| 【発明の名称】 |
バタフライ弁及びその弁座取付方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】安田 正人
【氏名】金田 一司
【氏名】荒木 美喜夫
【氏名】越中谷 矗
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| 【要約】 |
【課題】ゴムの使用量が少なくて環境に優しいバタフライ弁の提供を課題とする。また、容易かつ確実に取付固定できる弁座取付方法の提供も課題とする。
【解決手段】バタフライ弁においては、弁座13が、断面視蟻溝状の弁座取付溝14内に挿入されると共に、断面視した場合に弁座取付溝14の底面14aに面した外周部分が二股分岐13a及び13bされ、底面14aには、これらの間に挿入されて押し広げる楔部材15が取り付けられる構成を採用した。また、弁座取付方法においては、底面14aに楔部材15を挿入して取り付ける楔部材取付工程と、この後、二股分岐13a及び13bを互いに近づけるように圧迫してから弁座13を弁座取付溝14内に挿入する挿入工程と、この後、さらに弁座13を弁座取付溝14内に挿入して楔部材15で二股分岐13a及び13b間を押し広げて弁座取付溝14内で太らせる押し広げ工程とを有する方法を採用した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流体の流通する筒状の流路が形成された弁箱と、前記流路内に前記流体の流入方向に対して垂直かつ回動自在に支持された弁棒と、該弁棒に固定されて回動して前記流路を開閉する弁体と、該弁体が閉じた状態でその周縁が密接する弁座とを備えたバタフライ弁において、前記弁座は、前記流路の内周面に沿って開口して形成された断面視蟻溝状の弁座取付溝内に挿入される形状の弾性体であると共に、前記断面視した場合に前記弁座取付溝の底面に面した外周部分が前記底面に向かって開拡するように二股分岐され、前記底面には、前記二股分岐の間に挿入されてこれらを互いに離間させる方向に押し広げる楔部材が取り付けられていることを特徴とするバタフライ弁。 【請求項2】 請求項1記載のバタフライ弁において、前記弁座は、硬度が45〜75の範囲を有するゴム材であり、前記楔部材は、硬度が85〜95の範囲でかつ前記弁座の硬度よりも高いゴム材であることを特徴とするバタフライ弁。 【請求項3】 請求項1または2記載のバタフライ弁において、前記楔部材と前記弁座との接触面のどちらか一方には、係合突部が形成され、他方には前記係合突部が係合する係合溝が形成されていることを特徴とするバタフライ弁。 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のバタフライ弁において、前記弁座取付溝の前記底面と前記楔部材との接触面のどちらか一方には嵌合突部が形成され、他方には前記嵌合突部が嵌合する嵌合溝が形成されていることを特徴とするバタフライ弁。 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のバタフライ弁において、前記楔部材は、その周方向に沿って複数個に分割されていることを特徴とするバタフライ弁。 【請求項6】 流体の流通する筒状の流路が形成された弁箱と、前記流路内に前記流体の流入方向に対して垂直かつ回動自在に支持された弁棒と、該弁棒に固定されて回動して前記流路を開閉する弁体とを備えたバタフライ弁への弁座取付方法において、前記流路の内周面に沿って開口して形成された断面視蟻溝形状の弁座取付溝内の底面に、予め成形された楔部材を挿入して取り付ける楔部材取付工程と、該楔部材取付工程の後、環状かつその軸線を通る仮想平面で見た断面が外周に向かって開拡するように二股分岐された弾性体である弁座を、前記二股分岐を互いに近づけるように圧迫してから前記弁座取付溝内に挿入する挿入工程と、該挿入工程の後、さらに弁座を前記弁座取付溝内に挿入して前記楔部材で前記二股分岐間を再び押し広げて前記弁座取付溝内で太らせる押し広げ工程とを有することを特徴とするバタフライ弁への弁座取付方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、上水路等の管路に接続されて流体の圧力や流量制御等を行うバタフライ弁に関するものである。 