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【発明の名称】 流量可変型バイパス弁
【発明者】 【氏名】田中 利樹

【要約】 【課題】流体の循環系統に配置するバイパス弁におけるバイパス流路の流路面積の拡縮調整を容易にする。

【解決手段】流体の循環路と該循環路を分岐して熱交換器をバイパスするバイパス配管との分流部に配置したバイパス弁において、前記バイパス配管に連通する前記バイパス弁内部のバイパス流路を第1のバイパス流路と第2のバイパス流路の分岐し、前記流体の温度を感知して第2のバイパス流路の開口を開閉するバイパスペレットを設けると共に、前記第1のバイパス流路には該第1のバイパス流路の流路面積を拡縮する流量調整手段を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業機本体と熱交換器の間を循環する流体の循環路に該循環路から分岐して前記熱交換器をバイパスするバイパス配管を設け、前記循環路と前記バイパス配管との分流部に、該分流部の上流側循環路内の流体温度を感知して前記バイパス配管へ流れる流体の流量を増減し、前記作業機本体へ供給する前記流体温度を所定温度以上に調節するバイパス弁を配設し、前記バイパス弁内部で前記循環路と前記バイパス配管とを連通するバイパス流路を第1のバイパス流路と第2のバイパス流路とに分岐し、前記分流部の上流側循環路内の流体温度を感知して前記上流側循環路と前記第2のバイパス流路とを連通する開口を開閉するバイパスペレットを備えると共に、前記第1のバイパス流路には該第1のバイパス流路の流路面積を拡縮する流量調整手段を設けたことを特徴とする流量可変型バイパス弁。
【請求項2】 作業機本体と熱交換器の間を循環する流体の循環路に該循環路から分岐して前記熱交換器をバイパスするバイパス配管を設け、前記循環路と前記バイパス配管との合流部に、該合流部の下流側循環路内の流体温度を感知して前記バイパス配管へ流れる流体の流量を増減し、前記作業機本体へ供給する前記流体温度を所定温度以上に調節するバイパス弁を配設し、前記バイパス弁内部で前記循環路と前記バイパス配管とを連通するバイパス流路を第1のバイパス流路と第2のバイパス流路とに分岐し、前記合流部の下流側循環路内の流体温度を感知して前記下流側循環路と前記第2のバイパス流路とを連通する開口を開閉するバイパスペレットを備えると共に、前記第1のバイパス流路には該第1のバイパス流路の流路面積を拡縮する流量調整手段を設けたことを特徴とする流量可変型バイパス弁。
【請求項3】 圧縮機本体とオイルクーラの間を循環する油冷式圧縮機の油の循環路に該油の循環路から分岐して前記オイルクーラをバイパスするバイパス配管を設け、前記油の循環路と前記バイパス配管との分流部に、該分流部の上流側循環路内の油温を感知して前記バイパス配管へ流れる油の流量を増減し、前記圧縮機本体へ供給する前記油温を所定温度以上に調節するバイパス弁を配設し、前記バイパス弁内部で前記油の循環路と前記バイパス配管とを連通するバイパス流路を第1のバイパス流路と第2のバイパス流路とに分岐し、前記分流部の上流側循環路内の油温を感知して前記油の循環路と前記第2のバイパス流路とを連通する開口を開閉するバイパスペレットを備えると共に、前記第1のバイパス流路には該第1のバイパス流路の流路面積を拡縮する流量調整弁を設けたことを特徴とする流量可変型バイパス弁。
【請求項4】 圧縮機本体とオイルクーラの間を循環する油冷式圧縮機の油の循環路に該油の循環路から分岐して前記オイルクーラをバイパスするバイパス配管を設け、前記油の循環路と前記バイパス配管との合流部に、該合流部の下流側循環路内の油温を感知して前記バイパス配管へ流れる油の流量を増減し、前記圧縮機本体へ供給する前記油温を所定温度以上に調節するバイパス弁を配設し、前記バイパス弁内部で前記油の循環路と前記バイパス配管とを連通するバイパス流路を第1のバイパス流路と第2のバイパス流路とに分岐し、前記合流部の下流側循環路内の油温を感知して前記第2のバイパス流路と前記油の循環路とを連通する開口を開閉するバイパスペレットを備えると共に、前記第1のバイパス流路には該第1のバイパス流路の流路面積を拡縮する流量調整弁を設けたことを特徴とする流量可変型バイパス弁。
