トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 圧力調整弁
【発明者】 【氏名】吉川 公人

【要約】 【課題】入口側圧力が設定圧力近傍である場合には、弁体の遅れによる必要以上の流量を防止することにより精密な圧力調整を可能とすると共に、入口側圧力が設定圧力を大きく上回る場合には、大流量の流体を流すことができ、速やかに入口側圧力を設定圧力まで低下させることを可能とする。

【解決手段】主弁体4と、主弁体と同期して移動する主弁体より小さい補助弁体5と、主弁体の開方向への移動により主流路bを形成すると共に、補助弁体の開方向への移動により補助流路cを形成するケーシング1とを有する。又、ケーシングを、補助弁体の開方向への移動距離に対する補助流路の面積の増加率を増加させる、弁体開方向に向かって広がる形状を有するものとする。又、主弁体と、主弁体と同期して移動する主弁体より小さい補助弁体と、主弁体の開方向への移動により主流路を形成すると共に、予め定められた区間内で補助弁体との隙間により一定の補助流路を形成するケーシングとを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁体を閉方向に付勢する付勢手段と、入口側に接続された圧力調整対象とを有し、入口側圧力が付勢手段の付勢力より高くなった場合に弁体が開方向に移動して圧力を調整する圧力調整弁において、主弁体と、主弁体と同期して移動する主弁体より小さい補助弁体と、主弁体の開方向への移動により主流路を形成すると共に、補助弁体の開方向への移動により補助流路を形成するケーシングとを有することを特徴とした圧力調整弁。
【請求項2】 前記ケーシングが、補助弁体の開方向への移動距離に対する補助流路の面積の増加率を増加させる、弁体開方向に向かって広がる形状を有するケーシングであることを特徴とした請求項1に記載の圧力調整弁。
【請求項3】 弁体を通常時は閉方向に付勢する付勢手段と、入口側に接続された圧力調整対象とを有し、入口側圧力が付勢手段の付勢力より高くなった場合に弁体が開方向に移動して圧力を調整する圧力調整弁において、主弁体と、主弁体と同期して移動する主弁体より小さい補助弁体と、主弁体の開方向への移動により主流路を形成すると共に、予め定められた区間内で補助弁体との隙間により一定の補助流路を形成するケーシングとを有することを特徴とした圧力調整弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弁体を通常時は閉方向に付勢する付勢手段を有し、付勢手段の付勢力と入口側圧力とのバランスにより入口側に接続された圧力調整対象の圧力を調整する圧力調整弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の圧力調整弁を図7を用いて説明する。図7において、ケーシング50に設けられた入口流路51には図示されないタンク又はアキュムレータ等が接続され、タンク又はアキュムレータ等の内圧を入口流路51を通して弁体53が受けている。
【0003】この弁体53は、バネ54により入口流路51を閉とする方向に付勢されており、入口流路51を通して弁体53にかかる圧力、つまりタンク又はアキュムレータ等の内圧が、バネ54による付勢力に打ち勝った場合、弁体53は入口流路51を開とする方向へと移動し、弁体53とケーシング50との隙間である弁流路aを通ってタンク又はアキュムレータ等の流体が入口流路51からケーシング50に設けられた出口流路52へと流れ、タンク又はアキュムレータ等の内圧が調整される。
【0004】ここで、入口流路51から隙間aを通って出口流路52へと流れるタンク又はアキュムレータ等の流体の流量は、弁流路aの面積(以下弁流路面積とする)に比例し、この弁流路面積は弁体の移動距離(以下弁開度とする)と弁体周囲長さとの積となり、図8に示す通り弁開度に比例することとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の圧力調整弁では、入口流路51及び弁体53を大として大流量の流体を流すことが可能な弁とした場合、弁体53が大きくなるために弁体53の移動に遅れが出て、必要以上の流量が流れてしまう。又、弁体53が大であるために弁体周囲長さも長くなり、微小な弁開度に対しても弁流路面積が大きく、前記弁体53の移動遅れによる必要以上の流量も大となる。