【0002】 【従来の技術】様々な分野において、流体の圧力や流量制御等を目的としてバタフライ弁が広く用いられている。従来のこの種の一般的なバタフライ弁について、図10を参照しながら以下にその概略構造を説明する。このバタフライ弁は、流体の流通する筒状の流路が形成された弁箱1と、流路内に流体の流入方向に対して垂直かつ回動自在に支持された弁棒2と、該弁棒2に固定されて回動して流路を開閉する弁体3と、該弁体3が閉じた状態でその周縁が密接する弁座4と、弁棒2を回動させるための回転駆動力を伝達する駆動力伝達機構5(減速機)とを備えている。 【0003】弁座4は、ゴム材を薄肉円筒形状に成形加工したものであり、弁箱1の内壁面1aの全面を覆うように、弁箱1内の流路全長と同じ長さを有している。また、その肉厚においては、弁体3が密接する際にある程度変形してシール性を得るためや摩耗などを考慮して、所定寸法の肉厚を有している。バタフライ弁にこの弁座4を取り付ける場合には、弁座4の外周面4aと前記内壁面1aとの間に隙間ができないように弁座4を弁箱1内に挿入して取り付けるが、その固定方法としては、前記外周面4aと前記内壁面1aとの間に接着剤を塗布し、弁座4を挿入した状態で加硫させる方法などがある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記説明の従来のバタフライ弁は、以下のような問題を有している。すなわち、弁座4の材質としてはゴムが好ましく用いられ、一般的には上述したように弁箱1内の流路全長にわたってライニングして使用されているが、その劣化に伴う弁座4の交換が必要とされた場合には、弁箱1内より弁座4を残らず取り除く必要があるため、取り除かれた弁座4の廃棄処分を考慮すると、ゴムの使用量が多い場合には環境上、好ましくないという問題である。また、別の問題としては、バタフライ弁への弁座4の取り付け工程を考慮した場合、この様な長くて大きい弁座4を弁箱1内に正しく挿入して加硫で全ての面接触部分において均等かつ確実に固定させるといった作業は手間であり、場合によっては困難であるという問題がある。 【0005】本発明は上記事情を鑑みてなされたものであって、下記をその目的としている。すなわち、ゴムの使用量が少なくて環境に優しいバタフライ弁の提供を目的とする。また、本発明の別の目的としては、容易かつ確実に取り付け固定できる弁座取付方法の提供も目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明のバタフライ弁及びその弁座取付方法は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。すなわち、請求項1記載のバタフライ弁は、流体の流通する筒状の流路が形成された弁箱と、前記流路内に前記流体の流入方向に対して垂直かつ回動自在に支持された弁棒と、該弁棒に固定されて回動して前記流路を開閉する弁体と、該弁体が閉じた状態でその周縁が密接する弁座とを備えたバタフライ弁において、前記弁座が、前記流路の内周面に沿って開口して形成された断面視蟻溝状の弁座取付溝内に挿入された環状の弾性体であると共に、前記断面視した場合に前記弁座取付溝の底面に面した外周部分が前記底面に向かって開拡するように二股分岐され、前記底面には、前記二股分岐の間に挿入されてこれらを互いに離間させる方向に押し広げる環状の楔部材が取り付けられていることを特徴とする。 【0007】上記請求項1記載のバタフライ弁によれば、弁箱の弁座取付溝内の底面に、予め成形された楔部材を挿入して取り付けた後、二股分岐間を互いに近づけるように弁座の外周部分を圧迫してからこれを弁座取付溝内に挿入し、さらに二股分岐間に弁座取付溝内の楔部材が入り込むように弁座を弁座取付溝の底面に向かって挿入することで、二股分岐間が楔部材によって押し広げられ、弁座の外周部分が弁座取付溝内の形状に合致するように厚み方向に太るので、弁座取付溝内に容易かつ確実に固定される。また、このようにして固定された弁座は、従来の大型形状の弁座に比較して小さい環状体であるので、寿命等の理由によりこれを廃棄処分する場合には、廃棄処分量が少なくて済む。 