| 【発明の名称】 |
弁装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】水野 富雄
【氏名】吉野 和憲
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| 【要約】 |
【課題】パイロットポペット弁を改良することにより、リリーフ弁としての良好なオーバライド特性を確保しつつ、圧力設定用のスプリングを小型化する。
【解決手段】アクチュエータのメータアウト側にフローアンプリファイポペット弁42を設け、このポペット弁42のパイロット流量を制御することによりポペット弁42のストロークを制御するモジュレーションステム54を設ける。ポペット弁42に対しモジュレーションステム54と並列にリリーフ弁機能を持つパイロットポペット弁57を接続する。パイロットポペット弁57を、コイルスプリング61により弁シート部62に押圧するとともに、このコイルスプリング61に抗してパイロットポペット弁57を開き方向に押圧するパイロット信号圧力の受圧面81を、段付穴に嵌合した大径部64と小径部82との間に形成する。受圧面81は、前記弁シート部62の直径と同径の円の面積より小さな面積を持つドーナツ・エリア状の受圧面である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁シート部と、この弁シート部に接離自在に設けられたリリーフ弁機能を持つパイロットポペット弁と、このパイロットポペット弁を弁シート部に押圧するスプリングと、このスプリングに抗してパイロットポペット弁を開き方向に押圧するパイロット信号圧力を受ける前記弁シート部の面積より小さな面積を持つ受圧面とを具備したことを特徴とする弁装置。 【請求項2】 アクチュエータのメータアウト側に設けられたパイロット流量増幅型ポペット弁と、このパイロット流量増幅型ポペット弁のパイロット流量を制御することによりパイロット流量増幅型ポペット弁のストロークを制御するパイロットモジュレーション弁と、パイロット流量増幅型ポペット弁に対しパイロットモジュレーション弁と並列に接続され請求項1に記載された弁シート部の面積より小さな面積を持つパイロット信号圧力の受圧面を有するパイロットポペット弁とを具備したことを特徴とする弁装置。 【請求項3】 受圧面は、段付穴に嵌合した大径部と小径部との間に形成されたドーナツ・エリア状の受圧面としたことを特徴とする請求項1または2記載の弁装置。 【請求項4】 パイロットポペット弁の弁シート部より小径であってスプリングとは反対側のポペット弁端面に当接された別体の小径ピストンと、この小径ピストンの当接側とは反対側の端面に設けられた受圧面と、この受圧面にパイロット信号圧力を作用させる圧力室とを具備したことを特徴とする請求項1または2記載の弁装置。 【請求項5】 パイロットポペット弁に対しスプリングとパラレルに設置されリリーフ弁機能の設定圧力を可変制御する設定圧力可変手段を具備したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の弁装置。 【請求項6】 設定圧力可変手段は電磁アクチュエータであることを特徴とする請求項5記載の弁装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、リリーフ弁機能を持つ弁装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図3は、メータイン・メータアウト分離型の制御回路を示し、この図3において、片ロッド・シリンダ型のアクチュエータ11を制御するブリッジ構成の制御回路を示す。 【0003】この制御回路は、斜板12により吐出流量を可変制御できる可変容量型のポンプ13の吐出口に、共通バイパス弁14を経てタンク15が接続されているとともに、ロードホールドチェック弁16を有するポンプライン17を介してブリッジ回路18が接続されている。 【0004】このブリッジ回路18は、ポンプライン17にそれぞれ接続された2つのメータインバルブ21,22と、これらのメータインバルブ21,22にそれぞれ接続された2つのメータアウトバルブ23,24とにより形成されている。 【0005】これらのメータアウトバルブ23,24は、タンクライン25に接続され、また、各メータアウトバルブ23,24には、タンクライン25から回路内の負圧発生部に作動液としての作動油を補充するメークアップ用のチェック弁26,27が並列に接続されている。 