| 【発明の名称】 |
バルブポジショナ及び電空変換器 |
| 【発明者】 |
【氏名】齋藤 洋二
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| 【要約】 |
【課題】空変換モジュールに対する電流配分を大きくしつつ部品点数が少なく回路構成の簡単なバルブポジショナ及び電空変換器を提供することを目的とする。
【解決手段】入力端子を介して設定値情報を含む電流信号を入力し、この設定値と一致するように空気圧信号の制御演算を行うデジタル演算回路と、このデジタル演算回路の制御出力を空気圧信号に変換する電空変換モジュールとを有するバルブポジショナにおいて、前記電流信号から内部電源電圧を生成する電源電圧発生手段と、前記電源電圧発生手段と直列接続された可変インピーダンス回路と、前記可変インピーダンス回路のインピーダンスを制御する可変インピーダンス制御回路と、前記可変インピーダンス回路と並列接続された前記電空変換モジュールとを備えた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】入力端子を介して設定値情報を含む電流信号を入力し、この設定値と一致するように弁開度を制御する制御演算を行うデジタル演算回路と、このデジタル演算回路の制御出力を空気圧信号に変換する電空変換モジュールとを有するバルブポジショナにおいて、前記電流信号から内部電源電圧を生成する電源電圧発生手段と、前記電源電圧発生手段と直列接続された可変インピーダンス回路と、前記可変インピーダンス回路のインピーダンスを制御する可変インピーダンス制御回路と、前記可変インピーダンス回路と並列接続された前記電空変換モジュールと、を備えることを特徴とするバルブポジショナ。 【請求項2】前記インピーダンス制御回路は、前記入力端子から入力される電流信号の電流値から前記電空変換モジュールを駆動するために必要な大きさの電流を減算した大きさの電流が流れるように前記可変インピーダンス回路のインピーダンスを制御し、前記入力端子間の電圧を一定に保持するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のバルブポジショナ。 【請求項3】前記インピーダンス制御回路は、起動時の入力端子間電圧の増加を抑止するタイミング回路を備えたことを特徴とする請求項1に記載のバルブポジショナ。 【請求項4】入力端子を介して設定値情報を含む電流信号を入力し、この設定値と一致するように弁開度を制御する制御演算を行うデジタル演算回路と、このデジタル演算回路の制御出力を空気圧信号に変換する電空変換モジュールとを有すると共に、前記電流信号の送られる伝送路を用いてデジタル通信を行うデジタル通信回路を有するバルブポジショナにおいて、前記電流信号から内部電源電圧を生成する電源電圧発生手段と、前記電源電圧発生手段と直列接続された直流領域でのインピーダンスが低く、デジタル通信の周波数帯域でのインピーダンスが高い可変インピーダンス回路と、前記可変インピーダンス回路のインピーダンスを制御する可変インピーダンス制御回路と、前記可変インピーダンス回路と並列接続された前記電空変換モジュールと、を備えることを特徴とするバルブポジショナ。 【請求項5】前記インピーダンス制御回路は、前記入力端子から入力される電流信号の電流値から前記電空変換モジュールを駆動するために必要な大きさの電流を減算した大きさの電流が流れるように前記可変インピーダンス回路のインピーダンスを制御し、前記入力端子間の電圧を一定に保持するように構成されたことを特徴とする請求項4に記載のバルブポジショナ。 【請求項6】前記インピーダンス制御回路は、起動時の入力端子間電圧の増加を抑止するタイミング回路を備えたことを特徴とする請求項4に記載のバルブポジショナ。 【請求項7】入力端子を介して設定値情報を含む電流信号を入力し、この設定値と一致するように空気圧信号の制御演算を行うデジタル演算回路と、このデジタル演算回路の制御出力を空気圧信号に変換する電空変換モジュールとを有する電空変換器において、前記電流信号から内部電源電圧を生成する電源電圧発生手段と、前記電源電圧発生手段と直列接続された可変インピーダンス回路と、前記可変インピーダンス回路のインピーダンスを制御する可変インピーダンス制御回路と、前記可変インピーダンス回路と並列接続された前記電空変換モジュールと、を備えることを特徴とする電空変換器。 【請求項8】前記インピーダンス制御回路は、前記入力端子から入力される電流信号の電流値から前記電空変換モジュールを駆動するために必要な大きさの電流を減算した大きさの電流が流れるように前記可変インピーダンス回路のインピーダンスを制御し、前記入力端子間の電圧を一定に保持するように構成されたことを特徴とする請求項7に記載の電空変換器。 