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【発明の名称】 逆止弁
【発明者】 【氏名】木村 美良

【要約】 【課題】長期間に亘って確実に弁体を開閉することができ、また、弁体の開閉時にパーティクルの発生を抑制することができ、また、低流量時におけるチャタリングの発生を防止してパーティクルの発生、圧力変動を抑制することができる。

【解決手段】弁体1は一側にガス流入通路11を有し、他側にガス流出通路20を有し、中間部に空所25を有する。空所25におけるガス流入通路11の大径の出口側周縁部に弁座27を設ける。空所25に弁座27と対向するように円盤状の弁体29を設ける。弁本体1と弁体29との間に前記弁体29を片持ち式で弁座27に押圧してガス流入通路11を開放可能に閉塞するコバルト合金製の板ばねから成る押圧部材31を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガス流入通路およびガス流出通路を有するとともに、これらガス流入通路、ガス流出通路間に空所を有する弁本体と、前記空所における前記ガス流入通路の出口側周縁部に設けられた弁座と、前記空所に前記弁座と対向するように設けられた弁体と、前記弁本体と前記弁体との間に設けられ、前記弁体を片持ち式で前記弁座に押圧して前記ガス流入通路を開放可能に閉塞する板ばね材から成る押圧部材とを備えた逆止弁。
【請求項2】 弁体が円盤状に形成され、ガス流入通路の出口側が大径に形成されて前記弁体の流入ガスによる受圧面積が大きくなるように構成された請求項1記載の逆止弁。
【請求項3】 押圧部材が、弁体との固定部から離隔するに従い、次第に弁体から離隔するように緩やかに傾斜する緩傾斜部と、この緩傾斜部から離隔するに従い、前記緩傾斜部よりも少し急な角度で次第に前記弁体から離隔するように傾斜する急傾斜部とを有し、前記急傾斜部が弁本体の傾斜面に当接され、前記緩傾斜部が前記弁本体の傾斜面の角部を支点として撓み得るように構成された請求項1または2記載の逆止弁。
【請求項4】 押圧部材がコバルト合金から成り、その板厚が約0.08mmであり、緩傾斜部の弁体に対する傾斜角度が約10度に設定された請求項3記載の逆止弁。
【請求項5】 押圧部材の先端部がその穴により弁体の背面側の筒状突出部に嵌合され、前記筒状突出部に押さえリングが嵌合されて前記押圧部材の先端部が前記弁体に対して押さえられ、前記筒状突出部の先端部が前記押さえリングにかしめられて前記押さえリングが前記筒状突出部に対して抜止めされ、前記押圧部材の先端部が前記弁体に固定された請求項1ないし4のいずれかに記載の逆止弁。
【請求項6】 押圧部材の基部が溶接により弁本体に固定された請求項1ないし5のいずれかに記載の逆止弁。
【請求項7】 押圧部材の基部が弁本体に挟持されて固定された請求項1ないし5のいずれかに記載の逆止弁。
【請求項8】 押圧部材の基部が弁本体に押さえ部材により押さえられた状態で、この押さえ部材と共に前記弁本体にねじ止めにより固定された請求項1ないし5のいずれかに記載の逆止弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、半導体製造装置における高純度ガス供給系の集積化ガス制御装置に組み込み、若しくはガス配管の途中に接続するなどにより使用するのに適する逆止弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体製造装置における高純度ガス供給系で使用されている一般的な逆止弁について図7を参照しながら概略説明すると、以下のように構成されている。本体101の一側と他側にガス流入通路102とガス流出通路103が形成され、本体101の中間部にガス流入通路102とガス流出通路103とに連通する空所104が形成され、この空所104におけるガス流入通路103の出口側周縁部にゴム製の弁座105が設けられ、空所104に弁体(ポペット)106が軸方向に移動可能に設けられ、空所104に弁体106を弁座105に押圧する圧縮ばね107が設けられている。