【0006】係る圧力調整弁で精密な圧力調整を行う場合、弁開時におけるバネによる閉方向への付勢力と弁体53が入口側から受ける圧力による開方向への力の釣合点(以下設定圧力とする)近傍では、弁を流れる流量は微小流量となり、前記弁体53の移動遅れによる必要以上の流量の影響が大となり、入口側圧力が設定圧力以下に低下しやすくなるため、圧力調整の精度も低下するという問題があった。
【0007】これに対し、入口流路51及び弁体53を小とすれば、弁体53が小さくなることにより弁体53の移動の遅れが改善され、弁体周囲長さも短くなり微小な弁開度に対する弁流路面積も小となるために、弁体53の移動遅れによる必要以上の流量も小とすることができ、精密な圧力調整は可能となる。しかしながら、弁体53が受ける圧力が設定圧力を大きく上回った場合、弁流路面積が小であるために弁体53が受ける圧力を設定圧力まで低下させるのに時間が掛かるという問題があった。
【0008】又、短時間で設定圧力まで低下させるために、弁流路面積を大きくして大流量の流体を流すには、弁体周囲長さが短いために大きな弁開度が必要となり、弁体53のストロークが大きくなるために、弁自体が大型化してしまうという問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため、本発明の圧力調整弁においては以下の手段を用いた。第1の手段として、弁体を通常時は閉方向に付勢する付勢手段と、入口側に接続された圧力調整対象とを有し、入口側圧力が付勢手段の付勢力より高くなった場合に弁体が開方向に移動して圧力を調整する圧力調整弁に、主弁体と、主弁体と同期して移動する主弁体より小さい補助弁体とを設けると共に、前記圧力調整弁のケーシングを、主弁体の開方向への移動により主流路を形成すると共に、補助弁体の開方向への移動により補助流路を形成するケーシングとした。
【0010】第2の手段としては、前記第1の手段に加え、前記ケーシングを、補助弁体の開方向への移動距離に対する補助流路の面積の増加率を増加させる、弁体開方向に向かって広がる形状を有するケーシングとした。
【0011】又、第3の手段としては、弁体を通常時は閉方向に付勢する付勢手段と、入口側に接続された圧力調整対象とを有し、入口側圧力が付勢手段の付勢力より高くなった場合に弁体が開方向に移動して圧力を調整する圧力調整弁に、主弁体と、主弁体と同期して移動する主弁体より小さい補助弁体とを設けると共に、前記圧力調整弁のケーシングを、主弁体の開方向への移動により主流路を形成すると共に、予め定められた区間内で補助弁体との隙間により一定の補助流路を形成するケーシングとした。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の圧力調整弁の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は本発明の圧力調整弁における第1の実施形態の断面図、第2図は第1図に示す第1の実施形態の圧力調整弁の弁開度に対する弁流路面積の特性を表わす図である。
【0013】図1において、ケーシング1内に設けられた主弁体4には、主弁体4と同軸に主弁体4よりも小径な補助弁体5が設置されている。この主弁体及び補助弁体は、バネ6により弁閉方向に常時付勢されている。ケーシング1に接続されたタンク又はアキュムレータ等からの圧力は、ケーシング1の入口流路2を通して補助弁体5に作用する。この補助弁体5に作用する圧力による力がバネ6による付勢力を上回ると、補助弁体5及び主弁体4は弁開方向に移動し、タンク又はアキュムレータ等内の流体が入口流路2,補助流路c,補助流路b,出口流路3へと排出されタンク又はアキュムレータ等の内圧が低下する。
