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【発明の名称】 電磁弁
【発明者】 【氏名】平石 一男

【氏名】豊榮 泰輔

【氏名】松藤 能長

【要約】 【課題】小さな操作力で手動による吐水・止水が行えるとともに、止水忘れを防止することができ、かつ小型で簡易な構成の電磁弁を提供することを目的とする。

【解決手段】弁本体1の一次側流路3と二次側流路4との間に設けられた弁座5と、この弁座5に着座・離座するダイヤフラム弁体2と、このダイヤフラム弁体2の背面側に設けられた圧力室6と、ダイヤフラム弁体2に設けられたパイロット孔7と、電磁コイル8への通電により作動するプランジャ9とを備え、手動操作ボタン15を弁本体1側に押し込んで、パイロット孔7内に挿入されたロッド17によりバネ11に抗してプランジャ9を押し上げ、パイロット孔7を通じて圧力室6と二次側流路4とを連通させて、ダイヤフラム弁体2を弁座5から離座させることにより吐水するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一次側流路と二次側流路との間に設けられた弁座と、該弁座への着座により前記一次側流路からの水の前記二次側流路への流出を防止するダイヤフラム弁体と、該ダイヤフラム弁体の背面側に設けられた圧力室と、前記ダイヤフラム弁体に設けて、前記圧力室と前記二次側流路とを連通するパイロット孔と、電磁コイルへの通電によりパイロット孔から離間して前記圧力室と前記二次側流路とを連通させるプランジャと、を備えた電磁弁において、前記パイロット孔に挿入したロッドにより前記プランジャを前記パイロット孔から離間させて、前記圧力室内の水を前記二次側流路へ流す操作手段を設けたことを特徴とする電磁弁。
【請求項2】 前記操作手段は、前記プランジャを前記パイロット孔に着座させて、前記圧力室と前記二次側流路との連通を遮断する自動復帰手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の電磁弁。
【請求項3】 前記自動復帰手段は、前記ロッドを前記プランジャから離間するように付勢する付勢手段により形成したことを特徴とする請求項2記載の電磁弁。
【請求項4】 前記付勢手段は、バネ部材により形成したことを特徴とする請求項3記載の電磁弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁コイルへの通電により作動するプランジャにより流路の開閉を行う電磁弁に係り、特に停電時等に手動操作によりを流路の開閉行うことが可能な電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電磁弁として、例えば、図2に示すような構成をしていた。
【0003】即ち、電磁弁Bの弁本体1下部に設けた雌ねじ1aに手動開閉用ネジaを螺合して、ダイヤフラム弁体2の方向に回転前進させ、一次側流路3と二次側流路4を遮断しているダイヤフラム弁体2を一次側と二次側の差圧に抗して弁座5から離間させることで、一次側流路3と二次側流路4とを連通して吐水させていた。
【0004】また、手動開閉用ネジaをダイヤフラム弁体2から回転後退させ、一次側と二次側の差圧によりダイヤフラム弁体2が弁座5に当接し、一次側流路3と二次側流路4とを遮断することで止水させていた。
【0005】また、別の構成として、図3及び図4に示すような構成のものが知られている。
【0006】このものは、圧力室6と二次側流路4とを連通するバイパス流路c、eを設けて、このバイパス流路c、eを必要に応じて手動操作ボタンb、dにより開閉させることで、一次側と圧力室6の差圧によりダイヤフラム弁体2が弁座5に着座・離座するようにしたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の構成では、吐水させるのに一次側と二次側の差圧に抗して、受圧面積の大きなダイヤフラム弁体2全体を押し上げる必要があったため、一次側の水圧が高い場合、操作するのに非常に大きな力を要していた。
【0008】また、手動開閉用ネジaを回転後退させるまで吐水状態が維持されるため、機器使用後に止水させることを忘れてしまい、水が流れっぱなしになってしまうという問題があった。
【0009】一方、後者の場合では、受圧面積がダイヤフラム弁体2よりもはるかに小さいために、操作力も小さくて良く、かつバネ等により自動復帰するため止水忘れの虞がなくなったが、二次側へのバイパス流路c、eを別途設ける必要から、電磁弁B、C、Dが必然的に大きくなってしまうという問題が生じ、また、構造が複雑になり製造コストも高くなっていた。
【0010】本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、小さな操作力で手動による吐水・止水が行えるとともに、止水忘れを防止することができ、かつ小型で簡易な構成の電磁弁を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記目的を達成するために本発明は、一次側流路と二次側流路との間に設けられた弁座と、該弁座への着座により前記一次側流路からの水の前記二次側流路への流出を防止するダイヤフラム弁体と、該ダイヤフラム弁体の背面側に設けられた圧力室と、前記ダイヤフラム弁体に設けて、前記圧力室と前記二次側流路とを連通するパイロット孔と、電磁コイルへの通電によりパイロット孔から離間して前記圧力室と前記二次側流路とを連通させるプランジャと、を備えた電磁弁において、前記パイロット孔に挿入したロッドにより前記プランジャを前記パイロット孔から離間させて、前記圧力室内の水を前記二次側流路へ流す操作手段を設けたことを特徴としている。
