| 【発明の名称】 |
バルーン弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】馬田 直
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| 【要約】 |
【課題】コスト低下、小型化を図り、取り扱いが容易で安全性も高く、管体への接続自由度が大きく、流体の流れを阻害しにくいバルーン弁を提供する。
【解決手段】開弁時、風船形状の弁体14が弁体収納部12に収められているので、管路aを通過する流体bの流れを阻害しない。また、閉弁時には、給排孔13aから圧縮空気を供給することで弁体14が膨らみ、弁本体11の管路aを塞ぐ。その後、弁体14内から圧縮空気を抜くことで、弁体14が収縮してそのまま弁体収納部12に収納される。このような弁構成としたので、バルーン弁10の製作コスト低下、コンパクト化が図れる。バルーン弁10の取り扱いも容易となり、その際の安全性も高まる。しかも、弁自体がコンパクトであるので、管体への接続の自由度も大きくなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 通路を画成するケーシングと、ケーシングに設けられた弁体収納部と、弁体収納部に収納された袋状の弁体とを備え、弁体内に圧力流体を供給すると弁体が膨出して上記通路をふさぐとともに、この圧力流体を排出すると弁体が収縮して通路を開通するバルーン弁。 【請求項2】 上記弁体は、一方向へ伸縮可能なベローズ部と、ベローズ部の先端側に設けられた風船部とを有する請求項1に記載のバルーン弁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明はバルーン弁、詳しくは圧力流体の注入・排出により袋状の弁体が膨張・収縮してケーシングの通路を開閉する例えば液体用のバルーン弁に関する。 【0002】 【従来の技術】導水管の一種として、道路下に埋設される鉄筋コンクリート製のヒューム管および鋼管などがある。これらの管体の口径は、通常、数十cmから数mと大きい。これらの大口径の管体の管路をふさぎ止める弁として、従来、管状のケーシングに大型のアクチュエータを取り付け、そのアクチュエータによりロッドをケーシング内に突出させて、このケーシング内に設けられたゴム製のスリーブを挟みつけて、管路をふさぐという自動ピンチ弁が知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の自動ピンチ弁にあっては、大型のアクチュエータを個々に搭載しているので、コスト高となるほか、弁自体が大型化し、重量も大きくなっていた。そのため、弁を現場まで輸送したり、現場で管体に接続したり、接続後、定期的なメンテナンスを施す際には、それぞれ数人の作業員を確保しておかなければならなかった。また、これらの作業中、作業員には弁の扱い方に慎重さが要求された。すなわち、大型で重い分だけ弁の取り扱いが面倒であり、安全面にも十分に注意をはらう必要があった。 【0004】さらには、この自動ピンチ弁にあっては、このようにスペースをとる大型のアクチュエータが外部へ突出していた。そのため、弁が接続される管体部分の周辺環境によっては、障害物が邪魔になるといったことで、弁を接続できないとこもあった。そして、一般的なピンチ弁の場合、管路閉鎖が比較的短時間で確実に行えるように、スリーブで挟みつけられる管路部分の開口面積が小さくなっていた。その結果、弁開時に管路を流れる汚水等の流れを阻害してしまうという問題点もあった。 【0005】そこで、この発明者は、鋭意研究の結果、管体に接続されるケーシング内で膨縮自在なバルーン(風船)を膨らませば、大型のアクチュエータがなくても、その管路を簡単にふさぐことができることを知見し、この発明を完成させた。 【0006】 【発明の目的】この発明は、コスト低下およびコンパクト化が図れ、しかも取り扱いが容易で安全性が高く、さらに管体への接続の自由度が大きいとともに、ケーシング内を通過する流体の流れを阻害しにくく、しかも1台の圧力流体発生手段により複数個のバルーン弁を閉弁操作することも可能なバルーン弁を提供することを、その目的としている。また、この発明は、弁体収納部のコンパクト化が図れるとともに、弁体膨縮時における弁体の弁体収納部からの出し入れを円滑に行うことができるバルーン弁を提供することを、その目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、通路を画成するケーシングと、ケーシングに設けられた弁体収納部と、弁体収納部に収納された袋状の弁体とを備え、弁体内に圧力流体を供給すると弁体が膨出して上記通路をふさぐとともに、この圧力流体を排出すると弁体が収縮して通路を開通するバルーン弁である。 【0008】このバルーン弁の用途は限定されない。例えば、非常用弁、仮設弁などが挙げられる。また、このバルーン弁の管体の設置位置は限定されない。管体の端部でも中間部でもよいし、またはこの管体の任意の長さ位置でもよい。さらに、ケーシングの素材は限定されない。例えば、鋼鉄製、プラスチック製などでもよい。さらにまた、このケーシングの大きさ(口径)は限定されない。ただし通常は、バルーン弁が接続される管体の大きさ(口径)によって決定される。