【請求項9】前記インピーダンス制御回路は、起動時の入力端子間電圧の増加を抑止するタイミング回路を備えたことを特徴とする請求項7に記載の電空変換器。 【請求項10】入力端子を介して設定値情報を含む電流信号を入力し、この設定値と一致するように空気圧信号の制御演算を行うデジタル演算回路と、このデジタル演算回路の制御出力を空気圧信号に変換する電空変換モジュールとを有すると共に、前記電流信号の送られる伝送路を用いてデジタル通信を行うデジタル通信回路を有する電空変換器において、前記電流信号から内部電源電圧を生成する電源電圧発生手段と、前記電源電圧発生手段と直列接続された直流領域でのインピーダンスが低く、デジタル通信の周波数帯域でのインピーダンスが高い可変インピーダンス回路と、前記可変インピーダンス回路のインピーダンスを制御する可変インピーダンス制御回路と、前記可変インピーダンス回路と並列接続された前記電空変換モジュールと、を備えることを特徴とする電空変換器。 【請求項11】前記インピーダンス制御回路は、前記入力端子から入力される電流信号の電流値から前記電空変換モジュールを駆動するために必要な大きさの電流を減算した大きさの電流が流れるように前記可変インピーダンス回路のインピーダンスを制御し、前記入力端子間の電圧を一定に保持するように構成されたことを特徴とする請求項10に記載の電空変換器。 【請求項12】前記インピーダンス制御回路は、起動時の入力端子間電圧の増加を抑止するタイミング回路を備えたことを特徴とする請求項10に記載の電空変換器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル通信を行う機能を有するマイクロプロセッサを搭載したバルブポジショナに関わり、特に限られた電流でありながら電空変換モジュールに割り当てる電流を増加できる改良に関する。また、本発明は電気信号を空気信号に変換する電空変換器にも適用される。 【0002】 【従来の技術】バルブポジショナは、バルブの弁開度を直接制御するもので、フィードバック信号はバルブ開度信号やステムの位置信号となっている。電空変換器は、例えば4−20mA等の電気信号を0.2−1.0[kgf/cm2]等の空気圧信号に変換するものである。バルブポジショナは、例えば本出願人の提案に掛かる特開平9−144703号に開示されている。 【0003】図9は、従来のバルブポジショナの全体構成図である。同図において、入力端子T1、T2には、バルブポジショナ100に対する、例えば4−20mA等電流信号を用いた操作信号が入力される。 【0004】直列接続された可変インピーダンス回路(Variable Impedance)3とシャントレギュレータ(Shunt Regulator)4は入力端子T1、T2に接続されており、シャントレギュレータ4のプラス側にはバルブポジショナの内部回路を駆動する内部電源電圧V2が発生する。シャントレギュレータ4はツェナーダイオードや集積回路及びその周辺素子によって実現するもの等が用いられる。 【0005】また、インピーダンス制御回路(Impedance Control Circuit)1は、入力端子T1、T2に接続され、可変インピーダンス回路3のインピーダンスを調整して、入力端子T1、T2の端子間電圧を通常12V以下のほぼ一定の電圧に制御する。この動作によって、操作信号の直流領域では、入力端子T1、T2の端子間は低インピーダンス状態に保持される。尚、一般的に、可変インピーダンス回路3に用いる可変インピーダンス素子は、npnやpnpトランジスタ、またはFET(電解効果トランジスタ)が用いられる。 【0006】シャントレギュレータ4に並列接続されたDC−DCコンバータ(DC-DC Converter)5は、シャントレギュレータ4から供給される内部電源電圧V2を降圧して電流容量を増加させるために用いるもので、消費電流の大きい電空変換モジュール14やマイクロコントローラ9に動作用電圧V3を供給する。図9のようなバルブポジショナは、入力信号の電流の制限により、少なくとも4mA以下、一般的に3.6mA以下で動作する必要があるため、DC−DCコンバータ5を用いて電流容量を稼いでいる。尚、一般的に、このような用途に用いるDC−DCコンバータは、チャージポンプ方式やスイッチングレギュレータ方式の降圧型DC−DCコンバータが用いられる。 【0007】電流検出素子(Current Sens)2及び電流検出回路(Current Detector)7は、入力端子T1、T2に入力された電流信号を検知するもので、この検知した信号はA/D変換器(ADC)8に送られる。