| 【発明の名称】 |
電磁弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹内 康高
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| 【要約】 |
【課題】電磁弁の作動時における作動音を小さくするとともに電磁弁の体格を小さくする。
【解決手段】プランジャ12を配置する側のボビン2の底部2aに、該ボビン2の中空部内へ突出する円筒状部材9を設ける。円筒状部材9とボビン2との間で、ステータ6側が開口する環状溝10を形成する。有底円筒状に形成したプランジャ12を、その円筒部12aを前記環状溝10に挿入してステータ6の軸方向に移動可能に備える。前記プランジャ12における円筒部12aの外周面とボビン2の内周面との間及びプランジャ12における円筒部の内周面と円筒状部材9の外周面との間に夫々流通路13a,13bを形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コイルを巻設した中空状のボビン内にステータを固定配置するとともに該ステータと対向してプランジャを移動可能に配置し、前記ステータにはロッドを移動可能に貫通してその一端を前記プランジャに係合させ、他端に弁体を備え、該弁体側には該弁体とともに前記ロッドを前記プランジャ側へ付勢する付勢手段を設けたものにおいて、前記プランジャを配置する側のボビンの底部に、該ボビンの中空部内へ突出する円筒状部材を設けて、該円筒状部材とボビンとの間で前記ステータ側が開口する環状溝を形成し、有底円筒状に形成したプランジャを、その円筒部を前記環状溝に挿入してステータの軸方向に移動可能に備え、更に前記プランジャにおける円筒部の外周面とボビンの内周面との間及びプランジャにおける円筒部の内周面と円筒状部材の外周面との間に夫々流通路を形成したことを特徴とする電磁弁。 【請求項2】 前記流通路の径方向の幅を0.05〜0.2mmに設定したことを特徴とする請求項1記載の電磁弁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電磁弁に関するもので、例えば車両に搭載した燃料タンク等からの蒸発燃料をキャニスタに吸着して処理し、大気への放出を防止する蒸発燃料処理装置において、その通路を開閉する開閉弁等に使用される電磁弁に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、車両に搭載された燃料タンクやキャブレタ等の燃料系で発生する蒸発燃料は、車両を長時間運転して停止した直後の雰囲気温度が上昇したときに多く発生する。そのため、燃料タンク等からエンジン吸着管への蒸発燃料通路に活性炭等の吸着剤を充填したキャニスタを設け、エンジンの停止時には燃料タンク等からの蒸発燃料をキャニスタへ導入して吸着剤で捕集し、エンジンの運転時には前記吸着剤に捕集した蒸発燃料を離脱させてエンジンの吸気管へ導入する蒸発燃料処理装置が知られている。 【0003】このような蒸発燃料処理装置においては、前記のような蒸発燃料通路を開閉するための電磁弁が備えられている。このような電磁弁として、従来、図6に示すようなものが使用されている。この図6に示す電磁弁について説明する。 【0004】該電磁弁101を構成するボビン102の外周にはコイル103が巻設され、内周にはステータ104が固設されている。該ステータ104の中央部には軸方向に貫通する貫通穴105が形成され、該貫通穴105にロッド106が軸方向に移動可能に備えられている。前記ボビン102内には有底状のプランジャ107が、その底部108を前記ステータ104に対面させて軸方向に移動可能に収納されており、該底部108に前記ロッド106の一端が接触しているとともにその底部108にはエアー抜き穴109が形成されている。更に、プランジャ107内には第1のスプリング110が、その一端を前記プランジャ107の底部108に係合させ、他端を前記ボビン102の底部111に係合させて収納され、該第1のスプリング110によってプランジャ107を常時ステータ104側へ付勢している。 【0005】前記ロッド106の他端はステータ104から突出し、該突出部に弁ホルダ112が固着され、該弁ホルダ112の先部に弁体113が備えられている。流体の流入路となる第1通路114を形成したボデー115には、その第1通路114の入口部に位置して弁座116が、前記弁体113に対向して形成されている。そして、該ボデー115と前記弁ホルダ112間には第2のスプリング117が介在され、前記ロッド106と弁体113を一体とする弁ホルダ112をステータ104側へ常時付勢している。 【0006】また、ボデー115には、前記弁体113の開閉によって前記第1通路114と連通、遮断される第2通路118が形成されている。