トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 空気弁
【発明者】 【氏名】矢野 敏雄

【要約】 【課題】フロ−ト弁体を必要としないで、しかも、その他の基本的構成は排気性能の実績が多くある従来構造と全く同じものを採用することにより排気量の設計計算が非常に容易な急速空気弁を得る。

【解決手段】下部に入口19を有し、上部に開口部20を有し、上部の開口部20の下側に拡開した段部23を有する弁箱1と、大気に連通する大空気孔6と小空気孔13とが形成されて上部の開口部に取り付けられた蓋体7と、底部に小さな下穴3を有し、側部には窓5を有し、上部には段部23に接離するフランジ36を有してこのフランジ36の上面が小空気孔を開閉するように前記弁箱1内に昇降自在に取り付けられた比重が1以下の弁体案内2と、大空気孔6を開閉するように弁体案内2に昇降自在に設けられた比重が1以下の遊動弁体11とよりなり、前記フランジ36が段部23に接した状態では前記小空気孔12が開孔するようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下部に入口を有し、上部に開口部を有し、前記の開口部の下側に拡開した段部を有する弁箱と、大気に連通する大空気孔と小空気孔とが形成されて前記の開口部に取り付けられた蓋体と、底部に小さな下穴を有し、側部には窓を有し、上部には前記段部に接離するフランジを有してこのフランジの上面が前記小空気孔を開閉するように前記弁箱内に昇降自在に取り付けられた比重が1以下の弁体案内と、前記大空気孔を開閉するように前記弁体案内に昇降自在に設けられた比重が1以下の遊動弁体とよりなり、前記フランジが前記段部に接した状態では前記小空気孔が開孔するようにしたことを特徴とする空気弁。
【請求項2】 弁体案内の底面と遊動弁体の下面のいずれかを必ず凹削して、 遊動弁体の下面の外周縁部だけを弁体案内の底面と接触させるようにし、前記外周縁部よりも中央側の弁体案内の底面と遊動弁体の下面の間に隙間を設けた特許請求の範囲の請求項1記載の空気弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水道用等の管路に配設されて管路内の空気を急速に排出するための空気弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の空気弁としては、特開昭59−1882号公報に開示されている構造のものがある。図8のように弁箱1の上部の開口部20に段部23を形成している。一方2は上部を開口し上縁にフランジ36を有する弁体案内である。この弁体案内2の底部分には下穴3が形成されている。また、この弁体案内2の周囲には、弁体案内2側方の通路4に連通する複数個の窓5が形成されている。そして、前記弁箱1の上部には、大空気孔6が形成された蓋体7が固定されている。このとき、前記の段部23に、前記のフランジ36を乗せて、蓋体7を上から押しつけて弁体案内2を固定している。
【0003】ついで、前記弁体案内2内には、球状のフロ−ト弁体10と遊動弁体11とが昇降自在に設けられている。前記フロ−ト弁体10はその比重が1以下である。また、前記遊動弁体11には、その中央に小径の小空気孔13が開けられた小空気孔弁座12が形成されている。
【0004】前記蓋体7の上部には、カバー16が取り付けられている。
【0005】このような構成において、図5に示した状態は管路内に空気が存在する場合であり、フロ−ト弁体10は弁体案内2の底部に位置しており、遊動弁体11も下方に位置している。そのため管路内と外気とは、弁体案内の側方4、窓5、大空気孔6、空気流通空間15を経て連通している。
【0006】この状態で管路に水が来ると、内部の空気は弁体案内2の側方4、窓5、大空気孔6、空気流通空間15を経て排出されるとともに弁箱1内に水が入り、フロ−ト弁体10が遊動弁体11をともなって浮上し、大空気孔6を閉止する。
【0007】この状態から管路内の空気が弁箱1内に蓄積すると、フロ−ト弁体10に浮力がなくなるため、フロ−ト弁体10が下降する。これにより、小空気孔13が開放されて空気が排出される。
【0008】また管内が負圧になると遊動弁体11とフロ−ト弁体10は下降して大小空気孔6を開くが、このとき下穴3から弁体案内2の内部の水が排出して、これら弁体が下降することを可能にする。
