| 【発明の名称】 |
蒸散バルブのパイプ抜け止め構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】久保田 賢一
【氏名】高橋 潤
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| 【要約】 |
【課題】蒸散バルブの下側に鉛直にパイプを取り付ける場合でもパイプが抜けないようにする。
【解決手段】ストッパ部材52の内側部材54の直径が拡大可能な多数の腕部62の内壁に同一円周方向に溝64を形成し、パイプには、先端付近に外径が大きいバルジ部を設ける。連結部材32の内部空間内にOリング76を装着した後、内側部材の一部を連結部材の内壁に嵌合すると共に、ストッパ部材の外側部材56の係合爪66を内側部材の第一谷部46に係合して連結部材から外れないようにする。係合爪が第一谷部に係合した状態では、多数の腕部は、連結部材の内壁に未だ嵌合しない状態とし、この状態において、パイプを多数の腕部によって形成される間欠円筒状の中に挿入し、バルジ部を腕部の溝に嵌合させる。その後、パイプを押して腕部を連結部材の内壁に嵌合させると共に、係合爪を第二谷部48に係合させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウジングと、そのハウジング内に形成されるガス抜き通路とを有する蒸散バルブにおいて、前記ハウジングに固定するものであって外壁に第一係合手段を形成すると共に内部空間を前記ガス抜き通路と連絡する筒状の連結部材と、その筒状の連結部材の内壁と外壁が嵌合するための筒状の内部部材と前記第一係合手段と2つの段階で係合する第二係合手段とを有するストッパ部材と、前記内側部材の一部に形成されるものであって直径が拡大可能な筒形状を形成する可変部材と、その可変部材の軸方向の途中位置の内壁に同一円周方向に形成される溝と、蒸散バルブ同士を連結するためのパイプと、そのパイプの先端付近に形成される径大のバルジ部とを有し、前記内側部材のうちの前記可変部材以外の箇所を前記連結部材の筒状の内壁に嵌合すると共に前記第一係合手段と前記第二係合手段とに第一段の係合を行わせ、その後前記パイプを前記可変部材の筒形状の内部に挿入して前記パイプの前記バルジ部を前記可変部材の前記溝に嵌合し、その後前記パイプと共に前記ストッパ部材を前記連結部材に対して移動させて前記可変部材を前記連結部材の内壁に嵌合させると共に前記第一係合手段と前記第二係合手段とに第二段の係合を行わせるようにしたことを特徴とする蒸散バルブのパイプ抜け止め構造。 【請求項2】 前記連結部材が、前記ハウジングと別体に構成された固定手段で前記ハウジングに固定されるか、あるいは前記ハウジングに一体に形成されることを特徴とする請求項1記載の蒸散バルブのパイプ抜け止め構造。 【請求項3】 前記可変部材が平行な多数の腕と各腕の間に形成されるスリットから成ることを特徴とする請求項1乃至2記載の蒸散バルブのパイプ抜け止め構造。 【請求項4】 前記第一係合手段と前記第二係合手段とが第一段の係合を行った場合や第二段の係合を行った場合に、前記ストップ部材に元に戻す方向の外力が働いてもその係合が外れないようにしたことを特徴とする請求項1乃至3記載の蒸散バルブのパイプ抜け止め構造。 【請求項5】 前記第一係合手段が前記連結部材の外壁に軸方向に順に形成される第一山部と第一谷部と第二山部と第二谷部とから成り、前記第二係合手段が係合爪としたことを特徴とする請求項4記載の蒸散バルブのパイプ抜け止め構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、蒸散バルブ同士を連絡するパイプが抜けるのを防止する蒸散バルブのパイプ抜け止め構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、燃料タンク内の蒸気を外部に排出すると共に燃料タンク内の燃料が外部に流出するのを防止するための蒸散バルブが用いられている。この蒸散バルブは、従来は燃料タンクの外部に設置されていたが、衝突安全性や小型化の観点から、燃料タンクの内部に設置される傾向にある。従来の燃料タンクの内部に蒸散バルブを複数個備える場合には、各蒸散バルブは燃料タンクの内壁にブラケットで固定され、蒸散バルブ同士を接続するパイプは蒸散バルブに対して真横に取り付けられていた。このため、接続パイプの抜ける心配は殆ど無く、抜け強度については問題が無かった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近は燃料タンクの上面が複雑な形状になりつつあり、接続パイプを真横に取り付けられない場合も生じていた。更に、基になる2ウェイバルブを有する蒸散バルブにおいては、その下側に鉛直下方に接続パイプを取り付ける場合がある。