【0006】このブリッジ回路18の上側に図示されたメータインバルブ21とメータアウトバルブ23との間から引出された通路31は、アクチュエータ11のピストン32よりロッド33が位置する側の室(以下、「ロッド側室」という)34に接続され、また、下側に図示されたメータインバルブ22とメータアウトバルブ24との間から引出された通路35は、アクチュエータ11のピストン32よりヘッド側に位置する室(以下、「ヘッド側室」という)36に接続されている。 【0007】メータアウトバルブ23およびメータアウトバルブ24の入口側は、アクチュエータ11よりの戻り通路37となっている。 【0008】前記共通バイパス弁14、メータインバルブ21,22およびメータアウトバルブ23,24には、電磁手段またはパイロット油圧手段により開口面積を可変制御できるスプール弁またはポペット弁などの可変絞り手段が設けられ、これらの可変絞り手段は、コントローラで演算されコントローラより出力された電気信号により、電磁手段の場合は直接的に、またパイロット油圧手段の場合は電油変換手段などを介してパイロット圧力信号で制御される。 【0009】そして、ポンプ13からアクチュエータ11のロッド側室34およびヘッド側室36の一方に供給されるとともに他方からタンク15に排出される作動油を、この2つのメータインバルブ21,22および2つのメータアウトバルブ23,24で形成されたブリッジ回路18により制御する。 【0010】例えば、アクチュエータ11を負荷Wに抗して伸張操作する場合は、共通バイパス弁14を閉じ、アクチュエータ11のヘッド側のメータインバルブ22を開くとともにメータアウトバルブ24を閉止し、ロッド側のメータインバルブ21を閉止するとともにメータアウトバルブ23を開く。 【0011】また、アクチュエータ11を収縮操作する場合は、共通バイパス弁14を閉じ、アクチュエータ11のロッド側のメータインバルブ21を開くとともにメータアウトバルブ23を閉止し、ヘッド側のメータインバルブ22を閉止するとともに、ヘッド側のメータアウトバルブ24を開く。 【0012】図4は、従来のメータアウトバルブ23または24の詳細を示し、弁本体40内に形成された弁室41にて、パイロット流量増幅型ポペット弁(以下、このポペット弁を「フローアンプリファイポペット弁」と称する)42が変位自在に設けられ、弁室41に開口されたインレットポート43に、前記アクチュエータ11よりの戻り通路37が連通されている。 【0013】フローアンプリファイポペット弁42は、一端部にパイロット制御部44が形成され、このパイロット制御部44の近傍にフローアンプリファイポペット弁42の位置により開口部45a の面積が変化するパイロット可変スロット45が軸方向に形成されている。 【0014】このフローアンプリファイポペット弁42の反対側の端部には、前記弁室41の出口部に形成されてタンク15に連通された弁シート部46に対し嵌脱自在のドレン流量制御部47が設けられ、このドレン流量制御部47に主流量制御スロット48が形成されている。 【0015】パイロット制御部44は、スプリング室49に臨み、このスプリング室49に内蔵されたコイルスプリング50により、フローアンプリファイポペット弁42は弁シート部46側へ押圧される方向すなわち閉じ方向に押圧されている。 【0016】パイロット制御部44の中央部には位置検出用の鉄心51が一体に設けられ、弁本体40側には位置検出用のコイル52が配置され、作動変圧器などのフローアンプリファイポペット弁42の変位を検出する変位検出センサが形成されている。 【0017】フローアンプリファイポペット弁42の開度を制御する手段として、スプリング室49からタンクライン25にわたって通路53および通路25a が配設され、通路53中にはモジュレーションステム54が介在され、このモジュレーションステム54は、スプリング室49を図示されないコントローラからの電気信号に応じてドレン制御するもので、図示されないコイルスプリングに抗してソレノイド55により比例制御される。 【0018】また、フローアンプリファイポペット弁42のスプリング室49からタンク15に向かって引出された別の通路56a ,56b 中に過負荷防止用のパイロットポペット弁57が介在されている。 