尚、一般的に、電流検出素子2は抵抗であり、電流検出回路7は演算増幅器を用いた増幅器である。 【0008】送受信回路(Transmit and Receive Circuits)6は、相手機器(図示せず。)から送られたリクエスト信号を受信すると共に相手機器に対するレスポンス信号をデジタル通信により送信する。ここで、相手機器は、2線の送信路を介して入力端子T1、T2と接続されている。 【0009】マイクロコントローラ(Micro-Controller)9は、デジタル通信とバルブ16の位置制御を行うものでマイクロプロセッサとメモリ等の周辺回路から構成され、リクエスト信号やレスポンス信号等の通信処理プログラム、並びにPID制御やファジー制御等の制御プログラムが格納されている。D/A変換器(DAC)10は、マイクロコントローラ9の制御出力がデジタル信号であるのをアナログ信号に変換する。駆動回路(Driver)13は、D/A変換器10から送られたアナログ信号を増幅やインピーダンス変換して電空変換モジュール(E/P Module)14に送る。センサーインタフェース部(Sensor Interface)11は、位置センサ(Position Sensor)12の信号を処理して、A/D変換器8に送る。A/D変換器8は、電流検出回路7から送られる入力電流信号と、センサーインタフェース部11から送られるバルブ16の位置信号をデジタル信号化してマイクロコントローラ9に送る。 【0010】次に空気系について説明する。電空変換モジュール(E/P Module)14は、入力された駆動電流を空気圧信号に変換するもので、例えばトルクモータによりノズルの空気圧を制御している。コントロールリレー(Control Relay)15は、空気圧信号を増幅するもので、例えば0.2−1.0[kgf/cm2]の空気圧信号によってバルブ16を開閉駆動する。バルブ16の弁開度は、バルブ16のステムの位置変動と相関があるので、このステムの位置を位置センサ12で検出する。 【0011】このように構成された装置においては、4−20mA等の操作信号を授受する2線式伝送路に、所定のプロトコルに従ったデジタル信号を重畳させることによって相手機器とバルブポジショナとの間でデジタル通信が行える。また、相手機器とのデジタル通信を行うためには、相手機器から送られたデジタル通信信号の波形を入力端子T1、T2の端子間に発生させるために、通信周波数帯域内では入力端子T1、T2の端子間のインピーダンスを一定の高い値に保つ必要がある。従って、インピーダンス制御回路1は、可変インピーダンス回路3のインピーダンスを通信帯域内では例えば230から1100Ωの高い値となるように制御する。 【0012】バルブ位置制御は、位置センサ12の位置信号をセンサインターフェース部11とA/D変換器8を介してマイクロコントローラ9に送り、マイクロコントローラ9で制御演算を行い、制御出力をD/A変換器10を介して駆動回路13に送る。そして、駆動回路13→電空変換モジュール14→コントロールリレー15→バルブ16の順路で、バルブ16を駆動して弁開度を目標値に制御している。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】上述のデジタル通信機能を備えたバルブポジショナの典型的な動作仕様は次のようになっている。 最小動作端子間電圧:12Vdc(入力端子T1、T1) 最小動作電流:3.6mA【0014】即ち、デジタル通信機能とバルブ位置制御は、入力端子T1、T2に供給される4mAの範囲内で機能させる必要がある。他方、マイクロコントローラ9にマイクロプロセッサを用いる場合、省エネ技術の進歩により電子デバイスの消費電力は年々減少しているものの、尚、マイクロプロセッサを用いない回路に比較すると、電空変換モジュール14に対する電流は制限される。しかし、電空変換モジュール14の多くは電流で動作するデバイスなので、電空変換モジュール14に対する電流配分を減らすとバルブの応答性が悪くなったり、温度等の外乱に対する安定性のマージンがなくなるという課題があった。 【0015】また、マイクロプロセッサ自身も、バルブ位置制御の安定性を得るためにできるだけクロック周波数を上げて制御演算の制御周期を短くする必要があるが、クロック周波数を上げるためにはマイクロプロセッサ自身の消費電流が増大してしまうという課題があった。 【0016】そこで、バルブポジショナに操作信号として与えられた電力を有効に利用するために、図9に示したような電源電圧を降圧するDC−DCコンバータ5を用いて、電空変換モジュール14を含む内部回路への供給電流を稼ぐ手法が考えられる。