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【発明の名称】 地中埋設バルブ用操作機
【発明者】 【氏名】馬部 朋樹

【要約】 【課題】堆積している土砂や小石がインジケータとケース本体の上面との間に噛み込まれることに起因するバルブの開度調整操作及び開度指示機能の低下を抑制することができる地中埋設バルブ用操作機を提供する。

【解決手段】入力軸7を相対回転可能に嵌合保持してケース本体4におけるカバー3に回転可能に支承されたスリーブ6に、該スリーブ6の回転に連係する回転移動によりバルブ開度を指標するインジケータ15を固定した構造において、インジケータ15を、その中心部に入力軸7の貫通孔15bのみを有するリング状平板から形成し、このリング状平板からなるインジケータ15の上面にスケール14に対応するポジション指示部15aが印字形成されている。また、インジケータ15とカバー3の上面との間に形成される隙間Sをシールするダストシール18を設けている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケース本体の上壁部に形成の上下方向貫通孔に挿通させて回転可能に支承されたスリーブと、このスリーブに同心状態で相対回転可能に嵌合保持されてケース本体の上方に延出された回転操作用入力軸と、この入力軸と同一軸線上に配置されてケース本体内の下部に回転可能に支承された弁軸回転用出力軸と、ケース本体内に配置されて入力軸と出力軸とを連動させる減速連動機構と、スリーブの外周面とケース本体の上壁部の貫通孔内周面との間に介在されたリング状シール部材と、ケース本体の上壁部上面に形成されるスケールと、このスケールに対応するポジション指示部を有しスリーブの回転に連係して回転移動することによりバルブ開度を指標するインジケータとを備えてなる地中埋設バルブ用操作機において、前記インジケータが、その中心部に入力軸の貫通孔のみを有するリング状の平板から形成され、このリング状平板からなるインジケータの上面にポジション指示部が印字形成されていることを特徴とする地中埋設バルブ用操作機。
【請求項2】 前記リング状平板からなるインジケータとケース本体の上壁部上面との間に形成される隙間をシールするダストシールが設けられている請求項1に記載の地中埋設バルブ用操作機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地中に埋設設置されているバルブを地表面からのハンドルの回転操作によって開閉するような場合に用いられる地中埋設バルブ用操作機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられているこの種の地中埋設バルブ用操作機は、図7及び図8に示すような構造に構成されていた。すなわち、バルブケース(図示省略する)の上面に固定設置される筒状ケース1とこの筒状ケース1の上端部にボルト2を介した固定されるカバー3とによりケース本体4が構成されている。このケース本体4の上壁部、つまり、カバー3には上下方向の貫通孔5が形成され、この貫通孔5に挿通させてカバー3に軸受8を介して回転可能に支承されたスリーブ6には、該スリーブ6と同心状態で回転操作用入力軸7が相対回転可能に嵌合保持されており、この入力軸7の上端部はケース本体4の上方へ延出されて回転操作用ハンドル9の下端部と嵌合連動可能に構成されている。また、スリーブ6の外周面とカバー3に形成の貫通孔5の内周面との間には、リング状シール部材としてのOリング13が介在されている。
【0003】前記ケース本体4における筒状ケース1内の下部には、バルブケースから上方へ突出する弁軸10にスプライン嵌合する弁軸回転用出力軸11が前記入力軸7と同一軸線上に配置されて回転可能に支承されている。入力軸7の下端部と出力軸11の上端部との間のケース本体4内には、アウターギヤ12a、インターナルギヤ12b、ギヤピン12c等から構成されるサイクロイド減速機構12を介して入力軸7と出力軸11とが連動連結されている。
【0004】一方、ケース本体4におけるカバー3の上面には、図8に明示されているように、全開位置(OPEN)及び全閉位置(SHUT)を含むバルブ開度位置を目盛標示するスケール14が形成されているとともに、スリーブ6の上端部には、スケール14に対応してバルブ開度のポジションを指示するポジション指示部15aを外周縁部から径外方へ突出させてなるインジケータ(指針)15が固定ねじ16を介して固定されている。
