| 【発明の名称】 |
電磁弁の着座検出装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 浩
【氏名】井村 章夫
【氏名】八巻 利宏
【氏名】藤本 二朗
【氏名】鳥居 稔
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| 【要約】 |
【課題】電磁弁の電磁石コイルをスイッチング駆動する場合に、弁体の着座を確実に検出することができる電磁弁の着座検出装置を提供する。
【解決手段】電磁弁の電磁石コイル15aの駆動電流ICOILがほぼ一定となるように駆動電圧VCOILをスイッチング制御し、その駆動電圧VCOILが高レベルとなる時間TONに基づいて弁体12の着座を検出する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電磁弁の弁体が着座したことを検出する着座検出装置であって、前記電磁弁の電磁石コイルを流れる駆動電流がほぼ一定となるように駆動電圧をスイッチング制御し、前記駆動電圧のデューティ比に応じたパラメータに基づいて前記弁体が着座したことを検出することを特徴とする電磁弁の着座検出装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電磁弁の弁体が着座したことを検出する着座検出装置に関する。 【0002】 【従来の技術】電磁石により駆動される電磁弁においては、電磁石コイルへの通電制御に対応した作動が実際に行われているか否かを監視するため、弁体が着座したことを検出することが行われる。この着座検出を行う手法として、図8に示すように電磁石コイルを定電圧駆動し(時刻t11より電圧VCOILを印加し)、このときのコイル電流ICOILの不連続点(時刻tS)、すなわち弁体着座時の急激なインピーダンス変化によるコイル電流の急変を検出するものが知られている(特公平3−12662号公報)。なお、図8(a)に示すLFTは、弁体の変位であり、LFT=LFTCが着座位置に相当する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】内燃機関の吸気弁及び排気弁を電磁石により電磁駆動することは、従来より知られており、その場合には、図7に示すように電磁石コイルの駆動電流ICOILを定電流となるようにコイル電圧VCOILをスイッチング制御することが行われる。これは、以下の理由による。すなわち、内燃機関の吸気弁及び排気弁の場合、燃焼室内の電磁弁の動作と通電タイミングとが毎回変化し、弁体に加わる外力が変化して動作特性がばらつくことになる。そのため、そのばらつきを考慮してコイルの通電時間を長めに設定することが必要となり、駆動電流ICOILを必要最小限に留めて消費電力を低減するために、上記したようなコイル電圧のスイッチング制御が行われる。 【0004】このように電磁石コイルをスイッチング駆動する場合には、弁体が着座してもインピーダンス変化による電流の落ち込みが現れにくく、スイッチングによる電流変化と区別できないため、上記公報に示された手法により着座検出を行うことはできない。 【0005】本発明は、この点に着目してなされたものであり、電磁弁の電磁石コイルをスイッチング駆動する場合に、弁体の着座を確実に検出することができる電磁弁の着座検出装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、電磁弁の弁体が着座したことを検出する着座検出装置であって、前記電磁弁の電磁石コイルを流れる駆動電流がほぼ一定となるように駆動電圧をスイッチング制御し、前記駆動電圧のデューティ比に応じたパラメータに基づいて前記弁体が着座したことを検出することを特徴とする。 【0007】この構成によれば、電磁石コイルがスイッチング制御により定電流駆動され、駆動電圧のデューティ比に応じたパラメータに基づいて弁体の着座が検出される。電磁石コイルを定電流駆動する場合には、弁体の着座によるインピーダンス変化により、駆動電圧のスイッチング波形が変化するので、スイッチング駆動される電磁弁において弁体の着座を確実に検出することができる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる電磁弁としての、内燃機関の吸気弁とその駆動機構(アクチュエータ)の構成を示す断面図である。 【0009】図1においてアクチュエータ11は、対向する2つのソレノイド(電磁石)、すなわち弁体12を閉弁方向に付勢する閉弁ソレノイド15及び弁体12を開弁方向に付勢する開弁ソレノイド16と、スプリング17とを主たる構成要素とする。閉弁ソレノイド15は、コイル15a及び磁性体15bからなり、開弁ソレノイド16は、コイル16a及び磁性体16bからなる。スプリング17は、アーマチャ14が中立位置(図示の位置)にあるとき、弁体12に対する付勢力がゼロとなり、中立位置より上に位置するときは弁体12を開弁方向に付勢し、中立位置より下に位置するときは弁体12を閉弁方向に付勢するように構成されている。アクチュエータ11のコイル15a,16aは、電子コントロールユニット(図示せず)に接続されており、この電子コントロールユニットから供給される駆動信号により駆動される。 