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【発明の名称】 バルブ操作機
【発明者】 【氏名】馬部 朋樹

【要約】 【課題】入力軸の回転に対して指針が順方向に回転して操作者に誤解を与えず、入力軸と弁棒を同じ回転方向に操作するバルブ操作機を提供する。

【解決手段】弁棒58に装着する出力部43と、出力部と同心のインターナルギア49と、出力部を回転自在に保持するケーシング42と、ケーシング42に固定装着するカバー45を貫通して配置する入力軸48と、インターナルギア49に噛合して入力軸48の軸心廻りに公転するエクスターナルギア50と、エクスターナルギア50に設けたピン穴に遊嵌するキャリアピン53と、キャリアピン53を固定保持してカバー45に周方向において係止されるピンホルダー54と、入力軸48の軸心廻りに回転自在にケーシング42で保持して出力部43に固定した指針台と、指針台58に固定装着する指針62とを備えたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁棒に装着する出力部と、出力部の上端に出力部の軸心と同心に形成する内歯のインターナルギアと、出力部を弁棒の軸心廻りに回転自在に保持するケーシングと、ケーシングに固定装着するカバーと、カバーを貫通して配置する入力軸と、入力軸に偏心軸受を介して装着し、インターナルギアとの間に歯数差を有し、インターナルギアに噛合して入力軸の軸心廻りに公転するエクスターナルギアと、エクスターナルギアに設けたピン穴に遊嵌して配置するキャリアピンと、キャリアピンを固定保持してエクスターナルギアの上方に配置し、カバーに周方向において係止されるピンホルダーと、入力軸の軸心廻りに回転自在にケーシングで保持して出力部に固定した指針台と、指針台に固定装着する指針とを備えたことを特徴とするバルブ操作機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バタフライ弁等の弁棒の軸心廻りに回動する弁体を備えた回転弁の開閉操作を行なうバルブ操作機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バタフライ弁等の操作機としては、例えば図5〜図6に示すようなものがある。図5〜図6において、操作機1は、後述する歯車列を内包するケーシング2と、ケーシング2の上部に配置するブラケット3を有し、ブラケット3によりスリーブ4を介して入力軸5を回転自在に保持しており、スリーブ4の上端に開度を示す指針6を冠着し、ブラケット3の天面に全閉位置から全開位置までを等分割した目盛り7を設けている。
【0003】ケーシング2は、内部に配置した出力軸8の下端の小径部8aを底部のボス部9において回転自在に保持し、上端の大径部8bを内側面に形成した着座部10において回転自在に保持している。出力軸8は、カラー11および軸受12を介して入力軸5の下端を回転自在に保持している。出力軸8の大径部8bの上に載置するエクスターナルギア13は、入力軸5に偏心軸受14を介して装着しており、入力軸5の軸心Xaの廻りに公転し、偏心軸受14の軸心Xbの廻りに自転する。エクスターナルギア13は、複数のピン穴13aを周方向に等間隔で有し、出力軸8の大径部8bに設けた各キャリアピン15にピン穴13aにおいて遊嵌しており、ピン穴13aにおいて偏心運動を許容しつつ、回転運動をキャリアピン15を介して出力軸8に伝達する。キャリアピン15は、スリーブ4と出力軸8を連結しており、スリーブ4および指針6は出力軸8と一体に回転する。
【0004】ケーシング2は、エクスターナルギア13の周囲に遊嵌する内周面に、エクスターナルギア13に噛合するインターナルギア16を有しており、インターナルギア16とエクスターナルギア13との間には、インターナルギア16の歯数がエクスターナルギア13の歯数より多くなる所定の歯数差を設けている。上記した構成により、入力軸5を回転操作すると、入力軸5の回転に伴ってエクスターナルギア13が、インターナルギア16に噛合しながら入力軸5の軸心Xaの廻りにおいて公転するとともに、この噛合によって公転方向と逆向きに偏心軸受14の軸心Xbの廻りにおいて自転する。
【0005】この間に、エクスターナルギア13は、ピン穴13aの内周面でキャリアピン15に摺接し、公転によって減速しながら自転による回転運動を出力軸8に伝達し、出力軸8に接続する弁棒に弁体を開閉操作するトルクを与える。指針6はスリーブ4およびキャリアピン15を介して出力軸8と一体に回転し、弁体の開度に相応するブラケット3の目盛り7を指し示す。
【0006】この構成において、指針6は出力軸8と一体に回転するので、弁体の開度を正確に指し示すが、入力軸5の回転に対して指針6が反対方向に回転する。例えば図6に示すように、指針6が全開位置を示す状態で、弁体を閉作動させたい操作者は、目盛り7が示す全閉位置方向とは反対方向に入力軸5を回転操作する必要があるが、錯誤によって目盛り7が示す全閉位置方向に向けて入力軸5を回転させることがある。この場合に、操作機はストッパー等により開作動方向への回動を規制されているので、操作者が誤りに気づかずに、入力軸5に過剰なトルクを加えると、操作機におけるギヤの破損や弁の破損を来す恐れがあった。
【0007】この問題を解決する技術としては、例えば実開平6−80967号公報に開示するものがある。これは図7に示すようなものである。図7において、入力軸21の偏心筒22に嵌合する外歯車23は偏心揺動し、出力軸25に設けられた内歯車27に噛合して回動する。上ケース26に固定したピン24は外歯車に設けた孔と係合し、出力軸25を自転させることなく公転だけさせる。出力軸5の外面に開度の指針29を設け、上ケース26と下ケース28は入力軸21と出力軸25を同軸で軸支しながら、指針29の回動する範囲を開放している。この構成により、出力軸25および指針29が入力軸21と同方向に回転する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、操作機は地中に埋設するピット内に配置することが多く、上記した構成のものを使用する場合には、雨水とともにピット内に侵入して操作機の周囲に堆積する土砂が指針29の動きを阻害し、作動不良を起こす問題があった。また、指針29は上ケース26と下ケース28の間に形成する開放口においてOリングに接触して摺動するので、その摺動抵抗によって操作機の操作力が大きくなる問題があった。