このDC−DCコンバータ5の実現方式としてコンデンサを用いたチャージポンプ方式、またはインダクタンスを用いた降圧型スイッチングレギュレータが一般的であるが、これらの方式は、実装面積や部品点数の増大を招くため製作コストが増加するという課題があった。更に、降圧型スイッチングレギュレータを用いた場合、スイッチングノイズによる他の回路への悪影響が問題となる場合がある。 【0017】また、バルブポジショナに操作信号として与えられた電力を有効に利用するための他の手法として米国特許5431182号に開示されたものがある。これによると、2個の電源回路と上下に直列に接続し、一方の電源をデジタル回路への電力供給用とし、他方の電源をその他の回路への電力供給用とするものである。しかし、二つの電源回路に接続された回路間の信号のやりとりには、電源系の違いを吸収するレベルシフト回路が必要となり、回路が複雑化するという課題があった。上述の各種の事情は、電空変換器についても同様である。 【0018】本発明は、上述の課題を解決したもので、電空変換モジュールに対する電流配分を大きくしつつ、部品点数が少なく回路構成の簡単なバルブポジショナ及び電空変換器を提供することを目的とする。 【0019】 【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために請求項1に記載の発明では、入力端子を介して設定値情報を含む電流信号を入力し、この設定値と一致するように弁開度を制御する制御演算を行うデジタル演算回路と、このデジタル演算回路の制御出力を空気圧信号に変換する電空変換モジュールとを有するバルブポジショナにおいて、前記入力端子と回路コモン電位間に直列接続された、前記電流信号から内部電源電圧を生成する電源電圧発生手段と、直流領域でのインピーダンスが低く、デジタル通信の周波数帯域でのインピーダンスが高い可変インピーダンス回路と、前記可変インピーダンス回路と並列接続された電空変換モジュールと、前記可変インピーダンスを制御するインピーダンス制御回路を備えたことを特徴とするものである。 【0020】このような構成によれば、前記可変インピーダンス回路に流れる電流を制御することが可能となり、前記電空変換モジュールを駆動するために必要な電流を優先的に配分することが可能となる。 【0021】これは、請求項2のように、インピーダンス制御回路を用いて、入力端子から入力される電流信号の電流値から電空変換モジュールを駆動するために必要な大きさの電流を減算した大きさの電流が流れるように前記可変インピーダンス回路のインピーダンスを制御することによって実現できる。 【0022】更に請求項3のように、インピーダンス制御回路に起動時の入力端子間電圧の増加を抑止するタイミング回路を備えることによって、バルブポジショナの起動を円滑に行うことが可能となる。 【0023】請求項4に記載の発明では、入力端子を介して設定値情報を含む電流信号を入力し、この設定値と一致するように弁開度を制御する制御演算を行うデジタル演算回路と、このデジタル演算回路の制御出力を空気圧信号に変換する電空変換モジュールとを有すると共に、前記電流信号の送られる伝送路を用いてデジタル通信を行うデジタル通信回路を有するバルブポジショナにおいて、前記電流信号から内部電源電圧を生成する電源電圧発生手段と、前記電源電圧発生手段と直列接続された直流領域でのインピーダンスが低く、デジタル通信の周波数帯域でのインピーダンスが高い可変インピーダンス回路と、前記可変インピーダンス回路のインピーダンスを制御する可変インピーダンス制御回路と、前記可変インピーダンス回路と並列接続された前記電空変換モジュールと、を備えることを特徴とするものである。 【0024】このような構成によれば、前記電流信号の送られる伝送路に接続された相手機器とのデジタル通信が可能となると共に前記可変インピーダンス回路に流れる電流を制御することが可能となり、前記電空変換モジュールを駆動するために必要な電流を優先的に配分することが可能となる。 【0025】これは、請求項5のように、インピーダンス制御回路を用いて、入力端子から入力される電流信号の電流値から電空変換モジュールを駆動するために必要な大きさの電流を減算した大きさの電流が流れるように前記可変インピーダンス回路を制御することによって実現できる。 【0026】更に請求項6のように、インピーダンス制御回路に起動時の入力端子間電圧の増加を抑止するタイミング回路を備えることによって、バルブポジショナの起動を円滑の行うことが可能となる。 