| 【発明の名称】 |
逆止弁付き止水栓 |
| 【発明者】 |
【氏名】河西 武志
【氏名】重野 啓司
|
| 【要約】 |
【課題】二次側から水圧をかけての水圧試験を行える、逆止弁付き止水栓を提供する。
【解決手段】止水栓1に設けられた逆止弁25を迂回して、一次側と二次側をつなぐバイパス流路を、連通部23と、大径部18aと、連結流路39と、分岐流路41とで構成し、このバイパス流路を開閉するニードル45を配置した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 二次側から一次側への逆流を防止する逆止弁を備えた止水栓において、前記逆止弁を迂回し、前記逆止弁の一次側と二次側とを接続するバイパス通路と、該バイパス通路を開閉するための開閉部材を備えたことを特徴とする、逆止弁付き止水栓。 【請求項2】 請求項1記載の逆止弁付き止水栓において、前記止水栓はボールを用いたボール止水栓であり、前記バイパス通路は、前記逆止弁を迂回し、一端が前記ボールが収納されている弁室内の空所に通じていることを特徴とする、逆止弁付き止水栓。 【請求項3】 請求項2記載の逆止弁付き止水栓において、前記ボールは、貫通して形成された通水用の流路と、一端が前記通水用の流路に通じ、他端が前記弁室内の空所に通じる第2の流路を備えていることを特徴とする、逆止弁付き止水栓。 【請求項4】 請求項1に記載の逆止弁付き止水栓において、前記止水栓は、ボールと該ボールを回転させるためのスピンドルとを備えたボール止水栓であり、前記スピンドルは、栓本体のスピンドル収納部に回転可能に収納され、前記スピンドルの軸方向所定の位置において、前記スピンドルの外周と前記スピンドル収納部の内周との間に円環状空所が画成され、前記スピンドルは、内部に形成された縦流路と、該縦流路の上方に形成され、前記縦穴の上端を閉じることのできる逆止ボールを収納した弁室と、前記縦流路と円環状空所とに連通する横穴と、一端が前記弁室に通じる貫通孔で、他端が、前記スピンドルが所定の角度回転すると、前記スピンドル収納部に形成された排水口に整合、連通する排水孔が形成され、前記止水栓は、前記円環状空所と前記ボールの二次側とを連通する連結流路を備えていることを特徴とする、逆止弁付き止水栓。 【請求項5】 請求項4に記載の逆止弁付き止水栓において、前記逆止弁は前記ボールの下流側に配置され、前記連結流路は、前記逆止弁より下流側において二次側と連通していることを特徴とする、逆止弁付き止水栓。 【請求項6】 請求項5に記載の逆止弁付き止水栓において、前記バイパス通路は、前記連結流路の途中で該連結流路から分岐して画成されていることを特徴とする、逆止弁付き止水栓。 【請求項7】 請求項6記載の逆止弁付き止水栓において、前記バイパス通路は、前記逆止弁を迂回し、一端が前記ボールが収納されている弁室内の空所に通じていることを特徴とする、逆止弁付き止水栓。 【請求項8】 請求項7記載の逆止弁付き止水栓において、前記ボールは、貫通して形成された通水用の流路と、一端が前記通水用の流路に通じ、他端が前記弁室内の空所に通じる第2の流路を備えていることを特徴とする、逆止弁付き止水栓。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は水道に使用する逆止弁付き止水栓に関し、さらに詳細には、二次側から水圧をかけて水圧検査を行えるようにした逆止弁付き止水栓に関する。 【0002】 【従来の技術】水道に使用する止水栓には、二次側からの逆流を防止する逆止弁を備えたものがある。ところで、配管にメータや止水栓等を設置した後に、この配管部分に漏れの無いことを調べるため、水圧をかけての水圧試験を行うのが通常である。 【0003】この場合、一次側から水圧をかける場合には問題ないが、事業体によっては二次側から水圧をかけて試験を行う場合がある。逆止弁の付いた止水栓で二次側から水圧をかけると、その逆止弁が閉じてしまい、水圧試験を行えない。そこでこの場合には、水圧試験を行うあいだ逆止弁を外しておき、試験終了後に逆止弁を取り付けるようにしている。従って作業が煩雑になり、設置作業完了までに長時間を要する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本願発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、逆止弁を取り付けたままで二次側から水圧をかけての水圧試験を行うことが可能な、逆止弁付き止水栓を提供することをその課題とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明における逆止弁付き止水栓には、その逆止弁を迂回し、逆止弁の一次側と二次側とを接続するバイパス流路と、該バイパス通路を開閉するための開閉部材を設けた。 【0006】ある実施の形態においては、この止水栓に水抜き機構を設け、二次側から水抜き栓への流路の一部をもって、逆止弁の一次側と二次側とを接続するバイパス流路の一部を画成する構成とした。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本願発明の具体的実施の形態を説明するが、本願発明の範囲は以下に説明される実施の形態に限定されるものではない。 