| 【発明の名称】 |
電磁弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】高山 利男
【氏名】松永 邦洋
|
| 【要約】 |
【課題】非作動時に作動液の不要な漏れを生じない電磁弁を提供する。
【解決手段】スリーブ26がスプールに挿通されて移動可能に設けられ、このスリーブ26を係合部材51を介して比例ソレノイド機構6の可動子48により移動させるので、可動子48の確実な移動に関して段付スプール10はなんら影響を及ぼすものでなく、この分、段付スプール10の外径を必要最小限に小さくすることができ、ひいては段付スプール10とスリーブ26との間の隙間の断面積が小さくなり、作動液の漏れを抑えることができる。スリーブ26が段付スプール10に挿通されて移動可能に設けられ、この段付スプール10を係合部材51を介して比例ソレノイド機構6により移動させるので、比例ソレノイド機構6の大きさが段付スプール10の径寸法に影響されることがなく、段付スプール10の大径化の際にも比例ソレノイド機構6の大型化を回避できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 有底筒状で開口部に蓋を嵌合したハウジングと、前記蓋に形成され低圧源に接続された第1ポートと、前記ハウジングの外周部に一端部が開口し他端部がこのハウジングの中空部の中央部分に開口する第2ポートと、一端部が前記ハウジングの外周部に開口して高圧源に接続し他端部が前記ハウジングの中空部の底部側に開口する第3ポートと、一端部から他端部近傍まで延びる基準軸部に段差を持って大径の大径部を連接し、前記ハウジングの中空部に挿通させて一端部及び他端部がそれぞれ蓋及びハウジングの底部に保持されるスプールと、該スプールの一端部側に設けられ第1ポートに連通し前記基準軸部における大径部近傍の外周部に開口する第1通路と、前記スプールの他端部側に設けられ第3ポートに連通し前記大径部の外周部に開口する第2通路と、一端を前記スプールの一端部側、他端を前記スプールの他端部側にして前記スプールの基準軸部に挿通され、かつ前記ハウジングの中空部に摺動して軸方向に変位するスリーブと、該スリーブの他端側の端部に一端側が開口し、他端側が第2ポートに連通するスリーブ通路と、前記スリーブをスプールの大径部側に付勢する付勢手段と、前記ハウジングの底部に形成した軸方向に延びる孔に沿って移動可能な係合部材と、前記ハウジングの底部の外側に配置され、電磁力により変位して係合部材を介して前記スプールを変位させる電磁付勢手段と、を備えたことを特徴とする電磁弁。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アンチロックブレーキ制御装置などのブレーキ液圧制御装置に用いて好適な電磁弁に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の電磁弁の一例として特開平10−95331号公報に示す電磁弁がある。同公報の電磁弁は、ソレノイド機構を備え、ソレノイド機構に通電しない非作動時に、高圧源圧力がスプールとスリーブのクリアランスに臨んでいる構成になっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従来技術では、ソレノイド機構に通電しない非作動時に高圧源圧力の漏れが生じ、作動液の不要な消費を招く虞があった。 【0004】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、非作動時に作動液の不要な漏れを生じない電磁弁を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、有底筒状で開口部に蓋を嵌合したハウジングと、前記蓋に形成され低圧源に接続された第1ポートと、前記ハウジングの外周部に一端部が開口し他端部がこのハウジングの中空部の中央部分に開口する第2ポートと、一端部が前記ハウジングの外周部に開口して高圧源に接続し他端部が前記ハウジングの中空部の底部側に開口する第3ポートと、一端部から他端部近傍まで延びる基準軸部に段差を持って大径の大径部を連接し、前記ハウジングの中空部に挿通させて一端部及び他端部がそれぞれ蓋及びハウジングの底部に保持されるスプールと、該スプールの一端部側に設けられ第1ポートに連通し前記基準軸部における大径部近傍の外周部に開口する第1通路と、