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【発明の名称】 ガス栓
【発明者】 【氏名】中村 雅英

【要約】 【課題】

【解決手段】ガス栓本体1側の切欠部8、8aとガイド鍔9、9a及びシール材収容溝7を鋳造時に一体成形する。ハンドル13側には係合鍔14、14aを形成してこの係合鍔14、14aが前記ガイド鍔9、9a内に係合して外れるのを防止し、併せて回転をガイドするようにする。更に、ハンドル13側から鉛直方向にストッパーピン21を組み込み、このストッパーピン21でハンドル13の回転規制とロックができるようにする。更に、ストッパーピン組込穴18には、ストッパーピン21以外に、シール穴24a′付の封印部材24をねじ込んで封印とシール(防水)を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガス栓本体には、ハンドル組込口内に略90°の開き角度から成る切欠部を形成すると共に、ハンドル側の係合鍔が下方から係合してハンドルが外れるのを防止し、併せてハンドルの回転をガイドする略90°の開き角度から成るガイド鍔を形成したこと、前記ハンドルの下面には、前記ガス栓本体側の切欠部を経由して前記ガイド鍔の下面に係合する係合部を形成すると共に前記切欠部に対向する位置に上段側が大径ネジ穴で、これに続く下段側が上段側よりも小径の小径ネジ穴を形成し、更に前記小径ネジ穴に続けてハンドルの下面側に貫通する貫通穴を形成して成るストッパーピン組込穴を形成したこと、先端側が前記貫通穴を介して前記切欠部に突き抜ける長さを有し、頭部側には前記小径ネジ穴に螺合する雄ネジを形成して成るストッパーピンを設けたこと、前記ハンドルに設けた大径ネジ穴に螺合する雄ネジを外周面に形成し、下面中央に前記ストッパーピンの頭部が一部収まるシール穴を形成すると共に、このシール穴の中央から上方に抜けるストッパーピン回動穴を形成したシール兼用封印部材を設けたこと、前記ガス栓本体において、前記切欠部の終端側であって、前記ハンドル側のストッパーピン組込穴に対向する位置にストッパーピンの先端が下降して来て係合するロック穴を形成したこと、を特徴とするガス栓。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスメータ等の配管に取り付けて用いられるガス栓に関し、更に詳しくは、防水性に優れ、部品数を最小限に抑えることにより、製作コストの低減を図ったガス栓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガスメータの入側配管には、需要家に供給されるガスを遮断することができるように、元栓と称されるガス栓が取り付けられている。この元栓と称されるガス栓は、一般にガスメータが屋外に取り付けられている場合が多いことから、その安全性を担保するために、所謂ロック機構が組み込まれている。このロック機構は、ハンドルをいっぱいに閉じた位置において、ハンドルをロックしてしまうもので、この方式には、ハンドル側からガス栓本体側にロックネジをねじ込んだり、反対にガス栓本体側からハンドル側にロックネジをねじ込んだりする方式が一般的である(例えば実開平3−1385号公報、特開平10−73180号公報)。
【0003】しかし、これらの公知例の場合、ガス栓にロック機構を別に組み込む方式であることから、部品数が多くなったり、加工数が増大してコスト高になるという問題がある。このような問題を解消するために、ハンドルの回転規制機構とロック機構を共通の部品で行うように構成したガス栓が特開平11−94099号公報に掲載されていて公知である。この公知例のメータガス栓は、ガス栓本体と、このガス栓本体の内部に回動可能に設けられ、全開位置から正または逆方向へそれぞれほぼ90°回動して全閉状態とする栓体と、この栓体上部に係合し栓体を回動するハンドルとを有するメータガス栓において、前記ガス栓本体の上部開口縁に円周方向ほぼ180°にわたって突出部を形成し、前記ハンドルには上下動可能な全閉位置規制用ボルトとほぼ180°離間した対向位置に回動防止用ボルトをそれぞれ設け、前記全閉位置規制用ボルトは予め下動させて前記突出部の一方の衝止壁に突き当たるようになし、栓体を回動して前記全閉位置規制用ボルトが前記衝止壁に突き当たることによって全閉位置を規制し、このとき前記回動防止用ボルトはほぼ180°隔てた他方の衝止壁に位置し、この回動防止用ボルトを前記他方の衝止壁に係止するまで移動させることによって栓体の正逆方向の回動を防止することを特徴とするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平11−94099号に係る公知例においては、次のような問題がある。
1.全閉位置規制用ボルトと回転防止用ボルトの頭はそのままハンドルの正面に露出しているため、特に屋外において、ここから雨水等が内部に侵入し錆が発生し、経年的に回転不能になったり、シール性能が低下したりするようになる。
