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【発明の名称】 吸気弁
【発明者】 【氏名】能村 昭

【氏名】霜田 直志

【氏名】武田 邦雄

【要約】 【課題】弁体と弁座との密閉性に優れ、吸気口から臭気が漏出しない吸気弁を提供する。

【解決手段】弁本体7の弁室6の底面部10に排水管路に連通する開口部13を形成する。外気を吸収する吸気口14を弁室6の底面部10に形成する。吸気口14の周縁に沿って弁座15を形成する。吸気口14の開口方向に沿って進退自在に弁体8を取り付ける。パッキング9を弁体8の下端面32から離間して弁体8の同軸上に取り付ける。パッキング9は、弁座15に離接して吸気口14を開閉し、吸気口14の閉位置で下面側の当接面33が弁座15に密接する。パッキング9の当接面33と弁座15との密閉性を十分に確保できる。パッキング9は弁座15に多少の凹凸があっても十分な密閉性を確保できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁室、この弁室の底面部に形成され排水管路に連通される開口部、前記弁室の底面部に少なくとも一つ以上開口されて設けられた外気を吸引する吸気口、およびこの吸気口の周縁に沿ってそれぞれ形成された弁座を備えた弁本体と、前記吸気口の開口方向に沿って進退自在に取り付けられた弁体と、前記弁体の下端面から離間されて前記弁体に同軸上に取り付けられ、前記弁本体の弁座に接離して前記各吸気口を開閉し、かつ前記吸気口の閉位置で下面側の当接面が前記弁座に密接するパッキングとを具備することを特徴とした吸気弁。
【請求項2】 弁本体の吸気口は、この弁本体の開口部の中心部を中心とする対称な位置に複数形成されていることを特徴とした請求項1記載の吸気弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中高層の建物に配設された排水管路の内部が負圧状態になったとき、排水管路の内部に外気を吸引して負圧状態を解消し、排水管路に接続したトラップの封水破壊が生じないように排水管路を外気に連通させる吸気弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、中高層の建物に配管された屋内の排水管路には、便器、流し台および風呂などの排水設備が接続されている。また、前記排水管路の下流側には、屋外の排水管が接続されている。さらに、この排水管の下流側は、排水横主管を経て道路などに埋設されている下水本管に合流している。そして、この下水本管の内部などには不快な臭気が漂っており、この不快な臭気が排水管路を上昇してくるため、この臭気が部屋の内部に漏出しないように各排水設備にはトラップが付設されている。
【0003】だが、排水管路に排水が急激に流れると、部分的に排水管路内が満管状態となり、満管状態の上流側が外気圧よりも減圧された状態、すなわち負圧状態となるので、上流側の空気を吸引する際に排水設備のトラップの封水が吸引されてしまい、排水管路内などに漂っている臭気が部屋内に漏出してしまう。
【0004】そのため、トラップの封水破壊の現象を防止するために、建物の各排水設備が接続されている屋内の各排水横枝管を連通させた排水縦管の伸頂通気管から管内の圧力を外気に開放し、排水管路の満管時に生じる負圧状態を解消する通気方式が採られている。
【0005】しかしながら、この通気方式では、排水管路の排水の流れが途絶えると、伸頂通気管の上端側の開口部から下水本管などに漂う臭気が放出してしまうという問題が生じていた。
【0006】そこで、実用新案登録第2578451号公報に記載されている吸気弁が知られている。この吸気弁を屋内の排水縦管の伸頂通気管の上端側の開口部に取り付け、排水管路の途中が満管状態になると、その上流側が負圧となって排水管路内の気圧と外気圧との差圧によって吸気弁が開いて外気が排水管路内に吸引されて負圧状態が解消され、そして、この負圧状態が解消されることによって弁体の自重にて吸気弁の吸気口が閉じ、臭気が排水管路の外部に漏出しない方式が採られている。
【0007】この実用新案登録第2578451号公報に記載の吸気弁は、弁本体の弁室の底面部に形成した排水管路に連通される開口部の外周縁に沿ってこの開口部の同心上に環状の吸気口が開口され、この吸気口の内周縁および外周縁に同心円状の二重の環状の弁座が形成され、さらに、弁座に内外周縁が接離して吸気口を開閉する弾性を有する素材で成形された環状の弁体が弁本体の弁室内に設けられ、この弁体は、常時、弁座の内外周縁に接触して吸気口を閉塞しているが、排水管路内が負圧状態になると、弁体が負圧により吸引されて浮上して吸気口を開き外気を排水管路内に吸引し、そして、排水管路内の負圧状態が解消されると、弁体が弁座の内外周縁に自重で接触して吸気口を閉塞して、排水管路の内部の臭気を外部に漏出しないようにした構成が採られている。