【0019】このパイロットポペット弁57は、アクチュエータ11よりの戻り通路37に過大な負荷圧力が生じたときフローアンプリファイポペット弁42のスプリング室49をドレン制御して弁シート部46を開口するもので、ポペットテーパ部58がパイロットシリンダ59内のスプリング室60に設けられたコイルスプリング61により弁シート部62に押圧されている。 【0020】前記ポペットテーパ部58には、ネック部63を介して大径部64が一体に形成され、この大径部64は、前記戻り通路37に連通された通路65に摺動自在に嵌合され、この通路65を経て大径部64の先端円形受圧面64a に負荷圧力が導かれ、この先端円形受圧面64a に負荷圧力が作用して発生する力がコイルスプリング61のプリロードより大きいときは、弁シート部62が開口される。 【0021】さらに、前記パイロットシリンダ59内には、前記コイルスプリング61のスプリング力を調整するパイロットピストン66が摺動自在に嵌合され、調整ねじ67により係止されている。パイロットシリンダ59には、パイロットピストン66に対して外部からパイロット圧力を供給するポート68が穿設され、このポート68に外部パイロット圧力信号発生装置が接続されている。 【0022】この外部パイロット圧力信号発生装置は、パイロットポンプ69が電磁比例減圧弁70を持つ関連配管71を介してポート68に接続され、パイロットポンプ69の吐出管路にはポンプ吐出圧力を設定するためのパイロットリリーフ弁72が設けられている。 【0023】次に、図4に示された従来のメータアウトバルブの制御装置の作用を説明する。 【0024】(1)アクチュエータ11よりの戻り流量Qは、フローアンプリファイポペット弁42のインレットポート43に導かれ、その中の流量qは、パイロット可変スロット45の開口部45a よりスプリング室49に流入する。フローアンプリファイポペット弁42のストローク制御は、スプリング室49に連通したモジュレーションステム54の開度制御で達成され、この部分を通過する流量は、図中q2 で示されている。上方のパイロットポペット弁57へ向かうパイロット流量q1 はパイロットポペット弁57の閉止時にはゼロであり、そのときはq=q2 となる。一方、このフローアンプリファイポペット弁42のストローク制御により、図中右端の主流量制御スロット48が開口し、主流量LQがコントロールされ、この主流量LQはあたかもモジュレーションステム54でのパイロット流量q2 が増幅された様相を示す。 【0025】(2)次に、このモジュレーションステム54が閉止し、q2 もLQもゼロ値となっているときに、アクチュエータ11よりの戻り通路37の戻り圧力が上昇し、パイロットポペット弁57の先端部に設けられた大径部64の先端円形受圧面64a に作用する力がコイルスプリング61の反発力に打ち勝つと、ポペットテーパ部58が弁シート部62より開口し、パイロット流量q1 が流れ始め(このときはq=q1 となる)、フローアンプリファイポペット弁42のパイロット可変スロット45の開口部45a に差圧が生じ、フローアンプリファイポペット弁42は図中左方へ移動し、主流量制御スロット48が開口し、主流量LQが発生することにより、アクチュエータ11よりの戻り通路37の戻り圧力が異常上昇することを抑えて、ほぼパイロットポペット弁57に作用するスプリング61の押力を先端円形受圧面64a の受圧面積で割った圧力値で整定する。すなわち、リリーフ弁機能も具備している。 【0026】(3)上記リリーフ弁機能を持つパイロットポペット弁57は、その開口ゲインを大きくしないと、フローアンプリファイポペット弁42のリフト量が大きくならない。すなわち、フローアンプリファイポペット弁42のパイロット可変スロット45の開度が大きくなり、qすなわちq1 が適当に大きくならないと、リリーフ弁としてのオーバライド特性(弁全開時の全量圧力と弁開時のクラッキング圧力との差圧であるオーバライド圧力は小さいことが望ましい)が良くならないという性格があり、オーバライド特性を良くするためにパイロットポペット弁57に対する弁シート部62の径および先端の大径部64の径を大きく設定する必要がある。そして、このように大径部64の受圧面積が大きくならざるを得ないから、高圧のリリーフ弁設定とするためには、コイルスプリング61のスプリング力も必然的に大きくとらねばならない。 