【0009】図9の実用新案登録第061811号公報の構造のものにつて示すと、弁箱1は上方に開口部20を有し、大気に連通する大空気孔6と小空気孔13とが形成されて前記の上方の開口部20に取り付けられた蓋体7と、底部に小さな下穴3を有し、前記小空気孔13を開閉するように前記弁箱1内に昇降自在に取り付けられた比重が1以下の弁体案内と、前記大空気孔6を開閉するように前記弁体案内2に昇降自在に設けられた比重が1以下の遊動弁体11とよりなるものである。ここで弁体案内2の上部には、放射状に外方に膨出する数ヶ所の突起部17が設けられる。また弁箱1の下部には弁体案内2が着座するための台座21が設けられている。
【0010】このような構成において、図9に示す状態は、管路内に空気が存在する場合であり、弁体案内2と遊動弁体11とは下方に位置している。そのため管路の内部は、入口19、弁体案内の側方4、大空気孔6を経て外部に連通している。弁箱1が充水すると、弁体案内2と遊動弁体11とはともに浮上する。このようにして弁体案内2は、小空気孔13を閉鎖し、遊動弁体11は大空気孔6を閉鎖する。
【0011】また管内が負圧になると遊動弁体11と弁体案内2は下降して大小空気孔6、13を開くが、このとき下穴3から弁体案内2の内部の水が排出して、遊動弁体11が下降することを可能にする。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記の2つの空気弁のうちで、フロ−ト弁体10がない図9の構造は小型化の観点からして非常に有利である。ところが現在まで多量の空気を排気する空気弁としては、図8のフロ−ト弁体10を有する構造の空気弁が使われており、このものは各サイズや類似形状で多くの実験デ−タを有しており、特に空気通路の形状寸法と排気能力の関係デ−タが揃っている。一方前記のフロ−ト弁体10のない構造のものは多量排気に実績がなく、このデ−タがない。空気弁を新規に設計するとき、所定排気量をできるだけ小型に設計したいという要求がある場合、フロ−弁体10のない構造を採用したい。しかしながらフロ−ト弁体のない構造では前記のように過去のデ−タがないことは設計計算を難解にする。
【0013】すなわち、空気の通路が弁箱1の入口19から弁体案内2の側方4、弁体案内の窓5を経て大空気孔6に続くものは過去のデ−タが多く設計しやすいが、そうでない例えば、台座21や突起部17の間を通過する通路形状の空気弁は新規の設計が難解である。
【0014】その意味から、図8のように、側部に窓5を有する弁体案内2の上部にフランジ36を設け、これを弁箱1内の上部の開口部20の段部から吊すようにして取り付けて、空気の通路は弁箱1の入口19から弁体案内の側方4、弁体案内の窓5を経て大空気孔6に続くもので、しかもフロ−ト弁体10は用いず、弁体案内2には遊動弁体11だけをを納めたものを構成するのが理想である。
【0015】
【課題を解決するための手段】下部に入口を有し、上部に開口部を有し、前記の開口部の下側に拡開した段部を有する弁箱と、大気に連通する大空気孔と小空気孔とが形成されて前記の開口部に取り付けられた蓋体と、底部に小さな下穴を有し、側部には窓を有し、上部には前記段部に接離するフランジを有してこのフランジの上面が前記小空気孔を開閉するように前記弁箱内に昇降自在に取り付けられた比重が1以下の弁体案内と、前記大空気孔を開閉するように前記弁体案内に昇降自在に設けられた比重が1以下の遊動弁体とよりなり、前記フランジが前記段部に接した状態では前記小空気孔が開孔するようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図1に基づいて説明する。まず、図示しない管路に接続された内部中空の弁箱1が設けられている。この弁箱1の下部には入口19と取付用フランジ18が形成されて、上部の開口部20には外方に拡開した段部23が形成されている。
【0017】このように形成された弁箱1の上部には、パッキング8を介在させて蓋体7が密閉的に取り付けられている。この蓋体7には、その中央部に大空気孔6が形成され、この側部には、1つの小空気孔弁座12と複数個のストッパ28とが設けられている。前記小空気孔弁座12には小空気孔13が開けられている。小空気孔弁座12の下面は、前記蓋体5の下面よりも所定寸法だけ下方へ突出している。
【0018】ついで、前記弁箱1内には、比重が1以下の材料で形成された遊動弁体11が昇降自在に設けられている。前記弁体案内2はその中央下部に小さな下穴3が形成され、上部には前記段部23又は前記小空気孔弁座12及びストッパ28に選択的に接離するフランジ36が形成されている。前記遊動弁体11は、前記大空気孔6を開閉する。