【0003】そして、ガス流入通路102に流入した高純度ガスは、弁体106を圧縮ばね107の弾性に抗して弁座105から離隔させ、空所104を通り、ガス流出通路103から流出する。何らかのトラブルでガスがガス流出通路103に逆流すると、このガスは弁体106を圧縮ばね107の反撥力と共に弁座105に加圧してガス流入通路102を閉じ、ガス流入通路102側へ流入するのを阻止される。
【0004】しかしながら、前記従来例の構成では、弁体106の開閉時に弁体106と圧縮ばね107とがこすれ、パーティクルが発生し、高純度ガスに混入してその純度を低下させる。また、弁体106はそのガス受圧面積が小さく、ガス流量の影響を受けやすいため、ガスの低流量時に弁体がに円滑に開閉作動せず、チャタリングが発生し、この弁体106の振動によりパーティクルが発生して高純度ガスの純度を低下させるばかりでなく、圧力変動によりガス供給流量が不安定となる。
【0005】そこで、前記従来例の問題を解消すべく、従来の他の逆止弁として、ダイヤフラムを用いて無摺動化した構成が提案されている(特許第2668167号公報、特開平6−235469号公報、特開平6−265035号公報、特開平7−4542号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記のような無摺動化逆止弁の構成では、ガスの供給、逆流時の圧力をダイヤフラムが直接受けて撓むため、長時間の使用によりダイヤフラムがへたる。したがって、信頼性および耐久性に難点がある。
【0007】本発明の目的は、長期間に亘って確実に弁体を開閉することができ、したがって、信頼性および耐久性を向上させることができ、また、弁体の開閉時のパーティクルの発生を抑制することができ、したがって、供給ガスの純度低下を防止することができるようにした逆止弁を提供するにある。
【0008】本発明の他の目的は、低流量時におけるチャタリングの発生を防止することができてパーティクルの発生を抑制することができるとともに、圧力変動を防止することができ、したがって、更に一層、供給ガスの高純度低下を防止することができるとともに、ガス供給系の流量を安定させることができるようにした逆止弁を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明の逆止弁は、ガス流入通路およびガス流出通路を有するとともに、これらガス流入通路、ガス流出通路間に空所を有する弁本体と、前記空所における前記ガス流入通路の出口側周縁部に設けられた弁座と、前記空所に前記弁座と対向するように設けられた弁体と、前記弁本体と前記弁体との間に設けられ、前記弁体を片持ち式で前記弁座に押圧して前記ガス流入通路を開放可能に閉塞する板ばね材から成る押圧部材とを備えたものである。
【0010】上記課題を解決するために本発明の他の逆止弁は、前記構成において、弁体が円盤状に形成され、ガス流入通路の出口側が大径に形成されて前記弁体の流入ガスによる受圧面積が大きくなるように構成されたものである。
【0011】前記各構成において、押圧部材が、弁体との固定部から離隔するに従い、次第に弁体から離隔するように緩やかに傾斜する緩傾斜部と、この緩傾斜部から離隔するに従い、前記緩傾斜部よりも少し急な角度で次第に前記弁体から離隔するように傾斜する急傾斜部とを有し、前記急傾斜部を弁本体の傾斜面に当接させ、前記緩傾斜部を前記弁本体の傾斜面の角部が支点となって撓み得るように構成することができ、この場合、押圧部材をコバルト合金によりその板厚が約0.08mmとなるように形成するとともに、前記緩傾斜部の前記弁体に対する傾斜角度を約10度に設定するのが好ましい。
【0012】前記各構成において、押圧部材の先端部をその穴により弁体の背面側の筒状突出部に嵌合し、前記筒状突出部に押さえリングを嵌合して前記押圧部材の先端部を前記弁体に対して押さえ、前記筒状突出部の先端部を前記押さえリングにかしめて前記押さえリングを前記筒状突出部に対して抜止めし、前記押圧部材の先端部を前記弁体に固定することができる。
【0013】前記各構成において、押圧部材の基部を溶接により弁本体に固定し、または押圧部材の基部を弁本体に挟持させて固定し、または押圧部材の基部を弁本体の押さえ部材により押さえた状態で、この押さえ部材と共に前記弁本体にねじ止めにより固定することができる。