【0008】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る逆止弁付き止水栓(以下単に止水栓という)1を示す縦断面図である。なお、この止水栓はボール止水栓であり、水抜き機構をも備えた、逆止弁付き水抜きボール止水栓である。 【0009】符号3は、止水栓1の栓本体であり、ボール押さえ5とともに内部に弁室7を画成している。ボール押さえ5には、一次側の配管に接続され、弁室7に連通する流入口5aが形成されている。弁室7には、通止水を切り換える為の弁体としてのボール9が、ボールシート11に支持されて回転可能に収受されている。ボール9には流路9aが形成されており、このボール9を、弁室7の上方に設けられたスピンドル収納部13に上方から挿入されたスピンドル15を介して回転することにより、止水栓1の通水状態と止水状態を切り換える。この構成については周知であるので、詳細な説明は省略する。ボール9にはさらに、流路9aに直交する方向に伸び、一端において流路9aに、他端において弁室内のボール9の周囲の空所7aに通じている側流路9bが形成されているが、これについては後述する。 【0010】栓本体3には、弁室7を挟んでボール押さえ5と反対側に二次側連結部17が設けられており、該連結部17には弁室7に連通する流出口18が形成されている。流出口18は二段に形成され、二次側に近い端部の内径の大きい大径部18aと、一次側に近い内径の小さい小径部18bとを備えている。大径部18aには伸縮パイプ19が、その後端部19aが摺動可能に挿入されることによって、伸縮可能に取り付けられている。この伸縮パイプ19の構成、機能についても周知であるので、詳細な説明は省略する。 【0011】符号21は後述のカートリッジタイプの逆止弁25を取り付けるためのアダプターで、その前端部21aの外周には雄ネジが設けられ、これが伸縮パイプ19の後端部19aに設けられた雌ねじに螺合することにより、伸縮パイプ19と一体に移動するように取り付けられている。アダプター21の後端部21bは、流出口18の小径部18b内に摺動可能に嵌合している。なお、アダプタ21の前端部21aの外周の雄ねじの部分は、その一部が平面状にカットされており、伸縮パイプ19の内周とのあいだに、伸縮パイプ19の内部と、流出口18の大径部18a内のアダプター21の周囲のスペースとの間を連通させる連通路23を画成している。 【0012】符号25は、カートリッジ式の逆止弁であり、非閉鎖型のケーシング25a内に弁体25bが移動可能に収納されている。そして、ケーシング25aの図中左端部の外周に雄ねじが形成され、この雄ねじがアダプター21の前端部21aの内周に設けられた雌ねじに螺合することにより、アダプター21に取り付けられている。図示の状態は通水状態にあり、水の流れが停止すると、弁体25bがケーシング25aの左端の開口部を閉鎖し、二次側から一次側への水の逆流を防止するようになっている。 【0013】スピンドル15には、上端から下方へ伸びる孔が形成され、一番下側の小径の縦流路27、その上のより径の大きい弁室29が形成され、その上端部は、ハンドル31に固定された上部スピンドル33に結合され、閉じられている。スピンドル15にはさらに、一端において縦流路27に連通し、他端においてスピンドル15とスピンドル収納部13の内周との間に形成される円周方向流路33に通じる横孔35が形成されている。また弁室29内には、縦流路27の上端を閉じることのできる大きさの逆止ボール36が収納されている。さらにスピンドル15には、その周壁を貫通し、一端が内部の弁室29に通じる排水孔37が形成されている。この排水孔37は、スピンドル15が図示の位置から図の上部からみて時計方向に約90度回転させられると、栓本体3のスピンドル収納部13の周壁に設けられた排水口(図示せず)に整合し、連通するようになっている。 【0014】栓本体3には、前述の流出口18の大径部18aの内部と、スピンドル収納部13の下部に形成された円周方向流路33とを連通する連結流路39が形成されている。そして、その連結流路39の途中で、斜め下方へ伸び、ボール9が収納された弁室7に通じる分岐流路41が設けられている。この分岐流路41の上端は、分岐流路41と同心に形成されたネジ孔43に螺合して取り付けられたニードル43により、通常は閉じられている。なお、連結流路39は、紙面に垂直な方向での幅が、ニードル43の径よりも大きく形成されているので、二ードル43の存在によって、円周方向流路33と大径部18aとの間の連通が遮断されることはない。なお、逐一説明をすることは省略したが、図示のとおり、必要箇所にはOリング等適宜なシール部材を配置し、各部材の間でのシールを行っている。 【0015】上記の如き構成の逆止弁付き水抜きボール止水栓1においては、図示の状態は二次側の蛇口等が開かれて水が流れている通水状態である。二次側が閉じられると、カートリッジ式の逆止弁25の弁体25bがケーシング25aの開口を閉じて、逆流を防止する。 【0016】そして、凍結防止のために止水し、水抜きを行うには、ハンドル31を操作してスピンドル15を介してボールを前述のように時計方向に約90度回転させると、スピンドル13の排水孔37が、スピンドル収納部13の周壁に形成された排水口(図示せず)に整合する。二次側の水は、伸縮パイプ19からカートリッジ式逆止弁25の周囲を通り、アダプター21と伸縮パイプ19との間に形成された連通路23を介して大径部18aに流れる。