【0027】このような目的を達成するために請求項7に記載の発明では、入力端子を介して設定値情報を含む電流信号を入力し、この設定値と一致するように空気圧信号の制御演算を行うデジタル演算回路と、このデジタル演算回路の制御出力を空気圧信号に変換する電空変換モジュールとを有する電空変換器において、前記入力端子と回路コモン電位間に直列接続された、前記電流信号から内部電源電圧を生成する電源電圧発生手段と、直流領域でのインピーダンスが低く、デジタル通信の周波数帯域でのインピーダンスが高い可変インピーダンス回路と、前記可変インピーダンス回路と並列接続された電空変換モジュールと、前記可変インピーダンスを制御するインピーダンス制御回路を備えたことを特徴とするものである。 【0028】このような構成によれば、前記可変インピーダンス回路に流れる電流を制御することが可能となり、前記電空変換モジュールを駆動するために必要な電流を優先的に配分することが可能となる。 【0029】これは、請求項8のように、インピーダンス制御回路を用いて、入力端子から入力される電流信号の電流値から電空変換モジュールを駆動するために必要な大きさの電流を減算した大きさの電流が流れるように前記可変インピーダンス回路のインピーダンスを制御することによって実現できる。 【0030】更に請求項9のように、インピーダンス制御回路に起動時の入力端子間電圧の増加を抑止するタイミング回路を備えることによって、電空変換器の起動を円滑に行うことが可能となる。 【0031】請求項10に記載の発明では、入力端子を介して設定値情報を含む電流信号を入力し、この設定値と一致するように空気圧信号の制御演算を行うデジタル演算回路と、このデジタル演算回路の制御出力を空気圧信号に変換する電空変換モジュールとを有すると共に、前記電流信号の送られる伝送路を用いてデジタル通信を行うデジタル通信回路を有する電空変換器において、前記電流信号から内部電源電圧を生成する電源電圧発生手段と、前記電源電圧発生手段と直列接続された直流領域でのインピーダンスが低く、デジタル通信の周波数帯域でのインピーダンスが高い可変インピーダンス回路と、前記可変インピーダンス回路のインピーダンスを制御する可変インピーダンス制御回路と、前記可変インピーダンス回路と並列接続された前記電空変換モジュールと、を備えることを特徴とするものである。 【0032】このような構成によれば、前記電流信号の送られる伝送路に接続された相手機器とのデジタル通信が可能となると共に前記可変インピーダンス回路に流れる電流を制御することが可能となり、前記電空変換モジュールを駆動するために必要な電流を優先的に配分することが可能となる。 【0033】これは、請求項11のように、インピーダンス制御回路を用いて、入力端子から入力される電流信号の電流値から電空変換モジュールを駆動するために必要な大きさの電流を減算した大きさの電流が流れるように前記可変インピーダンス回路を制御することによって実現できる。 【0034】更に請求項12のように、インピーダンス制御回路に起動時の入力端子間電圧の増加を抑止するタイミング回路を備えることによって、電空変換器の起動を円滑の行うことが可能となる。 【0035】 【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明を詳しく説明する。図1は本発明の一実施例を示す構成図である。同図において、従来例として説明した図9と同一作用をするものには同一符号を付し、特に必要なもの以外はその説明を省略する。 【0036】図1において、直列接続された可変インピーダンス回路3とシャントレギュレータ4は従来例と同様に入力端子T1、T2に接続されており、インピーダンス制御回路1は、入力端子T1、T2の端子間電圧を通常12V以下のほぼ一定の電圧に制御する。また、操作信号の直流領域では入力端子T1、T2の端子間を低インピーダンス状態に保持し、通信周波数帯域内では入力端子T1、T2の端子間のインピーダンスを一定の高い値に保持している。シャントレギュレータ4は、内部回路を駆動する内部電源電圧V2を発生している。 【0037】図2は、可変インピーダンス回路3とシャントレギュレータ4及びインピーダンス制御回路1を実現する回路例である。入力端子T1は、並列接続された抵抗R2とコンデンサC1を介して差動増幅器U1のプラス端子に接続されると共に、可変インピーダンス回路3として用いられたnチャンネルJFETQ1のドレインに接続される。入力端子T2は、直列接続されたコンデンサC2と抵抗R3を介して差動増幅器U1のプラス端子に接続されると共に、電流検出素子2として用いられた抵抗Rinの一端に接続される。抵抗Rinの他の一端は抵抗R1を介して差動増幅器U1のプラス端子に接続されると共に、回路コモン電位に接続されている。