| 【発明の名称】 |
バルブ及び同バルブを有する浄水器 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡野 正昭
【氏名】立川 敬史
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| 【要約】 |
【課題】流体流路の流体圧を所定圧力以下に維持する圧力維持機能と、内部の流体滞留を防止する滞留防止機能とを備え、必要時に内部流体を排出する機能とを備えたコンパクトなバルブと、通水時に水圧を所定圧力以下に維持し部品の劣化や破損を防止し、非通水時には内部に雑菌が発生するのを防ぐ、コンパクト且つ廉価であり、水資源の無駄もない浄水器とを提供する。
【解決手段】浄水器(10)の原水導入口(3) 及び浄水部(1) の間に配された原水流路(16c) には排水開口(16d) が形成され、同開口(16d) にバルブ(1) が配されている。同バルブ(1) は弁箱(2) と、同弁箱(2) に形成され前記原水流路(16c)と前記排水開口(16d) を介して連通する連通口(3) と、同弁箱(2) の底壁部に形成され外部と連通する流体抜孔(4) と、前記連通口(3) を介して前記開口(16d)を開閉する弁体(5) と、同弁体(5) を所定の付勢力で前記開口(16d) に対して押し付ける付勢手段(6) と、前記弁体(5) を前記弁箱(2) の外部から開閉操作する開閉手段(7) とを備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流体流路内の流体圧が所定圧力より高くなると同流体流路から流体を自動的に排出して流体圧を所定圧力以下に維持する圧力維持機構と、前記流体流路内に滞留する流体を必要に応じて積極的に排出できる滞留防止機構とを兼ね備えたバルブ。 【請求項2】 前記バルブは、弁箱と、同弁箱の壁部に形成され流体流路と連通する連通口と、同じく弁箱に形成され外部に連通する流体抜孔と、前記連通口を開閉する弁体と、同弁体を所定の付勢力で前記連通口に押し付ける付勢手段と、前記弁体を前記弁箱の外部から開閉操作する開閉手段とを備えてなり、前記圧力維持機構は前記付勢手段であり、前記滞留防止機構は前記開閉手段である請求項1記載のバルブ。 【請求項3】 原水導入口と、原水を浄化する浄水部と、浄水を吐出する浄水吐出口と、前記原水導入口から前記浄水部を介して前記浄水吐出口に流れる流路とを備えてなる浄水器であって、前記流路中に、請求項1又は2記載のバルブを有してなることを特徴とする浄水器。 【請求項4】 前記浄水部は原水入口を有し、前記バルブが、前記原水導入口と前記原水入口との間の原水流路に、前記原水入口より低い位置において浄水器外と連通して形成された排水開口に配されてなる請求項3記載の浄水器。 【請求項5】 前記浄水部は浄水出口を有し、前記バルブが、前記浄水吐出口と前記浄水出口との間の浄水流路に、前記浄水出口より低い位置において浄水器外と連通して形成された排水開口に配されてなる請求項3記載の浄水器。 【請求項6】 前記開閉手段の開閉操作が手動による請求項3〜5のいずれかに記載の浄水器。 【請求項7】 前記浄水器は前記原水導入口において同浄水器を蛇口に取り付ける取付部材を備えてなる請求項3〜6のいずれかに記載の浄水器。 【請求項8】 前記浄水器は原水を直接吐出する原水吐出口を有し、前記原水導入口と前記浄水部との間の原水流路は、前記浄水部への流路と前記原水吐出口への流路とに分岐しており、その分岐部分には、原水の流れを前記浄水部と前記原水吐出口とに切り換える切換え手段が配されてなる請求項3〜7のいずれかに記載の浄水器。 【請求項9】 前記浄水器は本体容器がプラスチックで形成されてなる請求項3〜8のいずれかに記載の浄水器。 【請求項10】 前記浄水部には濾過材として中空糸膜が装填されてなる請求項3〜9のいずれかに記載の浄水器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば浄水器やシャワーホースなどの流体流路をもつ物品に取り付けられるバルブと、水道水や井戸水などの上水を浄化することを目的とした一般家庭用の浄水器とに関する。更に詳しくは、流体流路の流体圧を所定圧力より低く維持する圧力維持機能と、少なくとも流体流路内の流体を排出する流体排出機能とを備えたバルブと、同バルブを有する浄水器とに関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、水資源の汚染や、より美味しい水の要求などにより、水道水や井戸水などの上水を浄化するための浄水器が用いられている。