該第2通路118は流体の流出路となる。 【0007】そして、コイル103に通電するとプランジャ107が第2のスプリング117の付勢力に抗してステータ104側へ吸引移動され、ロッド106が押されて弁体113が弁座116に当接し、第1通路114と第2通路118との間を遮断する。また、この遮断状態において、コイル103への通電を止めると、第2のスプリング117の付勢力によって弁ホルダ112がステータ104側へ押され、弁体113が弁座116より離間するとともにロッド106がプランジャ107を第1のスプリング110に抗して図6の左方へ後退移動させる。これにより、図6に示すように第1通路114と第2通路118が連通される。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】前記従来の電磁弁においては、閉弁時において弁体113が弁座116に衝突する際の作動音(打音)を小さくするために緩衝用の第2のスプリング117が設置されているが、作動音を小さくするためには第2のスプリング117のスプリング力を大きくする必要がある。また、このように第2のスプリング117のスプリング力を大きくすると、第1のスプリング110のスプリング力も大きくする必要がある。すなわち、開弁時には第2のスプリング110のスプリング力によってプランジャ107が第1スプリング110のスプリング力に抗して後退するため、第1のスプリング110のスプリング力が第2のスプリング117のスプリング力より極めて小さいと、開弁時にプランジャ107が急速に後退してその後端面119がボビン102の底部111に衝突し、作動音(打音)を発するからである。 【0009】しかし、このように両スプリング110,117のスプリング力を大きくすると、大きな電磁力を必要とし、電磁弁の体格が大きくなる問題がある。そこで本発明は、前記従来の第1のスプリングを排し、電磁弁の体格を大きくすることなく前記の作動音を小さくすることができる電磁弁を提供することを目的とするものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するために、請求項1記載の第1の発明は、コイルを巻設した中空状のボビン内にステータを固定配置するとともに該ステータと対向してプランジャを移動可能に配置し、前記ステータにはロッドを移動可能に貫通してその一端を前記プランジャに係合させ、他端に弁体を備え、該弁体側には該弁体とともに前記ロッドを前記プランジャ側へ付勢する付勢手段を設けたものにおいて、前記プランジャを配置する側のボビンの底部に、該ボビンの中空部内へ突出する円筒状部材を設けて、該円筒状部材とボビンとの間で前記ステータ側が開口する環状溝を形成し、有底円筒状に形成したプランジャを、その円筒部を前記環状溝に挿入してステータの軸方向に移動可能に備え、更に前記プランジャにおける円筒部の外周面とボビンの内周面との間及びプランジャにおける円筒部の内周面と円筒状部材の外周面との間に夫々流通路を形成したことを特徴とするものである。 【0011】本発明において、コイルに通電すると、コイルから発生した磁束によりプランジャが閉弁方向であるステータ側へ吸引移動される。このプランジャの移動によってプランジャとステータとで形成されるプランジャの外部空間のエアーが、ボビンとプランジャと円筒状部材との間で形成されるU字状の流通路を通ってプランジャの底部と円筒状部材とで形成されるプランジャの内部空間へ吸引される。 【0012】このとき、流通路を狭くて長い通路に形成することにより、エアーはこの狭くて長い通路を通るため、その空気流通抵抗が大きくなり、これがエアーダンパー効果となってプランジャの移動速度が低くなる。そのため、弁座に対する弁体の衝突力が緩和され、弁体と弁座との作動音(打音)が小さくなる。 【0013】また、コイルへの通電を止めると、付勢手段の付勢力により、弁体とロッドが開弁方向へ押され、ロッドが前記プランジャを円筒状部材側へ押し移動する。このプランジャの移動時には、プランジャの底部と円筒状部材とで形成されるプランジャの内部空間内のエアーが、前記のU字状の流通路を通ってプランジャとステータとで形成されるプランジャの外部空間へ押し出される。そのため、前記と同様に、大きな空気流通抵抗によってプランジャの移動速度が低くなり、ボビンの底部に対するプランジャの端面の衝突力が緩和され、その作動音(打音)が小さくなる。 【0014】更に、弁体を開弁方向へ付勢する付勢力は、単にプランジャを開弁方向へ押し移動する力でよく、前記従来のもののように対向するスプリングの付勢力に打ち勝つ力を必要としない。そのため、その付勢力は従来のスプリングの付勢力よりも小さくてよく、その分、閉弁に要する磁力も小さくてよい。