【0009】本発明は上記した課題を解決するものであり、入力軸の回転に対して指針が順方向に回転して操作者に誤解を与えず、入力軸と弁棒を同じ回転方向に操作することができ、操作機の周囲に堆積する土砂に動きを阻害されることなく、かつ指針の作動に際して大きな摺動抵抗を伴うことのないバルブ操作機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題解決するための手段】上記した課題を解決するために、本発明のバルブ操作機は、弁棒に装着する出力部と、出力部の上端に出力部の軸心と同心に形成する内歯のインターナルギアと、出力部を弁棒の軸心廻りに回転自在に保持するケーシングと、ケーシングに固定装着するカバーと、カバーを貫通して配置する入力軸と、入力軸に偏心軸受を介して装着し、インターナルギアとの間に歯数差を有し、インターナルギアに噛合して入力軸の軸心廻りに公転するエクスターナルギアと、エクスターナルギアに設けたピン穴に遊嵌して配置するキャリアピンと、キャリアピンを固定保持してエクスターナルギアの上方に配置し、カバーに周方向において係止されるピンホルダーと、入力軸の軸心廻りに回転自在にケーシングで保持して出力部に固定した指針台と、指針台に固定装着する指針とを備えたものである。
【0011】上記した構成により、入力軸を回転操作すると、キャリアピンに係止されるエクスターナルギアが自転することなく偏心軸受において入力軸の回転を許容しながら入力軸の軸心廻りに公転し、エクスターナルギアに噛合するインターナルギアが歯数差に応じて減速しながら入力軸と同方向に回転し、インターナルギアと一体に出力部が入力軸と同方向に回転する。出力部の回転に伴って指針台および指針が入力軸と同方向に回転して開度を指示する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4において、バルブ操作機41は、ケーシング42の内部に、弁棒に装着するスプラインスリーブ43およびスプラインスリーブ43に嵌合するディスク44を回転自在に保持しており、スプラインスリーブ43とディスク44で出力部を構成している。
【0013】カバー45はボルト46でケーシング42に固定して装着し、カバー45の孔部47に装着する指針台58(後述する)を貫通して入力軸48を配置している。ディスク44の上部には入力軸48と同心状に配置するインターナルギア49を形成している。ディスク44とカバー45の間には、インターナルギア49の内歯49aに外歯50aが噛合するエクスターナルギア50を配置しており、エクスターナルギア50は入力軸48に偏心軸受51を介して装着している。エクスターナルギア50は、インターナルギア49との間に所定の歯数差を有し、周方向の等間隔の位置に複数のピン穴52を有している。各ピン穴52に遊嵌してキャリアピン53を配置し、各キャリアピン53を固定保持するピンホルダー54をエクスターナルギア50の上方に配置している。
【0014】図2に示すように、ピンホルダー54は、入力軸48を挿通するための貫通孔55と、カバー45に対向する上面に径方向に沿って形成した溝部56とを有している。図3に示すように、カバー45は、下面に溝部56に係合する凸部57を有し、この溝部56と凸部57の係合によってピンホルダー54を周方向において係止している。
【0015】カバー45の孔部47には指針台58を入力軸48の軸心廻りに回転自在に配置しており、図4に示すように、指針台58は、入力軸48を挿通するための貫通孔59と、ディスク44に固定するためのアーム部60とを有し、アーム部60の先端においてディスク44の周縁部にボルト61で固定している。指針台58の周縁部には指針62を固定装着しており、カバー45の上面に開度を示す目盛り(図示省略)を設けている。
【0016】上記した構成における作用を説明する。入力軸48を回転操作すると、入力軸48の回転に伴ってエクスターナルギア50が入力軸48の軸心廻りに公転する。このとき、エクスターナルギア50はキャリアピン53に係止され、偏心軸受51において入力軸48の回転を許容することで、自転することがない。エクスターナルギア50の回転にともなって、エクスターナルギア50に噛合するインターナルギア49が歯数差に応じて減速しながら入力軸48と同方向に回転し、インターナルギア49と一体にディスク44およびスプラインスリーブ43が入力軸48と同方向に回転し、バルブの弁棒が入力軸48と同方向に回転操作される。ディスク44の回転に伴って指針台58および指針62が入力軸48と同方向に回転して開度を指示する。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、エクスターナルギアが自転することなく入力軸の軸心廻りに公転することにより、インターナルギアが歯数差に応じて減速しながら入力軸と同方向に回転して出力部が入力軸と同方向に回転するので、入力軸と弁棒を同じ回転方向に操作することができる。しかも、入力軸の回転に対して指針が順方向に回転して弁体の開度を表示するので、操作者に誤解を与える要因がなくなり、操作者が錯誤によって開閉操作を逆方向に行なうことを防止できる。操作機を埋設ピット内において使用する場合にあっても、指針が入力軸の周囲において回動することで、操作機の周囲に堆積する土砂に阻害されることなく作動することができるとともに、操作における摺動抵抗が小さい。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年6月9日(1999.6.9)
【代理人】 【識別番号】100068087
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開2000−346237(P2000−346237A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願平11−161744