かかる浄水器として、活性炭などの吸着剤による水道水のカルキ臭やカビ臭、トリハロメタンなどを吸着除去し、また、多孔質中空糸膜などの濾過剤により細菌類や濁質成分などを濾過して除去することを機能として有するものが知られている。 【0003】また、浄水器の種類としては、家庭の蛇口や水道配管に取り付ける固定タイプのものや、災害時やアウトドアでの使用に適した携帯タイプのものがある。なかでも家庭の蛇口に直結するタイプの浄水器が汎用されており、この蛇口直結タイプとしては、例えば図4に示すような浄水器が広く使用されている。 【0004】同図4に示す従来の浄水器20は外形が略L字型をなし、図面左側の縦長の部分に浄水部11が内蔵され、その下端に浄水吐出口12が形成されている。更に、図面右側の横長の部分には、上部に原水導入口13、下部には多数のシャワー孔をもつ原水吐出口14が形成されており、本浄水器20は前記原水導入口13において取付手段15により蛇口Jに取り付けられている。更に、横長部分の内部には前記原水導入口13から前記浄水部11と前記原水吐出口14とにそれぞれ原水を送るために分岐した原水流路16a〜16cが形成されている。この原水流路16a〜16cの分岐部分には、原水の流れを前記浄水部11と前記原水吐出口14とに切り換える切換え手段17が配されている。 【0005】かかる構成を備えた浄水器20は、前記切換え手段17により原水導入口13からの原水流路16aを、原水吐出口14への原水流路16bへと連通させることにより、原水が前記原水吐出口14から吐出される。また、前記切換え手段17により原水導入口13からの原水流路16aを前記浄水部11への原水流路16cへと切り換えることにより、同原水流路16cを通って前記浄水部11へと原水が導入される。同浄水部11内には例えば中空糸膜などの濾過材が装填されており、同浄水部11を通って浄化された浄水が、前記浄水吐出口12から吐出される。 【0006】このとき、前記蛇口Jからの原水の導入量が過剰となり、前記浄水部11における処理速度以上の原水が浄水器20内へと導入されると、同浄水器20内の水圧が高くなり、浄水器20の容器がその水圧により劣化し、或いは破損する虞れもある。また、濾過材として上述した中空糸膜などの柔軟性の高い材料を採用する場合には、水圧により濾過材が変形したり潰れてしまい、所要の浄化機能を損なうといった問題も生じる。 【0007】そこで、図示した浄水器30には、浄水部11へと連通する原水流路16cの下方に、前記浄水部11への通水時に、浄水器20内部の水圧が所定圧力より高くなると内部の水を排水して内部圧力を所定圧力以下に維持する圧力維持バルブ21を配している。同圧力維持バルブ31は、前記原水流路16cに形成された排水開口16dに面して固着されている。前記バルブ31は、前記排水開口16dの下方に同開口16dを囲んで形成された弁箱31aと、同弁箱31aの底壁に形成された外部へと連通する排水抜孔31bと、前記弁箱31aの内部に配された前記排水開口16dよりも大径のボール弁体31cと、前記ボール弁体31cを前記排水開口16dへ向けて押し付ける圧縮バネ31dとを有している。 【0008】かかる構成を備えた圧力維持バルブ31は、浄水部11への通水時に前記浄水器30内部の水圧、即ち、前記原水流路36cの水圧が、前記圧縮バネ31dの付勢力よりも大きくなると、前記ボール弁体31cを下方へ押し下げて前記排水開口16dを開き、内部の水が同排水開口16dを通って前記バルブ31の排水抜孔31bから排水される。このように、圧力維持バルブ31により、浄水器30内部の水圧を所定圧力以下に維持できるため、同浄水器30の容器本体の劣化や破損、或いは柔軟性を有する濾過材の変形を効果的に防止できる。 【0009】また、前記浄水器30では、浄水部11への非通水時に、前記浄水部11内や同浄水部11への原水流路16c内に原水又は浄水が残留する。このように内部に残留した水が、長時間内部に留まると、滞留水中や浄水器30の内壁面に雑菌が発生し繁殖する虞れがある。そこで、上述の浄水器30は更に、前記原水流路16cの下方に、浄水器30内部に滞留している水を排水する滞留防止機構32を設けている。 【0010】前記滞留防止機構32は前記原水流路16cの下面に形成された凹部32aと、同凹部32aの底部に形成され、浄水器30の外部へと連通する排水孔32bと、前記凹部32a内に収容され、前記排水孔32bよりも大径のボール弁体32cと、前記排水孔32bの内壁にその一端が取り付けられた圧縮バネ32dとを備えており、前記圧縮バネ32dは通常は他端が前記凹部32aの底面より上方に突出し、その他端には前記ボール弁体32cが載置されている。 