【0008】請求項2記載のバタフライ弁は、請求項1記載のバタフライ弁において、前記弁座が、硬度が45〜75の範囲を有するゴム材であり、前記楔部材が、硬度が85〜95の範囲でかつ前記弁座の硬度よりも高いゴム材であることを特徴とする。 【0009】上記請求項2記載のバタフライ弁によれば、弁座の硬度を45〜75の範囲とし、楔部材の硬度を85〜95の範囲でかつ弁座の硬度よりも高いものとすることで、弁座を弁箱の弁座取付溝内に挿入したときに、楔部材が弁座の硬度に負けて変形することなく、確実に弁座外周部分の二股分岐間を押し広げて太らせることができる。 【0010】請求項3のバタフライ弁は、請求項1または2記載のバタフライ弁において、前記楔部材と前記弁座との接触面のどちらか一方には、係合突部が形成され、他方には前記係合突部が係合する係合溝が形成されていることを特徴とする。 【0011】上記請求項3記載のバタフライ弁によれば、楔部材と弁座との接触面のどちらか一方に係合突部を形成するとともに他方にこの係合突部が係合する係合溝を形成することで、弁座取付溝内に弁座を挿入固定した際に係合突部と係合溝とが係合して弁座と楔部材との間が離間不可に結合される。したがい、楔部材が弁座外周部分の二股分岐間より外れることがないので、弁座外周部分が弁座取付溝内で太った状態に維持される。 【0012】請求項4記載のバタフライ弁は、請求項1〜3のいずれかに記載のバタフライ弁において、前記弁座取付溝の前記底面と前記楔部材との接触面のどちらか一方には嵌合突部が形成され、他方には前記嵌合突部が嵌合する嵌合溝が形成されていることを特徴とする。 【0013】上記請求項4記載のバタフライ弁によれば、嵌合突部を嵌合溝に嵌合させるように底面に楔部材を取り付けることで、楔部材を弁座取付溝の底面に容易かつ正確に位置決め固定できる。 【0014】請求項5記載のバタフライ弁は、請求項1〜4のいずれかに記載のバタフライ弁において、前記楔部材が、その周方向に沿って複数個に分割されていることを特徴とする。 【0015】上記請求項5記載のバタフライ弁によれば、楔部材を周方向に沿って複数個に分割した構成を採用することで、これを弁座取付溝内に挿入固定する際に曲げながら挿入する必要がなくなる。したがい、楔部材の材質を選定するにあたり、挿入作業時に曲げることを考慮して楔部材の硬度を下げる必要がない。 【0016】請求項6記載のバタフライ弁への弁座取付方法は、流体の流通する筒状の流路が形成された弁箱と、前記流路内に前記流体の流入方向に対して垂直かつ回動自在に支持された弁棒と、該弁棒に固定されて回動して前記流路を開閉する弁体とを備えたバタフライ弁への弁座取付方法において、前記流路の内周面に沿って開口して形成された断面視蟻溝形状の弁座取付溝内の底面に、予め成形された楔部材を挿入して取り付ける楔部材取付工程と、該楔部材取付工程の後、環状かつその軸線を通る仮想平面で見た断面が外周に向かって開拡するように二股分岐された弾性体である弁座を、前記二股分岐を互いに近づけるように圧迫してから前記弁座取付溝内に挿入する挿入工程と、該挿入工程の後、さらに弁座を前記弁座取付溝内に挿入して前記楔部材で前記二股分岐間を再び押し広げて前記弁座取付溝内で太らせる押し広げ工程とを有することを特徴とする。 【0017】上記請求項6記載のバタフライ弁への弁座取付方法によれば、弁箱の弁座取付溝内の底面に、予め成形された楔部材を挿入して取り付けた後、二股分岐間を互いに近づけるように弁座の外周部分を圧迫してからこれを弁座取付溝内に挿入し、さらに二股分岐間に弁座取付溝内の楔部材が入り込むように弁座を弁座取付溝の底面に向かって挿入することで、二股分岐間が楔部材によって押し広げられ、弁座の外周部分が弁座取付溝内の形状に合致するように厚み方向に太るので、弁座取付溝内に容易かつ確実に固定される。 【0018】 【発明の実施の形態】本発明の一実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。