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【発明の名称】 気体調節用弁ユニット
【発明者】 【氏名】山本 正己

【要約】 【課題】ポンプにより加圧された気体の圧力を開口部遮断のために有効利用し、気体調節用弁ユニットを小型化を実現する。

【解決手段】加圧気体の供給経路に接続する接続部1bと開口部1cとを備えたケース1と、パッキン2と、コイルボビン3と、コイル4により駆動される第1のスライダ5と、加圧気体の圧力で移動する第2のスライダ7と、圧縮コイルばね8とでユニットを構成し、コイル4に電圧が印加されていないときは第2のスライダ7がパッキン2から離れてパッキン2の開口部2aが開かれ、コイル4に電圧が印加されると、第1のスライダ5により押されてパッキン2が変形し、第2のスライダ7に押し付けられて開口部2aが閉じ、この状態でポンプにより気体が徐々に加圧されと、第2のスライダ7がパッキン2側へ移動してパッキン2の開口部2aに圧接され、大気側へのリークを完全に遮断するようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポンプにより加圧された気体の供給経路に接続される気体調節用弁ユニットであって、上記供給経路に接続される接続部と大気側に開口する開口部とを備えたケースと、上記ケースの開口部に対向する位置に配置され、周縁部が上記ケースに密着固定された、中央部分に上記ケースの上記開口部と連通する開口部を有する可撓部材と、上記ケースの開口部とは反対側で上記可撓部材の上記開口部に対向する位置に配置され、ソレノイドにより駆動されて上記可撓部材を上記ケースの上記開口部に向けて押圧する第1の可動押圧部材と、上記ケースの上記開口部側で上記可撓部材の上記開口部に対向する位置に配置され、上記可撓部材の上記開口部を閉鎖可能で、該開口部を閉鎖した状態で上記ポンプにより加圧された気体の圧力によって上記可撓部材を上記第1の可動押圧部材とは反対側から押圧する方向に移動し上記可撓部材の上記開口部に圧接されるよう構成された第2の可動押圧部材と、上記可撓部材と上記第2の可動押圧部材との間に配置され、上記第2の可動押圧部材を上記可撓部材から離す方向に付勢する付勢部材とからなることを特徴とする気体調節用弁ユニット。
【請求項2】 上記第2の可動押圧部材は、上記可撓部材が上記第1の可動押圧部材により押圧され変形することによって該可撓部材の上記開口部を閉鎖し、該開口部を閉鎖した状態で、移動方向の両側で上記ポンプにより加圧された気体の圧力を受ける面積に差ができることにより、上記可撓部材を上記第1の可動押圧部材とは反対側から押圧する方向に移動し、上記可撓部材の上記開口部に圧接される請求項1記載の気体調節用弁ユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポンプにより加圧された気体の供給経路に接続される気体調節用弁ユニット、特に、血圧計の空気調節用として好適な弁ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】自動血圧計においては、ポンプにより加圧して腕帯に供給する空気の圧力を調節するための気体調節用弁ユニットとして、加圧空気を大気にリークさせる開口部にパッキン等の可撓材料からなる弁部材を配置して、その弁部材にDCソレノイドにより駆動されるスライダによって閉弁方向に押圧力(弁荷重)をかけ、リーク量を調整して、空気圧力を調節するようにしたものが従来から用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、血圧計等に用いられている上記従来の気体調節用弁ユニットでは、大気リークの開口部を完全に遮断して空気圧を急速に上昇させる際に、その開口部の遮断を、専らDCソレノイドの駆動力(磁力)によって行っており、そのため、DCソレノイドは磁力の大きい大型のものであることが必要で、それが弁ユニットの小型化を阻む要因となっていた。
【0004】そのため、気体調節用弁ユニットのソレノイドを小型化できるようにすることが課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポンプにより加圧された気体の圧力を開口部遮断のために有効利用することにより上記課題を解決したものである。
