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【発明の名称】 緊急遮断弁の重力式遮断作動装置
【発明者】 【氏名】広田 源昭

【要約】 【課題】ロック位置からの脱出を、スプリングで補助するようにして、緊急遮断弁を弁室のフロアに直接設置できるようにする。

【解決手段】緊急遮断弁の弁軸2にウェイトレバー3を一体回動するように設ける。ウェイトレバー3は屈曲させて、その先端にウェイト4を取付ける。ウェイト上昇位置で、ウェイトレバー3をロック機構5で係止保持する。ウェイトレバー3にダンパ用油圧シリンダ6を連結する。シリンダ6内にスプリング11を設けて、収縮位置のピストン8を、スプリング11で押出方向に付勢する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁棒と一体回動するように設けられたウェイトレバーと、ウェイトレバーの先端に取付けられたウェイトと、ウェイト上昇位置でウェイトレバーの回動を係止保持する、係脱自在なロック機構と、ウェイトレバーに連結された油圧シリンダとからなり、油圧シリンダはウェイトレバーの回動速度を規制するダンパ機能を果たすと共に、シリンダの内部にはスプリングが設けられていて、ロック解除された時にピストンを押し、ウェイトレバーがロック位置から脱出する際の補助機能を果たすようになっている緊急遮断弁の重力式遮断作動装置。
【請求項2】 ウェイトレバーが屈曲していて、ウェイトがレバー軸線から偏心した位置に取付けられている請求項1記載の緊急遮断弁の重力式遮断作動装置。
【請求項3】 ロック機構は、電磁ソレノイドで回動操作されるロックレバーを、ウェイトレバーに引掛けて、係止保持するようになっている請求項1記載の緊急遮断弁の重力式遮断作動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、地震や地滑りなどの災害の影響で、水道管路などが破損して、貯水池の水が流出するなどの被害を最小限に抑える為の緊急遮断弁に関し、更に詳述すれば、この弁に用いられる、ウェイトの自重によって弁を自動的に遮断作動させる為の装置の改良に係る。
【0002】
【従来の技術】緊急時に、電力、油圧、空気圧などの他の駆動源を用いずに、ウェイトの重力という自力だけで、弁を遮断作動させるようになった緊急遮断弁は、従来から広く実施されている。この遮断作動装置の一般的な構成は、回動レバーの先端にウェイトを付け、平常時は、ウェイト上昇位置でロックしておき、緊急時には電磁ソレノイド方式などでロックを解除し、ウェイトの自重降下によって、バタフライ弁などからなる緊急遮断弁の弁棒を回動させて、閉弁させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の緊急遮断弁は、主に水道用バタフライ弁の規格に準拠して製作されていて、装置下端から弁棒軸心までの高さが低い。この為、通常の長さのウェイトレバーを用いた場合には、ウェイトレバーが90゜回動して、ウエィトが降下した時にフロア面と衝突することになる。従って、従来はフロア上に先ず弁設置用のベースを設けて、このベース上に緊急遮断弁を据付けており、弁設置の面で問題があった。もっとも、ウェイトレバーの長さを短くすれば、この問題は解消できるが、この場合には、ウェイトの重量を大きくしなければならず、実用的ではない。
【0004】本発明はこのような点に鑑み、緊急遮断弁を弁室のフロアに直接設置可能にする重力式遮断作動装置を提供するにある。また、本発明は、緊急時にウェイトがロック位置から確実に脱出して降下する、緊急遮断弁の重力式遮断作動装置を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の緊急遮断弁の重力式遮断作動装置の技術的手段は、弁棒と一体回動するように設けられたウェイトレバーと、ウェイトレバーの先端に取付けられたウェイトと、ウェイト上昇位置でウェイトレバーの回動を係止保持する、係脱自在なロック機構と、ウェイトレバーに連結された油圧シリンダとからなり、油圧シリンダはウェイトレバーの回動速度を規制するダンパ機能を果たすと共に、シリンダの内部にはスプリングが設けられていて、ロック解除された時にピストンを押し、ウェイトレバーがロック位置から脱出する際の補助機能を果たすようになっていることにある。
【0006】また、ウェイトレバーを屈曲させて、ウェイトを、レバー軸線から偏心した位置に取付けるようにしてもよい。更に、ロック機構として、電磁ソレノイドで回動操作されるロックレバーを、ウェイトレバーに引掛けて、係止保持するようにしてもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の緊急遮断弁の重力式遮断作動装置の実施の形態を図面の実施例に基づいて説明する。図1は遮断作動を段階的に示したものである。図中、1は装置本体で、要部はバタフライ弁であり、2はその弁棒である。3はウェイトレバーで、弁棒2に一体回動するように取付けられている。このレバー3は先端部で屈曲していて、この屈曲端にウェイト4が取付けられている。即ち、ウェイト4はレバー3の長手方向の軸線上に位置するのではなく、軸線から偏心した位置に付いている。
