| 【発明の名称】 |
バタフライバルブ |
| 【発明者】 |
【氏名】田島 博
|
| 【要約】 |
【課題】通路が閉状態時の油漏れの程度を従来通りに維持しながらも製品コストを安くすることのできるバタフライバルブを提供することである。
【解決手段】本発明は、本体1に開けた通路11の内周面の上下対向箇所に収納穴12,13を形成し、各収納穴12,13に弁棒3,4の一部を挿入すると共に、各弁棒3,4の他部を弁体2に結合具5,6によって連結したバタフライバルブにおいて、下側弁棒4の直径と、下側収納穴13の直径とを弁体2の厚みより短くすると共に、下側弁棒4の他部が収容される挿入穴23を弁体2の外周面に下側収納穴13に連通して設け、弁体2には前記した下側結合具6用の抜穴22を挿入穴23に連通して形成し、挿入穴23と抜穴22を合わせた深さLを、下側弁棒4の全長が収納可能な長さに設け、下側弁棒4を、挿入穴23と下側収納穴13に収容すると共に抜穴22に差し込んだ結合具6によって離脱不能に保持してある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体(1)に開けた通路(11)を、一対の弁棒(3,4)に軸支された弁体(2)によって開閉可能に設ける為に、通路(11)の内周面の上下対向箇所に軸支用の収納穴(12,13)を形成し、各収納穴(12,13)に弁棒(3,4)の一部を挿入すると共に、各弁棒(3,4)の他部を弁体(2)に結合具(5,6)によって連結してあるバタフライバルブにおいて、下側弁棒(4)の直径と、下側収納穴(13)の直径とを弁体(2)の厚みより短くすると共に、下側弁棒(4)の他部が収容される挿入穴(23)を弁体(2)の外周面に下側収納穴(13)に連通して設け、弁体(2)には前記した下側結合具(6)用の抜穴(22)を挿入穴(23)に連通して形成し、挿入穴(23)と抜穴(22)を合わせた深さ(L)を、下側弁棒(4)の全長が収納可能な長さに設け、下側弁棒(4)を、挿入穴(23)と下側収納穴(13)に収容すると共に抜穴(22)に差し込んだ結合具(6)によって離脱不能に保持してあることを特徴とするバタフライバルブ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、主に変圧器と放熱器との間に介在するバタフライバルブに関する。 【0002】 【従来の技術】上記した用途のバタフライバルブは、一般のバタフライバルブと比べると、主に次のような特色を持っている。第一に、使用圧力が最大でも約1kgf/cm2である。第二に、弁体の開閉操作が殆ど行われず、常時は通路が開状態で使用され、放熱器の修理時や交換時にのみ閉状態で使用される。第三に、開状態時に本体から油漏れがあってはならないことに加え、閉状態時にも通路の排出側に油が殆ど漏れないように要求され、しかも、変圧器への異物の混入を阻止するため本体と弁体とのシールにメタルシールが用いられる。 【0003】このようなバタフライバルブとしては、図6に示すように、本体91に開けた通路92の上下対向箇所に、軸支用の収納穴93を、弁体94の厚みより大径に形成し、各収納穴に弁棒95の一部を収納すると共に、各弁棒の他部に開けたスリット96に弁体の一部を挿入し、弁棒の他部と弁体とをボルト97によって連結した構造が従来知られている。 【0004】従来のバタフライバルブは、収納穴に弁棒が外観上、隙間の無い状態で嵌まり込んでいるが、閉状態時には、収納穴と弁棒の間に形成される僅かな隙間から油が浸入して、排出側に漏れ出る現象が見られるので、バタフライバルブの真下にバケツを配置して、漏れた油を溜めるようにしている。先の特色で記載したように、閉状態時でも油漏れが殆ど無いように要求されるので、挿入穴と弁棒自体の加工精度を高くする必要があり、加工費用が製品コストを上げる要因となっていた。特に、下側収納穴は、貫通した上側収納穴から加工具を差し込んで形成するので、精密な加工が難しく、コストの上昇に直結していた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明者は上記した実情を考慮して、閉状態時の油漏れの程度を従来通りに維持しつつ、製品コストを安くするための開発に着手した。下側弁棒は、弁体開閉時の操作によるトルクが掛からず、しかも、使用圧力が低いため弁体を支持する力も小さいことに本発明者は着目し、下側弁棒を細くして油の浸入する面積を狭くすることを思い付いた。ところが、従来のバタフライバルブは、弁棒に開けたスリットで弁体を保持する構造なので、弁棒の直径が弁体の厚みよりある程度長いことが必要で、弁棒を大幅に細くすることはできず、製品コストを殆ど下げられなかった。そこで、本発明者は、下側弁棒で弁体を保持する新たな構造を開発した。 【0006】請求項1記載の発明の目的は、通路が閉状態時の油漏れの程度を従来通りに維持しながらも製品コストを安くすることのできるバタフライバルブを提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、本体に開けた通路を、一対の弁棒に軸支された弁体によって開閉可能に設ける為に、通路の内周面の上下対向箇所に軸支用の収納穴を形成し、各収納穴に弁棒の一部を挿入すると共に、各弁棒の他部を弁体に結合具によって連結してあるバタフライバルブにおいて、下側弁棒の直径と、下側収納穴の直径とを弁体の厚みより短くすると共に、下側弁棒の他部が収容される挿入穴を弁体の外周面に下側収納穴に連通して設け、弁体には前記した下側結合具用の抜穴を挿入穴に連通して形成し、挿入穴と抜穴を合わせた深さを、下側弁棒の全長が収納可能な長さに設け、下側弁棒を、挿入穴と下側収納穴に収容すると共に抜穴に差し込んだ結合具によって離脱不能に保持してあることを特徴とする。