前記スプールの他端部側に設けられ第3ポートに連通し前記大径部の外周部に開口する第2通路と、一端を前記スプールの一端部側、他端を前記スプールの他端部側にして前記スプールの基準軸部に挿通され、かつ前記ハウジングの中空部に摺動して軸方向に変位するスリーブと、該スリーブの他端側の端部に一端側が開口し、他端側が第2ポートに連通するスリーブ通路と、前記スリーブをスプールの大径部側に付勢する付勢手段と、前記ハウジングの底部に形成した軸方向に延びる孔に沿って移動可能な係合部材と、前記ハウジングの底部の外側に配置され、電磁力により変位して係合部材を介して前記スプールを変位させる電磁付勢手段と、を備えたことを特徴とする。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態の電磁弁1を図1ないし図4に基づいて説明する。この電磁弁1(3位置電磁弁)は、ブレーキペダルの操作量(ストローク、踏力等)を検出し、その操作量に応じたブレーキ力を、外部液圧源に蓄えられた高圧のブレーキ液をホイールシリンダに供給制御することにより発生させるブレーキバイワイヤ方式のブレーキ装置などに用いられ、流体通路が形成されたマニホールドなど(ハウジング)に、プラグ等と同様に差し込まれるように構成され、ユニット化されたものになっている。 【0007】図1ないし図3において、電磁弁1は、有底のハウジング本体2及び該ハウジング本体2の開口部に嵌合される蓋3からなるハウジング4と、ハウジング本体2の底部(ハウジング本体底部)5の外側に保持される比例ソレノイド機構6(電磁付勢手段)と、を備えている。ハウジング本体底部5には、ハウジング本体2における蓋3とハウジング本体底部5との間の空間(中空部本体)7aに連接する穴(ソレノイド側第1中空部)7bが形成されている。ハウジング本体底部5にはソレノイド側第1中空部7bに連接して、ソレノイド側第1中空部7bに比して小径の穴(ソレノイド側第2中空部)7cが形成されている。中空部本体7a、ソレノイド側第1中空部7b及びソレノイド側第2中空部7cから中空部7が構成されている。 【0008】蓋3には中空部7(中空部本体7a)に連通する1つのポート9aが形成され、ハウジング本体2にはその側面部8(外周部)に開口しかつ中空部7に連通する2つのポート9b,9cが形成されている。側面部8に開口する2つのポート9b,9cのうちポート9bは中空部本体7aの軸方向の略中心部分に開口し、他の1つのポート9cはソレノイド側第2中空部7cに開口している。以下、便宜上、蓋3に形成されたポート9aを第1ポート9a、側面部8に開口した2つのポート9b,9cのうち前者(中空部本体7aに開口するポート9b)を第2ポート9b、後者(ソレノイド側第2中空部7cに連通するポート9c)を第3ポート9cという。 【0009】本実施の形態では、ブレーキバイワイヤ方式のブレーキ装置に適用した場合において、第1ポート9aを外部液圧源のリザーバ(低圧室)に、第2ポート9bをホイールシリンダに、第3ポート9cを外部液圧源(高圧源)における高圧のブレーキ液を生成または蓄えるポンプまたはアキュムレータに接続して用いられ、第2ポート9bと第3ポート9cとの間を連通駆動することにより、ホイールシリンダの液圧の増圧を行い、第2ポート9bと第1ポート9aとの間を連通駆動することにより、ホイールシリンダの液圧の減圧を行うとともに、第2ポート9bを第1ポート9aおよび第3ポート9cに対して遮断することにより、ホイールシリンダの液圧の保持を行えるように機能させている。 【0010】第1ポート9a及びソレノイド側第1中空部7bにそれぞれ一端部及び他端部を嵌合して段付スプール10(スプール)が蓋3及びハウジング本体底部5に保持されている。段付スプール10は、一端部(段付スプール一端部)10aから他端部(段付スプール他端部)10bに向けて径寸法が順次大きくなる第1、第2、第3、第4軸11,12,13,14からなっており、第1、第2軸11,12の間には第1段差部15、第2、第3軸12,13の間には第2段差部16、第3、第4軸13,14の間には環状溝17とこの環状溝17に連接する略円錐面状の第3段差部18が形成されている。本実施の形態では第2、第3軸12,13が基準軸を構成し、第4軸14が大径部を構成している。 【0011】第2軸12の軸方向中央部分、第2軸12の第3軸側部分、第3軸における第4軸14側部分には、それぞれ径方向に延びて外周部に開口する、第1、第2、第3径方向通路19,20,21が形成されている。