【0008】しかしながら、排水管路内が外気圧と同圧の際には、臭気の漏出を防止するため吸気口が完全に閉塞される必要があるが、上記実用新案登録第2578451号公報に記載の吸気弁では、弁体が接触する弁座が弁本体の開口部の周縁に沿った二重の環状に形成されており、また弁座の周長も長いため、弁体と弁座との密閉性を確保しにくく、さらには、弁体が弾性を有する素材で成形されているが、弁座に接離して吸気口を開閉するという弁体としての機能を果たす必要があるため、ある程度の剛性を有するように形成する必要があるので、この弁体が弁座に接触する際の密閉性を十分に確保しにくいという問題を有していた。
【0009】さらに、特許第2866833号公報に記載されている吸気弁も知られている。この吸気弁は、弁本体の底面部に形成された略円形の吸気口の周縁に形成された略円環状の弁座に接離して吸気口を開閉し、かつ吸気口に進退自在に取り付けられた略円板状の弁体が、ゴムなどの弾性を有する素材にて成形されている。そして、この弁体は、常時吸気口を閉塞し、排水管路内が負圧状態になった場合のみ、弁体が吸引されて浮上して吸気口が開かれ外気を排水管路内に吸引して負圧状態を解消する。また弁体は、この負圧状態が解消されると自重によて吸気口を閉塞して、臭気の漏れを防止する構成が採られている。
【0010】しかしながら、上記特許第2866833号公報に記載の構成の吸気弁は、弁座が略円環状に形成され、かつ弁体が略円板状に形成されているので、弁座に対する弁体の密閉性を確保し易い構成であるが、弁体と弁座との密閉性を確保するために弁体が弾性を有する素材で成形されているため、弁体は弁座に接離して吸気口を開閉する機能を果たす必要があるので、ある程度の剛性を有するように形成する必要がある。その結果、この弁体は、弁座に接触する際の密閉性を十分に確保することが困難であるという問題を有していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、実用新案登録第2578451号公報に記載の吸気弁、および特許第2866833号公報に記載の吸気弁は、弁体自体が弾性を有する素材で成形されているため、弁体と弁座との密閉性を十分に確保することが難しく、弁体と弁座との当接の際に形成される間隙から下水本管などに漂う不快な臭気が漏出してしまうという不都合が生じていた。
【0012】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、弁体と弁座との密閉性に優れ、吸気口から臭気が漏出することのない吸気弁を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の吸気弁は、弁室、この弁室の底面部に形成され排水管路に連通される開口部、前記弁室の底面部に少なくとも一つ以上開口されて設けられた外気を吸引する吸気口、およびこの吸気口の周縁に沿ってそれぞれ形成された弁座を備えた弁本体と、前記吸気口の開口方向に沿って進退自在に取り付けられた弁体と、前記弁体の下端面から離間されて前記弁体に同軸上に取り付けられ、前記弁本体の弁座に接離して前記各吸気口を開閉し、かつ前記吸気口の閉位置で下面側の当接面が前記弁座に密接するパッキングとを具備するものである。
【0014】そして、弁本体の弁座に接離して各吸気口を開閉するパッキングが弁体に取り付けられているため、弁体とパッキングとが一体に進退し、かつパッキングが弁体の下端面から離間されて弁体の同軸上の位置に取り付けられているため、パッキングが弁座に当接している際においてもパッキングが弁体の下端面に接触することはななく、すなわちパッキングと弁体の下端面との間には常に間隙が形成されているので、パッキング自体の弾性が十分に発揮される。このため、排水管路の内部が負圧状態でない場合には、弁体およびパッキングの自重にてパッキングの当接面が弁座に当接するが、この弁体およびパッキングの自重によるパッキングの弾性変形によってパッキングと弁座との密着性が十分に確保されるので、各吸気口からの臭気の漏出が防止される。
【0015】さらには、弁座の当接部分に多少の凹凸が形成されている場合などにおいても、弁体の下端面から離間されてパッキングが弁体に取り付けられており、このパッキングは弁座に当接する際、パッキングと弁体の下端面とが接触しないので、パッキング自体の弾性変形によって、多少の凹凸が形成されている弁座に対しても十分な密閉性が確保される。
【0016】請求項2記載の吸気弁は、請求項1記載の吸気弁において、弁本体の吸気口は、この弁本体の開口部の中心部を中心とする対称な位置に複数形成されているものである。