【0005】上記のように構成されている従来の地中埋設バルブ用操作機においては、バルブの開度調整が必要になったとき、回転操作用ハンドル9の下端部を入力軸7の上端部に嵌合連動させて該ハンドル9を回転操作することにより、その回転力が入力軸7からサイクロイド減速機構12を経て出力軸11に伝達されて弁軸10が回転される。この場合、スリーブ6にも回転力が伝わり、このスリーブ6の回転に連係してインジケータ15が一緒に回転移動されることになり、それのポジション指示部15aが指示するスケール14を読み取ることによって、所望のバルブ開度に調整する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成の従来の地中埋設バルブ用操作機では、これを地中に埋設した場合、土砂や小石がケース本体4におけるカバー3の上面に堆積する状況にあり、そのうち微細な砂泥がスリーブ6の外周面とカバー3に形成の貫通孔5の内周面との間の微小な隙間に入り込んでOリング13にまで到達しやすい。このような条件下で上述のごときバルブ開度調整操作を行うと、Oリング13が傷ついてシール性が早期のうちに損なわれてしまい、それに起因して微細な砂泥や水分がケース本体4の内部にまで侵入してサイクロイド減速機構12など内部部品の発錆や損傷を招く可能性が高い。また、ケース本体4内に封入したグリスなど潤滑剤の外部への漏れ出しの原因にもなる。
【0007】さらに、インジケータ15のポジション指示部15aが径外方へ突出しているため、インジケータ15とカバー3との間に土砂や小石が侵入して噛み込まれ易い。例えば、硬い小石などを噛み込むと、バルブの開度調整操作そのものに支障を来す可能性があり、さらに、その状況が進行すると、固定ねじ16が破損されて操作機の開度指示機能が損なわれてしまうという問題があった。
【0008】本発明は上記課題を解決するためになされたもので、土砂や小石がインジケータとケース本体の上面との間に噛み込まれることに起因するバルブの開度調整操作及び開度指示機能の低下を抑制することができる地中埋設バルブ用操作機を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決するために、本発明に係る地中埋設バルブ用操作機は、ケース本体の上壁部に形成の上下方向貫通孔に挿通させて回転可能に支承されたスリーブと、このスリーブに同心状態で相対回転可能に嵌合保持されてケース本体の上方に延出された回転操作用入力軸と、この入力軸と同一軸線上に配置されてケース本体内の下部に回転可能に支承された弁軸回転用出力軸と、ケース本体内に配置されて入力軸と出力軸とを連動させる減速連動機構と、スリーブの外周面とケース本体の上壁部の貫通孔内周面との間に介在されたリング状シール部材と、ケース本体の上壁部上面に形成されるスケールと、このスケールに対応するポジション指示部を有しスリーブの回転に連係して回転移動することによりバルブ開度を指標するインジケータとを備えてなる地中埋設バルブ用操作機において、前記インジケータが、その中心部に入力軸の貫通孔のみを有するリング状の平板から形成され、このリング状平板からなるインジケータの上面にポジション指示部が印字形成されていることを特徴とするものである。
【0010】本発明によれば、インジケータがリング状平板であり、その上面にポジション指示部が印字形成された構成であるから、地中埋設に伴い土砂や小石がケース本体の上面に堆積する状況であっても、その堆積した土砂や小石の大部分はリング状平板のインジケータ上で受け止められることになり、インジケータとケース本体の上面との間に土砂や小石が侵入することを防ぐとともに、インジケータの回転移動軌道が土砂や小石によって妨害されることも殆どない。これによって、バルブの開度調整のための操作不良だけでなく、インジケータの破損による開度指示機能の不良化を防止することが可能である。
【0011】特に、上記構成の地中埋設バルブ用操作機において、請求項2に記載したように、リング状平板からなるインジケータとケース本体の上壁部上面との間に形成される隙間をシールするダストシールを設けることによって、微細な砂泥がスリーブの外周面とケース本体の上壁部の貫通孔内周面との間に介在されたリング状シール部材にまで到達することを防いで、バルブの開度調整操作時にリング状シール部材が傷付いたり、シール性が損なわれる可能性を非常に少なくすることが可能であり、これによって、ケース本体の内部部品の発錆や損傷、さらには、グリスなど潤滑剤の漏れ出しを抑制することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る地中埋設バルブ用操作機の全体縦断面図、図2はその要部の拡大平面図であり、これら両図において、図7及び図8で示した従来の地中埋設バルブ用操作機と同一の構成要素及び相当する構成部分には同一の符号を付して、それらの詳しい説明を省略する。
【0013】本発明の地中埋設バルブ用操作機が従来のものと相違する第1の点は、スリーブ6に固定ねじ16を介して固定されるインジケータ15が、その中心部に入力軸7の貫通孔15bのみを有するリング状のステンレス製平板から形成されていることと、このリング状ステンレス製平板からなるインジケータ15の上面の外周近くの位置に、例えばペイントなどによって三角マーク状のポジション指示部15aが印字形成されていることである。このインジケータ15のポジション指示部15aに対応するところのスケール14は、インジケータ15の外径よりも僅かに大きい内径を有するステンレス製の円環状板から製作され、ボルト17を介してカバー3の上面に固定されている。
