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【発明の名称】 制御弁
【発明者】 【氏名】飯塚 博道

【要約】 【課題】内部の構造が簡単でしかも洗浄が容易で、コンタミネーションが発生せず、また高精度に入力圧または流量を制御することが可能な制御弁を提供することを目的とする。

【解決手段】ボディ30内に凹部31を設け、この凹部31にダイヤフラム32を配し、ダイヤフラム32の上面に信号圧を印加するとともに、下側に入口ポート33からの入力圧を印加し、ダイヤフラム32とバルブシート35との間に生ずる隙間によって流体の流動を制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】外部から印加される信号に応じて流体の圧力または流量を制御する制御弁において、流体が通過する通路にバルブシートを設けるとともに、該バルブシートに対して接触および離間可能にダイヤフラムを配し、前記ダイヤフラムの前記バルブシートと接触する面とは反対側の面に信号圧を印加するようにしたことを特徴とする制御弁。
【請求項2】入口ポートと出口ポートとを有する本体ボディを具備し、前記入口ポートと前記出口ポートとを連通するように流体の通路が前記ボディ内に形成されるとともに、該通路に前記バルブシートが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項3】パイロット圧が作動圧として加えられるノズルを具備し、該ノズルの先端部と対向するようにフラッパが配され、前記ノズルの先端部に対して前記フラッパの位置を変えることにより変化する前記ノズルの背圧が信号圧として前記ダイヤフラムに印加されることを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項4】前記フラッパがリニアモータのコイルを巻装したボビンに連結され、前記コイルに流れる信号電流に応じて前記ノズルの先端部に対して前記フラッパが変位することを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項5】外部から印加される信号に応じて流体の圧力または流量を制御する制御弁において、流体が通過する通路にバルブシートを設けるとともに、該バルブシートに対して接触および離間可能に第1のダイヤフラムを配し、しかも前記第1のダイヤフラムと所定の距離を隔ててほぼ平行に第2のダイヤフラムを配し、前記第2のダイヤフラムの前記第1のダイヤフラムとは反対側の表面に信号圧を印加し、しかも前記第1のダイヤフラムと前記第2のダイヤフラムとの間に力を伝達する剛体を配するようにしたことを特徴とする制御弁。
【請求項6】前記第1のダイヤフラムと前記第2のダイヤフラムの有効面積が異なることを特徴とする請求項5に記載の制御弁。
【請求項7】前記剛体が配されている前記第1のダイヤフラムと前記第2のダイヤフラムの間の空間が外部と連通されて大気圧に維持されることを特徴とする請求項5に記載の制御弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は制御弁に係り、とくに外部から印加される信号に応じて流体の圧力または流量を制御する制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】純水の製造装置や塗料、あるいは医薬品の製造等のために、従来より出力圧または流量を制御するための制御弁が用いられている。図3はこのような目的に用いられている従来の制御弁を示すものであって、この制御弁はボディ1に入口ポート2と出口ポート3とを形成するとともに、内部にダイヤフラム4を取付けるようにしている。そしてダイヤフラム4の中心部には取付け板5を介してロッド6が固着されるとともに、このロッド6の先端部に取付けられているボール7が円錐状のばね8によって上方へ押圧されるようになっている。
【0003】このような制御弁は、ダイヤフラム4の上面に加わる信号圧による下方への力と、ダイヤフラム4に加わる入力圧による上方への力とボール7を上方へ押すばね8の力の和とのバランスによってボール7とバルブシート9との間の隙間が決定され、このような隙間に応じた圧力または流量で入口ポート2から出口ポート3に流体が流れるようになる。
【0004】図4は従来の別の制御弁を示しており、この制御弁のボディ14には入口ポート15と出口ポート16とが形成されるとともに、中央には垂直に連通路17が形成されている。そしてこの連通路17の上端にバルブシート18が形成されるようになっている。
【0005】プランジャ20の下端にはバルブ21が取付けられ、このバルブ21がバルブシート18と接触したり離間したりするようになっている。そしてプランジャ20はガイドスリーブ22内において摺動可能に支持されている。プランジャ20の上部にはストッパ23が配されるとともに、プランジャ20とストッパ23の外周側にはコイル24が巻装されている。