【0012】この構成によれば、受圧面積の小さいプランジャをパイロット孔から離間させて、圧力室内の水を二次側流路へ流すことで吐水を行うようにしているので、小さな操作力で手動による吐水が行えるとともに、従来のようなバイパス流路を必要としないので、小型化及び製造の低コスト化を図ることができる。
【0013】また、操作手段は、プランジャをパイロット孔に着座させて、圧力室と二次側流路との連通を遮断する自動復帰手段を設けたので、自動的に圧力室と二次側流路との連通を遮断することで、止水忘れを防止することができる。
【0014】更に、自動復帰手段を、ロッドをプランジャから離間するように付勢する付勢手段により形成し、付勢手段を、バネ部材により形成するようにすれば、簡易な構成で、止水忘れを防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】図1は、本発明の電磁弁を示す断面図である。
【0017】図1に示すように、電磁弁Aは、弁本体1の一次側流路3と二次側流路4との間に設けられた弁座5と、この弁座5に着座・離座するダイヤフラム弁体2と、このダイヤフラム弁体2の背面側に設けられた圧力室6と、ダイヤフラム弁体2に設けられたパイロット孔7と、電磁コイル8への通電により作動するプランジャ9とから構成されている。
【0018】プランジャ9の先端部には、シートパッキン10が一体的に設けられており、また、プランジャ9の後端部には、プランジャ9をパイロット孔7に付勢するバネ11が介装されている。
【0019】一方、弁本体1の下部には、ダイヤフラム弁体2と対向する位置に、下方に突出する突起部13が設けられており、その突起部13外周には雄ねじ13aが形成されている。そして、内周に形成した雌ねじ14aを有する押さえ部材14が突起部13の雄ねじ13aに螺合して設けられている。
【0020】また、突起部13の内周部には、手動操作ボタン15が摺動自在に配設されており、手動操作ボタン15の先端部にロッド17が延出して設けられ、このロッド17がパイロット孔7内に挿入されている。
【0021】そして、手動操作ボタン15の先端部には、ロッド17がパイロット孔7内から退出するように付勢する付勢手段としてのコイル状の自動復帰用バネ18が配設しており、手動操作ボタン15の大径部15aの端面が押さえ部材14の内底面に当接して、自動復帰用バネ18による手動操作ボタン15の突起部13内周部からの退出を規制している。
【0022】また、手動操作ボタン15の後端部には、押さえ部材14に設けられた開口13b内を挿通して、押さえ部材14の端面から所定長さ突出するようにして小径部15bが設けられている。尚、手動操作ボタン15の大径部15aの中途には、シール材としてのOリング16が介装されている。
【0023】以上の構成において、電磁弁Aの動作を以下に詳述する。
【0024】図示において、プランジャ9は、バネ11により付勢されて、プランジャ9に設けられたシートパッキン10がパイロット孔7を塞いで、圧力室6と二次側流路4とを遮断している。また、圧力室6は、ダイヤフラム弁体2に設けられたブリード孔12を通じて一次側流路3と連通しているため、この状態での圧力室6の圧力は一次圧に等しく、そのため、ダイヤフラム弁体2は一次圧と二次圧の差圧により弁座5に押しつけられて、一次側流路3と二次側流路4とが遮断されているため、通常は止水状態にある。
【0025】ここで、電磁コイル8に通電して励磁すると、プランジャ9がバネ11に抗して吸引されてパイロット孔7から離間するため、パイロット孔7を通じて圧力室6と二次側流路4とが連通する。すると、圧力室6の圧力が急激に低下するため、ダイヤフラム弁体2は一次圧と圧力室6の圧力の差圧により一気に押し上げられ、一次側流路3と二次側流路4とが連通して吐水が行われる。
【0026】電磁コイル8への通電を止めると、バネ11によりプランジャ9が押し戻され、プランジャ9に設けられたシートパッキン10がパイロット孔7を塞いで圧力室6と二次側流路4とを遮断するので、圧力室6の圧力が一次圧へと増加し、再びダイヤフラム弁体2は降下して弁座5に着座して、一次側流路3と二次側流路4とが遮断して止水する。
【0027】次に、停電時等に手動で吐水させたい場合には、手動操作ボタン15を弁本体1側に押し込むと、パイロット孔7内に挿入されたロッド17がバネ11に抗してプランジャ9を押し上げ、パイロット孔7を通じて圧力室6と二次側流路4とが連通することで、通電によりプランジャ9を吸引した場合と同様に吐水することができる。この時、プランジャ9の受圧面積は、ダイヤフラム弁体2の受圧面積と比較して非常に小さいため、手動で押し上げるのに必要な力も非常に小さくてよい。
【0028】そして、手動操作ボタン15から手を離すと、自動復帰用バネ18により手動操作ボタン15は元の位置に押し戻され、バネ11によりプランジャ9のシートパッキン10がパイロット孔7を塞いで圧力室6と二次側流路4とを遮断するので、非通電状態と同様に自動的に止水する。
【0029】上述した内容はあくまで本発明の一実施形態に関するものであって、本発明が上記内容のみに限定されることを意味されるものでない。例えば、自動復帰手段として付勢手段により形成するようにしたが、これに限らず、空気を圧縮して手動操作ボタン15を元の位置に戻るようにしてもよく、また、スポンジ等の弾性体を用いて手動操作ボタン15が元の位置に戻るようにしてもよい。
【0030】また、付勢手段としてコイル状の自動復帰用バネ18を用いたが、これに限らず、板バネ等でもよく任意である。
【出願人】 【識別番号】000010087
【氏名又は名称】東陶機器株式会社
【出願日】 平成11年3月29日(1999.3.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−283322(P2000−283322A)
【公開日】 平成12年10月13日(2000.10.13)
【出願番号】 特願平11−86194