nチャンネルJFETQ1のソースは、一端を回路コモン電位に接続されたシャントレギュレータ4の他の一端に接続され、ゲートはレベルシフト用ダイオードD1、D2、D3を介して差動増幅器U1の出力に接続されている。直列接続された抵抗R5とR6は、シャントレギュレータ4に並列接続され、抵抗R5とR6の接続点は差動増幅器U1のマイナス端子に接続される。また、nチャンネルJFETQ1のゲートとソースは、ダイオードバイアス用抵抗R7によって接続され、コンデンサC4は、シャントレギュレータ4に並列接続されている。更に、送受信回路6の出力Txsignalは、直列接続されたコンデンサC3と抵抗R4を介して差動増幅器U1のマイナス端子に接続される。従って、同図において、可変インピーダンス回路23として用いられたnチャンネルJFETQ1と電流検出素子2として用いられた抵抗Rinとシャントレギュレータ4を除く部分が図1におけるインピーダンス制御回路1である。 【0038】このような構成の回路における直流領域での入力端子T1、T2の端子間電圧Vtは、入力端子T1より流れ込む電流をIin、差動増幅器U1のマイナス端子に印加される電圧をVr、可変インピーダンス3によって生成される電圧をV1とすると、Vt=V1+Iin×Rin=(1+R2/R1)×Vr+Iin×Rinと、表され、この領域では低インピーダンスとなる。 【0039】また、このような構成の回路におけるデジタル通信帯域内での入力端子T1、T2の端子間インピーダンス|Z|及び周波数帯域flz〜fhzは、|Z|=R2/R3×Rinflz=1/(2π×R3×C2) fhz=1/(2π×R2×C1) と、表され、この領域では高インピーダンスとなる。但し、差動増幅器U1は、上記の制御を行うために充分な周波数帯域をもつものを使用する。 【0040】ここで、相手機器に送信される通信信号の送信振幅Tx周波数帯域fltx〜fhtxは、Tx=R2/R4×(Txsignal) fltx=1/(2π×R4×C3) fhtx=1/(2π×R2×C1) である。尚、送受信回路6の出力Txsignalは、不要な高調波を送信しないように一次遅れ回路等によって予め高調波を除去することが望ましい。 【0041】図1の構成図では、直列接続された電流レギュレータ回路33と電空変換モジュール14が上記のように構成された可変インピーダンス回路3と並列接続されている。電流レギュレータ回路33は、D/A変換器10から出力されるアナログ信号を電流信号に変換して電空変換モジュール14に入力するものである。 【0042】図3は電流レギュレータ回路33を実現する回路例である。電流可変素子として用いられるnチャンネルJFETQ10はドレインが電空変換モジュール14に接続され、ソースが抵抗Rfを介して内部電源電圧V2に接続されている。分圧抵抗R10とR11は内部電源電圧V2とD/A変換器10が出力するアナログ信号DACsignalの差電圧を分圧して差動増幅器U10のプラス端子に入力している。分圧抵抗R13とR12はJFETQ10のソース電圧と回路コモン電位の差電圧を分圧して差動増幅器U10のマイナス端子に入力している。差動増幅器U10はJFETQ10のゲートにレベルシフト用ダイオードD10、D11、D12を介して制御信号を送り、JFETQ10を可変抵抗として動作させて電空変換モジュール14の供給電流I14を定めている。また、JFETQ10のゲートとソースに接続された抵抗R14とレベルシフト用ダイオードD10、D11、D12はJFETQ10のゲートを駆動するためのものである。抵抗Rfは、電空変換モジュール14の供給電流I14を検出するための抵抗で、ここで電空変換モジュール14に流れる供給電流I14は、R11=R13、R10=R12の関係がある時、I14=DAsignal×(R11/R10)/Rfである。 【0043】このような構成の回路によって、バルブ16の位置は入力端子T1、T2から入力された操作信号に従ってマイクロコントローラ9によって制御される。その間、電空変換モジュール14に流れる供給電流I14はダイナミックに変化するが、インピーダンス制御回路1は、可変インピーダンス回路3に流れる電流をI3とすると、I3=Iin−I14となるように可変インピーダンス回路3を調整して、入力端子T1、T2の端子間電圧を一定の電圧に制御するため、電空変換モジュール14と可変インピーダンス回路3は並列に共存することが可能である。 【0044】つまり、本発明のバルブポジショナでは、電流消費量の大きい電空変換モジュール14と可変インピーダンス回路3を並列に共存させることによって、電空変換モジュール14が必要とする電流を優先的に電空変換モジュール14に配分することが可能である。 