また、段付スプール10には、段付スプール一端部10aから第2径方向通路20まで延び、途中で第1径方向通路19に連通する一端部側通路22、段付スプール他端部10bから第3径方向通路21まで延びる他端部側通路23が形成されている。本実施の形態では、一端部側通路22及び第1径方向通路19により第1通路24が形成され、他端部側通路23及び第3径方向通路21により第2通路25が形成されている。 【0012】段付スプール10の第2、第3軸12,13には、スリーブ26がその一端部(スリーブ一端部)26a側を第1軸11側にして挿通されている。スリーブ26は、図1及び図3に示すように、その他端部(スリーブ他端部)26b側に形成され中空部本体7aに摺動する所定厚さのスリーブ摺動部27と、スリーブ摺動部27に連接してスリーブ一端部26a側に延びるスリーブ延長部28とから大略構成されている。スリーブ摺動部27には、両面側に開口するスリーブ通路29が形成されている。スリーブ26の孔(スリーブ孔)30は、スリーブ一端部26a側に形成され、内径寸法が第2軸12の外径に比して僅かに大きい小径スリーブ孔30aと、小径スリーブ孔30aに段差(符号省略)をもって連接され、内径寸法が第3軸13の外径寸法に比して僅かに大きい大径スリーブ孔30bと、からなっている。小径スリーブ孔30a及び大径スリーブ孔30bが形成された部分を、それぞれ小径スリーブ孔形成部31及び大径スリーブ孔形成部32という。小径スリーブ孔30aの長さは、少なくとも第1径方向通路19の開口部を閉塞できる寸法に設定されている。 【0013】スリーブ一端部26aからスリーブ他端部26bまでの長さは、スリーブ一端部26aが略第1段差部15に位置する際、スリーブ他端部26b側の部分が第3径方向通路21の開口部を閉塞し得ない(図4)寸法〔スリーブ他端部26bが第3段差部18に当接した際、スリーブ一端部26a側の部分が第1径方向通路19の開口部を閉塞し得ない(図1)寸法〕に設定されている。 【0014】蓋3の内周部側には段付スプール10の第1軸11を挿通する孔(符号省略)を形成した環状のバネ受け33が装着されており、このバネ受け33とスリーブ摺動部27との間にはバネ34(付勢手段)が介装されており、スリーブ26を段付スプール10の第4軸14(スプールの大径部)方向(図1右方向)に付勢している。そして、初期状態(非通電状態)で、図1に示すように、大径スリーブ孔形成部32におけるスリーブ他端部26b側の部分(大径スリーブ孔開口側形成部)32aのエッジ(他端部内径エッジ)35が第3段差部18に軸方向から当接(メタルコンタクト)し、第3径方向通路21の開口部がスリーブ26(大径スリーブ孔開口側形成部32a)に閉塞されて第2通路25(第3ポート9c)とスリーブ通路29の連通が遮断された状態になっている。 【0015】なお、スリーブ26が図1左方向に移動し他端部内径エッジ35が第3段差部18から離間しさらに第3軸13の第3径方向通路21と環状溝17との間の部分(軸摺動部分)13aから離間すると、第3径方向通路21の開口部の閉塞が解除され第2通路25(第3ポート9c)とスリーブ通路29とが連通する。大径スリーブ孔開口側形成部32aの他端部内径エッジ35が軸摺動部分13aに当接しているか否かにより第2通路25とスリーブ通路29の連通、遮断を行うように弁作動を行うようになっており、以下、便宜上、弁作動を行う大径スリーブ孔開口側形成部32a及び軸摺動部分13aを、適宜、第2弁42という。 【0016】また、スリーブ26が図1左方向に移動して、小径スリーブ孔形成部31が第2軸12における第1径方向通路19より第1軸11側部分(図1左側)に達すると(図3、図4)、小径スリーブ孔形成部31により第1径方向通路19の開口部が閉塞され、第2ポート9bが第1通路24(ひいては第2ポート9b)と遮断されるように弁作動を行うようになっている。以下、便宜上、弁作動を行う小径スリーブ孔形成部31及び第2軸12を、適宜、第1弁41という。 【0017】比例ソレノイド機構6は、ハウジング本体2に外方に突出して形成された筒部(ハウジング突出筒部)43に一端側が嵌装された筒部(ハウジング取付筒部)44と、ハウジング取付筒部44の他端側に嵌挿された固定子45(コア)と、ハウジング取付筒部44及び固定子45に嵌装して保持される環状のヨーク部46と、ヨーク部46内に配置されて図示しないバッテリからの電流供給により電流に比例した大きさの電磁力を発生するソレノイド47と、ハウジング突出筒部43の孔(符号省略)及び固定子45に形成された凹部45aに図1左右方向に移動可能に収納された筒状の可動子48とから大略構成されている。