【請求項5】 前記第1のバイパス流路の流路面積を拡縮する前記流量調整手段は、前記バイパスペレットと対向するバイパスボディの壁面に設けると共に、螺合ネジによって進退する開閉弁であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の流量可変型バイパス弁。
【請求項6】 前記第1のバイパス流路の流路面積を拡縮する前記流量調整手段は、制御回路からの電気信号を受けてバイパス流路を開閉する電磁調整弁であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の流量可変型バイパス弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油冷式圧縮機などの作業機の流体循環路中に設けられ、該流体循環路中の流体の温度を感知してその流路を循環路とバイパス配管とに切換制御するようにした流量可変型バイパス弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油冷式圧縮機などの発熱を伴う作業機には、発熱作用部の冷却を行うために油等の流体を循環させて該作用部の冷却を行う流体の循環路が形成されている。
【0003】また、前記流体の循環路中にはサーモスタット内蔵のバイパス弁を設け、前記発熱作用部に供給する流体の温度を常時所定温度範囲内に保持するために、流体温度を感知して該流体を循環路中の熱交換器と該循環路から分岐した前記熱交換器をバイパスするバイパス配管とに分配して流すように構成している。
【0004】この種のバイパス弁を配置した流体循環路としては、例えば図5に示す油冷式圧縮機の給油構造が用いられる。
【0005】この流体循環路は、発熱作用部である圧縮機本体の冷却のため油の循環路中にバイパスバルブ50,熱交換器であるオイルクーラ51を配置し、油温が低いときには前記バイパスバルブ50の作用でオイルクーラ51を通さずにバイパス配管52から直接圧縮機本体53に油を供給すると共に、前記油温が所定温度に達したときには前記バイパス配管52に連通する流路を閉じて給油配管54からオイルクーラ51を介して冷却した流体を圧縮機本体に供給・循環するよう構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、油冷式圧縮機においては、使用する環境によって圧縮空気中に含まれる水蒸気が結露しドレンとなり、該ドレンにより油が乳化し易くなる場合がある。例えば、ある地域で使用しても全くドレンの発生しない油冷式圧縮機を、該地域より大気温度が低い地域で使用したり、湿度が高い地域で使用すると、レシーバタンク内の温度より圧縮空気中に含まれる水蒸気の露点温度の方が高くなるため、前記水蒸気がレシーバタンク内で結露してドレンが発生する。また、同じ環境で使用しても負荷率が少ない場合、前述同様、前記油冷式圧縮機のレシーバタンク内の温度が圧縮空気中の水蒸気の露点温度まで上昇しないことがあり、そのときには前記水蒸気が結露し易い状態となる。
【0007】一般に、大気温度が低くレシーバタンク内の温度が上がらない場合や、湿度が高い場合には圧縮空気中に含まれる水蒸気の露点温度よりレシーバタンク内の温度が低くなりドレンが発生し易くなるためである。
【0008】そのため、前記油冷式圧縮機のレシーバタンク内の温度が前記露点温度を下回らない温度にまで上げておかなければならないが、そのためにはオイルクーラの冷却能力を変更したり、バイパス弁のバイパス温度設定を変える必要がある。
【0009】この対策の1つとして、バイパス配管の他に常時オイルクーラをバイパスするバイパス補助配管55(図5)を設け、前記バイパス補助配管55の配管径を変更したり、配管の接続ジョイントに絞りオリフィスを設けたりして前記バイパス補助配管55を流れる油のバイパス流量を調節することによってオイルクーラを流す油の流量を減少させ、油温を所定温度範囲内に調整する方法があるが、例えば製品ごとに循環する油量が異なるといちいち前記バイパス補助配管55の配管径や前記オリフィスの孔径を選択しなければならず、しかもその調節に時間がかかるという問題がある。