図1、図2に示すように、本実施形態のバタフライ弁は、流体の流通する筒状の流路が形成された弁箱10と、流路内に流体の流入方向に対して垂直かつ回動自在に支持された弁棒11と、該弁棒11に固定されて回動して流路を開閉する弁体12と、該弁体12が閉じた状態でその周縁が密接する弁座13と、弁棒11を回動させるための回転駆動力を伝達する駆動力伝達機構14A(減速機)とを備えている。なお、これらの図面では、バタフライ弁を閉じた状態を示しており、弁体12が、流体の流れ方向に対抗するとともに弁座13に密接している。 【0019】図3に示すように、弁座13は、流路の内周面10aに沿って開口10bして形成された断面視蟻溝状の弁座取付溝14内に圧入された環状の弾性体であると共に、前記断面視した場合に弁座取付溝14の底面14aに面した外周部分が底面14aに向かって開拡するように二股分岐13a及び13bされている。そして、底面14aには、これら二股分岐13a及び13bの間に挿入されてこれらを互いに離間させる方向に押し広げる環状の楔部材15が取り付けられている。 【0020】同図の視線において、弁座取付溝14は、底面14aから開口10bに向かって互いに接近すると共に開口10b近傍で互いに平行となる一対の側面14b及び14cとを有する環状の凹溝である。さらに、底面14aには、楔部材15が嵌合する嵌合溝14dが環状に形成されている。 【0021】楔部材15は、図4に示すように、弁棒11が通される部分を境に2分割された環状体であり、図5に示すように、その断面形状は、前記嵌合溝14d内に嵌合する嵌合突部15aより離れるにしたがって先細りとなる楔形状を有している。特に先端部分15bは、図5の斜線に示す部分15cが抉られて厚みが薄いものとなっているが、これは、弁座取付溝14内で弁座13の二股分岐13a及び13bの間に挿入されてこれらを押し広げる際に、二股分岐13a及び13bが曲げ変形を起こすための逃げ空間を与えるために形成されたものである。この逃げ空間を設けたことにより、二股分岐13a及び13bは十分な曲げ変形が行えるようになるので、スムーズに弁座13が取り付けられるようになっている。また、先端部分15bにはアールが付けられており、このアールに沿って二股分岐13a及び13b間がスムーズに分かれるようになっている。同じく図5の断面に示すように、楔部材15には、後述される弁座13の一対の係合突部13cが係合する一対の係合溝15dが形成されている。なお、本発明の楔部材15は、予め成形加工されたものであるが、別法として、例えばこれを使用せずに弁座取付溝14内に弁座13を挿入し、その後、弁座13の二股分岐13a及び13b間と弁座取付溝14の底面14aとの間に形成される空間内に樹脂を注入して硬化させることにより、楔部材15と同等の物を取り付ける方法も考えられるが、これは、注入工程が難しく手間がかかる上に、注入に失敗した場合にはやり直しが大変であるという問題が生じることとなる。しかし、楔部材15を使用する方式では、そのような問題を生じることがない。 【0022】弁座13は、図6に示すように、弁棒11が通される部分を境に2分割された環状体であり、図7に示すように、その断面形状は、二股分岐13a及び13bの内側に、楔部材15の係合溝15dに係合する一対の前記係合突部13cが形成されている。二股分岐13a及び13b間には間隙gが形成されており、これらを互いに近づけて接するように圧迫できるようになっている。また、図7の断面において、弁体12が当接する内周面13dは、弁体12が回転しながら近づいてくる方向に向かって傾斜した面となっており、弁体12を回転させるほど弁体12の周縁12aが食い込んで密接にシールできるようになっている。 【0023】また、弁座13の分割部分の分割面13eは、図8の視線では、弁棒11の周面に合わせて弁棒11の軸線Axを中心としたアール形状となっている。さらに、図8、図9に示すように、分割面13e近傍の内周面13dには、この内周面13dの傾斜方向とは逆方向に傾斜する傾斜面13fが形成されている。この傾斜面13fは、回転する弁体がスムーズに回転できるように取り去られた後に形成された面である。なお、弁座13の材質としては、硬度が45HA〜75HA(HAは、水道用ゴム規格)の範囲を有するゴム材が好ましく、前記楔部材15の材質としては、硬度が85HA〜95HAの範囲でかつ弁座13の硬度よりも高いゴム材が好ましい。