【0019】ついで、前記蓋体7の上部には、支柱38を介在させて空間15を形成するカバ−16が設けられている。
【0020】このような構成において、図1は管路内に空気が存在する場合であり、弁体案内2と遊動弁体11とはその自重により下部に位置している。そのため管路の内部空間は、入口19から弁体案内側方4、大空気孔6、空間15を経て外部に連通している。その状態で管路内に充水されると、弁箱1内も充水し、弁体案内2と遊動弁体11はともに浮力によって上昇する。
【0021】そして図2のようにして弁体案内2はそのフランジ36の上面が小空気孔弁座12とストッパ28とに当接して小空気孔13を閉塞し、遊動弁体11は大空気孔6を閉塞する。
【0022】この後に弁箱1内に空気が溜まると、図3のように弁体案内2だけが自重により下降して、小空気孔13が開放され、溜まった空気が排出される。
【0023】また管内が負圧になると遊動弁体11と弁体案内2がともに下降して大小空気孔6、12を開いて図1の状態になる。このとき下穴3から弁体案内2の内部の水が排出して、遊動弁体11が下降することを可能にする。
【0024】この実施の形態で、遊動弁体11の下面40の外周縁部46よりも中央側を、凹削している。図4は仮にこのように凹削しない場合であるが、空気流が流入しないときは、この下面40の全面が弁体案内2の底面42と密着し、空気が流入すると、下穴3から下面40に衝突する空気は僅かに遊動弁体11を押し上げて図示の状態になる。このとき下穴3から遊動弁体11の側面と弁体案内2とで構成される筒環状通路44を通過する空気流が、下面40と底面42の間の隙間45を通過しようとするとき、隙間45が極めて薄いので、この隙間45の流速は極めて高く、特に外周縁部46よりも中央側の方が、必ず流速が高いので、このところの静圧が極めて低くなり、よって遊動弁体11を強く下方へ、吸引する力が発生する。そしてこの力は水が流入するときも発生する。従って、弁箱1内が水で満たされ、遊動弁体11に浮力が発生しているにかかわらずこの吸引する力のために遊動弁体11は浮上することができないことが起こる。
【0025】従って隙間45を設けるが必要があり、そのため遊動弁体の下面40の外周縁部46よりも中央側を、凹削しているのである。
【0026】遊動弁体の下面40の中央部を凹削する代わりに、図5のように弁体案内2の底面42が遊動弁体11の外周縁部46と接触するところより中央側を凹削することもある。
【0027】遊動弁体11の下面40の外周縁部46だけを、弁体案内2の底面42と接触させるための、他の実施例として図6は、遊動弁体の下面40を湾曲状に凹削し、図7は弁体案内の底面42を湾曲状に凹削したものである。
【0028】要するに遊動弁体11の下面40の全面が弁体案内2の底面42と密着しないようにするために、遊動弁体11の下面40の外周縁部46だけを、弁体案内2の底面42と接触させるようにし、それよりも中央側に隙間45を設けることで、遊動弁体11を下方へ吸引する力が発生することを防ぎ、水で満たされ遊動弁体11に浮力が発生しているにかかわらず前記の吸引する力のために遊動弁体11が浮上出来ないという不都合は無くなる。
【0029】しかしながら、このような吸引力が発生するのは下穴3から遊動弁体11の側面と弁体案内2とで構成される筒環状通路44を通過する水流がきわめて高速である場合であって、つまり、入口19の圧力が極めて高くなる場合である。
【0030】従って上記の、遊動弁体11の下面40の外周縁部46だけを、弁体案内2の底面42と接触させるようにする対策は、入口19の圧力が極めて高くなる場合に必要である。
【0031】
【発明の効果】本発明は上述のように、フロ−ト弁体10を必要としないので小型化が出来、しかも通路形状は入口19から弁体案内の側方4、弁体案内の窓5を経て大空気孔6に続くもので、従来から排気性能の実績が多くあり、新規に所定排気量の空気弁を小型に設計するにあたり設計計算が非常に容易になる。
【出願人】 【識別番号】591170175
【氏名又は名称】矢野 敏雄
【出願日】 平成11年5月13日(1999.5.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−320708(P2000−320708A)
【公開日】 平成12年11月24日(2000.11.24)
【出願番号】 特願平11−133193