【0011】かかる構成を備えた滞留防止機構32は、前記浄水部11への通水時には、前記原水流路16cを通過する原水の水圧により、前記ボール弁体32cが前記圧縮バネ32dの付勢に抗して下方へと押し下げられ、同ボール弁体32cにより前記排水孔32bが閉鎖される。また、前記浄水部11への非通水時には、前記ボール弁体32cへは何ら水圧がかからないため同ボール弁体32cは前記圧縮バネ32dの付勢により上方へ持ち上げられ、前記排水孔32bが開放されて同排水孔32bから内部に残留する水が排水される。この滞留防止機構32により、前記浄水器20の浄水部11及び原水流路16cには長時間、滞留水が留まることがないため、雑菌が発生し繁殖することがない。 【0012】また、このような流体流路の流体圧力を所定圧力以下に維持する圧力維持機構や、流体流路内に流体が滞留するのを防ぐことで、雑菌の発生・繁殖を防ぎ衛生面での向上や、流体流路を構成する部材の劣化を防止するために、内部への流体の滞留をなくすための滞留防止機構は、上述の浄水器30に限らず、さまざまな物品に設置可能である。例えば、プラスチック製の水栓ノズルや、浴室のシャワーヘッド、洗車・水まき用の散水ヘッド、及びこれらのヘッドを取り付けたホース、更には、風呂釜内の水を循環使用する24時間風呂装置、給湯湯沸かし器、及び給茶・給水器の通水経路などである。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従来の浄水器30などに設けられる圧力維持バルブ31及び滞留防止機構32にあっては、いずれも内部の流体を排出する機構である。にもかかわらず、圧力維持バルブ31では原水流路16cに形成された排水開口16dを、浄水部11への非通水時には閉鎖し、浄水部11への通水時には通常閉鎖しているが、原水流路16cの水圧が高くなると開放して排水する。これに対し、滞留防止機構32は原水流路16cに形成された排水孔32bが、浄水部11への非通水時には開放して排水し、浄水部11への通水時には常時閉鎖している。このように、圧力維持バルブ31と滞留防止機構32とでは、その排水開口16d又は排水孔32bを開閉するタイミングが全く異なり、そのため、圧縮バネ31d,32dのボール弁体31c,32cに対する付勢方向が異なるため、前記圧力維持バルブ31と滞留防止機構32とは別途に形成せざるを得ない。 【0014】すなわち、従来の浄水器30などにあっては、前記圧力維持バルブ31及び滞留防止機構32はいずれも内部の流体を排出する機構であるにも関わらず、それぞれを別部材として備えざるを得ない。そのため、その容積分だけ浄水器30などの物品が大型化してしまうといった不都合がある。しかも、上述した浄水器30にあっては、それぞれが下部から突出して形成されているため、このように浄水器30が大型化してしまうと、特に上述のようなコンパクトであることが要求される蛇口直結タイプの浄水器の場合、蛇口の下方スペースが狭くなり、使い勝手が悪くなるため好ましくなかった。また、二つの機構を別部材として備えることにより、必然的にその構成材料や部品点数も多くなるため、材料費が増加し、組立て工程が煩雑化して生産効率も悪く、結果的には製造コストが増大するといった問題もある。 【0015】また、浄水器30の滞留水を排水する滞留防止機構32に関してみると、例えば、家庭での炊事の際など、繰り返して頻繁に浄水を使用する場合には、浄水器30の内部には、雑菌が発生するほどの長時間、水が滞留することはない。そのため、使用の度に内部の水を排水させる必要はなく、浄水使用の最後に一度、排水させれば十分である。しかしながら、上述した浄水器30における滞留水の排水機構である滞留防止機構32は、頻繁に浄水を使用する場合であっても、一旦、蛇口を止める度に、或いは浄水から原水に切り換える度に、同滞留防止機構32が作動してその都度、内部の水が自動的に排水されてしまい、相当量の水が無駄に排水されるといった不都合があった。このことは、近年、重要な問題となっている水資源の節約の観点からも好ましくはない。 【0016】本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、流体流路に流体が流れている際に流体圧力を所定の圧力以下に維持する圧力維持機構と、物品の内部に流体が滞留するのを防止する滞留防止機構とを同時に兼ね備えたバルブであって、滞留防止機構を必要に応じて作動させることにより、流体の無駄をなくすことができるバルブを提供することを第1の目的とする。 【0017】更に、本発明は、浄水器の本体容器や内部に装填された濾過材などの各部材の劣化や破損を防ぐため、浄水器内部の水圧を所定圧力以下に維持するために排水する機能と、浄水部への非通水時には、内部の滞留水に雑菌が発生、繁殖するのを防ぐため、適宜、必要に応じて内部の滞留水を排水する機能とを備えており、しかもコンパクト且つ廉価であり、水資源の無駄もない浄水器を提供することを第2の目的としている。 