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【発明の名称】 液体容器用排出バルブ
【発明者】 【氏名】鹿嶋 義澄

【要約】 【課題】例えばバックインボックス等の液体容器に用いる排出バルブに係り、容器内の液体を離れた場所に移送する配管を簡単・確実に接続できるようにすると共に、密閉容器等にあっても容易・迅速に液体を排出できるようにする。

【解決手段】合成樹脂製のバルブ本体1とバルブハウジング2とからなる液体容器用排出バルブにおいて、上記液体容器Aの排出口3への接続部21と、配管の接続部23とをバルブハウジング2に一体的に設けたことを特徴とする。上記の排出バルブBには、必要に応じて液体容器Aから液体を排出する際に生じる減圧を解消するための内圧調整弁5を設けることができ、例えば上記のような内圧調整弁5をバルブ本体1内に設ける。あるいは上記のような内圧調整弁5を備えたバルブ本体と、そのような内圧調整弁を有さないバルブ本体とを、バルブハウジング2に対して選択的に脱着交換可能に構成してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 合成樹脂製のバルブ本体とバルブハウジングとからなる液体容器用排出バルブにおいて、液体容器の排出口への接続部と、配管の接続部とをバルブハウジングに一体的に設けたことを特徴とする液体容器用排出バルブ。
【請求項2】 前記液体容器から液体を排出する際に生じる減圧を解消するための内圧調整弁をバルブ本体内に設けたことを特徴とする請求項1記載の液体容器用排出バルブ。
【請求項3】 前記液体容器から液体を排出する際に生じる減圧を解消するための内圧調整弁を備えたバルブ本体と、上記の内圧調整弁を有しないバルブ本体とを、バルブハウジングに対して選択的に脱着交換可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の液体容器用排出バルブ。
【請求項4】 前記内圧調整弁は、バルブ本体に形成した外気導入孔を開閉する球体と、その球体を常時外気導入孔を塞ぐ方向に移動付勢するばねとよりなる請求項2または3記載の液体容器用排出バルブ。
【請求項5】 前記内圧調整弁は、バルブ本体に形成した外気導入孔を開閉する球体と、その球体を常時外気導入孔を塞ぐ方向に動付勢する永久磁石とよりなる請求項2または3記載の液体容器用排出バルブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体容器用排出バルブに関する。更に詳しくは、例えば産業用あるいは業務用として液体(例えば、液状洗剤等)を入れて包装や運搬等に利用されてるバックインボックス等の液体容器に用いられる排出バルブ、特に合成樹脂製の排出バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】上記のようなバックインボックス等の液体容器に用いられる従来の排出バルブの一例を図8に示す。その排出バルブBは、バルブ本体1とバルブハウジング2とよりなり、それぞれポリエチレン等の合成樹脂により形成されている。そのバルブ本体1は、一端1aが閉塞され、他端1bが開放された全体ほぼ筒状に形成され、その外周に丁度嵌まる大きさの筒状のバルブハウジング2内に回動可能に嵌合されている。
【0003】上記バルブハウジング2の上部には、該バルブハウジング2を液体容器Aの排出口3に連通接続するための短筒状の接続部21が一体に形成され、その接続部21の外周に回動可能に設けたリング状のナット22を、上記排出口3の外周に設けた雄ねじ3aに螺合することによって上記接続部21を排出口3に連通接続する構成である。図中、22aはナット22の内周面に設けた雌ねじ、21aは上記接続部21の外周にそれと一体に設けた上記ナット22の抜け止め用突条である。
【0004】また上記バルブ本体1およびバルブハウジング2の周壁面には、それぞれ液体流通孔10、20が形成され、バルブ本体1の一端1a側に一体的に設けた回動操作レバー11を図8のように下向きに回動したときには、上記流通孔10、20が一致して容器A内の液体が上記流通孔10、20を介してバルブ本体1の他端1b側の開口から排出され、回動操作レバー11を上記図8の下向きの状態から水平方向に回動したときには、上記流通孔20がバルブ本体1の周面で閉塞されて液体の流出が阻止される構成である。