【0010】さらに、前記バイパス補助配管を余分に設ける関係上バイパス弁に接続する配管本数も多くなり、かつその接続構造も複雑となるため配管スペースを広く取らなければならないという問題がある。併せて、配管の接続ジョイント数やねじ込み数も必然的に増加するため油漏れの原因ともなる。
【0011】したがって、本発明は以上の問題点に鑑みバイパス弁周辺の配管本数を削減すると共に、仕様の異なる製品に共通の部品を使う場合や製品を使用する環境が変わった場合でも共通のバイパス弁を利用して循環流体を適正温度に保持できるようにした流量可変型バイパス弁を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するために本発明は、作業機本体と熱交換器の間を循環する流体の循環路に該循環路から分岐して前記熱交換器をバイパスするバイパス配管を設け、前記循環路と前記バイパス配管との分流部に、該分流部の上流側循環路内の流体温度を感知して前記バイパス配管へ流れる流体の流量を増減し、前記作業機本体へ供給する前記流体温度を所定温度以上に調節するバイパス弁を配設し、前記バイパス弁内部で前記循環路と前記バイパス配管とを連通するバイパス流路を第1のバイパス流路と第2のバイパス流路とに分岐し、前記分流部の上流側循環路内の流体温度を感知して前記上流側循環路と前記第2のバイパス流路とを連通する開口を開閉するバイパスペレットを備えると共に、前記第1のバイパス流路には該第1のバイパス流路の流路面積を拡縮する流量調整手段を設けたことを特徴とする流量可変型バイパス弁を提供する(請求項1)。
【0013】また、本発明の流量可変型バイパス弁を前記循環路と前記バイパス配管との合流部に配設し、前記合流部の下流側循環路内の流体温度を感知して前記下流側循環路と前記第2のバイパス流路とを連通する開口を開閉するバイパスペレットを備えると共に、前記第1のバイパス流路には該第1のバイパス流路の流路面積を拡縮する流量調整手段を設けたことを特徴とする流量可変型バイパス弁を提供する(請求項2)。
【0014】上記請求項1及び2に係る本発明によれば、流量調整手段を調整することにより仕様の異なる製品に適合したバイパス流路の大きさを容易に設定できると共に、従来のようにバイパス補助配管を設ける必要がなく、多種多様な仕様の製品に対しても共通のバイパス弁を使用できる。
【0015】上記構成によれば、製品の配管部にいちいち手を入れてバイパス流路の調節作業をする必要がなく、流体の温度状況に対応して随時の調節が可能となる。
【0016】また、請求項3に記載の発明においては、圧縮機本体とオイルクーラの間を循環する油冷式圧縮機の油の循環路に該油の循環路から分岐して前記オイルクーラをバイパスするバイパス配管を設け、前記油の循環路と前記バイパス配管との分流部に、該分流部の上流側循環路内の油温を感知して前記バイパス配管へ流れる油の流量を増減し、前記圧縮機本体へ供給する前記油温を所定温度以上に調節するバイパス弁を配設し、前記バイパス弁内部で前記油の循環路と前記バイパス配管とを連通するバイパス流路を第1のバイパス流路と第2のバイパス流路とに分岐し、前記分流部の上流側循環路内の油温を感知して前記油の循環路と前記第2のバイパス流路とを連通する開口を開閉するバイパスペレットを備えると共に、前記第1のバイパス流路には該第1のバイパス流路の流路面積を拡縮する流量調整手段を設けたことを特徴とし、請求項4に記載の発明においては、圧縮機本体とオイルクーラの間を循環する油冷式圧縮機の油の循環路に該油の循環路から分岐して前記オイルクーラをバイパスするバイパス配管を設け、前記油の循環路と前記バイパス配管との合流部に、該合流部の下流側循環路内の油温を感知して前記バイパス配管へ流れる油の流量を増減し、前記圧縮機本体へ供給する前記油温を所定温度以上に調節するバイパス弁を配設し、前記バイパス弁内部で前記油の循環路と前記バイパス配管とを連通するバイパス流路を第1のバイパス流路と第2のバイパス流路とに分岐し、前記合流部の下流側循環路内の油温を感知して前記第2のバイパス流路と前記油の循環路とを連通する開口を開閉するバイパスペレットを備えると共に、前記第1のバイパス流路には該第1のバイパス流路の流路面積を拡縮する流量調整手段を設けたことを特徴とする。この場合上記効果に加え、該循環路内のレシーバタンク内の圧縮空気中に含まれる水蒸気の結露防止と前記結露に伴う油の乳化現象を防止できる。