このため、従来のような横方向に取り付けるパイプの構造では、パイプが下方へ抜けるおそれがあった。パイプが下方へ抜けるおそれがある場合には、支持ブラケットを用いてパイプを燃料タンクに固定しなければならなかった。 【0004】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、パイプの抜け強度を強くして、蒸散バルブの下側に鉛直方向にパイプを取り付ける場合でもパイプが抜けないようにした蒸散バルブのパイプ抜け止め構造を提供することを目的とするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明の蒸散バルブは、ハウジングと、そのハウジング内に形成されるガス抜き通路とを有する蒸散バルブにおいて、前記ハウジングに固定するものであって外壁に第一係合手段を形成すると共に内部空間を前記ガス抜き通路と連絡する筒状の連結部材と、その筒状の連結部材の内壁と外壁が嵌合するための筒状の内部部材と前記第一係合手段と2つの段階で係合する第二係合手段とを有するストッパ部材と、前記内側部材の一部に形成されるものであって直径が拡大可能な筒形状を形成する可変部材と、その可変部材の軸方向の途中位置の内壁に同一円周方向に形成される溝と、蒸散バルブ同士を連結するためのパイプと、そのパイプの先端付近に形成される径大のバルジ部とを有し、前記内側部材のうちの前記可変部材以外の箇所を前記連結部材の筒状の内壁に嵌合すると共に前記第一係合手段と前記第二係合手段とに第一段の係合を行わせ、その後前記パイプを前記可変部材の筒形状の内部に挿入して前記パイプの前記バルジ部を前記可変部材の前記溝に嵌合し、その後前記パイプと共に前記ストッパ部材を前記連結部材に対して移動させて前記可変部材を前記連結部材の内壁に嵌合させると共に前記第一係合手段と前記第二係合手段とに第二段の係合を行わせるようにしたものである。 【0006】 【発明の実施の形態】次に本発明を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る蒸散バルブのパイプ抜け止め構造の一実施形態を示す断面図、図2は図1の要部分解斜視図である。図1に示すように、蒸散バルブ10は、ハウジング12と、そのハウジング12内の下方に形成される空間14と、ハウジング12内の上方に形成されるものであって外部に開口するガス抜き通路16と、ハウジング12に形成されるものであって空間14の上部とハウジング12の外部とを連絡するガス導入孔18と、空間14内を上下に移動可能なフロート20と、そのフロート20を上方に付勢するためのスプリング22と、フロート20の上面中央に形成された弁部24と、空間14とガス抜き通路16とを区画するための隔壁26と、その隔壁26の空間14側に形成された弁座28と、弁座28の中央位置に形成され空間14とガス抜き通路16とを連絡する連絡通路30とを有する。 【0007】これらの構成から成る蒸散バルブ10は従来既知のものであり、ハウジング12の内部に燃料が流入しないでフロート20が下方に位置している時には、燃料ガスをガス抜き通路16へ排出し、ハウジング12の空間14の内部に燃料が流入してフロート20が浮上すると、弁部24が弁座28を閉じてガス抜き通路16への燃料の流出を防止する。 【0008】ガス抜き通路16の開口部には、ハウジング12とは別体で筒状の連結部材32が溶着等の既知の固定方法や固定手段で固定される。この筒状の連結部材32の内部には、前記ガス抜き通路16と連絡するための内部空間34が形成されている。この内部空間34におけるガス抜き通路16と連絡する側の端部には、内壁より内部空間34の内部に向けて張り出した停止壁36が形成され、この停止壁36の中央にガス抜き通路16と内部空間34とを連絡する穴38が形成される。内部空間34の軸方向の途中には段差40が形成されている。その段差40は、その位置のの前後では、停止壁36側の内壁の内径が相対的に小さくなるよう設定されている。 【0009】連結部材32の外壁には、停止壁36より遠い側に第一山部42が形成され、その第一山部42よりは停止壁36に近い側に第二山部44が形成されている。第一山部42と第二山部44との間には第一谷部46が形成され、第二山部44を挟んで第一谷部46と反対側には第二谷部48が形成されている。第一山部42と第二山部44と第一谷部46と第二谷部48は第一係合手段であり、この第一係合手段は図1や図2に示すように上下に2箇所形成されているが、連結部材32の外壁の周囲全体に形成しても良い。なお、第一係合手段はこの形状に限定されるものではない。 【0010】前述の説明では、筒状の連結部材32をハウジング10と別体で構成したが、連結部材32をハウジング10と一体に形成しても良い。