【0018】 【課題を解決するための手段】上述した第1の目的を達成するために、本件請求項1に係る発明は、流体流路内の流体圧が所定圧力より高くなると同流体流路から流体を自動的に排出して流体圧を所定圧力以下に維持する圧力維持機構と、前記流体流路内に滞留する流体を必要に応じて積極的に排出できる滞留防止機構とを兼ね備えたバルブを主要な構成としている。 【0019】前記バルブは、流路を流体が通過する際に、同流路内の流体圧が所定圧力よりも高くなると内部の流体が自動的に排出されるため、前記流路や同流路をもつ物品の構成部材に過剰な流体圧が加わることがなく、それの構成部材が劣化したり破損したりするのを効果的に防ぐことができる。また、必要に応じて、適宜内部の流体を排出することができるため、流路内に流体が滞留することがなく、流体や同流体が接触している流路及び同流路をもつ物品の内壁面に雑菌が発生、繁殖することがなく、衛生的にも優れており、また、流体により前記流路及び物品の構成部材が劣化を効果的に防止できる。更には、流体の排出タイミングが異なる別途の2つの機能を、単一のバルブに付与することができるため、それぞれを別途のバルブとして形成する必要がなく、本発明のバルブを備えた物品はコンパクトとなり、部品点数も少ないため、材料費も低減でき組立ても簡単となるため、製品が廉価となる。 【0020】更に、本件請求項2に係る発明は、前記バルブは、弁箱と、同弁箱の壁部に形成され流体流路と連通する連通口と、同じく弁箱に形成され外部に連通する流体抜孔と、前記連通口を開閉する弁体と、同弁体を所定の付勢力で前記連通口に押し付ける付勢手段と、前記弁体を前記弁箱の外部から開閉操作する開閉手段とを備えてなり、前記圧力維持機構は前記付勢手段であり、前記滞留防止機構は前記開閉手段である。 【0021】流体流路に取り付けられた前記バルブは、流体流路内の流体圧が所定圧力、即ち、前記付勢手段の付勢力を越えると、前記弁体が前記圧力維持機構である付勢手段の付勢に抗して前記連通口から離れる方向へと自動的に移動する。それにより前記連通口が開き、流体流路を流れる流体の一部は前記連通口を通って弁箱内へと流入し、更に、前記弁箱の壁部に形成された流体抜孔からバルブの外部へと流出する。流体流路からの流体の排出により同流体流路内の流体圧が低下すると、前記付勢手段により前記弁体が再び前記連通口に自動的に押し付けられて、同連通口が閉鎖される。このように、内部の流体圧が所定圧力より大きくなると、同流体圧を自動的に逃すことができるため、同バルブが取り付けられた流体流路及び同流路をもつ物品の構成部材が流体圧により劣化したり、破損するのを防止できる。 【0022】更に、本発明のバルブにあっては、前記滞留防止機構である前記開閉手段を有しているため、例えば同バルブが取り付けられている流体流路及び同流路をもつ物品内に滞留している流体を外部へと排出したい場合には、前記開閉手段を手動で、又は適宜部材により操作することにより、必要に応じて同バルブから流体を外部に排出することができる。そのため、滞留する流体により同流体の接触している部分に雑菌が発生・繁殖したり、同部分が劣化したりすることがない。 【0023】更に、第2の目的を達成するために、本件請求項3に係る発明は、原水導入口と、原水を浄化する浄水部と、浄水を吐出する浄水吐出口と、前記原水導入口から前記浄水部を介して前記浄水吐出口に流れる流路とを備えてなる浄水器であって、前記流路中に、上述した本発明のバルブを有してなることを特徴とする浄水器を主要な構成としている。 【0024】前記浄水器は、浄水部への通水時に浄水器内部の水圧が所定圧力よりも高くなると内部の水が排水されるため、前記浄水器の本体容器や浄水部に装填された濾過材などの各部材に過剰な水圧がかかることがなく、それらが劣化したり破損したりするのを効果的に防ぐことができる。また、浄水部への非通水時に、内部の滞留水を排水することができるため、滞留水に雑菌が発生、繁殖することがなく、衛生的にも優れている。更には、排水のタイミングも異なる別途の2つの機能が、単一の排水機構に備えられているため、それぞれ別途の部材として形成されていた従来の浄水器と比べてコンパクトとなり、部品点数も少ないため、材料費も低減でき組立ても簡単となるため、製品が廉価となる。 【0025】更に、本件請求項4に係る発明によれば、前記浄水部は原水入口を有し、前記バルブが、前記原水導入口と前記原水入口との間の原水流路に、前記原水入口より低い位置において浄水器外と連通して形成された排水開口に配されている。