【0005】上記従来の排出バルブBは、上記のように液体容器の排出口に取付けて、容器内の液体を他の容器等に小分けしたり、分配するのに便利であり、広く利用されている。その理由としては、■液体を遮断また通過させる機能にすぐれている、■容器に取付けやすい、■各種の液体に合った材質のものを使用できる、■バルブ全体が合成樹脂製であるから軽量である、等の優れた特徴があげられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の排出バルブBは容器A内の液体を小分けするのが主な目的であるため、上記バルブにホース等の配管を接続して離れた場所に液体を移送するはできない。例えば前記図8に示す排出バルブBのバルブ本体1の他端1b側に配管を接続した場合には、バルブ本体1の回動操作が不能となったり、バルブ本体の回動位置が不用意にずれて開閉操作が不確実となる等の不具合がある。
【0007】また例えば密閉容器、特に前記排出口以外は完全に密閉された液体容器に用いる場合には、容器内の液体の排出に伴って容器内が減圧され、容器からの液体の流出量および流出速度が次第に低下して排出に時間が掛かる等の問題もある。
【0008】本発明は上記の問題点に鑑みて提案されたもので、容器内の液体を離れた場所に移送するための配管を簡単・確実に接続できるようにすると共に、密閉容器等にあっても容易・迅速に液体を排出させることのできる液体容器用排出バルブを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために本発明による排出バルブは、以下の構成としたものである。即ち、合成樹脂製のバルブ本体とバルブハウジングとからなる液体容器用排出バルブにおいて、液体容器の排出口への接続部と、配管の接続部とをバルブハウジングに一体的に設けたことを特徴とする。
【0010】上記のように構成した排出バルブには、必要に応じて液体容器から液体を排出する際に生じる減圧を解消するための内圧調整弁を設けることができ、例えば上記のような内圧調整弁をバルブ本体内に設ける。あるいは上記のような内圧調整弁を備えたバルブ本体と、そのような内圧調整弁を有さないバルブ本体とを、バルブハウジングに対して選択的に脱着交換可能に構成してもよい。
【0011】また上記の内圧調整弁の構成は適宜であるが、例えば上記バルブ本体に形成した外気導入孔を開閉する球体と、その球体を常時外気導入孔を塞ぐ方向に移動付勢するばねとで構成する。あるいは上記ばねの代わりに永久磁石を用いることもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明による液体容器用排出バルブを、図に示す実施例に基づいて具体的に説明する。図1は本発明による排出バルブの一実施形態を示す縦断側面図、図2は液体容器に組み付けると共に配管を接続した状態の縦断正面図であり、前記図8の従来例と同様の機能を有する部材には同一の符号を付して説明する。
【0013】本発明によるバルブ本体1およびバルブハウジング2も、それぞれ前記従来例と同様にポリエチレン等の合成樹脂で形成されており、バルブハウジング2の液体容器排出口3に対する接続構造は従来例と同様に構成されている。またバルブ本体1の前記他端1b側すなわち回動操作レバー11と反対側の端部は前記従来例よりも短く、かつその端部1bはキャップ12で閉塞されている。
【0014】またバルブ本体1およびバルブハウジング2の周面の液体流通孔10、20はそれぞれ直径方向2箇所に設けられ、バルブハウジング2の下側には、配管4を接続するための短筒状の接続部23が一体的に設けられている。その接続部23に図2に示すように配管4の端部に設けた口金41を嵌合接続し、その口金41の端部外周に回動可能に設けたリング状のナット42を、上記接続部23の外周に設けた雄ねじ23aに螺合することによって、上記接続部23に配管4を連通接続する構成である。図中、42aは上記ナット42の内周面に設けた雌ねじ、41aは口金41の外周にそれと一体に設けた上記ナット42の抜け止め用突条である。