【0017】また、前記第1のバイパス流路の流路面積を拡縮する前記流量調整手段は、前記バイパスペレットと対向するバイパスボディの壁面に設けると共に、螺合ネジによって進退する開閉弁であることが望ましい(請求項5)。
【0018】上記構成によって、仕様の異なる製品に適用したり、また気候の変化によって循環流体の温度条件が変わった場合でも、例えば外部から容易に開閉弁のねじ込み量を調節してバイパス流量を調節できる。
【0019】さらに、前記第1のバイパス流路の流路面積を拡縮する前記流量調整手段は、制御回路からの電気信号を受けてバイパス流路を開閉する電磁調整弁とすることもできる(請求項6)。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の流量可変型バイパス弁の第1実施形態を図1ないし図2に基づき説明する。
【0021】なお、説明の便宜のため本発明における本願発明にかかる流量可変型バイパス弁を油冷式圧縮機の油の循環路に適用した実施形態に基づいて説明する。
【0022】1は油冷式圧縮機本体で、該圧縮機本体により吸入され圧縮された空気は、吐出管2を介してレシーバタンク3に圧送されここで空気と油とが分離され、空気を消費側に供給する空気供給管4と、油を前記レシーバタンク3の下側から供給配管5,バイパス弁6,オイルクーラ7,オイルフィルタ8を介して圧縮機本体1に供給する油の循環路が形成されている。
【0023】また、バイパス弁6には図2に示すようにその内部流路で供給配管5と連通する循環路9に分岐して第1のバイパス流路10が設けられ、これに接続するバイパス配管11を介してオイルクーラ7の出口側の供給配管5間と接続している。
【0024】そして、バイパスボディ14の壁面15に循環路9と連通する油の流入口16と、排出口17およびバイパス出口18が開口しており、その内部流路となる循環路9とこの循環路に分岐した第1のバイパス流路10との分流部19にはサーモスタット20が配設されている。
【0025】さらに、第1のバイパス流路10には該バイパス流路に分岐する第2のバイパス流路12の開口21が設けられ、この開口21から分流した流体はバイパス出口18手前に位置する合流部40で再度第1のバイパス流路10を介して流通する流体と合流してバイパス配管11に流通するよう構成されている。
【0026】また、前記サーモスタット20は、前記循環路9の前記分流部19の上流側を流通する油の温度を感知して循環路9から第1のバイパス流路10と該第1のバイパス流路10に分岐する第2のバイパス流路12の開口21から油の一部または全量を供給するためのバイパスペレット22を有しており、サーモスタット20の中心部に設けられたピストン(図示せず)が流体の温度に対応して進退することによりバイパスペレット22が図中左右方向に移動して前記開口21を開閉する。
【0027】したがって、前記油温が所定温度以下のときには前記ピストンが縮んでいるため、バイパスペレット22は図中右方向に位置しており、これにより第1のバイパス流路10と前記第2のバイパス流路12の開口21とを開く方向に作用している。
【0028】上記構成により、循環路9中の油はオイルクーラ7を通らずにバイパスペレット22内の流体通路を介して第1のバイパス流路10と第2のバイパス流路12を通りバイパス出口18手前の合流部40で合流してバイパス配管11を通って圧縮機本体1に供給される。
【0029】一方、前記圧縮機の稼働により次第に油温が上昇して所定温度に達したときには、バイパスペレット22が図中左方向に移動して第2のバイパス流路12の開口21を閉じるため、油は循環路9からオイルクーラ7を通って冷却後圧縮機本体1に供給され循環路9内を循環する。