【0010】この構成によれば、閉弁ソレノイド15または開弁ソレノイド16に通電することにより、弁体12が、吸気口18を閉塞する全閉位置と弁体のリフト量が最大となる全開位置との間を移動させ、吸気弁1を開閉作動させることができる。なお、ソレノイド15,16に通電していないときは、弁体12は、全閉位置と全開位置の間の中立位置に位置する。また、通常は弁体が全閉位置(弁座)に達することを「着座」というが、本実施形態では、弁体12が全開位置に達することも同様に「着座」といい、閉弁側及び開弁側ともに着座検出を行う。 【0011】図2は、弁体12の位置と閉弁ソレノイド15のコイル電流ICOILC及び開弁ソレノイド16のコイル電流ICOILOとの関係を説明するためのタイムチャートである。弁体12を全閉位置LFTCから全開位置LFTOへ移動させる、すなわち吸気弁1を開弁作動させるときは、先ず閉弁ソレノイド15のコイル電流ICOILCを0とする(時刻t1)。これにより、スプリング17の作用により弁体12は、開弁作動を開始するので、弁体が中立位置付近に達する時刻t2から開弁ソレノイド16のコイル16aの通電を開始する。そして弁体12が全開位置LFTOに達した後、少し遅れてコイル電流ICOILOを減少させて保持動作に移行する(時刻t4)。このようにして開弁動作が行われる。弁体12を全開位置LFTOから全閉位置LFTCへ移動させる、すなわち閉弁作動させる場合も同様の通電制御を行う(時刻t5以後)。 【0012】図3は、閉弁ソレノイド15のコイル15aの駆動回路と、弁体12の着座検出を行う回路とを示す回路図である。これらの回路は、前記電子コントロールユニット内に設けられ、コイル15aに駆動電流を供給する電磁弁駆動部21と、コイル15aの駆動電流を制御する電流制御部22と、コイル15aの両端の電圧VCOILが入力され、このコイル電圧VCOILが高レベルである時間、すなわちトランジスタQ1がオン状態にある時間TONを計測する時間計測部23と、電磁弁駆動部21及び時間計測部23に制御信号を供給するとともに、時間計測部23の出力信号から弁体12が着座したこと、換言すれば全閉位置に達したことを検出するCPU(中央処理装置)24とを備えている。 【0013】電磁弁駆動部21は、トランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1と、抵抗R1とを備えている。トランジスタQ1は、電流制御部22の出力信号SSWにより、オンオフ制御される。トランジスタQ2は、CPU25から供給される切換信号SDRVによりオンオフ制御され、コイル15aへの電流供給のオンオフが切り換えられる。抵抗R1は、コイル電流ICOILを検出するために設けられており、その両端の電圧が電流制御部22に入力される。またトランジスタQ1のコレクタにはバッテリ電圧VBが供給されており、トランジスタQ1のエミッタと、トランジスタQ2のコレクタとの間に、コイル15aが接続されている。 【0014】電流制御部22は、演算増幅器31と、比較器32と、抵抗R2〜R5を備えており、電磁弁駆動部21の抵抗R1の両端の電圧が、抵抗R4、R2を介して演算増幅器31に入力される。なお、電圧VSは電源電圧である。演算増幅器31の出力は、比較器32の非反転入力に接続され、比較器32の反転入力には基準電圧VREFが供給されている。演算増幅器31の出力電圧は、コイル電流ICOILが増加すると減少し、基準電圧VREFを下回ると、比較器32の出力が低レベルとなり、その結果トランジスタQ1がオフされる。一方、コイル電流ICOILが減少すると、演算増幅器31の出力電圧が増加し、基準電圧VREFを越えると、比較器32の出力が高レベルとなり、その結果トランジスタQ1がオンされる。このようにしてトランジスタQ2がオンしているときは、コイル電流ICOILが、基準電圧VREFに応じた一定電流となるように、トランジスタQ1がスイッチング制御される。またトランジスタQ2がオフされると、コイル15aへの電流供給が遮断される。 【0015】時間計測部23は、CPU24から供給される着座判定許可信号SDETが高レベルであるときに、コイル電圧VCOILが高レベルである期間を計測するタイマを有し、タイマの出力信号を高レベル期間TONを示す信号としてCPU24に入力する。タイマは、コイル電圧VCOILが低レベルとなるとリセットされるように構成されている。 【0016】図4は、図3の回路の動作を説明するためのタイムチャート図であり、同図(a)〜(e)は、それぞれ弁体12の位置LFT,コイル電圧VCOIL,コイル電流ICOIL,着座判定許可信号SDET及び時間計測部23の出力信号が示す高レベル時間TONの推移を示す。なお、図4は、弁体12を全閉位置LFTCへ移動させる、すなわち閉弁作動させる場合の動作を示している。 【0017】時刻t11にコイル15aの通電が開始されると、コイル電流ICOILが徐々に増加し、目標とする定電流値まで増加すると(時刻t12)、スイッチング動作に移行する。着座判定許可信号SDETはこのタイミングで低レベルから高レベルへ変化し、着座判定が許可される。