【0006】すなわち、本発明による気体調節用弁ユニットは、ポンプにより加圧された気体の供給経路に接続される気体調節用弁ユニットであって、上記供給経路に接続される接続部と大気側に開口する開口部とを備えたケースと、上記ケースの開口部に対向する位置に配置され、周縁部が上記ケースに密着固定された、中央部分に上記ケースの上記開口部と連通する開口部を有する可撓部材と、上記ケースの開口部とは反対側で上記可撓部材の上記開口部に対向する位置に配置され、ソレノイドにより駆動されて上記可撓部材を上記ケースの上記開口部に向けて押圧する第1の可動押圧部材と、上記ケースの上記開口部側で上記可撓部材の上記開口部に対向する位置に配置され、上記可撓部材の上記開口部を閉鎖可能で、該開口部を閉鎖した状態で上記ポンプにより加圧された気体の圧力によって上記可撓部材を上記第1の可動押圧部材とは反対側から押圧する方向に移動し上記可撓部材の上記開口部に圧接されるよう構成された第2の可動押圧部材と、上記可撓部材と上記第2の可動押圧部材との間に配置され、上記第2の可動押圧部材を上記可撓部材から離す方向に付勢する付勢部材とからなるものである。
【0007】上記第2の可動押圧部材は、上記可撓部材が上記第1の可動押圧部材により押圧され変形することによって該可撓部材の上記開口部を閉鎖し、該開口部を閉鎖した状態で、移動方向の両側で上記ポンプにより加圧された気体の圧力を受ける面積に差ができることにより、上記可撓部材を上記第1の可動押圧部材とは反対側から押圧する方向に移動し、上記可撓部材の上記開口部に圧接されるようにできる。
【0008】本発明による上記気体調節用弁ユニットは、例えば自動血圧計において、ポンプにより加圧された気体を腕帯等に供給するチューブ等に接続される。そして、ソレノイドに電圧を印加すると、磁力が生じ、第1の可動押圧部材が可撓部材を開口部に向けて押圧する方向に駆動され、可撓部材が押圧され、変形して第2の可動押圧部材に押し付けられ、可撓部材の開口部が第2の可動押圧部材によって閉じられる。
【0009】そして、このように第2の可動押圧部材が可撓部材の開口部を閉じると、その可撓部材に当接する側は、ポンプにより加圧された気体の圧力を受ける面積が反対側よりも小さくなる。
【0010】そして、ポンプにより加圧されて気体圧力が上昇し、所定レベルを越えて、受圧面積の差による力のアンバランスが大きくなると、第2の可動部材は付勢部材の付勢力と第1の可動押圧部材の押圧力に抗して、可撓部材を第1の可動押圧部材とは反対側から押圧する方向に移動し、可撓部材の開口部に圧接され、その圧接力によって、可撓部材の開口部を完全に閉鎖し、ケースの開口部を大気側から完全に遮断する。
【0011】この場合、第1の可動押圧部材を駆動するソレノイドは、気体圧力が所定レベル以下で、第2の可動押圧部材は付勢手段により付勢されてケース側の定位置にあるときに、可撓部材を第2の可動押圧部材に押し付けるだけの磁力を生ずるものであればよく、小型化が可能である。また、第2の可動部材は、ケース開口部側にスペースを取らずに配置することができる。そのため、気体調節用弁ユニットの小型化を実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例を図1〜図3に基づいて説明する。
【0013】図1は気体調節用弁ユニットのコイルに電圧が印加されていない状態を示し、図2は気体調節用弁ユニットのコイルに電圧が印加された後、気体圧力が上昇するまでの状態を示し、図3は気体圧力が所定レベルを越えた状態を示す。
【0014】この実施の形態の気体調節用弁ユニットは、例えば自動血圧計に使用するものであって、ユニット本体を構成するケース1は、シリンダ状で、内部に円筒状空間1aを構成し、一端に、ポンプにより加圧された気体(例えば空気)の供給経路(例えば腕帯に接続されたチューブ)に接続される接続部1bを備え、他端に、大気側に開口する開口部1cとを備えている。
【0015】そして、ケース1の開口部1cに対向する位置に、可撓性の材料で構成された鍔付き帽子状で中央位置に開口部2aを有するパッキン2(可撓部材)が、周縁部でケース1に密着するよう配置され、また、パッキン2を挟んでコイルボビン3が配置されて、それらパッキン2とコイルボビン3とが共締めでケース1に固定されている。
【0016】コイルボビン3の外周部には、ソレノイドを構成するコイル4が巻装され、中心部空間には、軸方向に摺動自在に第1のスライダ5(第1の可動押圧部材)が装着されている。
【0017】第1のスライダ5は、横断面が円形の一部を切り欠いた形状を呈し、その切り欠かれた部分がコイルボビン3内周の摺動面との間に通路6を形成するよう構成されたものである。