【0017】そして、弁本体の開口部の中心部を中心として弁室の底面部に吸気口が複数形成されているので、排水管路の内部が外気圧よりも負圧状態になった際には、複数の吸気口から外気が迅速に吸引され、また、それぞれの吸気口に取り付けられている弁体の一つが破損して機能しない場合であっても、他の吸気口に取り付けられている弁体が機能するため、メンテナンスサイクルが延長されて取扱いが容易になる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の吸気弁の実施の一形態の構成を図面を参照して説明する。
【0019】図1ないし図7において、1は吸気弁で、例えば、図7に示すように、便器、風呂場および洗面所などのそれぞれの排水設備2の排水管路3の上端開口部4に、ソケット5などを介して取り付けられている。また、この吸気弁1は、内部に弁室6が形成された弁本体7と、この弁本体7に進退自在に取り付けられた弁体8と、この弁体8の同軸上に取り付けられたパッキング9とにて構成されている。
【0020】そして、前記弁本体7は、前記弁室6の底面部10を形成する略平板矩形状に成形された基板部材11と、この基板部材11に嵌合される下面を開口した略矩形箱状に成形されたカバー部材12とにて構成されている。また、前記基板部材11およびカバー部材12は、塩化ビニール樹脂などの合成繊維にて成形されている。
【0021】また、前記弁本体7の弁室6には、前記排水管路3の上端開口部4に連通される開口部13と、外気を吸引する吸気口14と、この吸気口14の周縁に沿った弁座15とが形成されている。
【0022】さらに、前記開口部13は、前記弁本体7の底面部10を形成する前記基板部材11の略中央部が略円形に開口されて形成されており、この開口部13には略円筒状の接続管部16が外方に向けて突設されている。また、この接続管部16は、前記排水管路3の上端開口部4に前記ソケット5などを介して接合されるように形成されている。
【0023】そして、前記吸気口14は、図1および図3に示すように、前記弁室6の底面部10が略円形に開口されて形成されているとともに、前記開口部13の中心部を中心とする対称な位置にそれぞれ形成されており、この開口部13の周囲に沿った各角隅部の例えば4箇所が並設開口されて前記弁本体7の基板部材11にそれぞれ設けられている。さらに、図1、図2および図4に示すように、前記各吸気口14の周縁には、この周縁に沿って内方に向けて突出する略円筒状の弁座基部17が形成されている。そして、この弁座基部17の上端部には、前記弁体8に取り付けられた前記パッキング9が接離する前記弁座15がそれぞれ形成されている。この弁座基部17の内周下部には、中心方向に向けて放射状に突出する支持片18が一体に複数形成されている。また、これら複数の支持片18の中心部には、上方に向けて突出する略円筒状の支持筒部19が一体に形成されている。
【0024】ここで、前記基板部材11の外周部には、凸状の嵌合凸縁20が全周に亘って一体に形成されている。また、前記カバー部材12の下部周縁部には、前記基板部材11の嵌合凸縁20に嵌合される凹状の嵌合縁部21が外側に拡幅される段部22を介して形成されている。そして、図1、図2、図4および図5に示すように、前記カバー部材12の嵌合縁部21は、前記基板部材11の嵌合凸縁20に嵌着され、この基板部材11とカバー部材12とにて覆設される空間にて前記弁室6が形成される。
【0025】次いで、前記弁体8は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、すなわちABS樹脂などに成形されており、図1ないし図4および図6に示すように、上面を中心部から周辺に向かって下方に向けて傾斜させた周面状の周面部23と、前記中心部を平坦にさせた略円形の平面部24とを備えた略截頭円錐形状の円錐部25を備えている。また、この円錐部25の平面部24の下面側の中心部には、下方に向けて垂直に突出する略円柱状の案内杆部26が形成されている。この案内杆部26は、前記吸気口14の支持筒部19に嵌挿されるように形成されている。さらに、前記平面部24の下面側には、前記パッキング9を取り付ける略円筒状の取付筒部27が形成されている。この取付筒部27は、前記案内杆部26を取り囲む位置であり、かつこの案内杆部26の同軸上に形成されている。また、この取付筒部27は肉盗みのために略円筒状に形成されている。