連結部材32をハウジング10と一体に形成したものを、図1で連結部材50として示す。この連結部材50は前記連結部材32と同じ構成であり、連結部材32の停止壁36をハウジング10と一体に形成した点のみが相違するものである。即ち、連結部材50は、内部に内部空間34を形成し、その内部空間34とガス抜き通路16との隔壁として停止壁36を有し、この停止壁36の中央にガス抜き通路16と内部空間34とを連絡する穴38を有する。内部空間34の軸方向の途中の内壁には段差40を形成する。筒状の連結部材50の外壁には、順に第一山部42と第一谷部46と第二山部44と第二谷部48とを形成する。 【0011】本発明では、連結部材32や連結部材50とは別体であってそれらに取り付けるためのストッパ部材52を用いる。ストッパ部材52は、筒状の連結部材32や連結部材50の内壁にその外壁が嵌合するための内側部材54と、筒状の連結部材32や連結部材50の外壁に位置する2個以上の外側部材56と、それら内側部材54の一端と外側部材56の一端とを連結する接続部58とから成る。筒状の内側部材54の外壁は、連絡部材32の内壁と嵌合するよう設定されている。内側部材54は、接続部58に遠い位置では円周方向に連結し、接続部58に近い位置では円周方向に連結しないものとする。即ち、内側部材54において軸方向途中位置から接続部58の位置にかけて、軸方向に多数のスリット60を形成し、それらスリット60同士の間に腕部62を形成する。 【0012】内側部材54の多数の腕部62のうち、1個または2個の腕部62と接続部58とを一体に形成する。内側部材54における接続部58側は、多数のスリット60と多数の腕部62とから形成されているので、多数の腕部62で形成される円筒部は間欠円筒状となり、外力によって内径の拡大が可能となる。スリット60と腕部62とでその外形が変化するので、それらを合わせて可変部材を形成する。各腕部62の軸方向の途中位置の内壁に、同一円周方向に溝64を形成する。 【0013】外側部材56において接続部58の反対側は自由端となっており、その自由端は内側部材54の端を越えてその外側まで伸びている。内側部材54の端を越えた位置における外側部材56の内側の壁面には、第一谷部46や第二谷部48と係合するための第二係合手段としての係合爪66が一体に形成されている。第二係合手段の構造は係合爪66に限るものではない。外側部材56において、その軸方向の途中から接続部58の位置まで、内側部材54のスリット60と同方向のスリット68(図2)が形成されている。 【0014】蒸散バルブ10同士を接続するパイプ70には、その先端付近に径大のバルジ部72を形成する。このバルジ部72の外径は、内側部材54の多数の腕部62によって形成される間欠円筒状の内壁の内径より大きいものに設定する。また、多数の腕部62に形成される間欠円筒状の溝64の内径は、パイプ70のバルジ部72が溝64に丁度嵌合する大きさに設定してある。 【0015】次に、本発明の組み立てについて順に説明する。ハウジング12と連結部材32とが別体の場合に、連結部材32をガス抜き通路16の開口部に溶着等の既知の固定手段で固定する。あるいは、連結部材32に代えて連結部材50をハウジング12に一体に形成する。ハウジング12に連結部材32や連結部材50が固定された状態においては、連結部材32や連結部材50の内部空間34は、ガス抜き通路16と連絡している。この状態において、図3に示すように、治具74を用いて、Oリング76を連結部材32や連結部材50の内部空間34内に装着する。Oリング76は段差40に接触する位置に収納される(図4参照)。即ち、段差40によってOリング76のそれ以上の侵入を阻止する。 【0016】その後、外側部材56の自由端側から、ストッパ部材52を連結部材32や連結部材50に取り付ける。この際、ストッパ部材52における内側部材54の外壁を連絡部材32の内壁と嵌合させる。ストッパ部材52を連結部材32や連結部材50に向けて押し込むと、外側部材56の自由端付近の内側に位置する係合爪66は、連結部材の第一山部42に接触してそこを越え、その後第一谷部46に係合する(図5)。第一谷部46に係合爪66が係合した状態においては、ストッパ部材52を引き抜こうとしても、ストッパ部材52は引き抜かれないよう設定する。しかし、ストッパ部材52にそれを押し込む方向の力を加えると、ストッパ部材52の係合爪66は第二山部44を越えることができるよう設定する。 【0017】図5に示したように、外側部材56の係合爪66が連結部材の第一谷部46に係合した状態では、内側部材54において円周方向に連絡している箇所の外壁のみが、連結部材32や連結部材50の内壁に浅く嵌合するよう仮組み付けする。