【0014】前記のように構成された本発明によれば、弁体を片持ち式に支持し、弁体の開閉に用いる押圧部材を板ばねにより形成し、しかも、この押圧部材は弁体を開く際に撓み、弁体を閉じる際に弾性復元するだけであり、圧力を直接受けることがないので、圧力を直接受ける従来例のダイヤフラムのように部分的に無理な力が加わらないようにし、長期間に亘って確実に弁体を開閉することができる。また、板ばねから成る押圧部材により弁体を片持ち式に支持して弁体を全体としてスイング式に回動させてガス流入通路を開閉するようにしているので、弁体開閉時のこすれを抑制してパーティクルの発生を抑制することができる。
【0015】また、弁体を円盤状に形成し、ガス流入通路の出口側を大径に形成して弁体の流入ガスによる受圧面積を大きくなるように構成することにより、ガスの低流量時においても弁体を安定状態で確実に開閉することができるので、チャタリングの発生を防止することができてパーティクルの発生を抑制することができるとともに、圧力変動を防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る逆止弁を示し、弁体を弁座に当接させてガス流入通路を閉じた状態の縦断面図である。
【0017】図1に示すように、弁本体1はステンレス等から成るガス流入側本体2、ステンレス等から成るガス流出側本体3、ステンレス等から成る締付具4等から構成されている。ガス流入側本体2は一側部に小径部5が形成され、中間部に中間径部6が形成され、他側部に大径部7が形成されている。小径部5の外周にはねじ8が形成され、中間径部6の外面には位置合わせ用溝9が形成され、大径部7の外周にはねじ10が形成されている。小径部5の端面から大径部7に至るガス流入通路11が軸心に沿うように形成され、このガス流入通路8が大径部側において大径12に拡開されている。大径部7の内側はガス流入通路8の大径部12が開放される更に大径の凹入部13が形成されている。
【0018】ガス流出側本体3は一側部に小径部14が形成され、中間部に中間径部15が形成され、他側部に大径部16が形成されている。小径部14の外周にはねじ17が形成され、中間径部15の外面には位置合わせ用溝18が形成され、大径部16の外周には環状の係止部19が突設されている。ガス流出側本体3の内側にはガス流出通路20が形成されている。このガス流出通路20は大径部16および中間径部15においては大径部16の端面外周部から小径部14側の軸心部に至る間で傾斜され、小径部14の内側で軸心に沿うように形成されている。大径部16の端面においてガス流出通路20の開放側とは反対側に突出部21が形成され、突出部21における外周側は外縁側に至るに従い、次第に中間径部15側に後退する傾斜面21aに形成されている。
【0019】締付具4は環状に形成され、一側内周にねじ22が形成され、他側端部内周には小径となる環状の係止部23が形成されている。ガス流入側本体2の大径部7における凹入部13の開放側にはガス流出側本体2の大径部16における端部側が挿入され、大径部7の端面と係止部19との間にステンレス等から成るガスケット24が介在されている。ガス流入側本体2の大径部7とガス流出側本体3の大径部16との外周において、締付具4の係止部23がガス流出側本体3の係止部19に係止された状態で締付具4のねじ22がガス流入側本体2のねじ10に螺合されて締付けられ、ガス流入側本体2とガス流出側本体3とがガスケット24を介してシール状態に接続されている。
【0020】前記のように構成された弁本体1の内側にはガス流入側本体2の大径部7とガス流出側本体3の大径部16との間で、ガス流入通路11とガス流出通路20とに連通する空所(弁室)25が形成されている。ガス流入側本体2のガス流入通路11の大径部12の出口側外周部において段差状の環状溝26が形成され、この環状溝26における外周側の浅い部分にゴム製の弁座27の基部側が挿入され、環状溝26における内周側の深い部分にステンレス等から成る保持筒28が圧入され、保持筒28の先端部が弁座27に対してかしめられて弁座27はその先端部側が空所25内に突出された状態で固定されている。空所25内には弁体(フラッパー)29が設けられる。この弁体29はステンレス等により円盤状に形成され、背面側中央部に筒状部30が一体に設けられている。筒状部30には板ばね材、好ましくは、耐食性、ばね性に優れたコバルト合金から成る押圧部材31の先端部がこの先端部に形成された穴31aにより嵌合されている。筒状部30の外側には押さえリング32が嵌合されて押圧部材31の先端部が弁体29に対して押さえられ、筒状部30の先端部が押さえリング32に対してかしめられ、押さえリング32が抜止めされた状態で、押圧部材31の先端部が弁体29と押さえリング32とで挟持されて固定されている。