【0006】このような制御弁は、コイル24に流れる電流のパルス幅を制御し、これによって流体圧または流量の制御を行なうようにするものである。すなわちプランジャ20のデューティ比を制御することによって圧力または流量を制御するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のこのような制御弁を液体の圧力あるいは流量の制御に用いると、内部に液体の滞留を生ずることになる。また部品点数が多く、摩擦を発生する部分がある。さらにはコンタミネーションの可能性が大きく、このために純度の高い薬液の製造等に用いるのには不適当である。またとくに図4に示す構造は、プランジャ20が激しく摺動しながら開閉動作を繰返すために、寿命と精度の点で問題がある。
【0008】一般に純水や塗料、医薬品等の分野において使用される制御バルブは、洗浄が容易で、コンタミネーションの発生がないことが要求される。開放と遮断の2種類のモードをとるON・OFFバルブについてはこのような目的に副う製品が存在するものの、入力圧や流量を適宜調整することが可能なアナログ調整用の制御弁には、洗浄がし易くてコンタミネーションの発生がない制御弁が提供されていない。
【0009】本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、内部の洗浄が容易で、コンタミネーションの発生がなく、しかも圧力または流量を任意に調整することが可能な制御弁を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願の一発明は、外部から印加される信号に応じて流体の圧力または流量を制御する制御弁において、流体が通過する通路にバルブシートを設けるとともに、該バルブシートに対して接触および離間可能にダイヤフラムを配し、前記ダイヤフラムの前記バルブシートと接触する面とは反対側の面に信号圧を印加するようにしたことを特徴とする制御弁に関するものである。
【0011】ここで入口ポートと出口ポートとを有する本体ボディを具備し、前記入口ポートと前記出口ポートとを連通するように流体の通路が前記ボディ内に形成されるとともに、該通路に前記バルブシートが設けられていてよい。またパイロット圧が作動圧として加えられるノズルを具備し、該ノズルの先端部と対向するようにフラッパが配され、前記ノズルの先端部に対して前記フラッパの位置を変えることにより変化する前記ノズルの背圧が信号圧として前記ダイヤフラムに印加されるものであってよい。また前記フラッパがリニアモータのコイルを巻装したボビンに連結され、前記コイルに流れる信号電流に応じて前記ノズルの先端部に対して前記フラッパが変位するものであってよい。
【0012】本願の別の発明は、外部から印加される信号に応じて流体の圧力または流量を制御する制御弁において、流体が通過する通路にバルブシートを設けるとともに、該バルブシートに対して接触および離間可能に第1のダイヤフラムを配し、しかも前記第1のダイヤフラムと所定の距離を隔ててほぼ平行に第2のダイヤフラムを配し、前記第2のダイヤフラムの前記第1のダイヤフラムとは反対側の表面に信号圧を印加し、しかも前記第1のダイヤフラムと前記第2のダイヤフラムとの間に力を伝達する剛体を配するようにしたことを特徴とする制御弁に関するものである。
【0013】ここで前記第1のダイヤフラムと前記第2のダイヤフラムの有効面積が異なるものであってよい。また前記剛体が配されている前記第1のダイヤフラムと前記第2のダイヤフラムの間の空間が外部と連通されて大気圧に維持されていてよい。
【0014】
【作用】上記一発明によれば、ダイヤフラムはその一方の面に信号圧が印加され、他方の面に流体圧が印加される。従って両者の力がバランスする状態においてダイヤフラムとバルブシートとの間に隙間が形成され、このような隙間を通して入口ポートから出口ポートに向って流体が流動する。
【0015】上記別の発明によれば、第1のダイヤフラムに流体圧が印加され、第2のダイヤフラムに信号圧が印加される。従って流体圧による力と信号圧による力がバランスする位置で第1のダイヤフラムおよび第2のダイヤフラムはその位置が定まり、このときに第1のダイヤフラムとバルブシートとの間の隙間を通って入口ポートから出口ポートに向って流体が流れるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施の形態の制御弁を示しており、この制御弁はボディ30を有している。ボディ30はその内部に閉空間を構成する凹部31を備えており、この凹部31内に凹部31を上下に分割するようにダイヤフラム32が配されている。そして凹部31と連通するように入口ポート33と出口ポート34とがそれぞれボディ30に形成されている。そして出口ポート34と凹部31との連通部の周囲の部分にはバルブシート35が形成されており、このバルブシート35とダイヤフラム32との間の隙間によって流量の制御が行なわれるようになっている。