【0027】このため、図4に示されるように設定圧力を可変とする構造のものにおいては、コイルスプリング61のスプリング力が強力なため、通常の小推力の電磁アクチュエータでコイルスプリング61のスプリング力をコントロールすることは難しく、図4のようにパイロットピストン66に対し、外部のパイロットポンプ69、電磁比例減圧弁70およびパイロットリリーフ弁72などからなるパイロット油圧源から、関連配管71を経て外部パイロット圧力を作用させて、パイロットピストン66の推力を制御し、コイルスプリング61の圧縮量をコントロールしている。したがって、関連部品が多く、コスト高となる欠点を有している。 【0028】 【発明が解決しようとする課題】このように、従来は、リリーフ弁としてのオーバライド特性を良くするために、圧力設定用のスプリングを大型化せざるを得ない問題と、強力な大型スプリングの設定圧力は小推力の電磁アクチュエータで可変制御できず、高価な電磁比例減圧弁などを用いた外部パイロット圧力信号発生装置によりスプリング圧縮量をコントロールしているから、コスト高となる問題を有している。 【0029】本発明は、このような点に鑑みなされたもので、パイロットポペット弁の形状を改良することにより、リリーフ弁としての良好なオーバライド特性を確保しつつ、圧力設定用のスプリングを小型化できるようにすることを目的とし、さらに、リリーフ弁設定圧力を安価な電磁アクチュエータで可変制御できるようにして、コスト低減を図ることを目的とするものである。 【0030】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発明は、弁シート部と、この弁シート部に接離自在に設けられたリリーフ弁機能を持つパイロットポペット弁と、このパイロットポペット弁を弁シート部に押圧するスプリングと、このスプリングに抗してパイロットポペット弁を開き方向に押圧するパイロット信号圧力を受ける前記弁シート部の面積より小さな面積を持つ受圧面とを具備したことを特徴とする弁装置。 【0031】そして、パイロット信号圧力の受圧面がパイロットポペット弁の弁シート部の面積より小さな面積を持つから、弁シート部に十分な開口ゲインを確保でき、リリーフ弁としての良好なオーバライド特性を確保しつつ、パイロット信号圧力の受圧面積が小さいので、圧力設定用のスプリングを小型化できる。 【0032】請求項2に記載された発明は、アクチュエータのメータアウト側に設けられたパイロット流量増幅型ポペット弁と、このパイロット流量増幅型ポペット弁のパイロット流量を制御することによりパイロット流量増幅型ポペット弁のストロークを制御するパイロットモジュレーション弁と、パイロット流量増幅型ポペット弁に対しパイロットモジュレーション弁と並列に接続され請求項1に記載された弁シート部の直径と同径の円の面積より小さな面積を持つパイロット信号圧力の受圧面を有するパイロットポペット弁と具備した弁装置である。 【0033】そして、パイロットモジュレーション弁によりパイロット流量が制御されるパイロット流量増幅型ポペット弁に対しパイロットポペット弁がリリーフ弁として機能する際に、弁シート部の面積より小さな面積を持つパイロット信号圧力の受圧面を有するパイロットポペット弁は、その開口ゲインを大きくでき、パイロット流量増幅型ポペット弁の大きなリフト量を確保できるとともに、リリーフ弁としての良好なオーバライド特性を確保しつつ、パイロット信号圧力の受圧面が小さいので、圧力設定用のスプリングを小型化できる。 【0034】請求項3に記載された発明は、請求項1または2記載の受圧面を、段付穴に嵌合した大径部と小径部との間に形成されたドーナツ・エリア状の受圧面としたものである。 【0035】そして、大径部と小径部との径の差を小さくすることにより、ドーナツ・エリア状の受圧面の面積を十分小さくできるから、パイロット信号圧力が十分高圧となっても、パイロットポペット弁の推力を十分小さくでき、リリーフ弁圧力設定用のスプリング力も十分小さくでき、スプリングの十分な小型化を達成できる。 【0036】請求項4に記載された発明は、請求項1または2記載の弁装置において、パイロットポペット弁の弁シート部より小径であってスプリングとは反対側のポペット弁端面に当接された別体の小径ピストンと、この小径ピストンの当接側とは反対側の端面に設けられた受圧面と、この受圧面にパイロット信号圧力を作用させる圧力室とを具備したものである。 【0037】そして、パイロット信号圧力を弁シート部より小径の受圧面で受けた小径ピストンを介してパイロットポペット弁に伝えるから、パイロット信号圧力が高圧となっても、パイロットポペット弁の推力を小さくでき、リリーフ弁圧力設定用のスプリング力も小さくでき、スプリングの小型化を達成できるとともに、パイロットポペット弁と別体の小径ピストンとをそれぞれ容易に加工できる。 