ハウジング取付筒部44の基端側の外周にはハウジング本体2の突出部分(符号省略)にかしめられた弾性材料製のシール部材49が嵌装されており、ハウジング取付筒部44外に流体が漏れるのを防止している。シール部材49は弾性材料に限らず、金属等他の材料であってもよい。 【0018】ハウジング本体底部5には、同心状に3つの孔50a,50b,50cが形成されており、この孔50a,50b,50cに挿通して軸方向(図1左右方向)に移動可能に係合部材51が設けられている。係合部材51は、3つの孔50a,50b,50cに挿入される3本の軸部(係合部材軸部)52a,52b,52c及び係合部材軸部52a,52b,52cを一端側で保持する図示しない保持板を備え、可動子48の図1左方向への変位により押されてスプール10を図1左方向(第1弁41の閉弁方向、第2弁42の開弁方向)に押圧し、これにより第1、第2弁41,42の開閉モードを切換えるようにしている。 【0019】ハウジング本体底部5には、図2に示すように前記3つの孔50a,50b,50cに並ぶように前記2つの孔53が形成されており、この2つの孔53及び可動子48に形成された孔48aを通して可動子48の両面側が第1ポート9aに連通し、第2弁42の開閉にかかわらず可動子48の両面側が同等圧になる(可動子48の両面側に圧力差を生じさせない)ようにしている。 【0020】この電磁弁1では、非通電状態(図1)では、バネ34のバネ力によりスリーブ26を図1右方に押圧し、他端部内径エッジ35が第3段差部18に軸方向から当接して第2弁42が閉じられており、第3ポート9c(高圧源)が第1ポート9a及び第2ポート9bと遮断されている。このため、非通電状態で高圧源圧力の漏れが生じることがなく、作動液の不要な消費を回避することができる。また、バネ34によるスリーブ26の押圧に伴い、係合部材51を介して可動子48が図1右方向に押されることになる。この際、可動子48の端部(図1右方向の端部)と凹部45aの底部45bとの間には若干の隙間が形成されるようにあらかじめ設定されている。また、非通電状態(図1)で、小径スリーブ孔形成部31が第1径方向通路19の開口部を閉塞しておらず、第1弁41は開弁し第2ポート9b(ホイルシリンダ)が第1ポート9a(低圧室)と連通している。 【0021】そして、ソレノイド47に供給される電流値に応じて可動子48が変位し、係合部材51を介して可動子48に押圧されて変位するスリーブ26の変位量(ストローク)に応じて、第1弁41及び第2弁42の開閉モードが第1表に示すように切換えられるようになっている。
【0023】第1表においてS0 はスリーブ26の初期位置、S1 はソレノイド47に第1所定値の電流を流して可動子48ひいてはスリーブ26が初期位置S0 から所定量(第1所定量)図1左方向に変位して第1弁41が閉弁する(図3)位置、S2 はソレノイド47に第2所定値〔(第2所定値)>(第1所定値)〕の電流を流して可動子48ひいてはスリーブ26が初期位置S0 から第2所定量〔(第2所定量)>(第1所定量)〕図1左方向に変位して第2弁42が開弁する(図4)位置、S3 は位置S2 を越えた所定のストローク位置を示す。ここで、ソレノイド47に流す第1所定値の電流は、スリーブ26に作用する最大反力及びバネ34のバネ力の合力値より大きな電磁力(可動子48に作用する図1左方向の力)を発生する電流に相当する。 【0024】図1の初期状態からスリーブ26が図1左方向に移動して他端部内径エッジ35が第3段差部18から離間した(メタルコンタクトが解除された)際にも、スリーブ他端部26bは第3軸13における第3径方向通路21の開口部と環状溝17の間の部分に位置しており、大径スリーブ孔開口側形成部32aが第3軸13に密着していて第3径方向通路21の開口部を閉塞するので、メタルコンタクト解除直後においても第2弁42の閉弁状態が確実に維持される。 【0025】図3に示すようにソレノイド47に第1所定値の電流を流した状態では、スリーブ26の小径スリーブ孔形成部31と大径スリーブ孔形成部32の面積差により、スリーブ26には図3右方向に向かう反力が作用し、この反力及びバネ34のバネ力の合力がソレノイド47の電磁力(可動子48に作用する図1左方向の力)と釣り合うようにスリーブ26の位置、ひいては第2ポート9bの圧力が自動調整される。