【0014】相違する第2の点は、リング状平板からなるインジケータ15とケース本体4におけるカバー3の上面との間に形成される隙間Sをシールするためのリング状ダストシール18が設けられていることである。このダストシール18は、図3に明示するように、カバー3の上面近くでスリーブ6の外周面に臨む箇所に形成された環状凹部19内に嵌着されており、その内周リップ部18aがスリーブ6の外周面に弾性的に接触するとともに、外周端部18bがインジケータ15の下面に弾性的に接触されている。また、スリーブ6の内周部上端にも環状凹部20が形成され、この環状凹部20内に入力軸7の外周面に弾性的に接触するリップ部21aを持ったダストシール21が嵌着されている。
【0015】上記のように構成された地中埋設バルブ用操作機においては、従来例と同様な回転操作を行うことによってバルブを所望の開度に任意に調整することが可能である。ところで、上記した地中埋設バルブ用操作機によれば、インジケータ15がリング状平板であり、その上面にポジション指示部15aがペイント等によって印字形成された構成であるから、地中に埋設した状態で土砂や小石がケース本体4におけるカバー3の上面に堆積する状況となるものの、その堆積する土砂や小石の大部分はリング状平板のインジケータ15上で受け止められることになり、インジケータ15とカバー3の上面との間の隙間Sに土砂や小石が侵入してインジケータ15の回転移動軌道がそれら侵入土砂や小石によって妨害されることが殆どない。
【0016】加えて、インジケータ15とカバー3の上面との間に形成される隙間Sをシールするリング状のダストシール18がOリング13よりも土砂等の侵入経路の上流側に設けられているので、万一、上記隙間Sに微細な砂泥が侵入したとしても、その微細な砂泥がOリング13にまで到達することがないため、バルブの開度調整操作時にOリング13が傷付けられたり、シール性が損なわれたりすることがなくなる。
【0017】以上のような防砂、防泥作用によって、バルブの開度調整のための操作不良やインジケータ15の破損による開度指示機能の不良化を防止することが可能であるとともに、サイクロイド減速機構12などケース本体4の内部部品の発錆や損傷、さらには、グリスなど潤滑剤の漏れ出しを抑制することができる。図4は上記した構成に加えて、インジケータ15の内周側、すなわち、貫通孔15bの周縁部に、例えば四弗化樹脂系ゴム製のリング状リップシール22を設けたものであり、この場合は、インジケータ15の貫通孔15b周縁と入力軸7の外周面との間から微細な砂泥などがケース本体4内に侵入することも防げ、ケース本体4の内部部品の発錆、損傷防止効果を高めることが可能である。
【0018】また、図5あるいは図6に示すように、インジケータ15の外周縁あるいはスケール14の内周縁にも、例えば四弗化樹脂系ゴム製のリング状リップシール23を設けた構成とすることによって、インジケータ15とカバー3の上面との間に形成される隙間Sへの微細砂泥の侵入を一層確実なものとして、所定のバルブ開度調整操作の円滑化及び開度指示機能の保持効果を高めることが可能である。
【0019】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、インジケータの形状に工夫を施すだけの簡単な改良によって、ケース本体上に堆積する土砂や小石がインジケータとケース本体の上面との間に噛み込まれることを防止して、本来のバルブ開度調整操作を円滑にできるとともに、その調整操作時における開度指示機能を長期使用に際しても安定よく保持することができるという効果を奏する。
【0020】特に、インジケータとケース本体の上壁部上面との間に形成される隙間をシールするダストシールを設けることによって、微細な砂泥がスリーブの外周面とケース本体の上壁部の貫通孔内周面との間に介在されたリング状シール部材にまで到達することを防いで、バルブの開度調整操作時にリング状シール部材が傷付いたり、シール性が損なわれる可能性を非常に少なくし、ケース本体の内部部品の発錆や損傷、さらには、グリスなど潤滑剤の漏れ出しを十分に抑制することができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年4月22日(1999.4.22)
【代理人】 【識別番号】100068087
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開2000−304155(P2000−304155A)
【公開日】 平成12年11月2日(2000.11.2)
【出願番号】 特願平11−114280