【0030】また、前記バイパスペレット22に対向するバイパスボディ14の壁面15には、ねじ込み式の開閉弁23が配置されており、ドライバーまたはスパナ等の工具で手回しすることにより、螺合ネジ24に沿って進退自在となっている。
【0031】この開閉弁23は、前記螺合ネジ24を締め込む方向(時計回り方向)に回すとその先端の弁部25はバイパスボディ側の弁座26方向に進出し、前記弁部と弁座間は次第に近接してその間隔を狭め、第1のバイパス流路10を狭小する。
【0032】逆に、前記螺合ネジ24を弛める方向(反時計回り方向)に回転すると、開閉弁23は後退してその弁部25と弁座26間は広がって第1のバイパス流路10が全開状態となる。
【0033】なお、27はバイパスペレット嵌入部の密封リング、28は開閉弁23の密封リング、29は開閉弁23の回動を固定するロックナットである。
【0034】以上の構成によりなる本発明の流量可変型バイパス弁の作用について説明すると、まず作業機たる圧縮機本体1を始動すると、圧縮空気と油の混合流体はレシーバタンク3内に貯溜しここで空気と油とに分離され、空気は空気供給管4を介して消費側に、一方、油は前記レシーバタンク3の底部から供給配管5を介してバイパス弁6方向に圧送される。
【0035】そして、バイパス弁の流入口16から流入後内蔵するサーモスタット20と接触するが、このときの油温は圧縮機本体1がまだ稼働して間もないため冷たく、よってバイパスペレット22は動作温度に達しておらず第1のバイパス流路10と第2のバイパス流路の開口21は開いたままとなっている。
【0036】その後、圧縮機本体1の稼働により油温が次第に上昇してバイパスペレットの閉弁開始温度に達すると開口21は次第に閉じ始め、第2のバイパス流路12に流れる油量を制限する。
【0037】そして、油温が所定温度に達したときにはバイパスペレット22は前記開口21を完全に閉じると共に、一部の油のみが開閉弁23によって狭小された第1のバイパス流路10を通ってバイパス配管11に流れ、それ以外の油は循環路たる供給配管5を介してオイルクーラ7を通過して熱交換されて圧縮機本体1に供給され循環を繰り返す。
【0038】このとき、バイパス配管11を流れる油の量は従来手段によるとバイパスペレット22の特性や、バイパス配管11の配管径及び配管長さによる通路抵抗によって決定付けられていたため、仕様の異なる製品それぞれに最適な設定を行うことが困難であった。例えば、仕様の異なる製品の場合、圧縮機本体の発熱量や、循環路内を流れる油の流量や、オイルクーラの冷却能力等が異なっているため、油の平衡温度もそれぞれの製品によって異なってくる。しかし、本発明の流量可変型バイパス弁を用いれば、異なる特性の製品毎に開閉弁23を調整し、第1のバイパス流路10を流れる油の流量を変更できるので、同一のバイパス弁にもかかわらず当該製品に最適な設定が正確かつ的確に、また短時間で行うことが可能となる。
【0039】図3は本発明の第2実施形態で、前記第1のバイパス流路10の流量調整手段としてバイパスペレットの弁路出口に予め絞り寸法を設定したオリフィスを設けたものである。
【0040】以下、第1実施形態で説明した部材と同一部材は同機能であるので同一符号をもって説明する。
【0041】本実施形態においては、バイパスペレット22の第1のバイパス流路10側出口に該流路に沿って螺合ネジ32を設け、オリフィス31をねじ込み固定して、前記弁路からバイパス流路に流れる油の量を一定量に制限するようになっている。
【0042】そして、前記オリフィス31に対向するバイパスボディ14の壁面15にはプラグネジ33に螺合させて盲プラグ34をねじ込んでおき、前記オリフィス31の交換時この盲プラグ34を取り外して作業する。
【0043】また、このオリフィス31の孔寸法は、適用する製品の仕様に合わせて予め設定しておくもので、このように構成することにより、第1実施形態で説明した開閉弁23の構造およびバイパスボディ側螺合部の構造を簡素化できると共に、適用する製品の特性に合わせていくつかの孔径の異なる絞りオリフィスを用意しておくだけで済むのでバイパス弁の共通化が図れる。