【0038】請求項5に記載された発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の弁装置において、パイロットポペット弁に対しスプリングとパラレルに設置されリリーフ弁機能の設定圧力を可変制御する設定圧力可変手段を具備した弁装置である。 【0039】そして、スプリングとパラレルに設置された設定圧力可変手段は、スプリングを介することなくパイロットポペット弁に直接作用するから、スプリングを伸縮調整する必要がなく、スプリングの省スペース化を図れる。 【0040】請求項6に記載された発明は、請求項5記載の弁装置における設定圧力可変手段を電磁アクチュエータとした弁装置である。 【0041】そして、請求項1乃至4のいずれかに記載の弁装置は、圧力設定用のスプリングを小型化できるから、従来の高価な外部パイロット圧力信号発生装置を用いることなく、小スプリング力とほぼコンパラブルな小推力で安価な電磁アクチュエータでもリリーフ弁設定圧力を可変制御でき、コスト低減を図れる。 【0042】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図1を参照しながら、また、他の実施の形態を図2を参照しながら説明する。なお、図3は、本発明に係る実施の形態でも用いられるものである。 【0043】図1は、前記メータアウトバルブ23およびメータアウトバルブ24の内部構造を示し、弁本体40内に形成された弁室41にて、パイロット流量増幅型ポペット弁(以下、このポペット弁を「フローアンプリファイポペット弁」という)42が変位自在に設けられ、弁室41に開口されたインレットポート43に、前記アクチュエータ11(図3)よりの戻り通路37が連通されている。 【0044】フローアンプリファイポペット弁42は、一端部にパイロット制御部44が形成され、このパイロット制御部44の近傍にフローアンプリファイポペット弁42の位置により開口部45a の面積が変化するパイロット可変スロット45が軸方向に形成されている。 【0045】このフローアンプリファイポペット弁42の反対側の端部には、前記弁室41の出口部に形成されてタンク15に連通された弁シート部46に対し嵌脱自在のドレン流量制御部47が設けられ、このドレン流量制御部47に主流量制御スロット48が形成されている。 【0046】パイロット制御部44は、スプリング室49に臨み、このスプリング室49に内蔵されたコイルスプリング50により、フローアンプリファイポペット弁42は弁シート部46側すなわち閉じ方向へ押圧されている。 【0047】パイロット制御部44の中央部には位置検出用の鉄心51が一体に設けられ、弁本体40側には位置検出用のコイル52が配置され、作動変圧器などのフローアンプリファイポペット弁42の変位を検出する変位検出センサが形成されている。この変位検出センサは、フローアンプリファイポペット弁42のフィードバック制御および弁動作の監視などに用いられる。ただし、この変位検出センサは、必須のものではなく、場合によっては省略しても良い。 【0048】フローアンプリファイポペット弁42の開度を制御する手段として、スプリング室49からタンクライン25にわたって通路49a 、通路53a 、通路53b および通路25a が配設され、その通路53a ,53b 中にパイロットモジュレーション弁としてのモジュレーションステム54が介在されている。 【0049】このモジュレーションステム54は、前記フローアンプリファイポペット弁42のスプリング室49からのドレン流量を図示されないコントローラからの電気信号に応じて制御することにより、すなわちフローアンプリファイポペット弁42のパイロット流量を制御することにより、フローアンプリファイポペット弁42のストロークをパイロット制御するもので、このモジュレーションステム54の一端部に設けられた制御弁部54a が、他端部に係止されたスプリング受け板54b に対して設けられたコイルスプリング54c により閉じ方向に押圧され、コントローラからの電気信号を受けたプッシュ型ソレノイド55a が電気信号に応じてプッシュロッド55b を押出作動することにより、制御弁部54a が電気信号(通電量)に応じた開度に比例制御される。 