そして連結流路39を通り、円周方向流路33、横孔35を通って縦孔35内に入る。そしてさらに逆止ボール36を押し上げて弁室29内に入り、排出孔37から排出口(図示せず)を通って止水栓1の外部へ排水される。なおこの際には、逆止弁25は閉じられており、分岐流路41もニードル45により閉じられているので、一次側への水の流れは生じない。 【0017】ところで、この止水栓1をメータ等と一緒に配管に設置し、設置工事終了後に下流側から水圧をかけて水圧試験を行う場合には、ボール9は図示の通水状態にする。そしてニードル45を回転させて分岐流路41を開く。これにより、伸縮パイプ19から、連通路23、大径部18b、連結流路39、分岐流路41を介して弁室7内へ通じ、さらにボール9の第2の流路9b及び流路9aを通って一次側へと通じる。このように逆止弁25を迂回して一次側と二次側とを繋ぐ流路が完成されるので、二次側から水圧をかけて水圧試験を行うことが可能となる。この流路が形成されないと、二次側からの水圧により逆止弁25が閉じてしまい、一次側へ水圧がかからず、水圧試験を行うことができない。なお、水圧試験を行う場合には、ボール9は図示の通水状態にあるので、スピンドル15の排水孔37がスピンドル収納部13の排水口との整合から外れているので、こちらから排水されることはない。 【0018】図2は第2の実施の形態にかかる止水栓101の断面図である。この止水栓は通称甲止水栓と称されるタイプである。栓本体103は、内部を隔壁104により一次室105と二次室106とに区画されている。栓本体103の上部からスピンドル107が挿入される。スピンドル107の下端から弁駒取り付け孔107aが形成され、ここに弁駒108が取り付けられる。弁駒108は弁駒本体109を備え、弁駒本体109は、弁駒取付け孔107aに摺動自在に挿入される軸部109aと、軸部109aの下端で外方へ拡がるフランジ109bと、フランジ109bから下方へ伸びるネジ部109cとを備えている。そしてフランジ109bの下面側に、パッキン110が、ネジ部109cに螺合するナット111を用いて取り付けられている。符号104aは、隔壁104に、スピンドル107の軸心に中心を合わせて形成された開口であり、104bは、その開口104aの周囲で二次室側に形成された弁座である。 【0019】図示の状態は通水状態であり、弁駒108は水圧により上方へ移動している。二次側が閉じられると、弁駒108は下方へ落下し、弁座104bに着座して開口104aを閉じ、二次側から一次側への逆流を防止するようになっている。止水を行う場合には、スピンドル107を回転させて下に移動させ、スピンドル107の下端をもって弁駒108を弁座104bに押圧する。 【0020】符号113は、開口104aとは別に、一次室105と二次室106とを繋ぐバイパス流路であり、その途中にニードル115が配置されている。このバイパス流路113とニードル115を設けることにより、その二次側から水圧をかけての水圧試験が可能となる。すなわち、この構成が設けられていない従来のこのタイプの止水栓では、止水状態では勿論、通水状態でも二次側から水圧がかかると弁駒108が弁座104bに着座して開口104aを閉じてしまうので、試験を行うことができない。本実施の形態での止水栓101では、ニードル115を操作してバイパス流路113を開き、一次室105と二次室106とを連通させることができるので、二次側からの水圧試験を行うことができる。 【0021】 【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明においては、逆止弁付き止水栓において、逆止弁を迂回して、一次側と二次側とを連通するバイパス流路と、該バイパス流路を開閉する開閉部材を設けたので、該止水栓の設置後、そのままの状態で二次側からの水圧試験が可能となり、従来の如く、水圧試験の間逆止弁を取り外しておき、試験終了後にそれを取り付ける等の作業が不要となり、きわめて設置及び試験の作業効率が向上する。 【0022】また、水抜き栓を構成するにあたり、ボールを回転させるスピンドルを利用して、水抜き栓用の逆止機構を設けたので、従来の如く逆止機構をスピンドル収納部の外部側方に設置した場合に比して、設置スペースが格段に少なくて済む。 【0023】またその際に、バイパス流路を水抜き用の連結流路から分岐する形式としたので、バイパス流路を別個独立したものとするより、構成も簡単となり、製造コストも軽減できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】390006736 【氏名又は名称】株式会社日邦バルブ
|
| 【出願日】 |
平成11年5月18日(1999.5.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064562 【弁理士】 【氏名又は名称】清水 徹男 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2000−329256(P2000−329256A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月30日(2000.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願平11−136751 |
|