或いは、本件請求項5に係る発明によれば、前記浄水部は浄水出口を有し、前記バルブが、前記浄水吐出口と前記浄水出口との間の浄水流路に、前記浄水出口より低い位置において浄水器外と連通して形成された排水開口に配されている。このように、前記排水開口をそれぞれ、前記原水入口又は前記浄水吐出口より低い位置に形成しているため、同排水開口からは前記原水流路及び/又は浄水部に滞留する原水及び/又は浄水を円滑に浄水器の外部へと排出することができる。 【0026】また、本件請求項6に係る発明によれば、前記開閉手段の開閉操作が手動による。前記開閉手段の開閉操作を手動とすることにより、浄水器内の滞留水の排水を必要に応じて適宜行うことができ、水資源の無駄がない。 【0027】本件請求項7に係る発明によれば、前記浄水器は前記原水導入口において同浄水器を蛇口に取り付ける取付部材を備えている。上述の本件発明では、浄水器がコンパクトであるため、例えばキッチンなどの蛇口に直接取り付けても、同浄水器の下方に十分なスペースを確保できる。 【0028】本件請求項8に係る発明では、前記浄水器は原水を直接吐出する原水吐出口を有し、前記原水導入口と前記浄水部との間の原水流路は、前記浄水部への流路と前記原水吐出口への流路とに分岐しており、その分岐部分には、原水の流れを前記浄水部と前記原水吐出口とに切り換える切換え手段が配されている。 【0029】また、本件請求項9による発明では、前記浄水器は本体容器がプラスチックで形成されており、本件請求項10に係る発明では、前記浄水部には濾過材として中空糸膜が装填されている。本件発明は上述したように、内部の水圧を所定圧力以下に維持できるため、浄水器の本体容器がプラスチック製であり、また、浄水部に柔軟性をもつ中空糸膜が装填されていても、それらの部材が変形や損傷することがない。 【0030】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の好適な実施例であるバルブ1の縦断面である。前記バルブ1は、上壁部が開放した箱体からなる弁箱2を備え、同弁箱2の開放した端縁が流体流路Pと連通する連通口3を構成しており、前記弁箱2は前記連通口3を前記流体流路Pに形成された開口Wに対向させて同流路Pに取り付けられている。更に、前記弁箱2の底壁部には外部に連通する流体抜孔4が形成されている。前記バルブ1は更に、前記連通口3を開閉する弁体5と、同弁体5を所定の付勢力で前記連通口3に押し付ける付勢手段6と、前記弁体5を前記弁箱2の外部から開閉操作する開閉手段7とを備えている。 【0031】前記弁体5は上面が前記開口Wの径よりも僅かに大径の略半球状をなしており、その略半球状をなす上面により前記開口Wを開閉する。前記開閉手段7は両端が互いに反対方向に直角に屈曲したレバー体である。同開閉手段7は前記弁箱2の外側から、一方の屈曲端を前記弁箱2の一側壁に貫通させて同側壁に枢着しており、その先端には前記弁体5が一体に形成されている。更に、前記付勢手段6は、前記弁体5の下面と前記弁箱2の底壁との間に配された圧縮バネ6であり、同圧縮バネ6により前記弁体5を前記開口Wに向けて付勢している。 【0032】かかる構成を備えたバルブ1は、通常、前記弁体5が前記圧縮バネ6の付勢により前記開口Wへ向けて押し付けられ、同開口Wを閉鎖している。前記流体流路Pを流体が通過する際には、前記流体流路P内の流体圧が所定圧力、即ち、前記圧縮バネ6の付勢力よりも小さい圧力であるときには、前記開口Wは前記弁体5により閉鎖されている。前記流体流路P内の流量が過剰となり流体圧が前記圧縮バネ6の付勢力よりも大きくなると、その流体圧により前記弁体5が前記圧縮バネ6の付勢に抗して自動的に下方へと押し下げられ、前記開口Wが開放される。 【0033】このとき、前記流体流路P内の流体は前記開口Wを通って弁箱2の連通口3から弁箱2内へと流入し、同弁箱2の前記流体抜孔4から外部へと排出される。そして、再び内部の流体圧が前記圧縮バネ6の付勢力よりも小さくなると、同圧縮バネ6により前記弁体5が前記開口Wへ向けて自動的に押し上げられ、同開口Wが閉鎖される。 【0034】また、本実施例では、前記バルブ1の弁体5はその上面が半球状に形成されているが、この形態に限定されるものではなく、前記開口Wを密閉できる形状であればよい。例えば、球状や板状、或いは前記開口Wに嵌入する円柱状とすることもできる。更に、弁体の周縁にパッキンを取り付けたり、或いは弁体を可撓性をもつ例えばゴム製とすることもでき、その場合には前記開口Wに対する前記弁体5の密閉性を高めることができ、特に、耐久性と成形性とに優れたシリコンゴムを用いることが好ましい。 