そして、このバルーン弁が接続される管体の用途、素材、大きさなども限定されない。各種の流体(気体、液体、粉粒体など)が送通される管であればよい。具体的には、地中に埋設される大径な下水道管、上水道管(ヒューム管、鋼管など)でもよい。もしくは、地上で引き回されている各種の小径管でもよい。このほか、土木工事用の掘削推進装置に接続されて、掘削中の地盤面からわき出てきた泥水(スラリーを含む)を排出する排管などでもよい。 【0009】この弁体収納部の断面形状、大きさなどは限定されない。また、この弁体収納部のケーシング上での設置位置も限定されない。さらには、圧力流体の種類は限定されない。例えば、空気、不活性ガス(窒素ガスなど)などの気体でもよいし、水、油などの液体でもよいし、各種の粉粒体でもよい。圧力流体を発生させる手段も限定されない。例えば、手動式のポンプでもよいし、自動式のポンプでもよい。 【0010】さらにまた、圧力流体の圧力の大きさも限定されない。要は、弁体を膨らますことができる圧力であればよい。そして、弁体の素材は膨縮可能な素材であれば限定されない。例えば、天然ゴム、合成ゴムなどが挙げられる。続いて、弁体の大きさ、形状、各部分の厚さ、膨縮の度合いなども限定されない。開弁時には弁体収納部に収納される一方、閉弁時には風船状に膨らんで、ケーシングの管路をふさぐことができればよい。 【0011】また、請求項2に記載の発明は、上記弁体は、一方向へ伸縮可能なベローズ部と、ベローズ部の先端側に設けられた風船部とを有する請求項1に記載のバルーン弁である。ベローズ部と風船部との厚さや大きさの比率は限定されない。ただし、風船部に比べてベローズの厚さを厚くした方が、弁体膨縮時における弁体の弁体収納部からの出し入れがさらに円滑になる。なお、閉弁時において、このベローズ部の一部が風船部とともに膨らんで、ケーシングの管路をふさぐようにしてもよい。 【0012】 【作用】この発明によれば、開弁時、弁体が弁体収納部に収納されているので、管路を流れる流体の流れを阻害しない。また、閉弁時には、弁体内に圧力流体を供給することで膨らみ、ケーシング内の管路を塞ぐ。その後、この弁体から圧力流体を排出すれば、弁体が収縮して、弁体収納部に収納される。これにより、バルーン弁のコスト低下およびコンパクト化を図ることができる。しかも、この弁の取り扱いが容易で、その際の安全性も高い。さらに、管体への接続の自由度が大きいとともに、ケーシング内を通過する流体の流れを阻害しにくくなる。また、このバルーン弁を、同じ管体に複数個配設させた場合または隣接する複数の管体に所定個数だけ配設させた場合には、1台の圧力流体発生手段を用いて、複数個のバルーン弁を同時または経時的に閉弁させることも可能となる。 【0013】特に、請求項2に記載の発明によれば、閉弁時、弁体内に圧力流体を供給すると、ベローズ部が弁体収納部内で徐々に膨らんでケーシング内へと伸長していく。しかも、風船部が徐々に丸く膨らみ、この膨らんだ風船部によってケーシングの管路がふさがる。このように、弁体の元部にベローズ部を設けるように構成したので、風船部だけの弁体に比べてその膨縮率が大きい。その結果、ケーシングの管路の大きさに比べて弁体収納部をコンパクトに設計することができる。その後、弁体から圧力流体を排出することにより、風船部が徐々に収縮していく。それとともに、弁体収納部の内周面に沿ってベローズ部が徐々にしぼんでいく。これにより、弁体が弁体収納部へ収められる。その結果、ベローズ部の存在により、弁体膨縮時における弁体の弁体収納部からの出し入れが円滑になる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、この発明の実施例に係るバルーン弁を説明する。図1は、この発明の一実施例に係るバルーン弁の開弁時を示す要部断面図である。図2は、この発明の一実施例に係るバルーン弁の閉弁時を示す要部断面図である。図3は、この発明の一実施例に係るバルーン弁に用いられる弁体の拡大斜視図である。 【0015】図1において、10はバルーン弁であり、このバルーン弁10は、管状のケーシング11と、このケーシング11の周壁に設けられて、ケーシング11の管路aと連通状態でかつ管軸に直交する外方向へ延びた円筒状の弁体収納部12と、この弁体収納部12を外方からふさぐ平面視して円形の蓋板13と、弁体収納部12の内部に収納されて、圧縮空気(圧力流体)の供給によりケーシング11側へ膨出することでその管路aをふさぐ、風船形状の弁体14とを備えている。 【0016】ケーシング11は短尺な鋼管である。弁体収納部12はこのケーシング11と一体的に鋳造されている。弁体収納部12の長さは、略ケーシング11の直径と同じ長さとなっている。この弁体収納部12の外端部には、フランジ15が一体的に設けられている。このフランジ15には、90度間隔で4つの内ねじが切られたボルト孔15aが穿設されている。蓋板13は、フランジ15の外径と同じ直径を有している。この蓋板13の中央部には、圧縮空気の給排孔13aが穿設されている。また、各ボルト孔15aと対向する蓋外周部の箇所には、ボルト孔15aより若干径が大きい4つの貫通孔13bが穿設されている。 【0017】図1および図3に示すように、上記弁体14は、主に、元部側に配置されて弁体収納部12の軸線方向へ伸縮可能な比較的厚肉のベローズ部16と、先部側に配置されて比較的薄肉な風船部17とから構成されている。