【0015】上記の構成において、液体容器A内の液体を排出するに当たっては、図2のように液体容器Aの排出口3にバルブハウジング2の上部の接続部21をバルブハウジング2の下部の接続部23に配管4の口金41をそれぞれ嵌合接続すると共に、ナット22、42をそれぞれ排出口3および接続部23の雄ねじ3a、23aに螺合して締め付け固定する。それによって液体移送用の配管4を排出バルブBを介して液体容器Aの排出口3に簡単・確実に連結することができる。
【0016】次いで、バルブ本体1の回動操作レバー11を回動することによってバルブを開閉するもので、図の実施形態においては回動操作レバー11を図1のように下向きに回動したとき、バルブ本体1の2つの液体流通孔10・10とバルブハウジング2の2つの液体流通孔20・20がそれぞれ一致して容器A内の液体が上記流通孔10、20を介して管4内に排出され、回動操作レバー11を水平方向に回動したときには、上記流通孔20・20がそれぞれバルブ本体1の周面で閉塞されて液体の流出が阻止される構成である。なお上記バルブ本体1とバルブハウジング2との間には、バルブ本体1のバルブハウジングに対する回動範囲を規制すると共に、バルブ本体を上記の開閉位置に位置決めするストッパが設けられているが図には省略した。
【0017】上記のように本発明においては排出バルブBのハウジング2に液体移送用の配管4を接続するための接続部23を一体的に設けたから、上記のような配管4を簡単・確実に接続できるもので、その配管4を適宜配管すれば所望の位置まで液体を移送することができる。また例えば図7に示すような配管4を施せば、容器A内の液体を排出バルブBを介して上記容器Aから離れた位置に容易に液体を分配供給することができる。図中、4aはフレキシブルホース等の可撓管、4bはT字形分岐管、4cは接続管、4dは枝管、4eは排出ポンプである。
【0018】次に、上記のようにして液体を排出させる容器が密閉容器、特に排出口3以外は完全に密閉された液体容器にあっては、該容器内の液体を排出するのに伴って容器内が減圧されて該容器からの液体の流出量および流出速度が低下する不具合があり、そのような場合には液体容器A内に外気を導入するための内圧調整弁を設けるのが望ましい。
【0019】図3は上記のような内圧調整弁の構成の一例を示すもので、図示例の内圧調整弁5は、前記バルブ本体1内に略筒状の弁収容ケース50を一体的に設け、そのケース50内に弁体としての球体51と圧縮コイルばね52とを収容した構成である。上記筒状ケース50の一端側とそれに当接するバルブ本体1には、互いに連通する外気導入孔50a、1cが形成され、それと反対側のケース50の端部には該ケース50内とバルブ本体1内との連通孔50bが設けられている。上記球体51は圧縮コイルばね52により常時図3で右方に移動付勢され、その球体51によって外気導入孔50a、1cが閉塞された状態にある。
【0020】上記図3に示すような内圧調整弁5を備えたバルブ本体1を、前記図1および図2のバルブ本体1の代わりにバルブハウジング2内に装填すれば、液体排出時に容器A内に減圧が生じたときに前記球体51がばね52に抗して図3で左方に移動し、前記の外気導入孔50a、1cからケース50内および前記連通孔50bを介してバルブ本体1内に外気が導入され、さらにバルブ本体1内から連結部21および容器排出口3を経て容器A内に外気が流入して前記の減圧状態を解消することができる。
【0021】また前記図3に示すような内圧調整弁5を備えたバルブ本体1と、前記図1および図2にしめすような内圧調整弁5を有しないバルブ本体とを2種もしくは複数種用意して選択的に脱着交換できるようにすれば、内圧調整弁5が必要な場合と必要でない場合とで適宜使い分けることができる。図の実施形態においては、バルブハウジング2に対してバルブ本体1が抜き差し自在に構成されており、上記2種もしくは複数種のバルブ本体1をバルブハウジング2に抜き差しするだけで交換することができる。
【0022】なお上記いずれの場合にもバルブ本体1をバルブハウジング2に装着した際にその状態に抜け止め係止させる手段を設けるとよく、その係止手段としては、例えばバルブ本体1の内周面とバルブハウジング内周面との間に凹凸係合部を設ける、あるいは前記回動操作レバー11と反対側のバルブ本体1の外周面に凹溝を形成して、その凹溝内に抜け止め用のサークリップを着脱可能に係合する等その他適宜である。