【0017】ボディ30内には上記凹部31の上側に別の小さな凹部39が形成されるとともに、この凹部39に連通するように上方へ突出してノズル40が配されている。そして凹部39には補助ポート41を通してパイロット圧が印加されるようになっている。また凹部39は連通孔42を通して凹部31と連通されており、これによってノズル40の背圧をダイヤフラム32の上面に印加するようにしている。
【0018】上記ノズル40と対向するようにフラッパ46が配されている。フラッパ46はその外周側の部分であって下面を弾性支持板47によって受けられるようになっており、このときにフラッパ46はノズル40に最も近接した状態になる。なお弾性支持板47には開口48が形成されており、この開口48によって弾性支持板47の上下の空間が互いに連通されるようになっている。
【0019】次に上記フラッパ46を軸線方向、すなわち上下方向に移動させるための機構について説明すると、カップ状をなすハウジング51内にヨーク52が収納されるとともに、ヨーク52の内側であってその中央部には下方に突出するようにマグネット53が形成されている。そしてこのマグネット53にはセンタコア54が固着されるとともに、このセンタコア54の外周部にボビン55が配されている。そしてボビン55にはコイル56が巻装されている。そして上記ボビン55に可動板57が取付けられるとともに、この可動板57に上記フラッパ46が取付けられるようになっている。また上記ヨーク52の内側の空間はボディ30に形成されている小孔58を通して外部と連通されており、これによってこのヨーク52の内側の空間が大気圧に維持されるようになっている。
【0020】次にこのような制御弁の動作について説明する。このような制御弁は、0〜4kg/cm2 程度の比較的低圧の圧力制御と流量制御とに用いられるものである。そして入口ポート33は流体源に、出力ポート34は負荷に、それぞれ接続される。またパイロット圧が補助ポート41に印加されるようになっており、これによってノズル40の背圧が凹部39内の圧力であって信号圧として取出されるようになっている。
【0021】今コイル56に流れる電流によってフラッパ46が下方へ移動し、ノズル40がほぼ閉じられた場合には、ノズル40の背圧であって信号圧はパイロット圧にほぼ等しくなる。これに対してコイル56に印加される信号電流によってフラッパ46が上方に移動し、フラッパ46とノズル40との間のギャップが次第に大きくなると、信号圧がこれに伴って低下することになる。
【0022】信号圧はノズル40の背圧として凹部39内にあらわれ、この圧力が連通孔42を通って凹部31内のダイヤフラム32の上面に加えられる。これに対してダイヤフラム32の下面には、入口ポート33から出口ポート34へ流動する流体の入力圧が加わっている。
【0023】この制御弁はダイヤフラム32に加わる上向きの力と下向きの力とが常に等しくなるように動作する力学的な平衡を利用するものである。今ダイヤフラム32の有効面積をAとし、信号圧をPs とすると、下向きの力fd は、fd =Ps ・Aとなる。またダイヤフラム32に加わる流体の入力圧をPi とすると、ダイヤフラム32に加わる上向きの力fu =Pi ・Aとなる。
【0024】ダイヤフラム32の両面に加わる力の平衡を利用するものであるから、次の式が成立する。
【0025】Ps ・A=Pi ・AよってPs =Piこのように入口ポート33から流入する流体がそれ自身の入力側の圧力によってダイヤフラム32を押上げ、出力ポート34より流出する。流量が大きい場合には、入力ポート33に生ずる圧力は流体源のポンプとこの制御弁との間の配管ラインの圧力損失によって出力ポート34の圧力に近い圧力まで低下する。そして上部に配されているリニアモータによって信号圧が上昇するとダイヤフラム32が押下げられ、この制御弁から流出する流量が低下し、入口ポート33の圧力が上昇する。このような動作によって上記の力の平衡が成立する。そして上記の式から明らかなように、入力ポート33の圧力Pi が信号圧Ps に依存することから、入力ポートの圧力Pi を信号圧Ps によって調整することが可能になる。これが圧力調整の動作の原理である。
【0026】次に流量制御の動作について説明する。出口ポート34から流出する流量Qは、ポンプと入力ポート33との間の配管抵抗をCd とし、ポンプの圧力をPp とし、入口ポート33の圧力をPi とすると、次式によって与えられる。
【0027】
Q=Cd (Pp −Pi 1/2 =Cd (Pp −Ps 1/2従ってこの式から明らかなように、信号圧Ps を調整することによって、流量Qの制御が行なわれるようになる。
