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【発明の名称】 トラニオン型三方弁
【発明者】 【氏名】渡辺 隆雄

【氏名】重野 啓司

【要約】 【課題】小さい回転トルクで流路の切り換えが行えるトラニオン型三方弁を提供する。

【解決手段】弁筐には、内部に形成された弁室11と、該弁室にそれぞれ通じる流入口と13、第1流出口15と、第2流出口17とを備えている。弁室内には、弁体25が、その上下の腕部29、31を上下の弁棒37、39により支承されて、回転自在に配置されている。流入口と、第1流出口と、第2流出口とには、弁室に臨んで、中央部開口を備えた弁体シート19、21、23がシート取付け部材20、22、24により脱落不能に取り付けられている。弁体本体27は、流入口と、第1流出口と、第2流出口とに配置された弁シートのいずれか一つを封止しているときには、他の弁シートとは非接触となる大きさの寸法となっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に形成された弁室と、該弁室にそれぞれ通じる流入口と、第1流出口と、第2流出口とを備えた弁筐と、該弁室内に配置され、上下の弁棒により回転自在に支承された弁体とを備え、前記弁体を回転させることにより止水、及び流路の切り換えを行うトラニオン型三方弁において、前記流入口と、第1流出口と、第2流出口とには、前記弁室に臨んで、中央部開口を備えた弁体シートがシート取付け部材により脱落不能に取り付けられ、前記弁体は、前記弁体シートの前記中央部開口を封止する弁体本体と、該弁体本体から側方へ延び、それぞれ前記上下の弁棒により支承される上下腕部を備え、前記弁体本体は、前記流入口と、第1流出口と、第2流出口とに配置された弁シートのいずれか一つの前記中央部開口を封止しているときには、他の弁シートとは非接触となる大きさの封止部を備えていることを特徴とする、トラニオン型三方弁。
【請求項2】 請求項1記載のトラニオン型三方弁において、前記封止部は、球殻の一部により形成されていることを特徴とする、トラニオン型三方弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトラニオン型三方弁に関し、さらに詳細に言えば、弁の切り換え時に要する回転トルクが軽減されたトラニオン型三方弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来使用されている流路切り換え弁或いは三方弁に、弁体としてボールを使用し、このボールを上下に配した弁棒で支承したトラニオン型三方弁がある。
【0003】この従来のトラニオン型三方弁では、ボールの周囲に、互いに直交する方向にそれぞれ一対の、合計4個のボールシートを配置し、それぞれを例えば円板バネを用いてボールに押しつけてシールするようになっている。ボールを支承するための軸を設けず、周囲4個のボールシートでボールを支承する所謂フローティングタイプでは、水圧の掛かり具合でボールシートの圧縮量が変化するのに対し、このトラニオン型三方弁ではそのようなことはない。しかし、封止を確実にするために、4個のボールシートは強くボールに押しつけられている。従って、流路を切り換えるためにボールを回転させる際、大きな回転トルクが必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、本願発明が解決しようとする課題は、従来より小さな回転トルクで弁体を回転させることの出来る、トラニオン型三方弁を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明に係るトラニオン型三方弁においては、弁筐の流入口と、第1流出口と、第2流出口とが弁室に通じる部分に配置した各弁シートをシート取付け部材により脱落不能に取り付け、弁体を、弁体本体と、上下の弁棒で支承される上下の腕部とで構成し、この弁体本体は、流入口と、第1流出口と、第2流出口とに配置された弁シートのいずれか一つの中央部開口を封止しているときには、他の弁シートとは非接触となる大きさの封止部を備えるようにした。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本願発明の具体的実施の形態を説明するが、本願発明の範囲は以下に説明される実施の形態に限定されるものではない。
【0007】図1は、本発明の実施の形態に係るトラニオン型三方弁1の側断面図、図2は図1の2−2線による横断面図である。符号3は弁筐本体であり、弁筐側部右5、同左7、弁筐後部9とともに、弁室11を内部に画成している。符号10a、10b、10cは、それぞれ弁筐本体3と弁筐側部右5、弁筐側部左7、及び弁筐後部9との間を封止するOリング等適宜なシール部材である。
【0008】弁筐側部左7には弁室11に通じる流入口13が筒状に延びて設けられ、弁筐側部右5には同じく弁室11に通じる第1流出口15が、流入口13ど同心となるように筒状に延びて設けられている。そして弁筐本体3には、弁室11に通じる第2流出口17が、流入口13と第1流出口15が延びる方向に直交する方向に延びて形成され、弁室11に通じている。そして、流入口13、第1流出口15、第2流出口17が弁室11に通じる位置に、それぞれ後述の弁体25が着座する、中央部開口を有する弁体シート19、21、23が、それぞれ流入口13、第1流出口15、第2流出口17の内周部にネジ結合されたシート押さえ20、22、24により、脱落しないように取り付けられている。