【0021】押圧部材31は弁体29との固定部から離隔するに従い、次第に弁体29から離隔するように緩やかに傾斜する緩傾斜部と、この緩傾斜部から離隔するに従い、前記緩傾斜部よりも少し急な角度で次第に弁体29から離隔するように傾斜する急傾斜部とを有し、急傾斜部がガス流出側本体3の傾斜面21aに当接されてスポット溶接33により固定され、緩傾斜面が傾斜面21aの角部21bを支点として撓み得るようになっている。このような状態で弁体29は板ばね材から成る押圧部材31により片持ち式に支持され、押圧部材31により弁座27に当接されてガス流入通路11が閉じられ、ガス流入通路11から流入するガスの圧力により押圧部材31の弾性に抗して弁座27から離隔され、ガス流入通路11が空所25に開放されるようになっている。そして、前記のように押圧部材31は緩傾斜部と急傾斜部との折曲げ部が傾斜面21aの角部21bに位置され、この角部21bを支点として撓むようにしているので、弁体29が弁座27から離角する際に無理なく撓み、また比較的強い復元弾性により弁体29を弁座27に押圧することができる。
【0022】弁体29の開放状態については、図示していないが、全体的には板ばねから成る片持ち式の押圧部材31によりスイング式の開閉動作を行うことになるが、弁体29が弁座27から離れる際、若しくは弁座27に当接する直前において、軸心方向に短い距離で平行移動させ、弁体29が弁座27を全くこすることなく離隔し、また、弁体29がその全周に亘って弁座27の全周に均等な圧力で当接し、更に、弁体29の弁座27に対する適度な加圧力(クラッキング力)を得るようにするには、押圧部材31の材質、板厚、緩傾斜部のセッティング角度等を適宜選択することにより達成することができる。
【0023】前記のように構成された逆止弁は、高純度ガス供給ラインの途中にねじ8、17により接続して使用する。そして、ガスがガス流入通路11に流入して大径部12に至ると、そのガス圧力により弁体29が板ばねから成る押圧部材31の弾性に抗してスイング式に回動され、ガス流入通路11が空所25に連通される。これに伴い、ガスはガス流入通路11から空所25を経てガス流出通路20へ流出する。ここで何らかのトラブルでガスがガス流出通路20、空所25に逆流すると、このガスの圧力と押圧部材31の反撥弾性とにより弁体29がスイング式に回動されて弁座27に押圧され、ガス流入通路11を空所25に対して閉じる。これによりガス流入通路11へ逆流するのを防止することができる。
【0024】このように本実施形態に係る逆止弁によれば、弁体29を板ばねから成る片持ち式の押圧部材31により弁座27に押圧するようにしているので、長期間使用しても押圧部材31がへたるおそれがなく、弁体29の押圧力を安定させることができ、耐久性および信頼性を向上させることができる。特に、押圧部材31の折曲げ部をガス流出側本体3の傾斜面21aの角部21bに位置させ、押圧部材31の緩傾斜部を角部21bを支点として撓むようにすることにより、弁体29を開く際に押圧部材31を無理なく撓ませ、弁体29を閉じる際に比較的強い反撥力によりを弁座27に押圧することができる。また、押圧部材31として、耐食性、ばね性の高いコバルト合金を用いることにより、更に一層、弁体29の押圧力を安定させ、耐久性および信頼性を向上させることができる。また、板ばねから成る片持ち式の押圧部材31により弁体29スイング式に回動させるようにし、こすれる部分がほとんどなく、パーティクルの発生を抑制することができるので、供給ガスの純度低下を防止することができる。
【0025】また、前記のように弁体29が弁座27から離れる際、若しくは弁座27に当接する直前において、弁体29を平行に移動させることにより、こする部分が全くなくなる無摺動化を図ることができ、更に一層、パーティクルの発生を抑制して供給ガスの純度低下を防止することができ、しかも、確実にガス流入通路11を閉塞することができる。また、弁体29を円盤状に形成し、ガス流入通路11の出口側を大径部12に形成して弁体29における流入ガスの受圧面積が大きくなるように構成することにより、ガスの低流量時においても、ガス流の影響をほとんど受けないようにしてチャタリングの発生を防止することができ、更に一層、パーティクルの発生を防止することができて供給ガスの純度低下を防止することができ、しかも、ガス供給系の流量を安定化させることができる。