【0050】また、フローアンプリファイポペット弁42のスプリング室49からタンクライン25にわたって前記通路49a から分岐された通路56a 、通路56b および通路25a が配設され、その通路56a ,56b 中に過負荷防止用のリリーフ弁機能を持つパイロットポペット弁57が介在されている。 【0051】すなわち、フローアンプリファイポペット弁42のスプリング室49に対し前記モジュレーションステム54と並列にパイロットポペット弁57が接続されている。 【0052】このパイロットポペット弁57は、アクチュエータ11よりの戻り通路37に過大な負荷圧力が生じたときフローアンプリファイポペット弁42のスプリング室49をドレン制御して弁シート部46を開口するもので、ポペットテーパ部58が弁本体40内に形成されたスプリング室60に設けられたスプリングとしてのコイルスプリング61により接離自在の弁シート部62に押圧されている。 【0053】前記ポペットテーパ部58には、ネック部63を介して大径部64が一体に形成され、この大径部64にはドーナツ・エリア状の受圧面81を介して小径部82が段付状に形成されている。大径部64および小径部82は、段付穴に摺動自在に嵌合されている。 【0054】前記弁シート部62および大径部64の径は、パイロットポペット弁57のリリーフ弁としてのオーバライド特性(弁全開時の全量圧力と弁開時のクラッキング圧力との差圧であるオーバライド圧力は小さいことが望ましい)を向上させるために、従来のものより大径に形成されているが、ドーナツ・エリア状の受圧面81は、従来の先端円形受圧面64a (図4)より小面積であるとともに、弁シート部62の面積より小さな面積を持つ。この弁シート部62の面積とは、弁シート部62の内空部の直径と同径の円の面積である。 【0055】このドーナツ・エリア状の受圧面81は、弁本体40内に形成されたパイロット信号圧力を作用させる圧力室83に臨み、この圧力室83は通路65を経て前記弁室41に連通し、さらにこの弁室41を経てアクチュエータよりの戻り通路37に連通している。 【0056】よって、アクチュエータ11よりの負荷圧力は、通路65を経てドーナツ・エリア状の受圧面81に導かれ、コイルスプリング61に抗してパイロットポペット弁57を開き方向に押圧するパイロット信号圧力となる。 【0057】一方、前記小径部82の先端面が臨む室84は、通路85により前記通路56b に連通し、さらに通路25a を経てタンクライン25に連通している。 【0058】また、前記パイロットポペット弁57を閉じ方向に押圧するコイルスプリング61は、弁本体40に固定されたソレノイド取付部86により定位置で係止されている。さらに、このソレノイド取付部86にパイロットポペット弁57の設定圧力可変手段としての電磁アクチュエータ87が設けられている。 【0059】この電磁アクチュエータ87は、ソレノイド取付部86内に小型のプッシュ型ソレノイド88が設けられ、このプッシュ型ソレノイド88により作動されるプッシュロッド89の先端が、パイロットポペット弁57の端面に当接されている。 【0060】すなわち、電磁アクチュエータ87のプッシュロッド89は、コイルスプリング61と同様にパイロットポペット弁57に対して直接当接され、コイルスプリング61と電磁アクチュエータ87は、パイロットポペット弁57に対してパラレルに作用するように構成されている。 【0061】このように、(1)フローアンプリファイポペット弁42のストローク制御用のモジュレーションステム54による開度制御機構は、図4に示された従来のものとほぼ同様であるが、リリーフ弁として機能して設定圧力を決定するパイロットポペット弁57の構造が異なっている。 【0062】(2)このパイロットポペット弁57は、リリーフ弁としてのオーバライド特性を良好なものとするため、パイロット流量q1 を抵抗なく流すため、相当に大きな弁シート径を有している。ただし、アクチュエータ11よりの戻り通路37の戻り圧力を感知する受圧面積部分を、段付穴に嵌合した大径部64・小径部82間のドーナツ・エリア状の受圧面81とし、大径部64と小径部82との径の差を小さくして、この受圧面81の面積を十分小さくする。 【0063】(3)上記の構造により、アクチュエータ11よりの戻り通路37での戻り圧力が高圧となっても、パイロットポペット弁57へ与える推力としては小さなもので済む。よって、コイルスプリング61の小型化が図れると共に、設定圧力の可変手段として、コイルスプリング61とパラレルに、スプリング力とその最大推力が匹敵するレベルの小型の電磁アクチュエータ87を設置できる。 