したがって、電磁弁の体格を小さくできる。 【0015】請求項2記載の第2の発明は、前記第1の発明において、前記流通路の径方向の幅を0.05〜0.2mmに設定したことを特徴とするものである。本発明のように、流通路の径方向の幅を0.05〜0.2mmに設定すると、最良のエアーダンパー効果が得られる。 【0016】 【発明の実施の形態】図1〜図5に示す実施例に基いて本発明の実施の形態について説明する。図1において、電磁弁1を構成する円筒状でかつ有底状のボビン2の外周にはコイル3が巻設され、そのコイル3の外周がモールド4を介してSPCC材のケース5で被覆されている。ボビン2内には、その軸方向の略中央部から開口側にわたってステータ6が固設され、該ステータ6の中心部には軸方向に貫通する貫通穴7が形成されている。該貫通穴7には、ロッド8が軸方向に移動可能に備えられ、そのロッド8の両端はステータ6から突出している。 【0017】前記ボビン2における前記ステータ6が配置された側と反対側、すなわち底部2a側の内部には、円筒状部材9が、その軸心をボビン2の軸心と平行させて配置されている。該円筒状部材9の外径は、その外周面とボビン2の内周面との間に所定の幅の環状溝10が形成されるように設定され、更にその円筒状部材9の軸方向長は、その内端面9aと前記ステータ6の内端面6aとの間に所定寸法のプランジャ室11が形成されるように設定されている。更に、前記円筒状部材9は、ボビン2の底部2aをボビン2内に隆起させてボビン2と一体成形されている。 【0018】前記ボビン2内には、円筒状でかつ有底状のプランジャ12が、その円筒部12aを前記環状溝10内に挿入し、底部12bを前記プランジャ室11部に位置させて備えられてる。 【0019】更に、図3に示すように、その円筒部12aの肉厚t1 と環状溝10の径方向の溝幅t2 との関係は、円筒部12aの外周面12cとボビン2の内周面2bとの間に所定幅t3 の環状の第1流通路13aと、円筒部12aの内周面12dと円筒状部材9の外周面9bとの間に所定幅t3 の環状の第2流通路13bが形成されるように設定されている。すなわち、t2 −t1 =2t3 に設定されており、このt3 の値は、該両流通路13a,13bの流通断面が、所定のダンパー効果を発揮するように狭く設定するもので、0.05〜0.2mmが望ましい。 【0020】そして、プランジャ12がステータ6側へ移動した場合には、図4に示すように、プランジャ12の端面12eと環状溝10の底面10a間に形成される連通路13cと、前記両流通路13a,13bとによってU状通路が形成されるようになっている。 【0021】また、前記プランジャ12の軸方向長は、その開口側の端面12eがボビン2の底部2aに接触した状態において、そのプランジャ12の底部12bが、円筒状部材9の内端面9aから離間し、これらの間にエアーダンパー室(空気室)14が形成されるように設定されている。 【0022】そして、前記ロッド8の内端が前記プランジャ12の底部12bに接触し、ステータ6から外部へ突出したロッド8の他端には弁ホルダ15が固着され、該弁ホルダ15には弁体16が固着されている。 【0023】前記ケース5は2次モールド17によってボデー18と一体化されており、該ボデー18には流入路19と流出路20が形成されている。該流入路19と流出路20との間には弁座21が、前記弁体16と対向して形成されている。更に、ボデー18内には、開弁用の付勢手段であるスプリング22が、その一端をボデー18に係合し、他端を弁ホルダ15に係合して、弁ホルダ15と弁体16を常時開弁方向に付勢している。 【0024】なお、本実施例の電磁弁をオンボードダイアグノシス||(OBD−||)に適用した例を図5に示す。図5はOBD−||システムにおいて、燃料タンク25と連通する配管26,27から発生するエバポエミションのリークチェックを実施するシステムの概要を示す図である。 【0025】該システムにおいて、燃料タンク25は配管26を通じてキャニスタ28に連通され、この配管26には一定時間後の圧力上昇を検知する圧力センサ29が接続されている。キャニスタ28はキャニスタ大気開放配管30を介して電磁弁31に連通するとともに、配管27を介してパージバルブ32の一端にも連通している。そしてパージバルブ32の他端はエンジンの吸気管33に連通している。 【0026】このシステムで燃料タンク25と連通する配管26及び配管27から発生するエバポエミッションのリークチェックは、次の順序で行われる。先ず、キャニスタ28のキャニスタ大気開放配管30を電磁弁31で閉じる。次で、パージバルブ32を開放することにより、吸気管33から所定の負圧を配管27、配管26側へ導入し、その導入後、パージバルブ32を閉じることでエバポエミッションを完全に遮蔽する。