ベローズ部16の外端部には、フランジ18が設けられている。なお、このフランジ18には、その各貫通孔13bと対向する位置に、貫通孔13bと同径の貫通孔18aが4つ穿設されている。これらのベローズ部16、風船部17、フランジ18は、膨縮自在なゴムにより一体成形されている。この弁体14は、開弁時において、弁体収納部12内にちょうど納まる大きさとなっている。具体的には、開弁時に、この風船部17の先端面と、その弁体収納部12のケーシング11側の開口面が略揃うように設計されている。また、ベローズ部16の外径は、略弁体収納部12の内径と同じ大きさになっている。このような構造を有している弁体14は、互いに一連に合致される3種類の孔13b,15a,18aに、それぞれボルト(図外)を挿通してフランジ18を締結することで、この弁体収納部12に固定されている。 【0018】次に、この一実施例のバルーン弁10の使用方法を説明する。まず、図1に示すバルーン弁10の開弁時には、弁体14が弁体収納部12に収納されている。そのため、この弁体14の存在によって、その管路を流れる流体bの流れを阻害することがない。一方、図2に示す閉弁時には、給排孔13aに図示しないノズルを接続し、このノズルおよび給排孔13aを介して、同じく図示しない圧縮空気発生装置からの圧縮空気を弁体14の内部空間へと供給する。これにより、ベローズ部16が弁体収納部12の内周面に沿って徐々に膨らんでケーシング11内へと伸長していく。しかも、風船部17が徐々に丸く膨らみ、膨らんだ風船部17によりケーシング11管路がふさがる。このように、弁体14の元部にベローズ部16を設けるようにしたので、風船部17だけの弁体14に比べて膨縮率が大きい。その結果、ケーシング11の管路の大きさに比べて弁体収納部12をコンパクトに設計することができる。 【0019】その後、図1に示すように、上記図外のノズルを外し、給排孔13aから弁体14内の圧縮空気を排出することにより、風船部17が徐々にしぼんでいく。それとともに、弁体収納部12の内周面に沿って厚肉なベローズ部16が比較的大きな力でしぼんでいく。このため、弁体14が弁体収納部12へ支障なく収められる。このように、厚肉なベローズ部16を設けるようにしたので、弁体膨縮時における弁体14の弁体収納部12からの出し入れを円滑にすることができる。しかも、ケーシング11に弁体収納部12を設け、弁体収納部12に風船形状の弁体14を収納するようにしたので、バルーン弁10のコスト低下およびコンパクト化を図ることができる。また、大型のバルーン弁10を使用する場合であっても、従来の自動ピンチ弁のように大径のアクチュエータが搭載されていないので、比較的その取り扱いが容易となり、その際の安全性も比較的高い。 【0020】さらには、この従来の自動ピンチ弁に比べて、ケーシング11から外方へ突出する部分、具体的には大型のアクチュエータに対する弁体収納部12が小さい。そのため、仮にバルーン弁10が接続される管体部分の周囲に障害物がある場合であっても、支障なくバルーン弁10を接続することができる頻度が高くなる。これにより、バルーン弁10の管体への接続の自由度が大きくなる。そして、このバルーン弁10は、閉弁時にだけ、この給排孔13aに圧縮空気供給用のノズルを接続して弁体14を膨らませるようにしている。こうして、バルーン弁10のさらなるコンパクト化を図っている。ただし、常時、このノズルを給排孔13aに接続することも可能である。なお、この弁体14を膨らませるための器具として、手動式のエアポンプを採用することもできる。 【0021】 【発明の効果】この発明によれば、管状のケーシングに弁体収納部を設け、この弁体収納部に風船形状の弁体を収納するようにしたので、バルーン弁のコスト低下およびコンパクト化が図れ、その取り扱いが容易でその際の安全性も高く、さらには管体への接続の自由度が大きくて、またケーシング内を通過する流体の流れを阻害しにくいという効果が得られる。しかも、1台の圧力流体発生手段により複数個のバルーン弁を閉弁操作することも可能となる。 【0022】特に、請求項2に記載の発明によれば、この弁体の構造を、元部側のベローズ部と先部側の風船部とを有するものとしたので、弁体膨縮時におけるこの弁体の弁体収納部からの出し入れを円滑に行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390032931 【氏名又は名称】株式会社渡辺組
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| 【出願日】 |
平成11年6月7日(1999.6.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094215 【弁理士】 【氏名又は名称】安倍 逸郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−346214(P2000−346214A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月15日(2000.12.15) |
| 【出願番号】 |
特願平11−159862 |
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