【0026】次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図2は本発明の第2の実施形態に係る逆止弁を示す要部の断面図である。
【0027】本実施例においては、図2に示すように、押圧部材31の基部がガス流入側本体2の大径部7の端面とガスケット24との間に挟持状態で固定されたものであり、その他の構成および作用については前記第1実施形態と同様である。
【0028】次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図3は本発明の第3の実施形態に係る逆止弁を示す要部の断面図である。
【0029】本実施例においては、図3に示すように、押圧部材31の基部がガス流出側本体3の傾斜面21aに挟持部材34により挟まれ、押圧部材31の基部が挟持部材34と共にねじ35により傾斜面21aに螺着されることにより、押圧部材31の基部が固定されたものであり、その他の構成および作用については前記第1実施形態と同様である。
【0030】次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図4(a)は本発明の第4の実施形態に係る逆止弁を示す要部の断面図である。同図(b)は同逆上弁に用いる押圧部材を示す側面図である。
【0031】本実施例においては、図4(a)、(b)に示すように、押圧部材31がリング状に形成され、このリング状の基部がガス流出側本体2の大径部7の端面とガスケット24との間に挟持状態で固定されたものであり、その他の構成および作用については前記第1の実施形態と同様である。
【0032】
【実施例】本発明の実施例として、図1の構成において、弁体29にSUS316Lを用い、押圧部材31にコバルト合金を用いた。そして、押圧部材31の板厚を約0.08mmに設定し、押圧部材31の緩傾斜部を弁体29、すなわち、軸心と直角の面に対して約10度となるように設定した。このように設定するとともに、弁体29のガス受圧面積が大きくなるように設定することにより、弁体29が弁座27から離れ、若しくは当接する際に、弁体29を1mm程度、平行移動させ、弁座27とは全くこすらないように、しかも、弁体29をその全周に亘って弁座27の全周に均等に加圧した状態で閉塞することができた。そして、図5に示すパーティクル試験ラインのように、高純度ガス供給源41から高純度窒素ガスを圧力調整弁42、空圧弁43、マスフローメータ44、フィルタ45を介して本発明実施例における逆止弁46のガス流入通路11に流入させ、ガス流出通路20から流出する高純度窒素ガスをサンプリング管47に流入させ、ここでレーザパーティクルカウンタで高純度窒素ガス中に含まれるパーティクル数を測定した。レーザパーティクルカウンタの測定粒径は0.05〜1.00μmである。なお、前記測定に際し、マスフローメータ44の上流の空圧弁43を全開したスタティック状態で測定した。
【0033】前記パーティクル試験における本発明実施例の逆止弁46の測定結果と、図5のパーティクル試験ラインにおいて本発明実施例の逆止弁46に替えて配管を取付けたバックグラウンドの測定結果を図6のグラフに示す。図6から明らかなように、本発明実施例の逆止弁46を用いた場合には、初期のみパーティクルがMAXで27個/min発生したが、その後、5個/min以下で、ほとんどは0〜1個/minであった。これに対し、図7に示す従来例では、開閉時、0.1μm以上のパーティクルが100〜200個/min発生することが知られている。したがって、この試験結果からも本発明実施例の逆止弁46によれば、パーティクルの発生が激減していることは明らかである。