【0035】更に、上記バルブ1の弁体5を付勢する付勢手段として、コイル状の圧縮バネ6を採用しているが、特にこれに限定されるものではなく、板バネや流体流路Wの内側から前記弁体5を引っ張る引張りバネ、或いは適当な形状の弾性ゴム体などを採用することもできる。 【0036】また、バルブ1の開閉手段7としてレバー体を用い、上方へ押し上げることにより操作する方式としているが、適宜変更が可能であり、レバー体を下方へ押し下げることにより操作する方式のものや、レバー体に替えてボタン式や摘み式とすることもできる。 【0037】図2は、本件他の発明の好適な実施例である浄水器10の一部を断面で示す側面図である。前記浄水器10は外形が略L字型をなし、図面左側の縦長の部分に浄水部11が内蔵され、その下端に浄水吐出口12が形成されており、前記浄水部11と浄水吐出口12との間には図示せぬ浄水流路が配されている。前記浄水部11はその下部に原水入口11aを有しており、更に、図面右側の横長の部分には、上部に原水導入口13が形成され、下部には多数のシャワー孔14aをもつプレート状の原水吐出口14が配されている。本浄水器10は前記原水導入口13において取付手段15により蛇口Jに取り付けられている。 【0038】また、浄水部11の内部には、仕様性能に応じた適量の水処理材が装填されている。前記水処理材としては、例えば残留塩素の除去を目的として従来から使用されている亜硫酸カルシウム、粒状活性炭、繊維状活性炭などや、濁質成分の除去を目的として従来から使用されている細菌の除去まで可能な多孔質中空糸膜などの濾過材を用いることが好ましい。 【0039】前記原水導入口13の周囲には環状の取付壁13aが立設されており、同取付壁13aの外周面にはネジ溝13bが形成されている。一方、前記取付手段15は、蛇口Jの下部に外嵌するアダプター15aと、前記取付壁13aの内部に密嵌され、蛇口Jの下端面に密接するリング状のスペーサ15bと、前記取付壁13aのネジ溝13bに係合する固定リング15cとを備えており、同固定リング15cを前記アダプター15a及びスペーサ15bを介して、前記取付壁13aに係合させ、前記浄水器10を蛇口Jの下端に固定する。 【0040】浄水器10の横長部分の内部には前記原水導入口13から下方に第1原水流路16aが形成され、更に第1原水流路16aは、前記原水吐出口14へと連通する下方へ向けて延びる第2原水流路16bと、前記浄水部11の原水入口11aへと水平方向に延びる第3原水流路16cとに分岐している。更に、この分岐部分には、前記第1原水流路16aからの原水の流れを第2原水流路16bと第3原水流路16cとの間で切り換える切換え手段17が配されている。 【0041】前記切換え手段17は、一端面が閉塞された円筒体17aを有し、その閉塞端面の中心には外側へ突起17bが形成されている。更に前記突起17bには浄水器10の外側から操作レバー17cが取り付けられ、同操作レバー17cの回動により、前記円筒体17aが周方向に回動される。 【0042】前記円筒体17aの周壁には、前記第1原水流路16aに対応する位置に、90°偏位させて2つの入口開口17dが形成されている。更に、一方の前記入口開口17dに対して90°偏位しており、且つ前記第2原水流路16bに対応する位置に、第1出口開口17eが形成され、また、他方の前記入口開口17dに対して90°偏位しており、且つ前記第3原水流路16cに対応する位置に、第2出口開口17fが形成されている。図2に示す状態では、他方の前記入口開口17dが第1原水流路16aと一致し、第2出口開口17fが第3原水流路16cと一致しており、第1原水流路16aを通った原水は、切換え手段17を通過して第3原水流路16cへと送られ、浄水部11へと導入される。この原水の流れを切り換えるには、前記切換え手段17の操作レバー17cを90°回動させて、図示せぬ一方の前記入口開口17dを第1原水流路16aに一致させると共に、第1出口開口17eを第2原水流路16bと一致させる。 【0043】更に、本発明にあっては、浄水部11への通水時に浄水器10内部の水圧が所定圧力より高くなると内部の水を排水する機能と、前記浄水部11への非通水時に、浄水器10内部の滞留水を排水する機能とを兼ね備えた上述したバルブ1を有している。前記バルブ1は、前記浄水部11へと連通する前記第3原水流路16cの下面から浄水器10の本体容器を貫通して形成された排水開口16dに、その連通口3を対応させて固着されている。 【0044】前記バルブ1を備えた浄水器10は、通常、前記弁体5が前記圧縮バネ6の付勢により前記排水開口16dへ向けて押し付けられ、同排水開口16dを閉鎖している。前記浄水器10の浄水部11への通水時には、前記第3原水流路16c内の水圧が所定圧力、即ち、前記圧縮バネ6の付勢力よりも小さい圧力であるときには、前記排水開口16dは閉鎖されている。