【0008】5はロックレバーで、先端に爪が付いていて、ウェイトレバー3の後端と係合し、ウェイト上昇位置で係止保持する。このロックレバー5の後端は、電磁ソレノイド(図示せず)に連結されていて、緊急時にはソレノイドの作動でレバー5が回動し、ウェイトレバー3との係合が外れて、ロックが解除される。この結果、ウェイト3の自重によって、レバー3は回動し、かつ、これと一体に弁棒2が90゜回動して、弁が閉じる。
【0009】6は主としてダンパ機能を果たす油圧シリンダで、装置本体1に回動自在に取付けられていて、そのロッド7の先端はウェイトレバー3の中ほどに連結されている。このシリンダ6の内部構造の詳細は図2に示されている。8はロッド端と一体になったピストンであり、またシリンダ6内にはオイルが充満されていて、ピストン8が移動すると、オイルは外部流路9を通って前後両室間を移動する。外部流路9の流通量は調節弁10で制御でき、ピストン8の移動速度、即ち、ウェイトの降下速度の調節が可能である。
【0010】また、シリンダ6内にはスプリング11が収容されている。12、13はスプリングの両端と接触する座体である。基端側の座体12は、シリンダ6後部に嵌め込まれた内筒14の先端に固着され、更に、内筒14の後端は、シリンダ端部金具のネジ体15に固着されているので、ネジ体15の回転によって内筒14と座体12とを移動させ、ロックセット時のスプリング11のたわみ量を調節できる。また、先端側の座体13はスプリング11の押出力を受けて、シリンダ6内を移動する。なお、両座体12、13間にはストッパーボルト16が取付けられているので、座体13の最大移動量はこれによって規制される。
【0011】次に、前記装置の作動について説明する。図1(a)は、ロック状態で、ウェイト4は上昇位置にあり、ロックレバー5がウェイトレバー3の後端に係合している。これが平常状態で、遮断弁は全開である。この時、シリンダ6は図2(a)の状態にあり、スプリング11は収縮状態で、ピストン8にはスプリング11による押出方向の付勢力が働いている。なお、図示の実施例では、このロック状態でのウェイト4の水平角度が72.35゜と高く、この結果、この位置でロックが解除されても、ウェイト4の自重だけでは、レバー5の回動は起こらない。
【0012】そこでスプリング11が作用する。即ち、図2(a)に示されるように、ロック位置では、スプリング11の押出力がピストン8に働いているので、ロックが解除されると、このスプリング11の力によってピストン8が図2(b)の位置まで押され、ロッド7が伸び出す。このロッド7の伸び出しは、ウェイトレバー3に作用し、レバー3は図1(b)の位置まで回動させられる。この位置でのウェイト4の水平角度は、図示例では55.78゜であり、この角度ではウェイト4の自重によってレバー3の回動が起る。
【0013】このようにして、ウェイト4の自重によって、レバー3は回動し、図2(c)の位置に至る。この時の、図示例におけるウェイト4の水平角度は−17.65゜である。この際の回動速度は、シリンダ6のダンバ作用によるスピード規制を受けるので、ゆっくりである。このようにウェイト4はロック位置から総量で90゜回動する。この回動は弁棒2に伝わり、緊急遮断弁は全閉する。なお、図1(c)に示されるように、ウェイト4は、最降下位置でも、フロア面Lに衝突しないので、装置本体1はフロア面に直接設置可能であり、従来のように設置用ベースを設ける必要がない。また、ウェイト4の復帰は手動などで行い、上昇位置でロックレバー5を引掛けて、ロック状態に戻す。
【0014】本発明は前記の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の範囲内で自由に変形実施可能である。特に、ウェイトレバー3の形状、ウェイト4の取付位置及び昇降範囲、ロック機構5の構造、油圧シリンダ6の内部構造などは自由である。
【0015】
【発明の効果】本発明の緊急遮断弁の重力式遮断作動装置は、シリンダに内蔵したスプリングによって、ロック解除時にピストンを一定量押し出し、ウェイトレバーを、自重による回動力が作用する位置まで回動させるので、ロック時の水平角度が大きい場合でも、確実に脱出させることができ、この結果、最降下位置でもウェイトがフロア面に衝突しなくなり、緊急遮断弁の据付時に従来のような設置用ベースを設ける必要がなくて、実用上、極めて有益である。また、本発明は油圧シリンダ内にスプリングを内蔵させるだけだから、構造が簡単で、従来装置とほとんど変わらないコストで製造可能である。
【0016】請求項2のものは、ウェイトレバーを屈曲させたため、ロック時の水平角度を小さく設計でき、脱出をより確実に行わせることが可能となる。
【0017】請求項3のものは、ロック機構の構成が簡単となり、ロックの係脱作動を確実に行わせることができる。
【出願人】 【識別番号】000147291
【氏名又は名称】株式会社清水合金製作所
【出願日】 平成11年5月20日(1999.5.20)
【代理人】 【識別番号】100076495
【弁理士】
【氏名又は名称】竹田 明弘
【公開番号】 特開2000−329249(P2000−329249A)
【公開日】 平成12年11月30日(2000.11.30)
【出願番号】 特願平11−139553