なお、結合具とは、ボルトやリベットを意味する。 【0008】上記した発明を組立てる場合には、弁体を通路に嵌め込む必要があるが、この嵌め込み作業は、下側弁棒を挿入穴と抜穴に差し込んで、完全に弁体内に下側弁棒が収容された状態で行う。なお、本発明は、横に寝かして使用しても良い。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明のバタフライバルブは図1に示すように、本体1に備わる通路11の前後幅の中央部に、通路11を開閉する弁体2を配し、弁体2を軸支する上下一対の弁棒3,4の各一部を本体1の内部に収納し、各両弁棒3,4の他部を弁体2に結合具5,6によって連結した構造である。 【0010】本体1は図1および図2に示すように長方形状の厚肉板が起立した形態で、前面中央部に前記した円形の通路11を貫通して設け、通路11の内周面の上下対向箇所に、弁棒3の一部を挿入する収納穴12,13を備え、四隅には取付孔14をそれぞれ貫通して設けてある。上側収納穴12は、上面に向かって貫通すると共に弁体2の厚みより直径が大きく、一方、下側収納穴13は、弁体2の厚みより直径が小さくなっている。 【0011】弁体2は図1および図3に示すように、本体1より薄肉の円盤形状で、前面の上部と下部に抜穴21,22を貫通して設け、外周面の真下位置に、下側弁棒4の上部を収容する挿入穴23を、下側抜穴22に連通する状態で設けてある。また、図5に示すように、下側抜穴22と挿入穴23とを合わせた深さLを、下側弁棒4の全長より長くすると共に、下側抜穴22の直径を挿入穴23の直径より大きくして、挿入穴23に差し込んだ下側弁棒4の上部が下側抜穴22に入り込むことが可能になっている。図面では省略してあるが、弁体2の外周面と通路11の内周面とのメタルシール、つまり弁体2が通路11を完全に閉じた状態では、弁体2の前後面が本体1に対して何度か傾いた形態で、弁体2の外周面が通路11の内周面に平行に密接することによって、シール面からの油漏れを阻止してある。なお、弁体2は、前後面と外周面との隅角をエッジにすることによって、通路11を閉じた状態を維持できるようにしてある。 【0012】上側弁棒3は図1および図4に示すように、上部が前記した収納穴12に挿入され、下部が結合具5によって弁体2の上部に連結されるものである。その構造は円柱形状をなし、弁体2の上部を収容するスリット31を底面に備え、下部には、結合具5を捩じ込むざぐり状のネジ孔32を、スリット31に直交して設け、中間部にOリング33を嵌める環状溝34を備え、上面にマイナス溝35を備えている。マイナス溝35は、弁体2の開閉操作をするレバーを差し込む際に用いる。なお、本発明は、使用中に弁体2の開閉角度が変わることは基本的にはないが、万一の場合を考慮して、図面には示していないが、マイナス溝35に嵌まり込む凸部を備えたキャップを、本体1にボルト止めすることによって、弁体2の角度を固定してある。 【0013】下側弁棒4は、弁体2の厚みより直径が短いピンで、前記した下側収納穴13と挿入穴23に挿入され、結合具6によって離脱不能に保持される。なお、上側結合具5はボルトで、下側結合具6はリベットである。 【0014】上記したバタフライバルブの組立て手順を、図4と図5に基づいて説明する。まず、下側弁棒4を挿入穴23に差し込んで、下側弁棒4が完全に弁体2の内部に収納された状態にする。次に、弁体2を通路11の所定位置に挿入し、Oリング33付の上側弁棒3を収納穴12に差し込むと共に、スリット31に弁体2の上部を嵌め、上側抜穴21とネジ孔32を一致させてボルトである結合具5を捩じ込む。続いて、下側抜穴22と下側弁棒4の間に形成された隙間Sに、細い棒体を差し込んで引き下げることによって、下側弁棒4の下部を収納穴13に嵌める。最後に、下側抜穴22にリベットである下側結合具6をかしめる。 【0015】本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、本体1の形状は前後に開口する環状でも良い。また、上下の結合具5,6は、両方ともボルトまたはリベットであっても良いし、上側がリベットで、下側がボルトであっても良い。 【0016】 【発明の効果】本発明のバタフライバルブは、下側弁棒の直径と、下側弁棒の上下部を収容する挿入穴と収納穴の各直径とが、弁体の厚みより小さいので、従来に比べて油の浸入する面積が格段に狭くなる。しかも、通路の排出側に漏れ出る油は、弁体の外周面と通路の内周面との間、つまりメタルシールによって密接している殆ど隙間の無い箇所を通過した後に、下側弁棒と収納穴の間に浸入することになる。これら相乗効果によって、本発明は加工精度が従来と同じ場合には、従来に比べて通路の閉状態時に排出側への油漏れが大幅に少なくなる。その結果、加工精度を従来より落としても、通路の閉状態時に排出側に油が漏れる程度を従来通りに維持することができ、しかも、製品コストを大幅に低下させることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】591277371 【氏名又は名称】有限会社田島製作所
|
| 【出願日】 |
平成11年6月3日(1999.6.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090206 【弁理士】 【氏名又は名称】宮田 信道
|
| 【公開番号】 |
特開2000−346208(P2000−346208A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月15日(2000.12.15) |
| 【出願番号】 |
特願平11−156421 |
|