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【発明の名称】 排気弁
【発明者】 【氏名】池田 耕一

【要約】 【課題】真空破壊能力が大きく速やかに真空破壊できる排気弁を提供する。

【解決手段】本体1と蓋2から成るケーシングで下部に流入口4が開口し上部に流出口5が開口した弁室3を形成する。弁室3と流出口5の間に弁座6を形成する。本体1は弁室3内壁に内側に突出した複数のリブ9を一体に有し、リブ9の内側に有底のほぼ円筒形状で底部に小さな開口面積の通孔11を有するフロート受け10をスナップリングで固定する。フロート受け10内に球形のフロート12を自由状態で配する。流出口5に多数の小隙間14を有する分流部材13をスナップリングで固定する。外部空気は分流部材13によって減速されて多数の小隙間14から緩やかな速度で弁室3内に拡散されるので、フロート受け10の底部に当たって跳ね返ることが少なく、またフロート受け10内のフロート12下方の圧力が上昇し難くなる。そのため、フロート12が浮き上がり難くなり、真空破壊能力が大きく速やかに真空破壊できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケーシングで下部に流入口が開口し上部に流出口が開口した弁室を形成し、弁室と流出口の間に弁座を形成し、弁室内壁に内側に突出したリブを形成し、リブの内側に有底のほぼ円筒形状で底部に小さな開口面積を有する通孔を設けたフロート受けを固定し、フロート受け内にフロートを自由状態で配し、流出口に多数の小隙間を有する分流部材を設けたことを特徴とする排気弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配管に水を送り込むときに開弁して配管内の空気を排気し、排気が終われば閉弁し、また配管系の圧力が低下して真空状態となったときに開弁して外部空気を導入することにより真空状態を破壊する排気弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の排気弁として、実公昭53−1622号公報に示されたものがある。これは、ケーシングで下部に流入口が開口し上部に流出口が開口した弁室を形成し、弁室と流出口の間に弁座を形成し、弁室内壁に内側に突出したリブを形成し、リブの内側に有底のほぼ円筒形状で底部に小さな開口面積を有する通孔を設けたフロート受けを固定し、フロート受け内にフロートを自由状態で配したものである。
【0003】上記従来の排気弁は、先ず配管に水を送り込むときにはフロートが弁座から離座して降下した開弁状態であり、流入口から弁室内に流入してくる配管内の空気をリブの間の空間からフロート受け上端を通して及び通孔からフロート受け内を通して流出口に排気する。そして排気が終わって配管内の水が流入口から弁室内に流入してくると、リブの間の空間からフロート受け上端を通して及び通孔を通してフロート受け内に流入する水によってフロートが浮上して弁座に着座し閉弁する。また配管系の圧力が低下して真空状態となったときにはフロートが弁座から離座して降下し、流出口から弁室内に流入してくる外部空気をフロート受け内から通孔を通して及びフロート受け上端からリブの間の空間を通して流入口から配管内に導入することにより真空状態を破壊する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の排気弁は、真空状態を破壊するときにフロートが充分に降下せず、半開状態になったりあるいは小刻みな開閉弁を繰り返すために、真空破壊能力が小さく真空破壊に時間がかかると言う問題点があった。これは、流出口から弁室内に流入する外部空気の大半が直進してフロート受け内に入り、フロート受けの底部に当たって跳ね返るために、フロートが浮き上がるためである。またフロート受け内に入った外部空気が通孔を通過しきれないために、フロート受け内のフロート下方の圧力が上昇し、フロートが浮き上がるためである。従って本発明の技術的課題は、真空破壊能力が大きく速やかに真空破壊できる排気弁を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を解決するために講じた本発明の技術的手段は、ケーシングで下部に流入口が開口し上部に流出口が開口した弁室を形成し、弁室と流出口の間に弁座を形成し、弁室内壁に内側に突出したリブを形成し、リブの内側に有底のほぼ円筒形状で底部に小さな開口面積を有する通孔を設けたフロート受けを固定し、フロート受け内にフロートを自由状態で配し、流出口に多数の小隙間を有する分流部材を設けたことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の排気弁は、流出口に多数の小隙間を有する分流部材を設けたものであるので、外部空気が分流部材によって減速されて多数の小隙間から緩やかな速度で弁室内に拡散される。そのため、外部空気がフロート受けの底部に当たって跳ね返ることが少なくなり、またフロート受け内のフロート下方の圧力が上昇し難くなる。そのため、フロートが浮き上がり難くなり、真空破壊能力が大きく速やかに真空破壊できる。
【0007】
【実施例】上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する(図1と図2参照)。本体1に蓋2をボルトで締結して内部に弁室3を有するケーシングを形成する。本体1の下部に流入口4を形成し、蓋2の上部に流出口5を形成する。蓋2に弁座6を間に挟んで取付部材7をネジで固定する。
【0008】本体1は弁室3の内壁に内側に突出した複数のリブ9を一体に有し、リブ9の内側に有底のほぼ円筒形状のフロート受け10をスナップリングで固定する。フロート受け10の底部は内外を連通する小さな開口面積の通孔11を有する。フロート受け10内に球形のフロート12を自由状態で配置する。
【0009】流出口5に分流部材13をスナップリングで固定する。分流部材13は円板状の薄板にその上下を連通する小隙間14を、図2に示すように多数開けたものである。分流部材12は鋼網で作ることによって多数の小隙間を有するものとすることもできる。
【0010】上記実施例の排気弁の動作は下記の通りである。先ず配管に水を送り込むときにはフロート12は弁座6から離座して降下した開弁状態である。これにより、流入口4から弁室3内に流入してくる配管内の空気をリブ9の間の空間からフロート受け10上端を通して及び通孔11からフロート受け10内を通して、更に小隙間14を通して流出口5に排気する。そして排気が終わって配管内の水が流入口4から弁室3内に流入してくると、リブ9の間の空間からフロート受け10上端を通して及び通孔11を通してフロート受け10内に流入する水によってフロート12が浮上して弁座6に着座し閉弁する。これにより、水の漏出を防止する。
【0011】また配管系の圧力が低下して真空状態となったときにはフロート12が弁座6から離座して降下し開弁する。これにより、流出口5から小隙間14を通って弁室3内に流入してくる外部空気をフロート受け10上端からリブ9の間の空間を通して及びフロート受け10内から通孔11を通して流入口4から配管内に導入することにより真空状態を破壊する。このとき、外部空気は分流部材13によって減速されて多数の小隙間14から緩やかな速度で弁室3内に拡散されるので、フロート受け10の底部に当たって跳ね返ることが少なく、またフロート受け10内のフロート12下方の圧力が上昇し難くなる。そのため、フロート12が浮き上がり難くなり、真空破壊能力が大きく速やかに真空破壊できる。
【0012】
【発明の効果】本発明は下記の特有の効果を生じる。上記のように本発明による排気弁は、流出口に多数の小隙間を有する分流部材を設け、外部空気を減速して緩やかな速度で弁室内に拡散させることにより、真空破壊能力が大きく速やかに真空破壊できると言う優れた効果を生じる。
【出願人】 【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
【出願日】 平成11年5月14日(1999.5.14)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−320719(P2000−320719A)
【公開日】 平成12年11月24日(2000.11.24)
【出願番号】 特願平11−133579