【0045】図4は、本発明を電空変換器に適用する実施例の全体構成図である。図1と異なる点は、位置センサ12に代えて圧力センサ(Pressure Sensor)37を備えた点である。圧力センサ37はコントロールリレー15の出力空気圧信号を入力とする。このように構成すると、制御対象がバルブ16の入力空気圧なので、電空変換器にそのまま適用できる。この場合、電空変換器においてもバルブポジショナで得られたと同様の効果が得られる。 【0046】また、本発明はバルブの位置制御を主な目的としたバルブポジショナだけでなく、米国特許5684451号や米国特許5451923号に開示されたようなフィールドコントローラ機能付きのバルブポジショナにも適用することが可能である。 【0047】図5は、本発明をフィールドコントローラ機能付きのバルブポジショナに適用する実施例の全体構成図である。図1と異なる点は、マイクロコントローラ9にフィールドコントローラ用演算プログラムを具備すると共にプロセス入力端子T3、T4及び電流検出素子(Current Sens)40及び電流検出回路(CurrentDetector)41を備えた点である。プロセス入力端子T3、T4から入力されたプロセス信号は電流検出素子40及び電流検出回路41で電流信号を検出され、この電流信号はA/D変換器8を介してマイクロコントローラ9のフィールドコントローラ用演算プログラムに取得される。このように構成された装置において、フィールドコントローラへの設定値信号を入力端子T1、T2に入力し、例えば流量計から出力される4−20mAのプロセス信号を入力端子T3、T4に入力することによって、流量計を流れる流量をバルブ16によって入力端子T1、T2に入力された設定値に保つことが可能である。尚、ここで得られた効果はフィールドコントローラ付電空変換器に適用できることは言うまでもない。 【0048】また、図6は、本発明のバルブポジショナにおけるインピーダンス制御回路1にタイミング回路50を付加して起動特性を改善した実施例である。本発明のバルブポジショナは、例えばコンピュータシステムを利用した中央監視システムや分散制御システム(以下、DCSという。)から出力される操作信号を入力端子T1、T2に入力してバルブの制御を行うが、一般的にDCSでは、DCS自身が出力した操作信号を常に監視し、例えば、DCS自身が出力した操作信号の電流に対する端子間電圧が一定値を超えた場合、DCSでは操作信号を送る信号線が断線したと判断し、断線警報を発する場合がある。 【0049】図1の回路では、例えばDCSから入力端子T1に入力された操作信号がゼロの状態からステップ的に立ち上がった場合、内部回路が立ち上がる際に、過渡的にインピーダンス制御回路1の制御出力信号IU1がカットオフし、入力端子T1、T2の端子間電圧が定常値を大きく超える場合が有り得る。この時、DCSは、断線警報を出力する場合がある。 【0050】この現象を回避する目的で付加された回路がタイミング回路50である。具体的な回路例を図7に示す。同図は、図2で説明した可変インピーダンス回路3とシャントレギュレータ4及びインピーダンス制御回路1を実現する回路例にタイミング回路50を付加した場合の回路例である。 【0051】同図において、図2の回路例と異なる点は、差動増幅器U1のマイナス端子に抵抗R6と並列接続されたコンデンサC50を付加し、抵抗R6と共に遅れ回路を形成することで、回路が立ち上がる際に差動増幅器U1をプラス電源側に振り切らせるようにした点である。 【0052】図8は、本発明のバルブポジショナの入力端子T1、T2の端子間電圧の波形図である。同図において61はステップ状に入力された操作信号Iinであり、62はタイミング回路50を用いない場合のバルブポジショナの端子間電圧であり、63はタイミング回路50を用た場合のバルブポジショナの端子間電圧である。同図より明らかなように、本発明のバルブポジショナにタイミング回路50を付加することによって、操作信号がステップ状に入力された場合であっても円滑にバルブポジショナを起動することが可能となる。尚、ここで得られた効果は、上述の電空変換器やフィールドコントローラ付バルブポジショナ及び電空変換器においても適用できることは言うまでもない。 【0053】なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。つまり本発明は、電流を外部からの入力信号とし、それを内部回路への動力源として使用する電空変換要素を具備するすべての装置に適用することが可能である。 