したがって、時間計測部23による高レベル時間TONの計測が実行され、時間計測部23の出力は、同図(e)に示すようにコイル電圧VCOILが高レベルである期間中は、時間経過とともに増加し、コイル電圧VCOILが低レベルである期間中は0となる。弁体12が着座すると、コイル15aのインピーダンスが一時的に増加するため、トランジスタQ1のオン時間、すなわちコイル電圧VCOILが高レベルである時間TONが長くなる。その結果、高レベル時間TONが着座判定値TREFを越えた時刻tSにおいてCPU24は着座と判定する。このように本実施形態によれば、コイル電圧VCOILの高レベル時間TONに基づいて着座が検出されるので、ソレノイドのコイルをスイッチング駆動する場合でも、確実に弁体12の着座を検出することができる。 【0018】なお、着座判定値TREFは、弁体着座時の高レベル時間TONSの平均値TONSAVEと、弁体着座時以外のときの高レベル時間TONHの平均値TONHAVEと応じて設定することが望ましい。すなわち、弁体12が着座したときの高レベル時間TONSと、弁体12の移動中または着座後の保持動作中における高レベル時間TONHとを監視してその平均値TONSAVE及びTONHAVEを記憶しておき、例えばTREF=(TONSAVE+TONHAVE)/2とする。これにより、コイル温度や電磁弁の経年変化による高レベル時間TONの変化に拘わらず常に正確な着座判定を行うことができる。 【0019】なお、上述した説明は、吸気弁の閉弁ソレノイド15について行ったが、開弁ソレノイド16や排気弁のソレノイドも同様にして着座検出を行うことができる。本実施形態では、高レベル時間TONが「駆動電圧のデューティ比に応じたパラメータ」に相当する。 【0020】また本発明は上述した実施形態に限るものではなく、以下に述べるように種々の変形が可能である。 (変形例1)上述した実施形態では、コイル電圧VCOILが高レベルである期間、すなわちトランジスタQ1がオン状態にある時間TONに基づいて着座検出を行ったが、時間計測部23に代えてデューティ比計測部を設け、コイル電圧VCOILが高レベルである時間的割合を示すデューティ比DTY、換言すればトランジスタQ1のオンデューティ比を計測し、図5(e)に示すようにデューティ比DTYが、着座判別デューティ比DREFを越えたとき、着座と判定するようにしてもよい。同図に示す例では、実際の着座時点より若干遅れて着座判定が行われる。 【0021】あるいは、時間計測部23に代えて周波数計測部を設け、トランジスタQ1のスイッチング周波数fSWを計測し、スイッチング周波数fSWが着座判別周波数fREFを下回ったとき、着座と判定するようにしてもよい。この変形例では、デューティ比DTYまたはスイッチング周波数fSWが、「駆動電圧のデューティ比に応じたパラメータ」に相当する。 【0022】(変形例2)上述した実施形態では、タイマを含む時間計測部23等を使用したが、コイル電圧VCOILをA/D変換して直接CPUに供給し、上述した時間計測部等の機能をCPUによる一定時間毎の演算処理で実現するようにしてもよい。 【0023】図6は、そのような演算処理のフローチャートであり、ステップS11では、コイルへの通電が開始されたか否かを判別し、通電が開始されると初回オンデューティが終了したか否か、すなわち図4,5の時刻t12に至ったか否かを判別する(ステップS12)。そしてこの答が肯定(YES)となると、検出値、すなわち高レベル時間TONまたはデューティ比DTYが、着座判別値を越えたか否かを判別し(ステップS13)、この答が肯定(YES)となると、着座と判定する(ステップS14)。このようにして、上述した実施形態と同様に弁体12の着座判定を行うことができる。 【0024】 【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、電磁石コイルがスイッチング制御により定電流駆動され、駆動電圧のデューティ比に応じたパラメータに基づいて弁体の着座が検出される。電磁石コイルを定電流駆動する場合には、弁体の着座によるインピーダンス変化により、駆動電圧のスイッチング波形が変化するので、スイッチング駆動される電磁弁において弁体の着座を確実に検出することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月26日(1999.3.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105119 【弁理士】 【氏名又は名称】新井 孝治
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| 【公開番号】 |
特開2000−283327(P2000−283327A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月13日(2000.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−84569 |
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