【0026】そして、前記パッキング9は、略中央部に取付孔28が開口された略平板円環状の円環部29と、この円環部29の上端面30に形成されかつ前記取付孔28の周縁に沿って突出する略円筒状の離間筒部31とを備えている。この離間筒部31は、前記弁体8の案内杆部26の先端側から挿入されて、前記弁体8の取付筒部27の外周部に取り付けられている。ここで、前記弁体8には取付筒部27が形成され、この取付筒部27に前記パッキング9が取り付けられているが、この取付筒部27を前記弁体8に形成せず、前記パッキング9が前記弁体8の案内杆部26の基端側に取り付けられる構成にすることもできる。さらに、前記パッキング9は、このパッキング9の円環部29の上端面30が前記弁体8の円錐部25の下端面32から離間されて前記弁体8の案内杆部26の同軸上に取り付けられている。
【0027】ここで、前記パッキング9が取り付けられた前記弁体8の案内杆部26は、前記基板部材11の吸気口14に臨ませられている前記支持筒部19に昇降自在に嵌挿されている。そして、この案内杆部26の案内による前記弁体8およびパッキング9の昇降にてこのパッキング9の円環部29の下面側の当接面33が前記弁座15に離反または接触するように構成されている。さらに、前記カバー部材12の上面内側には、前記弁体8の上昇範囲を規制する略円柱状のストッパ34が各弁体8の昇降位置に臨ませて固着されている。
【0028】さらに、前記吸気弁1は、図7に示すように、各階の便器、風呂場および洗面所などの各前記排水設備2が図示しないトラップを介して排水横枝管35に接続され、この各階の排水横枝管35は、それぞれの合流点36を経てそれぞれ排水縦管37に接続されている。また、この排水縦管37の上端側には、伸頂通気管38が接続され、この伸頂通気管38の前記上端開口部4に前記ソケット5などを介して前記弁本体7の前記接続管部16が接続されている。さらに、前記排水縦管37の下端側には、地中などに埋設されている排水横主管39を介して図示しない下水本管に接続されている。またここで、前記排水横枝管35、排水縦管37、伸頂通気管38および排水横主管39は、前記排水管路3に備えられている。
【0029】次に、上記実施の一形態の吸気弁の作用について説明する。
【0030】まず、図1に示すように、弁体8に取り付けられたパッキング9は、常時、弁体8およびパッキング9の自重により下降しており、パッキング9の当接面33が弁座15に密接して吸気口14を閉塞している。この状態では、排水管路3の内部の臭気が伸頂通気管38の上端開口部4から漏出しない。
【0031】また、排水設備2から急激に排水されると、排水設備2の排水横枝管35と排水縦管37との合流点36で乱流が起こり、排水管路3の排水縦管37が満管状態となり、この満管状態の部分より上流側が負圧状態となる。よって、弁本体7の開口部13に連通する弁室6の内部も負圧状態となるので、図2に示すように、外気圧と排水管路3の内部の気圧との差圧によって外気が各弁体8およびパッキング9を押し上げて各吸気口14を開口する。この際、各吸気口14から外気を吸引している。
【0032】そして、弁室6の内部に吸引された空気は、開口部13を通じ伸頂通気管38を通過し図7に示す排水縦管36に吸引されて排水管路3の内部の負圧状態を解消する。
【0033】このように、排水管路3の内部が負圧状態になっても各弁体8が機能して各吸気口14から外気を吸引するので、負圧状態が解消される。このため、排水設備3のトラップに常時貯溜されている封水が吸引されて封水破壊が生じることはない。
【0034】さらに、この負圧状態が解消されて排水管路3の内部が外気の吸引により通常の気圧に戻ると、弁体8の案内杆部26が支持筒部19に案内されて自重で下降し、各弁体8のパッキング9は、弁座15に当接して各吸気口14を閉塞する。この際、各弁体8それぞれに取り付けられたパッキング9の弾性によって各吸気口14が確実に密閉されて排水管路3の内部などに漂う不快な臭気が吸気口14から漏出することはない。
【0035】上述したように、上記実施の一形態では、パッキング9は、このパッキング9の離間筒部31の先端側から弁体8の案内杆部26の先端側が挿入されて、弁体8の取付筒部27の外周部にパッキング9の離間筒部31の内周部が当接して取り付けられている。結果的にパッキング9は、このパッキング9の上端面30が弁体8の下端面32から離間されて弁体8に取り付けられており、弁体8およびパッキング9の自重によってパッキング9の当接面33が弁座15に当接する際において弁体8の下端面32とパッキング9の上端面30との間には間隙が形成されており、かつパッキング9は常時弁体8に支持されているので、パッキング9の円環部29の剛性を考慮することなく、このパッキング9の円環部29に十分な弾性を持たせることができる。このため、弁座15に当接する際、弁体8およびパッキング9の自重によるパッキング9の円環部29の弾性変形によって、パッキング9の当接面33と弁座15との密閉性を十分に確保でき、吸気口14からの不快な臭気の漏出が防止できる。