しかしながら、蛇口Jからの原水の供給が前記浄水部11での処理速度を超えて過剰となり、前記第3原水流路16c内の水圧が前記圧縮バネ6の付勢力よりも大きくなると、その水圧により前記弁体5が前記圧縮バネ6の付勢に抗して自動的に下方へと押し下げられ、前記排水開口16dが開放される。このとき、第3原水流路16c内の原水は前記排水開口16dを通って連通口3から弁箱2内へと流入し、同弁箱2の前記流体抜孔4から浄水器10の外部へと排水される。そして、再び内部の水圧が前記圧縮バネ6の付勢力よりも小さくなると、同圧縮バネ6により前記弁体5が前記排水開口16dへ向けて自動的に押し上げられ、同開口16dが閉鎖される。 【0045】このように、前記バルブ1を備えた浄水器10は、前記浄水部11への通水時に、内部の水圧が所定の圧力よりも高くなると、自動的に内部の水を排水することができるため、前記浄水器10はその本体部分に過剰な水圧がかかることがなく、本体部分が劣化したり損傷する虞れがない。また、前記浄水部11内に例えば柔軟性をもつ濾過材が装填されている場合であっても、その濾過材が水圧により変形することがなく、所要の浄化機能を損なうこともない。 【0046】なお所定圧力は圧縮バネ6の付勢力によって適宜設定できるものであるが、前記所定圧力としては、低すぎると頻繁に水を排水してしまい、水仕事を阻害してしまい、高すぎると浄水器10の構成部材の劣化防止や保護効果が得られないため、一般的な水道水圧の上限付近で、部材の耐圧強度に影響が出始める、0.3〜0.5MPaに設定するのが好ましい。 【0047】また、前記浄水器10における浄水部11の使用が終わり、長時間、同浄水部11を使用しない場合には、前記バルブ1の開閉手段7の外側端を手で上方に押し上げると、前記弁体5が下方へと移動し、前記排水開口16dが開放される。それにより第3原水流路16c及び浄水部11内に滞留している水は同排水開口16dから前記バルブ1の前記連通口3を通って弁箱2内へと流入し、同バルブの流体抜孔4から外部へと排水される。そのため、浄水器10には浄水部11の濾過材や原水流路16a〜16cに滞留水が留まることがないため、同濾過材や容器の内周壁上における雑菌の発生や繁殖を防止できる。更に本発明のバルブ1にあっては、必要時に同バルブ1の開閉手段7を手動で操作することで、浄水器10内部の滞留水を排出するため、従来のように必要以上に多量の水が排出されることはなく、水資源の無駄がない。 【0048】このように前記バルブ1は、従来は別途の部材で構成せざるを得なかった全く機構が異なる二つの機能、即ち、浄水部11への通水時に内部の水圧を所定圧力以下に維持する機能と、浄水器10内の滞留水を排水させる機能とを、単一の部材に兼ね備えている。そのため、浄水器10はコンパクトとなり、蛇口直結タイプの浄水器10であっても、同浄水器10の下方に十分なスペースを確保でき、使い勝手が良い。また、二つの機能を単一の部材として備えることにより、別途の部材により形成する場合と比べ、必然的にその構成材料や部品点数も少なくるため、材料費も低減でき、且つ組立て工程も単純化できるため、生産効率が向上し、製造コストを低減できる。 【0049】本実施例にあっては、前記バルブ1が取り付けられる前記排水開口16dを、原水導入口13と浄水部11との間に形成された第3原水流路16cの下部に形成しているが、前記バルブ1の配置位置は本実施例の位置に限定されるものではない。他にも、例えば浄水部11の浄水出口と浄水吐出口12との間に形成された浄水流路に配することもできる。なお、本実施例にあっては、前記浄水部11の下部に形成された原水入口11aから水平に延在されている第3原水流路16cに前記排水開口16dを形成し、即ち、前記排水開口16dを浄水器10の下部に形成しているため、同排水開口16dからは浄水器10内部に滞留する殆ど全ての滞留水を効率よく排水することができる。 【0050】なお、上述の実施例における浄水器10では、内部に滞留する水の排水を手動で行うため、その排水操作を必要時に忘れずに行うことができるよう、操作レバー17の切換え作動に連動して、或いは浄水部11を使用した後、雑菌の発生しない所定時間の経過後などにブザーやランプ等による排水操作を知らせる手段をもたせることもできる。 【0051】なお、浄水器10は各構成部材の主要な材質として、耐圧性、耐熱性及び成形性などを考慮し、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアセタ−ル樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などのプラスチックを採用することが好ましい。 