【0064】次に、この図1に示された実施形態の作用効果を説明する。 【0065】(1)パイロットポペット弁57の弁シート部62の径を大きくとれることにより、パイロットポペット弁57の開口ゲインを大きくでき、フローアンプリファイポペット弁42のリリーフ弁としての良好なオーバライド特性を確保できる。 【0066】(2)パイロットポペット弁57の先端部に段付きの大径部64および小径部82を形成し、その大径部64と小径部82との断面積の差すなわちドーナツ・エリア状にして受圧面81の面積を小さくしたから、リリーフ弁圧力設定用のスプリング力を小さくでき、コイルスプリング61を小型化できる。 【0067】(3)リリーフ弁としての設定圧力を可変制御するために、上記コイルスプリング61のスプリング力とその最大推力が匹敵するレベルである小型で安価な電磁アクチュエータ87を、コイルスプリング61の省スペース化のためにコイルスプリング61とパラレルに組込むことができる。 【0068】(4)従来のようにリリーフ弁設定圧力可変制御用のパイロットピストン66や、外部のパイロットポンプ69、電磁比例減圧弁70およびパイロットリリーフ弁72などの部品や、関連配管71を必要とせず、低コスト化することができる。 【0069】以上の図1に示された実施の形態は、パイロットポペット弁57に関してドーナツ・エリア状の受圧面81を形成したものであるが、この構造のみに限定されるものではない。 【0070】次に、図2は、図1に示されたパイロットポペット弁57におけるドーナツ・エリア状の受圧面81に代えて、小径ピストンを用いた実施の形態を示す。なお、図1に示されたものと機能的に同様の部分は同一符号を付して、その説明を省略する。 【0071】この図2に示された実施の形態は、前記ポペットテーパ部58に、ネック部63を介して大径部64が一体に形成され、この大径部64の先端面すなわちコイルスプリング61とは反対側のポペット弁端面に対し、少なくとも弁シート部62の内径より小径で全長にわたって同径の円形断面に形成された別体の小径ピストン91が当接されている。 【0072】この小径ピストン91は、図1に示された圧力室83および室84とは機能的に逆に配置された室84と圧力室83との間の小孔92に摺動自在に嵌合されている。 【0073】この小径ピストン91の前記大径部64と当接する側とは反対側の端面には、前記アクチュエータ11よりの戻り圧力を受ける受圧面93が設けられている。この受圧面93は、前記戻り通路37に前記弁室41、前記通路65を経て連通する前記パイロット信号圧力を作用させる圧力室83に臨み、また、前記大径部64の先端面94は、通路85などによりタンク15に連通している前記室84に臨んでいる。よって、大径部64の先端面94には、アクチュエータよりの戻り圧力が作用しない。 【0074】さらに、パイロットポペット弁57に対し、リリーフ弁機能の設定圧力を可変制御する設定圧力可変手段としての電磁アクチュエータ87が、コイルスプリング61とパラレルに設置されている点は、図1に示された実施の形態と同様である。 【0075】そして、この図2に示されたパイロットポペット弁57も、リリーフ弁としてのオーバライド特性を向上させるために、弁シート部62および大径部64の径を図4に示された従来のものより大径に形成するとともに、小径ピストン91の先端の受圧面93を弁シート部62や大径部64の径より小径に形成する。 【0076】したがって、この小径ピストン91を有する実施の形態においても、受圧面93は、従来の先端円形受圧面64a (図4)より小面積であるとともに、弁シート部62の面積、すなわち弁シート部62の内空部の直径と同径の円の面積より小さな面積を持つから、前記ドーナツ・エリア状の受圧面81と同様の作用効果を達成できる。 【0077】以上のように、アクチュエータ11よりの戻り通路37に設置されたパイロット流量増幅型ポペット弁のスプリング室49に対して設けられたリリーフ弁機能を持つパイロットポペット弁57に設定されるクラッキング圧力に係るオーバライド特性の向上技術に関するもので、リリーフ弁機能を持つ設定圧力決定用のパイロットポペット弁57の構造を変更して、アクチュエータ11よりの戻り圧力の受圧面を、段差形の小さなドーナツ・エリア状の受圧面81としたり、または、このドーナツ・エリア状の受圧面81を小型ピストン91の受圧面93に置換することにより、コイルスプリング61の小型化を図れる。 