【0036】さらには、パッキング9の円環部29が弁体8の下端面32から離間されて取り付けられているため、すなわち、弁体8の下端面32とパッキング9の上端面30との間に常時間隙が形成されているため、弁体8およびパッキング9の自重にて弁座15にパッキング9の当接面33が当接する際、パッキング9の円環部29の弾性変形によって、弁座15の平滑度が多少悪く、すなわち弁座15に多少の凹凸があってもパッキング9の円環部29は、弁座15に対して十分な密閉性を確保できる。
【0037】また、弁本体7の基板部材11の底面部10には、吸気口14が複数形成されているので、排水管路3の内部が外気圧よりも負圧な状態になった場合、複数の吸気口14から外気が迅速に吸引される。また、各吸気口14を開閉する弁体8のいずれかが作動不能になった場合においても、他の弁体8にて他の吸気口14が開口されるので、排水管路3の内部の負圧状態が解消できるので、メンテナンスのサイクルが延長でき、保守管理が軽減される。
【0038】そして、図7に示すように、中高層ビルなどの排水管路3に連結されている便器などを使用後にフラッシュした場合などには、排水管路3の内部が負圧となるが、排水管路3の一部である伸頂通気管38の上端開口部4に吸気弁1が取り付けられているため、この吸気弁1が作動して外気が排水管路3の内部に吸引され、各便器に形成されているトラップの封水破壊を防止できる。
【0039】また、排水管路3の内部が負圧状態でない場合には、吸気口14が弁体8に取り付けられているパッキング9にて確実に閉塞され、排水管路3の内部の空気が完全に密封されるので、吸気口14とパッキング9との隙間からの下水などの不快な臭気の漏出が防止できるため、吸気弁1を屋内に配設できる。
【0040】さらに、弁体8は、上面を中心部から周辺に向かって下方に向けて傾斜させた周面状の周面部23と、この中心部を平坦にさせた平面部24とにて形成された略截頭円錐形状の円錐部25を備えているため、排水管路3の内部で発生する雑多な成分、例えば、水蒸気または油分などが各弁体8の上面に滴下しても、これらの雑多な成分は、各弁体8の円錐部25の周面部23を流下して開口部13に流れ落ちるので、各弁体8に水滴などが付着しにくい。
【0041】なお、上記実施の一形態では、開口部13の中心部を中心とする対称な位置であるとともに、開口部13の周囲に沿った各角隅部の例えば4箇所が並設開口されて弁本体7の基板部材11の底面部10に吸気口14がそれぞれ設けられている構造について説明したが、この構造では、各吸気口14から均等に外気が吸引されるが、吸気口14を形成する位置は、弁室6の内部であればどの位置に形成してもよい。また、吸気口14は4箇所に限定されることはなく、少なくとも一つ以上形成されていればよい。
【0042】また、上記実施の一形態では、吸気弁1の弁本体7の底面部10の形状を略矩形状としているが、楕円形状などに成形することもできる。
【0043】そして、弁本体7の基板部材11の嵌合凸縁20にカバー部材12の嵌合縁部21を嵌合接着したが、着脱自在に嵌着して各弁体8を点検および交換可能な構成にすることもできる。
【0044】
【発明の効果】請求項1記載の吸気弁によれば、弁体の下端面から離間されてパッキングが弁体に取り付けられているため、パッキングと弁体の下端面との間には常に間隙が形成されており、パッキング自体の弾性が十分に発揮できるので、弁体およびパッキングの自重によってパッキングの当接面が弁座に当接する際、パッキングの弾性変形によってパッキングと弁座との密着性が十分に確保できるため、各吸気口からの臭気の漏出が防止でき、さらには、弁座の当接部分に多少の凹凸が形成されている場合などにおいても、パッキングの弾性変形によってパッキングと弁座との密閉性を十分に確保できるので、各吸気口からの臭気の漏出が防止できる。
【0045】請求項2記載の吸気弁によれば、請求項1記載の吸気弁の効果に加え、吸気口が複数形成されているので、排水管路の内部が外気圧に比べて負圧状態になった際には、複数の吸気口から外気が迅速に吸引され、また、弁体の一つが破損した場合であっても、他の弁体にて外気が吸引されるため、吸気弁本体が完全に機能しなくなりにくく、吸気弁本体の修理および交換サイクルが延長する。
【出願人】 【識別番号】000201582
【氏名又は名称】前澤化成工業株式会社
【出願日】 平成11年5月20日(1999.5.20)
【代理人】 【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄 (外2名)
【公開番号】 特開2000−329245(P2000−329245A)
【公開日】 平成12年11月30日(2000.11.30)
【出願番号】 特願平11−139899