【0034】なお、押圧部材31の基部はこの基部に形成した穴をガス流出側本体3の傾斜面21aに突設した突出部に嵌合し、かしめ加工により押圧部材31の基部を突出部に対して固定するなど、種々の固定方式を採用することができる。また、ガス流入側本体2の大径部7とガス流出側本体3の大径部16を締付けて接続する手段も前記実施形態の構成に限定されるものではない。また、ガス流入側本体2とガス流出側本体3とを溶接するなど、弁本体1も種々の構成を採用することができる。このほか、本発明は、その基本的技術思想を逸脱しない範囲で種々設計変更することができる。
【0035】
【発明の効果】以上の説明したように本発明によれば、弁体を片持ち式に支持し、弁体の開閉に用いる押圧部材を板ばねにより形成し、しかも、この押圧部材は弁体を開く際に撓み、弁体を閉じる際に弾性復元するだけであり、圧力を直接受けることがないので、圧力を直接受ける従来例のダイヤフラムのように部分的に無理な力が加わらないようにし、長期間に亘って確実に弁体を開閉することができる。したがって、信頼性および耐久性を向上させることができる。また、板ばねから成る押圧部材により弁体を片持ち式に支持して弁体を全体としてスイング式に回動させてガス流入通路を開閉するようにしているので、弁体開閉時のこすれを抑制してパーティクルの発生を抑制することができる。したがって、供給ガスの純度低下を防止することができる。
【0036】弁体を円盤状に形成し、ガス流入通路の出口側を大径に形成して弁体の流入ガスによる受圧面積を大きくなるように構成することにより、ガスの低流量時においても弁体を安定状態で確実に開閉することができるので、チャタリングの発生を防止することができてパーティクルの発生を抑制することができるとともに、圧力変動を防止することができる。したがって、更に一層、供給ガスの純度低下を防止することができるとともに、ガス供給系の流量を安定させることができる。
【0037】押圧部材が、弁体との固定部から離隔するに従い、次第に弁体から離隔するように緩やかに傾斜する緩傾斜部と、この緩傾斜部から離隔するに従い、前記緩傾斜部よりも少し急な角度で次第に前記弁体から離隔するように傾斜する急傾斜部とを有し、前記急傾斜部を弁本体の傾斜面に当接させ、前記緩傾斜部を前記弁本体の傾斜面の角部を支点として撓み得るように構成することにより、押圧部材を円滑に撓ませて弁体を開くことができ、押圧部材の比較的強い反撥弾性により弁座に対して押圧して確実に閉じることができる。そして、前記押圧部材の材質、板厚、緩傾斜部の弁体(軸心と直角な面)に対する傾斜角度を適宜選択することにより、弁体が弁座から離れる際、若しくは弁座に当接する直前において弁体を平行に移動させ、弁体が弁座と全くこすらない無摺動化を図ってパーティクルの発生を防止することができ、しかも、弁体をその全周に亘って弁座の周囲に均等に当接させて確実にガス流入通路を閉塞することができる。このように弁体を平行移動させるには、押圧部材として、例えば、コバルト合金に用いた場合、その板厚を0.08mmに設定し、緩傾斜部を弁体に対して約10度の角度に設定することにより達成することができる。また、押圧部材として耐食性、ばね性に優れたコバルト合金を用いることにより、更に一層、耐久性と信頼性を向上させることができる。
【0038】押圧部材の先端部をその穴により弁体の背面側の筒状突出部に嵌合し、前記筒状突出部に押さえリングを嵌合して前記押圧部材の先端部を前記弁体に対して押さえ、前記筒状突出部の先端部を前記押さえリングにかしめて前記押さえリングを前記筒状突出部に対して抜止めし、前記押圧部材の先端部を前記弁体に固定することにより、製作時におけるパーティクルの発生の原因を解消することができる。
【0039】押圧部材の基部を溶接により弁本体に固定し、または押圧部材の基部を弁本体に挟持させて固定し、または押圧部材の基部を弁本体に押さえ部材により押さえた状態で、この押さえ部材と共に前記弁本体にねじ止めにより固定することにより、製作時におけるパーティクルの発生の原因を解消することができる。
【出願人】 【識別番号】000232726
【氏名又は名称】株式会社ベンカン
【出願日】 平成11年5月7日(1999.5.7)
【代理人】 【識別番号】100071515
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 景介
【公開番号】 特開2000−320701(P2000−320701A)
【公開日】 平成12年11月24日(2000.11.24)
【出願番号】 特願平11−127468