【0009】即ち、従来のトラニオン型三方弁と異なり、各弁体シート19、21、23を弁体に向けて押圧するための板状バネ等は設けられておらず、シート押さえ20、22、24は弁体シート19、21、23を脱落しないように取り付けているのみである。図3は図2におけるA部詳細図である。弁筐側部左7の流入口13の、弁室11に臨む内側端部は径が大きくなって肩部13aと壁部13bが形成されている。その肩部13aと壁部13bとで画成されるスペースに、肩部当接部19aが肩部13aに、壁部当接部19bが肩部13bにそれぞれ当接して、弁体シート19が配置される。弁体シート19は、肩部当接部19aの内径端部から、肩部当接部19aから離れるに従い壁部当接部19bに近づくように直線状に傾斜した取付け固定面19cが設けられ、その先にシート面19dが形成されている。
【0010】シート押さえ20は、流入口13の肩部13aに隣接して刻設された雌ねじ13cにその雄ねじ部20aが螺合して弁筐側部左7に取り付け、固定される。そして、雄ねじ部20aから押さえ部20bが図示のとおりに延びており、その押さえ部20bの外周面20cは、弁体シート19の取付け固定面19cの形状に対応して、先端に向かうにつれて径が大きくなるように傾斜して、取付け固定面19cに当接するようになっている。従って、弁体シート19は一旦シート押さえ20により固定されると、脱落することはない。
【0011】ここで図1及び2を再度参照すると、弁体25が弁室11内に収受されている。その弁体25は、図4にも詳細に示されるとおり、前述の弁体シート19、21、23の中央開口を封止するための弁体本体27と、上側腕部29と、下側腕部31とで大略構成されている。弁体本体27は、所定の厚みの球殻の一部分で構成され、殻の内面側に凹所27aを形成している。弁体本体27の上下の直径方向での端部から、球殻の中心Oと弁体本体27の外側球面部分27bの中心oとを結ぶ線Lに平行に、上側腕部29と下側腕部31とが延びている。
【0012】上側腕部29の外表面29aは弁体本体27の外側球面部分に連なる球面状になっており、内表面29bは線Lに平行な平面となっている。下側腕部31は、上側腕部29の内表面29bと平行な外表面31aと内表面31bとを備えている。上下腕部29、31の内表面29b、31bの間は水の流れを妨げないように十分な間隔が開いている。そして上側腕部29には外表面29a側から有底の横断面四角の上弁棒穴33が形成され、一方下側腕部31には、外表面31a側から有底の横断面円形の下弁棒穴35が形成されている。上下の弁棒穴33、35の中心を結ぶ線Mは線Lに直交するようになっている。
【0013】上弁棒穴33には、弁筐本体3の上側から挿入された上弁棒37の下部側の角軸部37aが嵌まり、上弁棒37の上側部は4面を平面状にカットされ、図示しないハンドルが取付け可能なハンドル取付け部37bとなっている。符号39は弁筐本体3に螺合して取り付けられた上側キャップで、上弁棒37の抜け止めをしている。下弁棒穴35には、円柱状の下弁棒39の上端部が嵌まり、その下側は弁筐本体3に螺合して取り付けられた下側キャップ41に受け止められている。符号43、45はそれぞれ上、下カラーである。
【0014】以上のように構成された三方弁では、ハンドルを用いて弁体25を回転させ、封止部たる弁体本体27で、流入口13、第1流出口15、第2流出口17に配置された弁体シート19、21、23のいずれかを封止することにより、止水状態、流入口13と第1流出口15とが連通した第1流路と、流入口13と第2流出口17とが連通した第2流路との切り換えが行われる。ここで注意すべきことは、弁体25の弁体本体の大きさである。すなわち、弁体本体25は、それが流入口13、第1流出口15、第2流出口17に配置された弁体シート19、21、23のいずれか一つを封止しているときには、他の弁体シートには非接触となるようにその寸法が定められている。従って、従来のボールを使用し、4個のボールシートを用いた三方弁に比して、必要な回転トルクは大幅に軽減できることとなる。
【0015】即ち、従来のボールを使用した三方弁では、流路の切り換えを行う際等に水が弁筐本体と、各ボール押さえとの間に回り込むことは避けることはできず、それに対応して、弁筐本体と各ボール押さえとの間に、本発明のシール部材10a、10b、10cと同様、Oリング等の封止部材を配置していた。そのような構成の場合、弁体に対して常に全ての弁体シートが液密様態に押圧されている必要がないという知見に基づき本発明はなされたものである。
【0016】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明においては、トラニオン型三方弁において、流れを切り換える際に、弁体は、封止すべき必要のある弁シートとのみを押圧して封止し、他の弁シートとは非接触の状態となる。従って、流れを切り換える際に要する回転トルクが大幅に軽減され、操作が容易となる。
【出願人】 【識別番号】390006736
【氏名又は名称】株式会社日邦バルブ
【出願日】 平成11年4月9日(1999.4.9)
【代理人】 【識別番号】100064562
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 徹男 (外1名)
【公開番号】 特開2000−291813(P2000−291813A)
【公開日】 平成12年10月20日(2000.10.20)
【出願番号】 特願平11−101938