【0023】また前記図3の内圧調整弁5の構成およびその調整弁5のバルブ本体1に対する配置構成等は一例であり、それらの構成は適宜変更可能である。例えば調整弁5のバルブ本体1に対する配置構成として図3においては回動操作レバー11側に設けたが、図4に示すように前記キャップ12側に設けることもできる。同図において、12aは外気導入孔であり、他の構成は前記図3の場合と略同様に構成されている。
【0024】さらに内圧調整弁の構成として、例えば図5に示すように球体51に摺動案内用のロッド51aを一体的に設け、そのロッド51aを弁収容ケース50に一体もしくは一体的に設けた端板53の連通孔53aに摺動可能に挿通してもよい。この場合、上記ケース50内に入った外気は上記連通孔53aとロッド51aとの間の隙間からバルブ本体1内に流入するが、その隙間の開口面積が不足する場合には上記端板53またはケース50に別途空気流通孔を設ければよい。
【0025】また上記図3〜図5の実施形態においては球体51を移動付勢する手段として圧縮コイルばね52を用いたが、そのばね52の代わりに磁石、特に永久磁石を用いることもできる。図6はその一例を示すもので、同図(a)は球体51に棒状の磁石55を一体的に設け、その磁石55の外周を取り巻くようにリング状の磁石56をケース50の内面に固定して設けたものである。その磁石55、56によって球体51は図で右方すなわち外気導入孔50a、1cを塞ぐ方向に移動付勢され、前記容器A内に減圧が生じたときには上記の付勢力に抗して球体51が図で左方に移動する構成である。
【0026】また図6(b)はケース50の内面にリング状の磁石57を配置すると共に、球体51を上記磁石57に吸着可能な鉄等の磁性体で形成したもので、その球体51は常時は上記リング状の磁石57に吸着して該磁石57の内孔57a、ひいてはケース50およびバルブ本体1の外気導入孔50a、1cを塞ぎ、前記容器A内に減圧が生じたときには上記の吸着力に抗して球体51の少なくとも一部が磁石57から離れて上記内孔57aおよび外気導入孔50a、1cが開放される構成である。
【0027】上記の各内圧調整弁5の形状や寸法等は用途等に応じて適宜変更可能であり、また内圧調整弁5としては、前記容器A内に減圧が生じたときに該容器内に外気を導入できる構成であればよく、上記以外にも例えばリード弁等を用いることもできる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明による液体容器用排出バルブは、上記のように液体容器Aの排出口3への接続部21と配管4の接続部23とをバルブハウジング2に一体的に設けたから、配管4を本発明の排出バルブBを介して液体容器に簡単・確実に接続することが可能となる。またバルブ本体1とバルブハウジングを合成樹脂製とし、かつそのバルブハウジング2に上記接続部21、23を一体的に形成したので、コンパクトで且つ軽量な排出バルブを容易・安価に製作することができる。さらにバルブ本体1内に内圧調整弁5を設けることによって、液体容器Aから液体を排出する際に生じる減圧が解消されて液体の排出作業を円滑かつ迅速に行うことが可能となり、排出作業に要する時間を短縮することができる。また上記のような内圧調整弁5を備えたバルブ本体と、そのような内圧調整弁を有さないバルブ本体とを、バルブハウジング2に対して選択的に脱着交換可能に構成すれば、内圧調整弁が必要な場合と必要でない場合とで適宜使い分けることができ汎用性のよい排出バルブを提供できる等の効果がある。
【出願人】 【識別番号】598119935
【氏名又は名称】日進化成株式会社
【出願日】 平成11年6月10日(1999.6.10)
【代理人】 【識別番号】100094536
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 隆二 (外2名)
【公開番号】 特開2000−346212(P2000−346212A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願平11−163562