮断し、プロセスガスがベローズ15に到達しないようになっている。
【0014】次に、動作について説明する。処理装置が稼働する時には、まずバルブ10が閉じた状態で真空引きを行い、バルブ本体11、ベローズ15内の大気を排気する。次いで、ガス排出管のバルブ10を開放する。バルブ10を開放する時にシリンダ13が駆動すると、ロッド14を介して弁体12が仮想線位置から実線位置まで移動してバルブ本体11のガス出入口11Aを開放すると共に、第2の弁体17でバルブ本体11の貫通孔11Bを密閉する。この状態で処理容器内を所定の真空度まで真空引きした後、ガス供給管からプロセスガスを供給し、処理容器内で被処理体Wに対して所定の処理を施すと、ガス排出管を介して未反応のプロセスガス、副生成物等のガス及びパーティクルが排気ガスとして排出され、バルブ本体11内を通過する。
【0015】この際、バルブ本体11内が排気ガスで充満してもベローズ15は第2の弁体17によってバルブ本体11から遮断されているため、排気ガスがベローズ15側に廻り込む虞はない。従って、排気ガス中に腐食性ガスが含まれていてもベローズ15が腐食される虞はなく、また、反応生成物の付着も発生せず、ひいてはベローズ15に腐食に起因する真空破壊を生じる虞もなく、況してベローズ15以遠のシリンダ13が腐食される虞もない。
【0016】以上説明したように本実施形態によれば、弁体12によるガス出入口11Aの開放時にバルブ本体11の内側から貫通孔11Bを閉止する第2の弁体17をロッド14に取り付けたため、バルブ本体11内をガスが流れる時には貫通孔11Bを閉止してベローズ15をガスから遮断することができ、腐食性ガスが流れる場合にはベローズ15を防食することができると共に反応生成物の付着を防止することができ、ひいてはガス排出管の真空破壊を防止することができる。また、バルブ本体11の内面には貫通孔11Bを囲むOリング18が装着されているため、第2の弁体17で貫通孔11Bを閉止した時にOリング18を介してバルブ本体11内をベローズ15側からより確実に遮断することができる。
【0017】図2は本発明の他の実施形態のバルブの要部を示す図である。本実施形態のバルブ20は、図2に示すように、薄い矩形状に形成されたバルブ本体21と、バルブ本体21内を上下に移動してガス出入口21Aを開閉する弁体22と、この弁体22を開閉駆動するためにバルブ本体11の貫通孔11Bを貫通して弁体22とバルブ本体21の外側の駆動機構(図示せず)を連結するロッド24と、このロッド24と貫通孔21Bの間の隙間を閉じるシール機構(本実施形態ではOリング)15とを備え、Oリング25を介してバルブ本体11内の気密が保持された仕切弁として構成されている。また、駆動機構側の隔壁26にはロッド24が貫通する貫通孔26Aが形成されている。この貫通孔26Aの内周面には全周に渡って溝26Bが形成され、この溝26Bに上記Oリング25が装着されている。従って、弁体22で流路21Aを開閉操作する時には、ロッド23がOリング25を摺動し、バルブ本体21内の気密を保持するようになっている。
【0018】上記ロッド23には上記実施形態と同様の第2の弁体27が取り付けられ、弁体22によってバルブ本体21のガス出入口21Aを開放した時に第2の弁体27によってバルブ本体21の貫通孔21Bを閉止するようにしてある。バルブ本体21には上記実施形態と同様に貫通孔21Bを囲む溝21C内にOリング28が装着されている。
【0019】従って、本実施形態においてもバルブ本体21内が排気ガスで充満してもOリング25は第2の弁体27によってバルブ本体21から遮断されているため、排気ガスが駆動機構側の隔壁26の貫通孔26Aに到達することがない。従って、排気ガス中に腐食性ガスやパーティクルが含まれていてもOリング25が腐食される虞はなく、Oリング25の腐食や反応生成物の付着に起因する真空破壊を生じる虞もない。また、貫通孔26AやOリング25にパーティクルが付着しないため、ロッド23が摺動する際にパーティクルがロッド23とOリング25間に詰まる虞がなく、パーティクルの詰まりに起因する真空破壊や動作不良を生じる虞もない。
【0020】尚、上記各実施形態ではシリンダ及びロッドを介して弁体を駆動する仕切弁を例に挙げて説明したが、操作用のロッドがバルブ本体を貫通している全てのバルブに対して本発明を適用することができ、また、シリンダ及びロッド以外の駆動機構及び動力伝達機構を用いたバルブについても本発明を適用することができる。また、上記各実施形態では半導体工場の処理装置の減圧下の配管に適用されたバルブについて説明したが、その他、ガスを圧送するガス配管に取り付けられるバルブについて広く適用することができる。
【0021】
【発明の効果】本発明の請求項1〜請求項4に記載の発明によれば、バルブ本体を駆動機構側から遮断するシール機構や駆動機構の腐食を確実に防止したり、ガス中に微粒子が含まれている場合にはパーティクルに起因する動作不良を確実に防止することができ、ひいては配管系の真空破壊やガス漏れを生じる虞がないバルブを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
【出願日】 平成11年6月2日(1999.6.2)
【代理人】 【識別番号】100096910
【弁理士】
【氏名又は名称】小原 肇
【公開番号】 特開2000−346238(P2000−346238A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願平11−155540