2.全閉位置規制用と回転防止用の2本のボルトが必要となり、この分部品点数が多くなって、組み立て手数も増し、製作コストが高くつく。
3.2本のボルトは、ハンドル上に露出しているため、ドライバーで簡単に廻すことができ、悪戯等の心配がある。
【0005】本発明の目的は、防水性に優れ、製作コストを低減できるガス栓を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、ガス栓において、ガス栓本体には、ハンドル組込口内に略90°の開き角度から成る切欠部を形成すると共に、ハンドル側の係合鍔が下方から係合してハンドルが外れるのを防止し、併せてハンドルの回転をガイドする略90°の開き角度から成るガイド鍔を形成したこと、前記ハンドルの下面には、前記ガス栓本体側の切欠部を経由して前記ガイド鍔の下面に係合する係合部を形成すると共に前記切欠部に対向する位置に上段側が大径ネジ穴で、これに続く下段側が上段側よりも小径の小径ネジ穴を形成し、更に前記小径ネジ穴に続けてハンドルの下面側に貫通する貫通穴を形成して成るストッパーピン組込穴を形成したこと、先端側が前記貫通穴を介して前記切欠部に突き抜ける長さを有し、頭部側には前記小径ネジ穴に螺合する雄ネジを形成して成るストッパーピンを設けたこと、前記ハンドルに設けた大径ネジ穴に螺合する雄ネジを外周面に形成し、下面中央に前記ストッパーピンの頭部が一部収まるシール穴を形成すると共に、このシール穴の中央から上方に抜けるストッパーピン回動穴を形成したシール兼用封印部材を設けたこと、前記ガス栓本体において、前記切欠部の終端側であって、前記ハンドル側のストッパーピン組込穴に対向する位置にストッパーピンの先端が下降して来て係合するロック穴を形成したこと、を特徴とするものである。
【0007】
【作用】ガス栓本体のハンドル組込口からは、閉子を組み込み、その上で、この閉子上に押えスプリングを載置したのち、前記ハンドル組込口の上縁に形成したシール材収容溝内にシール材を組み込み、次にハンドル側の係合鍔をガス栓本体側の切欠部に合わせてハンドルを押し込み、前記閉子とハンドルを連結し、次にハンドルを略45°正回転して係合鍔をガイド鍔の下面に係合させて前記スプリングによりハンドルが飛び出すのを押える。次に、ハンドルのストッパーピン組込穴内にストッパーピンを挿入し、小径ネジ穴にストッパーピン側の雄ネジをねじ込んでその先端を貫通穴を経由してガス栓本体側の切欠部内に少し多目に突出させたのち、大径ネジ穴に封印部材をねじ込んでストッパーピン組込穴を塞ぐ。その上で、封印部材の回転穴から工具を挿入してストッパーピンを逆方向に少し廻してストッパーピンの頭部を封印部材のシール穴内に嵌合(密着)させてシールを確保し、組み立てを終る。
【0008】この状態でハンドルを正回転させるとハンドルはストッパーピンが切欠部内において略90°の回転を許容し、やがてストッパーピンの先端が切欠部の終りにおいてガイド鍔の端に当接し、ハンドルの回転を止める。この状態がハンドル閉(閉子閉)の状態であり、ここからハンドルを逆方向に略90°回転するとハンドル開となる。通常のガス栓はこの90°開閉操作で使用されるが、長期間の不在或いはガスメータ以降の配管工事等のためにガス栓を閉止したままハンドルをロックしたい場合には、前記ハンドル閉の状態において封印部材の穴から工具を入れてストッパーピンを侵入方向に回転すると、ストッパーピンの先端がロック穴内に侵入する。この状態において、ハンドルは開方向に回転するのが阻止され、ロック状態となる。又、ストッパーピンの頭部が小径ネジ穴の入口に密着してロック時においてもシールを確保する。再度ハンドルを開に操作するためには、工具を封印部材の穴から挿入し、ストッパーピンを逆回転してロック穴からその先端を外す必要がある。
【0009】
【実施例】図1〜図4に基づいて請求項1に記載した本発明に係るガス栓の実施例を示す。図1はガス栓を分解した状態を示すもので、このガス栓のガス栓本体1には、内部を水平に貫通するガス通路2の両端に配管接続口2aが形成され、上部中央にはハンドル組込口(閉子組込穴)3が形成され、このハンドル組込口3内には、閉子4を組み込むためのテーパー部5が前記ガス通路2に対して直交するように形成され、更に上縁には、断面C字状のシール材6を組み込むためのシール材収容溝7が形成されている。又、ハンドル組込口3内には、略90°の開き角度の切欠部(大径部)8,8aが対称位置に形成されていると共に、この切欠部8,8a間には略90°のガイド鍔(小径部)9,9aが形成されている。なお、上記ガス栓本体1において、テーパー部5の表面及びガイド鍔9,9aの下面は切削加工により精度を確保しているが、その他の構造部分はすべて鋳造したままである。但し、配管接続口2aのネジは除く。