【0078】さらに、パイロットポペット弁57の設定圧力可変手段として、小型で安価なプッシュ型の電磁アクチュエータ87を設置するのみで済み、従来のようなパイロットピストン66や、パイロットポンプ69、電磁比例減圧弁70、パイロットリリーフ弁72および関連配管71などの高価な設備を必要とせず、低コスト化を図れる。 【0079】本発明の弁装置は、特に、建設機械のアクチュエータ・メータアウト制御に用いられるパイロット流量増幅型ポペット弁のリリーフ弁として好適なものであるが、オーバライド特性に優れたリリーフ弁として、他の部分にも広く適用可能である。 【0080】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、スプリングに抗してパイロットポペット弁を開き方向に押圧するパイロット信号圧力を受ける受圧面が、弁シート部の面積より小さな面積を持つから、パイロットポペット弁の弁シート部に十分な開口ゲインを確保でき、リリーフ弁としての良好なオーバライド特性を確保しつつ、パイロット信号圧力の受圧面積が小さいので、圧力設定用のスプリングを小型化できる。 【0081】請求項2記載の発明によれば、パイロットモジュレーション弁によりパイロット流量を制御されるパイロット流量増幅型ポペット弁に対しパイロットポペット弁がリリーフ弁として機能する際に、弁シート部の面積より小さな面積を持つパイロット信号圧力の受圧面を有するパイロットポペット弁は、その開口ゲインを大きくでき、パイロット流量増幅型ポペット弁の大きなリフト量を確保できるとともに、リリーフ弁としての良好なオーバライド特性を確保しつつ、パイロット信号圧力の受圧面が小さいので、圧力設定用のスプリングを小型化できる。 【0082】請求項3記載の発明によれば、大径部と小径部との径の差を小さくすることにより、ドーナツ・エリア状の受圧面の面積を十分小さくできるから、パイロット信号圧力が十分高圧となっても、パイロットポペット弁の推力を十分小さくでき、リリーフ弁圧力設定用のスプリング力も十分小さくでき、スプリングの十分な小型化を達成できる。 【0083】請求項4記載の発明によれば、パイロット信号圧力を弁シート部より小径の受圧面で受けた小径ピストンを介してパイロットポペット弁に伝えるから、パイロット信号圧力が高圧となっても、パイロットポペット弁の推力を小さくでき、リリーフ弁圧力設定用のスプリング力も小さくでき、スプリングの小型化を達成できるとともに、パイロットポペット弁と別体の小径ピストンとをそれぞれ容易に加工できる。 【0084】請求項5記載の発明によれば、スプリングとパラレルに設置されたリリーフ弁機能の設定圧力を可変制御する設定圧力可変手段は、スプリングを介することなくパイロットポペット弁に直接作用するから、スプリングを伸縮調整する必要がなく、スプリングの省スペース化を図れる。 【0085】請求項6記載の発明によれば、圧力設定用のスプリングを小型化できる請求項1乃至4のいずれかに記載の弁装置において、設定圧力可変手段を電磁アクチュエータとしたから、従来の高価な外部パイロット圧力信号発生装置を用いることなく、小スプリング力とほぼコンパラブルな小推力かつ小型で安価な電磁アクチュエータでもリリーフ弁設定圧力を可変制御でき、コスト低減を図れる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000190297 【氏名又は名称】新キャタピラー三菱株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年5月10日(1999.5.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062764 【弁理士】 【氏名又は名称】樺澤 襄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−320703(P2000−320703A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月24日(2000.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願平11−129086 |
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