【0018】また、ケース1の開口部1cには、パッキン2の開口部2aに対向する位置に第2のスライダ7(第2の可動押圧部材)が配置されている。この第2のスライダ7は、第1のスライダ5と同様に横断面が円形の一部を切り欠いた形状を呈する摺動部と、その後端(図において右端)にそれより径の大きい押圧部を有するもので、摺動部がケース1の内部の円筒状空間1aに摺接状態で挿入されて、押圧部の前面(図において左面)がケース1の端面の開口部1c周辺に対峙し、後面(図において右面)がパッキン2の開口部2aに対向するよう構成されたものである。また、第2のスライダ7の押圧部後面には突条(図示せず)が形成され、それにより、この押圧部後面とケース1端面との間に通路が確保される。そして、この第2のスライダ7の押圧部周縁の段差部分がばね受けとなって、パッキン2との間に圧縮コイルばね8が装着され、この圧縮コイルばね8により第2のスライダ7がパッキン2から離れる方向に付勢されている。
【0019】第2のスライダ7の摺動部は、上述のように横断面が円形の一部を切り欠いた形状を呈するもので、その切り欠かれた部分により、ケース1の円筒状空間1a内周の摺動面との間に通路9が形成される。
【0020】パッキン2の、第2のスライダ7に対向する側の開口部2a周縁には、第2のスライダ7を密着状態で着座させるようリング状に盛り上がった弁シート部2bが形成されている。
【0021】また、パッキン2には、第1のスライダ5に対向する側の開口部2a周囲に、放射方向に4筋の溝を有する突起部2cが形成されている。この突起部2cの溝により、第1のスライダ5とパッキン2の開口部2aとの当接部に通路が確保される。
【0022】コイルボビン3の後端からは、一対のリード線10が導出されている。このリード線10に電圧を印加することにより、コイル4に電流が流れる。
【0023】この気体調節用弁ユニットは、コイル4に電圧が印加されていないときは、図1に示すように圧縮コイルばね8の反発力によって第2のスライダ7がパッキン2から離され、パッキン2の開口部2aが開いている。そして、この気体調節用弁ユニットの前方(図1にAで示す側)から、ケース1の円筒状空間1aを通り、第2のスライダ7とケース1の円筒状空間1a内周の摺動面との間の通路9を通り、ケース1の開口部1cを通り、この開口部1c周縁のケース1端面と第2のスライダ7の押圧部前面との間を通り、パッキン2の開口部2aを通り、突起部2cの溝によって形成される通路を通り、第1のスライダ5とコイルボビン3内周の摺動面との間の通路6を通って、後方(図1にBで示す側)へ至る連通路が形成される。そのため、この気体調節用弁ユニットが例えば自動血圧計に用いられ、ポンプにより加圧された空気を腕帯等に供給するチューブ(図示せず)にケース1の接続部1bが接続された状態で、チューブ内の加圧空気が図1のAからBに流れ、大気にリークされる。
【0024】そして、図1の状態から、コイル4に電圧が印加されると、その電圧に応じた磁力が発生し、第1のスライダ5が駆動されて、磁力の強さに応じた押圧力でパッキン2を押し、それにより、図2に示すように、パッキン2が変形して第2のスライダ7に押し付けられ、第2のスライダ7の端面がパッキン2の弁シート部2bに密接して開口部2aを閉じる。
【0025】この状態でポンプにより空気が加圧されると、第2のスライダ7の後方側(図において右側)は、端面がパッキン2の弁シート部2bに密接して中央部が加圧空気から遮断され、ポンプにより加圧された空気の圧力を受ける面積が前方側(図において左側)よりも小さくなっているため、前後に作用する力のアンバランスが生じて第2のスライダ7に後方側(図において右側)への移動力が生ずる。そして、ポンプにより徐々に加圧されて空気の圧力が上昇し、移動力が大きくなると、図3に示すように、第2のスライダ7は圧縮コイルばね8の付勢力(反発力)と第1のスライダ5の押圧力に抗して第1のスライダ5とは反対の側からパッキン2を押圧しつつ移動し、パッキン2の開口部2a周縁の弁シート部2bに圧接され、その圧接力によって、パッキン2の開口部2aが完全に閉鎖され、ケース1の開口部1cが大気側から完全に遮断される。
【0026】なお、この実施の形態では、血圧計に使用する場合を例にとって説明したが、本発明は、その他、様々な用途の気体調節用弁ユニットに適用することができるものである。
【0027】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明によれば、ポンプにより加圧された気体の圧力を有効利用して第2の可動押圧部材を気体調節用弁ユニットの開口部に圧接しリークを完全に遮断するので、第1の可動押圧部材を駆動するソレノイドは小さくてよく、気体調節用弁ユニットの小型化が可能となる。
【出願人】 【識別番号】592245432
【氏名又は名称】スタッフ株式会社
【出願日】 平成11年5月13日(1999.5.13)
【代理人】 【識別番号】100099254
【弁理士】
【氏名又は名称】役 昌明 (外1名)
【公開番号】 特開2000−320705(P2000−320705A)
【公開日】 平成12年11月24日(2000.11.24)
【出願番号】 特願平11−132119