さらに好ましくは、硬度65HAの弁座13と、硬度90HAの楔部材15との組み合わせを用いることが好ましい。 【0024】以上説明のバタフライ弁への弁座13の取付方法は、以下のような手順によって行われる。すなわち、楔部材取付工程においては、流路の内周面10aに沿って開口して形成された断面視蟻溝形状の弁座取付溝14内の底面14aに、予め成形された楔部材15を挿入してその嵌合突部15aが嵌合溝14d内に嵌合するように取り付ける。このとき、必要に応じて嵌合突部15aと嵌合溝14dとの間に接着剤を塗布してから取り付けを行う。この楔部材取付工程の後の弁座13の挿入工程では、環状かつその軸線を通る仮想平面で見た断面が外周に向かって開拡するように二股分岐13a及び13bされた弾性体である弁座13を、二股分岐13a及び13bを互いに近づけるように圧迫してから弁座取付溝14内に挿入する。なお、必要に応じて挿入前の弁座13等には接着剤を塗布しておく。この挿入工程の後の弁座13の押し広げ工程では、弁座13をさらに弁座取付溝14内に挿入して、楔部材15で二股分岐間13a及び13bを再び押し広げて弁座取付溝14内で太らせることにより、図3に示す取付完了状態となる。このとき、弁座13の各係合突部13cがそれぞれ楔部材15の係合溝15dに係合し、弁座13と楔部材15との間が離間不可に結合される。 【0025】本実施形態のバタフライ弁によれば、従来のバタフライ弁のように弁箱内に形成された流路全面を覆うように大型の弁座を取り付けるものではなく、シールを行うのに必要最低限である、弁体12周縁が接する部分のみに環状の弁座13を設ける構成を採用するものであるので、例えば材質としてゴムを使用する場合、従来に比較してゴムの使用量が少なくて環境に優しいバタフライ弁を提供することが可能となる。また、本実施形態の弁座13は、楔部材15が取り付けられた弁座取付溝14内に挿入するだけで固定できるので、従来に比較して容易かつ確実に取り付け固定することも可能となる。 【0026】また、本実施形態のバタフライ弁によれば、弁座13の硬度を45HA〜75HAの範囲とし、楔部材15の硬度を85HA〜95HAの範囲でかつ弁座13の硬度よりも高いものとすることで、弁座13を弁箱10の弁座取付溝14内に挿入したときに、楔部材15が弁座13の硬度に負けて変形することなく、確実に弁座13の二股分岐13a及び13b間を押し広げて太らせることができるので、しっかりと弁座13を弁箱10の弁座取付溝14内に固定することが可能となる。 【0027】また、本実施形態のバタフライ弁によれば、弁座13に係合突部13cを形成するとともに楔部材15にこの係合突部13cが係合する係合溝15dを形成することで、弁座取付溝14内に弁座13を挿入固定した際に係合突部13cと係合溝15dとが係合して弁座13と楔部材15との間が離間不可に結合され、弁座13の外周部分が弁座取付溝14内で太った状態に維持できるので、弁座13をより確実に弁座取付溝14内に固定することが可能となる。 【0028】また、本実施形態のバタフライ弁によれば、弁座取付溝14の底面14aに嵌合溝14dを形成するとともに楔部材15の底部を嵌合溝14dに嵌合する嵌合突部15aとして形成し、これら嵌合突部15aと嵌合溝14dとが嵌合するように底面14aに楔部材15を取り付けることで、楔部材15を弁座取付溝14の底面14aに容易かつ正確に位置決め固定することが可能となる。 【0029】なお、本実施形態において、楔部材15は、弁棒11が通る箇所のみを避けるように2分割する構造としたが、この2分割構造に限らず、その周方向に沿って3分割以上の複数個に細かく分割する構成を採用してもよい。この場合、楔部材15を周方向に沿って複数個に分割した構成を採用することで、これを弁座取付溝14内に挿入固定する際に曲げながら挿入する必要がなくなるので、容易に挿入することが可能となる上に、挿入作業時の曲げを考慮して楔部材15の硬度を下げる必要性がなくなるので、例えば金属を材質とするなど、材質選定の自由度を広げることも可能となる。 