一定時間経過したのち、圧力センサ29でどれくらい圧力上昇したかを測定することでエバポエミッションのリークチェックが行われる。 【0027】このようなシステムにおけるその電磁弁31に本発明の電磁弁1を、その流入路19を大気側へ開口し、流出路20を前記キャニスタ大気開放配管30に接続して使用する。 【0028】次に本発明の電磁弁1の作用について説明する。図1に示す開弁状態では、スプリング22の付勢力により弁ホルダ15とともにロッド8を介してプランジャ12が押圧されて開弁状態が保持される。 【0029】該開弁状態において、コイル3に通電すると、コイル3から発生した磁束によりプランジャ12が図4に示すようにステータ6側へ吸引移動され、ロッド8がプランジャ12に押されて閉弁方向に移動し、該ロッド8に備えられた弁体16が弁座21に着座して流路を遮断する。このようにプランジャ12がステータ6側へ移動する際には、プランジャ室11内のエアーが、第1流通路13aと連通路13cと第2流通路13bからなるU字状の通路を通ってエアーダンパー室14内に吸引される。このとき、第1流通路13aと第2流通路13bは狭くて長い通路であるため、空気流通抵抗が大きくなり、これがエアーダンパー効果となってプランジャ12の移動速度が低くなり、弁体16の弁座21への衝突力が緩和され、弁体16が弁座21に当って発生する作動音が小さくなる。 【0030】したがって、スプリング22のスプリング荷重は、後述する開弁時において弁体16を押し開くだけの小さい力でよく、前記従来のような、急速に閉弁作動する弁体の動きを衝突音が発生しないように抑制するスプリングに比べて小さくてよい。そのため、スプリング22のスプリング力に抗してプランジャ12を作動させるための磁力も従来のものと比べて小さくてよく、その分従来の電磁弁に比べて電磁弁全体の体格を小さくできる。 【0031】次に開弁作動について説明する。図4に示すように、プランジャ12がステータ6に接近した閉弁状態において、コイルへの通電を止めると、スプリング22の付勢力により弁体16、弁ホルダ15とともにロッド8が開弁方向へ押し移動され、これに係合したプランジャ12が円筒状部材9側へ押し移動される。 【0032】この移動により、エアーダンパー室14内のエアーは、第2流通路13bと連通路13cと第1流通路13aからなるU状の通路を通ってプランジャ室11内へ押し出される。このとき、エアーは前記と同様に狭くて長い両流通路13a,13bを流通するため、空気流通抵抗が大きくなり、これがエアーダンパー効果となって前記と同様にプランジャ12の移動速度が低くなる。そのため、ボビン2の底部2aに対するプランジャ12の端面12eの衝突力が緩和され、その作動音が小さくなる。 【0033】また、プランジャ12を押し移動するには、比較的弱いスプリング力でよいため、スプリング22のスプリング力を前記のように小さく設定しても閉弁作動を行うことができる。したがって、前記のようにスプリング22のスプリング力を小さくして電磁弁1の体格を小さくできる。 【0034】なお、本発明の電磁弁は、前記オンボードダイアグノシス||システムに使用する電磁弁に限るものではなく、その他の装置における流体の流通、遮断を行う電磁弁にも適用できるものである。 【0035】 【発明の効果】以上のようであるから本発明によれば、前記従来の電磁弁に比べて、電磁弁の開弁時における作動音を小さくし、かつ電磁弁の体格を小さくすることができる。 【0036】更に、前記従来の電磁弁に比べて付勢手段であるスプリングの数を減少できるため、電磁弁の組み付けが容易になる上に安価に製造できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000116574 【氏名又は名称】愛三工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年5月17日(1999.5.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100101535 【弁理士】 【氏名又は名称】長谷川 好道
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| 【公開番号】 |
特開2000−320714(P2000−320714A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月24日(2000.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願平11−135484 |
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