【0028】このような構造の制御弁は、図1から明らかなように、液体の制御を行なう場合における接液する可動部がダイヤフラム32のみであるために、洗浄が容易で、コンタミネーションの発生がない。また摩擦力の発生する部分にシールがなく、精度の高い制御が可能になるとともに、長い寿命も期待できる。また構造が極めて簡単なので、保守点検を短時間で達成することが可能になる。また上述の如く、流量調整用としても、また圧力調整用としても使用することが可能である。
【0029】次に第2の実施の形態を図2によって説明する。この実施の形態は、ボディ30の凹部31の上側に別の凹部62を形成し、この凹部62内に第2のダイヤフラム63を配するようにしたものである。ここでダイヤフラム63の下面が受け板64によって受けられるとともに、この受け板64の下面に取付けられているセンタボス65が第1のダイヤフラム32の上面を押すようになっている。なお受け板64は圧縮コイルばね66によって上方へ押圧されるようになっている。なお凹部62は小孔67によって外部と連通されており、凹部62の内部の圧力が大気圧に維持されている。
【0030】なおそれ以外の構成は上記第1の実施例と同様であって、ダイヤフラム32の下面に入口ポート33から出口ポート34へ流れる流体の入力圧が加えられる。また第2のダイヤフラム63の上面には、ノズルフラッパ40の背圧として得られる凹部39の圧力が連通孔42を介して加えられるようになっている。信号圧の調整は第1の実施例と同様に、フラッパ46をコイル56に通ずる信号電流によって軸線方向に移動させることにより調整される。
【0031】このような制御弁は0〜20kg/cm2 程度の比較的高圧の制御に用いられるものである。またここで補助ポート41を介してノズル40の作動圧として加えられるパイロット圧は工場ラインの通常の空気圧の使用が可能になっている。
【0032】このような制御弁において、第1のダイヤフラム32の有効面積をA1 とし、第2のダイヤフラム63の有効面積をA2 とし、圧縮コイルばね66の弾性復元力をFとし、第1のダイヤフラム32の上面と第2のダイヤフラム63の下面に作用する大気圧をPa とすると、Pi ・A1 +Pa ・A2 +F=Ps ・A2 +Pa ・Aここで上式の左辺が上向きの力を表わし、右辺が下向きの力を表わしている。従ってこの式から、P=Ps ・(A2 /A1 )+Pa ・(A1 −A2 /A1 −F/A1従って信号圧に比べて大気圧が小さく右辺の第2項が省略でき、さらに圧縮コイルばね66の力が弱くて第3項が省略できる場合には、Pi =Ps ・(A2 /A1
このように第2のダイヤフラムから成る増幅アダプタを使用することによって、ダイヤフラム32が平衡する信号圧Ps と流体圧Pi との比率を変えることが可能になる。すなわち第2のダイヤフラム63によって構成される増幅アダプタによって、信号圧Pi が増幅しA2 /A1 の比率で調整されることになる。なおこの制御弁の流量制御の動作は上記実施の形態と同様である。
【0033】
【発明の効果】本願の一発明は、外部から印加される信号に応じて流体の圧力または流量を制御する制御弁において、流体が通過する通路にバルブシートを設けるとともに、該バルブシートに対して接触および離間可能にダイヤフラムを配し、ダイヤフラムのバルブシートと接触する面とは反対側の面に信号圧を印加するようにしたものである。
【0034】従ってダイヤフラムに加えられる信号圧に応じて入力ポートに加えられる流体圧と通過する流体の流量とを制御することが可能になる。
【0035】本願の別の発明は、外部から印加される信号に応じて流体の圧力または流量を制御する制御弁において、流体が通過する通路にバルブシートを設けるとともに、該バルブシートに対して接触および離間可能に第1のダイヤフラムを配し、しかも第1のダイヤフラムと所定の距離を隔ててほぼ平行に第2のダイヤフラムを配し、第2のダイヤフラムの第1のダイヤフラムとは反対側の表面に信号圧を印加し、しかも第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムとの間に力を伝達する剛体を配するようにしたものである。
【0036】従ってこのような発明によれば、信号圧を第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムの面積比で増幅した流体圧に制御することが可能になるとともに、通過する流体の流量の制御を行なうことが可能になる。
【出願人】 【識別番号】591124514
【氏名又は名称】株式会社アサヒ・エンタープライズ
【出願日】 平成11年6月8日(1999.6.8)
【代理人】 【識別番号】100078145
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 修
【公開番号】 特開2000−346233(P2000−346233A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願平11−161019