【0030】また、本実施形態において、楔部材15及び弁座13はゴム製としたが、これに限らず、設計条件に応じて適宜材質を変更しても良い。また、本実施形態において、弁座13と楔部材15との間の係合突部13cと係合溝15dは1対づつ形成するものとしたが、これに限らず、2対以上設ける構成を採用しても良い。また、本実施形態において、楔部材15側に嵌合突部15aを形成するとともに弁座取付溝14側に嵌合溝14dを形成するものとしたが、これに限らず、逆に、楔部材15側に嵌合溝を形成するとともに弁座取付溝14側に嵌合突部を形成する構成を採用しても良い。 【0031】 【発明の効果】本発明の上記請求項1記載のバタフライ弁によれば、従来のバタフライ弁のように弁箱内に形成された流路全面を覆うように大型の弁座を取り付けるものではなく、シールを行うのに必要最低限である、弁体周縁が接する部分のみに環状の弁座を設ける構成を採用するものであるので、例えば材質としてゴムを使用する場合、従来に比較してゴムの使用量が少なくて環境に優しいバタフライ弁を提供することが可能となる。また、本発明の弁座は、楔部材が取り付けられた弁座取付溝内に挿入するだけで固定できるので、従来に比較して容易かつ確実に取り付け固定することも可能となる。 【0032】また、上記請求項2記載のバタフライ弁によれば、弁座の硬度を45〜75の範囲とし、楔部材の硬度を85〜95の範囲でかつ弁座の硬度よりも高いものとすることで、弁座を弁箱の弁座取付溝内に挿入したときに、楔部材が弁座の硬度に負けて変形することなく、確実に弁座外周部分の二股分岐間を押し広げて太らせることができるので、しっかりと弁座を弁箱の弁座取付溝内に固定することが可能となる。 【0033】また、上記請求項3記載のバタフライ弁によれば、楔部材と弁座との接触面のどちらか一方に係合突部を形成するとともに他方にこの係合突部が係合する係合溝を形成することで、弁座取付溝内に弁座を挿入固定した際に係合突部と係合溝とが係合して弁座と楔部材との間が離間不可に結合され、弁座外周部分が弁座取付溝内で太った状態に維持できるので、弁座をより確実に弁座取付溝内に固定することが可能となる。 【0034】また、上記請求項4記載のバタフライ弁によれば、弁座取付溝の底面と楔部材との接触面のどちらか一方に嵌合突部を形成するとともに他方にこの嵌合突部が嵌合する嵌合溝を形成し、これら嵌合突部と嵌合溝とが嵌合するように底面に楔部材を取り付けることで、楔部材を弁座取付溝の底面に容易かつ正確に位置決め固定することが可能となる。 【0035】また、上記請求項5記載のバタフライ弁によれば、楔部材を周方向に沿って複数個に分割した構成を採用することで、これを弁座取付溝内に挿入固定するに際してこれを曲げながら挿入する必要がなくなるので、容易に挿入することが可能となる上に、挿入作業時に曲げることを考慮して楔部材の硬度を下げる必要性がなくなるので、例えば金属を材質とするなど、材質選定の自由度を広げることも可能となる。 【0036】また、上記請求項6記載のバタフライ弁への弁座取付方法によれば、弁座は、楔部材が取り付けられた弁座取付溝内に挿入するだけで固定できるので、従来に比較して容易かつ確実に取り付け固定することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390014074 【氏名又は名称】前澤工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年5月12日(1999.5.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外8名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−320692(P2000−320692A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月24日(2000.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願平11−132006 |
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