【0054】また、図2で可変インピーダンス回路3は、nチャンネルJFETに限らず例えば、npn及びpnpトランジスタ、MOS−FET、またはこれらを組み合わせて構成された電子回路等、電流値を変化させることが可能なものであれば置きかえることが可能である。このことは、図3で用いられたnチャンネルJFETQ10においても同様である。 【0055】図1では、入力端子T1からT2に向かって可変インピーダンス回路3、シャントレギュレータ4、電流検出素子2の順で接続されているが、この順序は変更しても差し支えない。つまり、本発明の趣旨は、電流検出素子2によって入力端子T1から入力されるほぼすべての電流値が検出可能であり、且つ、可変インピーダンス回路2と電空変換モジュール14が並列接続されていれば達成される。 【0056】また、図1では内部回路を駆動する内部電源電圧V2はシャントレギュレータ4のみによって発生しているが、従来例と同様に内部電源電圧V2からDC−DCコンバータを用いて更に電流容量を稼ぐことも可能である。これによって更に大きな内部回路への供給電流が確保できる。 【0057】また、電空変換モジュール14は入力された電流信号を空気圧信号に変換するものについて説明したが、その他の原理、例えば電圧から力を発生させる圧電素子の原理を利用したものを用いても良い。この場合、図1の電空変換モジュールにはD/A変換器10から電流信号でなく電圧信号が入力され、電流レギュレータ33は不要となるが、可変インピーダンス回路2と電空変換モジュール14が並列接続された構成となっていれば、本発明の範囲である。 【0058】 【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次のような効果がある。請求項1から3に記載の発明では、電流消費量の大きな電空変換モジュールに対する電流配分を大きくしつつ、部品点数が少なく回路構成の簡単なバルブポジショナを提供することが可能となる。また、本発明によれば、電源電圧を降圧するDC−DCコンバータや特別な電源回路を用いず、内部回路の電流配分を変化させて電流消費量の大きな電空変換モジュールに必要な電流を供給するため、電流の利用効率がよく、結果的にマイクロコントローラに、より多くの電流を与えることが可能となる。 【0059】請求項4から6に記載の発明では、電流消費量の大きな電空変換モジュールに対する電流配分を大きくしつつ、部品点数が少なく回路構成の簡単な相手機器とのデジタル通信が可能なバルブポジショナを提供することが可能となる。また、本発明によれば、電源電圧を降圧するDC−DCコンバータや特別な電源回路を用いず、内部回路の電流配分を変化させて電流消費量の大きな電空変換モジュールに必要な電流を供給するため、電流の利用効率がよく、結果的にマイクロコントローラに、より多くの電流を与えることが可能となる。 【0060】請求項7から9に記載の発明では、電流消費量の大きな電空変換モジュールに対する電流配分を大きくしつつ、部品点数が少なく回路構成の簡単な電空変換器を提供することが可能となる。また、本発明によれば、電源電圧を降圧するDC−DCコンバータや特別な電源回路を用いず、内部回路の電流配分を変化させて電流消費量の大きな電空変換モジュールに必要な電流を供給するため、電流の利用効率がよく、結果的にマイクロコントローラに、より多くの電流を与えることが可能となる。 【0061】請求項10から12に記載の発明では、電流消費量の大きな電空変換モジュールに対する電流配分を大きくしつつ、部品点数が少なく回路構成の簡単な相手機器とのデジタル通信が可能な電空変換器を提供することが可能となる。また、本発明によれば、電源電圧を降圧するDC−DCコンバータや特別な電源回路を用いず、内部回路の電流配分を変化させて電流消費量の大きな電空変換モジュールに必要な電流を供給するため、電流の利用効率がよく、結果的にマイクロコントローラに、より多くの電流を与えることが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006507 【氏名又は名称】横河電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年4月19日(1999.4.19) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−304148(P2000−304148A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月2日(2000.11.2) |
| 【出願番号】 |
特願平11−110779 |
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