【0010】更に、ガス栓本体1側には図3に示すように、前記ガイド鍔9aの略中央に切欠溝10が形成され、切欠部8aの正方向の終りにはロック穴11が形成されている。12はコイル状の押えスプリング、13はハンドルであって、このハンドル13の下面には、前記切欠部8,8aを介して押し込むことができると共に、前記ガイド鍔9,9aの下に係って回動することができる略90°の開き角度の係合鍔14,14aが形成されている。更に、ハンドル13には、前記係合鍔14,14aの中間であって、前記ロック穴と対向する位置にストッパーピンガイド突起15が形成され、このストッパーピンガイド突起15には貫通穴16が形成されている。更に、ハンドル13の下面中央には、閉子4の係合部4aが係合する係合溝17が形成されている。更に、ハンドル13には、前記ロックピンガイド突起15の貫通穴16と対向する位置に、大径ネジ穴20とこれに続く小径ネジ穴19から成るストッパーピン組込穴18が形成されている。
【0011】21は頭部に前記ストッパーピン組込穴18の小径ネジ穴19に螺合する雄ネジ22を形成し、軸部23が前記貫通穴16を介して前記ロック穴11に届く長さのストッパーピンである。24は前記ストッパーピン組込穴18の大径ネジ穴20に螺合する雄ネジ25を形成し、下面中央に前記ストッパーピン21の頭部が嵌合するシール穴24a′とストッパーピン21の回転穴26を形成した封印部材である。
【0012】次に、上記構成のガス栓の組み立て例を図5に基づいて説明する。先ず、ガス栓本体1側のテーパー部5に閉子4を組み込み、この上にスプリング12を載置したのち、シール材収容溝7内にシール材6を組み込み、次に切欠部8,8aにハンドル13側の係合鍔14,14aを合わせてスプリング12に抗してハンドル13を係合鍔14,14aがガイド鍔9,9aより下に位置するようになるまで押し込む(a)。このときハンドル13側のストッパーピンガイド突起15は切欠溝10に、又、閉子4の係合部4aと係合溝17とは丁度合っている。
【0013】次に、ハンドル13を押し込んだままの状態でこのハンドル13を正方向に略45°回転させると、ハンドル13側の係合鍔14,14aがガス栓本体1側のガイド鍔9、9aの下に略45°かかり、ストッパーピンガイド突起15が丁度切欠部8a側の内に来る。この状態では、ハンドル13から手を離しても飛び出すことはなくなるので、ここでストッパーピン組込穴18内にストッパーピン21を挿入し、このネジ廻し部21aに工具を挿し込んでストッパーピン21の雄ネジ22を小径ネジ穴19にねじ込んでストッパーピン21の軸23の先端側を切欠部8a内に位置させる(b)。その上で、ストッパーピン組込穴18の大径ネジ穴20には封印部材24を廻し部24aを用いてねじ込む。その上で、再び封印部材24の回転穴26から工具を差し込んでストッパーピン21を逆回転して少し戻し(引き上げ)、頭部を封印部材24のシール穴24a′内に密着させる。この状態はハンドル13全開の位置であって、そのまま更に90°時計方向にハンドル13を回転し、ストッパーピン21の軸23がガイド鍔9の端に当って止ったところがハンドル13全閉の位置である(c)。
【0014】このハンドル13全閉の位置でロックを行うときは、封印部材24の回転穴26から工具を差し込んでストッパーピン21の廻し部21aに係合させたのち、このストッパーピン21を侵入方向に回転する。このようにすると、ストッパーピン21の軸23の先端がロック穴11に入り、ロック状態となる。又、この状態において、ストッパーピン21の頭部の下部が小径ネジ穴19の入口に密着してシールを行う。図6(a)は図5(b)の位置、つまりハンドル13全開の位置で、図6(b)はストッパーピン21をねじ込んでロック(封印)を行った図5(c)の位置、つまり全閉の位置である。
【0015】
【発明の効果】本発明は以上の如き構成と作用により、次の効果を奏する。
1.ストッパーピン組込穴にストッパーピンをねじ込み、更にシール穴付の封印部材をねじ込んで封印を行い、非ロック時においてはストッパーピンの頭部が封印部材のシール穴に密着し、ロック時においてはストッパーピンの頭部の下部が小径ネジ穴の入口間に密着してシールを行うことから、非ロック、ロック何れの時点でもストッパーピン組込穴を経由して雨水等が侵入する心配がない。
2.ガス栓本体は、切欠部及びガイド鍔が同一レベルにあるため、構造が極めてシンプル化し、製作コストを低減できる。
3.ストッパーピン1本でハンドルの回転規制とハンドルロックを行うことができるため、部品点数が少なくなり、この分部品コストを削減することができると共に組み立てが簡単となり、よって製作コストの低減が可能である。
【出願人】 【識別番号】000114156
【氏名又は名称】ミツワガス機器株式会社
【出願日】 平成11年5月21日(1999.5.21)
【代理人】 【識別番号】100067091
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 弘
【公開番号】 特開2000−329251(P2000−329251A)
【公開日】 平成12年11月30日(2000.11.30)
【出願番号】 特願平11−142031