【0014】ここで図2に示す如く、主弁体4及び補助弁体5の弁開度xが小さいと弁開度x<yとなり、この領域においては、弁開度xと径の大きい主弁体4の周囲長さの積である主流路bの面積よりも、弁開度xと径の小さい補助弁体5の周囲長さの積である補助流路cの面積の方が小さいため、弁流路面積は面積の小さい補助流路cの面積により決定される。さらに主弁体4及び補助弁体5が移動して弁開度x>yとなる領域においては、補助弁体5の効力が無くなるため、弁流路面積は弁開度xと径の大きい主弁体4の周囲長さの積である主流路bの面積により決定される。
【0015】上記の通り本第1の実施形態においては、設定圧力近傍の弁開度が小さく弁を流れる流体の流量が小さい領域では、弁流路面積が弁開度xと径の小さい補助弁体5の周囲長さの積となるため、弁開度に対する弁流路面積の変動も小さく、精密な圧力調整が可能となり、且つ、タンク又はアキュムレータ等からの圧力が設定圧力を大きく上回る場合には、弁開度x>yとなり、弁流路面積が弁開度xと径の大きい主弁体4の周囲長さの積となるため、弁開度に対する弁流路面積の変動も大きく、小さな弁開度(弁体のストローク)で大流量を流すことが可能となる。
【0016】図3は本発明の圧力調整弁における第2の実施形態の断面図、第4図は第3図に示す第2の実施形態の圧力調整弁の弁開度に対する弁流路面積の特性を表わす図である。図3に示す通り、本第2の実施形態は、図1の第1の実施形態のケーシング1において、補助弁体と補助流路を形成するケーシング内面を、弁開方向に広がる(入口流路方向に狭まる)形状としたものである。
【0017】これにより、弁開度xが小さく弁開度x<yとなる領域、つまり、弁流路面積が補助流路d(第1の実施形態では補助流路c)により決定される領域では、第1の実施形態が弁開度に対して弁流路面積の変動が正比例するのみであるのに対し、第2の実施形態では弁開度に対して流路面積の増加率が変動するため、第1の実施形態よりも小さな補助弁体でx=yとなる弁開度での補助流路面積を第1の実施形態と同等とすることが可能となり、図4に示す通り弁開度微小領域における弁開度に対する弁流路面積の変動が第1の実施形態より小さくなるため、設定圧力近傍でより精密な圧力調整が可能となる。
【0018】図5は本発明の圧力調整弁における第3の実施形態の断面図、第6図は第5図に示す第3の実施形態の圧力調整弁の弁開度に対する弁流路面積の特性を表わす図である。本第3の実施形態では、補助弁5と入口流路22との間で補助流路eを形成する構造となっている。この補助弁5と入口流路22との間で形成された補助流路eは、弁開度x<yの領域において一定となる。
【0019】これにより第3の実施例では、微小流量の領域において、弁開度によらず一定した補助流路となる領域を有するため、この領域においては、弁体の遅れによる必要以上の流量が発生しないため、安定した圧力調整の動作が可能となる。
【0020】
【発明の効果】上記の通り、第1の実施形態により、設定圧力近傍においては流路面積が補助流路面積に支配されるため、弁開度に対する弁流路面積の変動が小さく精密な圧力調整が可能で、且つ、入口側圧力が設定圧力を大きく上回る場合には、流路面積が主流路面積に支配されるため、大流量の流体を流すことができ、速やかに入口側圧力を設定圧力まで低下させることが可能な圧力調整弁が実現される。
【0021】又、第2の実施形態により、流路面積が補助流路面積に支配される領域において、第1の実施形態よりも小さな補助弁体で弁開度x=yとなる弁開度での流路面積を第1の実施形態と同等とすることが可能となるため、設定圧力近傍でより精密な圧力調整が可能な圧力調整弁が実現される。
【0022】第3の実施例では、微小流量の領域において、弁開度によらず一定した補助流路となる領域を有するため、この領域においては、弁体の遅れによる必要以上の流量が発生しないため、安定した圧力調整の動作が可能な圧力調整弁が実現される。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成11年5月18日(1999.5.18)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−329242(P2000−329242A)
【公開日】 平成12年11月30日(2000.11.30)
【出願番号】 特願平11−136538