【0044】図4は本発明の第3実施形態で、前記第1のバイパス流路10の流量調整手段を制御回路からの電気信号を受けて調整するように構成したものである。
【0045】以下、第2実施形態で説明したと同様に第1実施形態で説明した部材と同一の部材は同一符号を用いて説明する。
【0046】バイパスボディ14の壁面15でバイパスペレット22と対向する位置に電磁弁35の取り付けボス36が設けられると共に、前記バイパスペレットの出口側端壁37には電磁弁35の第2弁路38とが接合している。
【0047】また、前記電磁弁35のボディ39には第1のバイパス流路10が形成され、さらにこの流路途中には電磁弁35を制御することによって前記第1のバイパス流路10に流れる油の流量を変更可能に構成したバルブ(図示せず)が内蔵されている。
【0048】そして、この電磁弁35は配線コード41を介して図示しない制御盤と接続しており、前記制御盤の制御回路からの信号を受けて第1のバイパス流路10を流れる油の流量を増減している。
【0049】以上により、電磁弁35の開弁量の調整すなわち第1のバイパス流路10に流れる油の流量調整が、当該作業機を運転操作する制御盤側でできるので気候の変化に伴う流体温度や露点温度に応じて自在調整が可能となる。
【0050】それと共に、マイクロコンピュータと組合せれば、循環路を流通する流体の状態(温度、圧力、流量等)に応じて自動調整できるので製品全体の性能も向上する。
【0051】なお、本発明は前述各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。
【0052】例えば、サーモスタットに設けたバイパスペレットの構造は、第2のバイパス流路の開口を開閉する構造であれば特にその構造については限定せず、また螺合ネジで進退する開閉弁は手回しで操作するものに限らず、油圧または空圧で作動するアクチュエータと組み合わせて直接開閉弁を進退操作する構造でもよく、このように構成すればよりきめ細やかなバイパス流量の調整ができ作業機の性能向上が図れる他、仕様の異なる製品への対応も一種類のバイパス弁で可能になる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、流体の循環路から分岐したバイパス流路に該バイパス流路の流路面積を拡縮する流量調整手段を設けたので、バイパス弁周辺の配管が簡素化し配管スペースの縮小を図ることができる(請求項1,2)。
【0054】また、バイパス流路に流れる油の流量調整を外部から容易に調節できる他、多種多様な仕様の製品に対して共通して適用できるので製品コストも安価となる。
【0055】また、請求項3,4に記載の発明においては、本発明のバイパス弁を油冷式圧縮機の油の循環路に適用したので、上記効果に加え、該油の循環路内での水蒸気の結露の防止と前記結露に伴う油の乳化現象を防止できる。
【0056】また、請求項5記載の発明において、前記流量調整手段は、螺合ネジによって進退する開閉弁としたので、適用する製品の仕様が異なったり、また気候の変化によって循環流体の温度条件が変わった場合でもバイパス油量を随時調節できるので都合がよい。
【0057】さらに、請求項6記載の発明において、前記流量調整手段は、制御回路からの電気信号を受けてバイパス流路を開閉する電磁式調整弁としたので、バイパス流路に流れる油の流量調整を作業機の制御盤側でできる他、マイクロコンピュータと組み合わせれば循環路を流通する流体の状態に適応したバイパス流量の調整が可能になる。
【出願人】 【識別番号】000241795
【氏名又は名称】北越工業株式会社
【出願日】 平成11年6月2日(1999.6.2)
【代理人】 【識別番号】100081695
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 正明
【公開番号】 特開2000−346215(P2000−346215A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願平11−155795