【0052】更に、図3には、上記実施例によるバルブ1の別の使用例が示されている。前記バルブ1は、浴室の蛇口Jの分岐した吐水口J′に取り付けられたホース20は、その途中で切断され、その切断部分には接続リング21が取り付けられている。同接続リング21には開口21aが形成されており、同開口21aの部分に前記バルブ1が取り付けられている。更に、前記ホース20の自由端には、水又は湯をシャワー状に吐出する合成樹脂製のシャワーヘッド22が取り付けられている。 【0053】前記シャワーヘッド22へ通水する際に、蛇口J′からの給水量が前記シャワーヘッド22からの吐水量を越えて過剰に供給された場合には、前記ホース20内の水圧が高くなり、ホース20やシャワーヘッド22が劣化したり破損する虞れがある。しかしながら、本実施例ではホース20の途中にバルブ1が取り付けられており、前記ホース20内の水圧が所定圧力、すなわち前記バルブ1の圧縮バネ6による付勢力を越えた場合に、前記バルブ1の弁体5が前記開口21aから離れる方向へと自動的に押し下げられてホース20内の水が外部へと排出され、ホース20内の水圧を所定圧力以下に維持できる。そのため、同ホース20及び前記シャワーヘッド22に対して過大な水圧がかかることがなく、それにより、部品の劣化は破損を効果的に防止できる。 【0054】また、シャワーヘッド22の使用後には、前記バルブ1の開閉手段7を手で操作することにより前記弁体5を下方へ押し下げて前記開口21aを開放でき、シャワーヘッド22及びホース20内の滞留水を外部へと排出できる。そのため、内部の滞留水や同滞留水の接触する表面に雑菌が発生し、繁殖するのを防止できる。 【0055】なお、このような圧力維持機構及び滞留防止機構を兼ね備えたバルブ1は、他にも、内部に流体流路を有し、且つ内部への流体の滞留を避けたいような物品に適用可能である。そのような物品としては、例えば、プラスチック製の水栓ノズルや、洗車・水まき用の散水ヘッド、及び同ヘッドを取り付けたホース、更には、風呂釜内の水を循環使用する24時間風呂装置、給湯湯沸かし器、及び給茶・給水器の通水経路などが挙げられる。また、流体としては水や湯に限定されるものではなく、建物内の各種流体、例えば有機溶剤や汚水などの配管の途中に配して、流体圧の上昇による配管の破損や、流体の滞留による配管の劣化を防止することもできる。なお、その場合に、バルブ1に形成された流体抜孔3には更にパイプを接続し、ポンプ等の適宜手段を用いて排出された流体を貯留部や処理部へと送ることが好ましい。 【0056】 【発明の効果】以上、本発明のバルブによれば、流体流路内の流体圧が所定圧力を超えると、内部の流体を排出させて流体圧を下げる圧力維持機能と、内部に長時間、流体が滞留して雑菌の発生や部品の劣化を招くことがないよう、必要に応じて、内部の流体を排出させる滞留防止機能といった二つの異なる機能を、単一のバルブとして備えている。かかる二つの機能を付与するために単一のバルブを配すれば足りるため、同バルブを備えた物品がコンパクトとなる。また、内部の流体を必要なときに排出できるため、流体の無駄もない。 【0057】また、本発明の浄水器によれば、浄水器内部の水圧が所定圧力を超えると、同浄水器の構成部材を保護するためにその水圧を下げるべく、内部の水を排水させる機能と、内部に長時間、滞留水が留まって雑菌を発生させることがないよう、必要に応じて、内部の水を排水させる機能といった二つの異なる機能を、単一の排水機構として備えている。そのため、コンパクトかつ低コストで、節水の可能な、利便性、経済性に優れた浄水器を使用者に提供することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006035 【氏名又は名称】三菱レイヨン株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年6月1日(1999.6.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091948 【弁理士】 【氏名又は名称】野口 武男
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| 【公開番号】 |
特開2000−346222(P2000−346222A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月15日(2000.12.15) |
| 【出願番号】 |
特願平11−153926 |
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