外側部材56の係合爪66が連結部材の第一谷部46に係合した状態で、蒸散バルブ10を部品メーカーから自動車等の組み立てメーカーに納入する。 【0018】組み立てメーカーでは、図5の状態から、先端付近にバルジ部72を形成したパイプ70をストッパ部材52の内側部材54の内部空間に挿入する。パイプ70のバルジ部72の外径は、多数の腕部62によって形成される円筒状の内径より大きく設定してあるが、各腕部62同士の間にはスリット60が形成してあり、しかも図5に示すように腕部62は連絡部材32の内壁に嵌合していないので、パイプ70を内側部材54の内部空間に挿入すると、バルジ部72が多数の腕部62を広げながらパイプ70は挿入される。バルジ部72が腕部62に形成された溝64に達した際に、バルジ部72は溝64と嵌合し、パイプ70の挿入は停止する。この状態においては、余程の外力を加えない限り、パイプ70のバルジ部72は内側部材54の腕部62の溝64と離れることはない。即ち、パイプ70と内側部材54の腕部62とは仮固定の状態となる。 【0019】その後、更にパイプ70を挿入すれば、パイプ70と内側部材54(ストッパ部材52)とは仮固定の状態であるので、パイプ70とストッパ部材52とが一体になって連結部材32の停止壁36側に向けて移動する。この移動によって、ストッパ部材52の係合爪66は第二山部44を越えて第二谷部48に嵌合する(図6)。この際に、パイプ70の先端はOリング76を貫通する。第二谷部48に係合爪66が係合した状態においては、パイプ70の先端が停止壁36に丁度接触するように設定するのが望ましく、パイプ70をそれ以上挿入方向に押してもパイプ70は挿入方向に移動しないようにする。第二谷部48に係合爪66が係合した状態においては、ストッパ部材52を引き抜こうとしても、第二谷部48と係合爪66との係合が外れることがないよう設定する。よって、ストッパ部材52に外力が働いても、ストッパ部材52は連結部材32から引き抜かれることはない。 【0020】ストッパ部材52の係合爪66を連結部材32の第二谷部48に係合した状態においては、内側部材54の腕部62の外壁は連絡部材32の内壁と嵌合する。これによって、腕部62が外側に開くことがなくなるので、パイプ70のバルジ部72が内側部材54の腕部62の溝64に嵌合した状態が堅持され、パイプ70にストッパ部材52から引き抜く力が働いても、パイプ70が引き抜かれることはない。また、連結部材32の段差40と内側部材54の進行先端側の端面とで、Oリング76を挟む。このように、ストッパ部材52の係合爪66を連結部材32の第二谷部48に係合した状態においては、ストッパ部材52はハウジング12に固定した状態にある連結部材32から引き抜かれることがなく、しかもパイプ70がストッパ部材52から引き抜かれることがない。従って、パイプ70は蒸散バルブ10のハウジング12から外れることはない。 【0021】 【発明の効果】以上のように、本発明に係わる蒸散バルブのパイプ抜け止め構造によれば、ハウジングと固定状態にある連結部材とパイプとを、ストッパ部材を介して取り付ける。このストッパ部材は連結部材から引き抜かれないようにすると共に、そのストッパ部材に取り付けたパイプをストッパ部材から引き抜かれないようにすることによって、パイプを蒸散バルブから外れないようにする。この結果、パイプの取り付け位置が蒸散バルブの鉛直下方であっても、パイプが外れることはない。また、パイプが蒸散バルブから外れる心配がなくなるので、蒸散バルブの鉛直下方に配置する場合でも,パイプを保持するための支持ブラケットを用いなくても済み経済的である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390035699 【氏名又は名称】株式会社ミクニアデック
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| 【出願日】 |
平成11年5月17日(1999.5.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100084353 【弁理士】 【氏名又は名称】八嶋 敬市
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| 【公開番号】 |
特開2000−329246(P2000−329246A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月30日(2000.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願平11−135663 |
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