すなわち、第2ポート9bの圧力がソレノイド47に供給される電流に見合うようになる。 【0026】この図3に示すように釣り合った状態から電流を低下した場合は、電流の低下度合い、すなわち釣り合いのずれ具合に応じて、図1の状態(第1弁41が開弁、第2弁42が閉弁)、あるいは図示しない「第1弁41が開弁、第2弁42が閉弁(他端部内径エッジ35が第3段差部18に当接する位置に達していない)」状態となった後、再び図3の釣り合い状態になり、第2ポート9bの圧力がソレノイド47に供給される電流(第1所定値より小さい値)に見合う値に自動調整される。また、この図3に示すように釣り合った状態から電流値を大きくした場合は、図4に示す状態になった後、再び図3の釣り合い状態になり、第2ポート9bの圧力がソレノイド47に供給される電流(第1所定値より大きい値)に見合う値に自動調整される。 【0027】上述したように構成した電磁弁1では、ソレノイド47に通電しないとき及び電流値が第1所定値に達しない間は、スリーブ26のストロークはストロークS0 〜S1 となり、図1に示すように第1弁41は開弁し、第2弁42は閉弁した状態(第1モード)であり、第1ポート9a(低圧室)と第2ポート9b(ホイルシリンダ)とが第1通路24(第1径方向通路19及び中空部本体7a)を介して連通する一方、第2ポート9b(ホイルシリンダ)と第3ポート9c(高圧源)とは遮断されている。これにより、ホイルシリンダの減圧が行われる(減圧モードを構成する)。 【0028】ソレノイド47に通電する電流値が第1所定値に達し、その後第2所定値に達する前は、スリーブ26のストロークはストロークS1 〜S2 となり、図3に示すように第1弁41は閉弁し、第2弁42は閉弁した状態(第2モード)であり、第2ポート9b(ホイルシリンダ)は第1ポート9a(低圧室)及び第3ポート9c(高圧源)の双方に遮断された状態になっており、ホイルシリンダの液圧が保持される(液圧保持モードを構成する)ようにしている。 【0029】また、ソレノイド47に通電する電流値が第2所定値に達した後は、スリーブ26のストロークはストロークS2 を越えた位置(第1表S2 〜S3 )となり、図4に示すように第1弁41は閉弁し、第2弁42体19が開弁した状態(第3モード)となり、第2ポート9b(ホイルシリンダ)は、中空部本体7a、スリーブ通路29、第2通路25及びソレノイド47側第2中空部7cを介して第3ポート9c(高圧源)に連通し、これにより、高圧源からのブレーキ液圧がホイルシリンダに供給されるようになっている。 【0030】この電磁弁1では、ハウジング4の外部に比例ソレノイド機構6を有しているので、ハウジングの両端部に形成したポートの間になるように可動子及びソレノイドを配置した特開平5−11229号公報に示される電磁弁で惹起する装置の複雑化が回避され、構成の簡易化及び組付性ひいては生産性の向上を図ることできる。 【0031】また、本実施の形態では、段付スプール10に挿通して軸方向に移動するスリーブ26を可動子48が係合部材51を介して押圧して変位させるようにしており、可動子48の径寸法が段付スプール10の径寸法に影響されることがなく、その分、可動子48ひいては比例ソレノイド機構6の形状を大きくすることを回避できる。すなわち、特開平9−280409号公報の図10に示される電磁弁では、可動子の内周にスプールを挿入するようにして両者を一体に固定しているため、スプールの径寸法を大きくすることに伴い、可動子を大きくする必要があり、電磁弁全体の大型化を惹起することになるが、これに比して、本実施の形態では、上述したように、段付スプール10の径寸法を大きくする場合にも、可動子48の大型化を招くことが避けられる。 【0032】また、特開平9−280409号公報には、スプール内に可動子を挿通する電磁弁が示されているが、この公報の電磁弁は、可動子をスプール内に挿通していることから、可動子の確実な移動を可能にするためにスプールの大径化が必要となり、これに伴い、スプールを内挿して摺動させる筐体とこのスプールとの隙間の断面積が大きくなり作動液の漏れが大きくなる虞があった。これに対し、本実施の形態では、段付スプール10に外装するようにスリーブ26を移動可能に設けこのスリーブ26を係合部材51を介して可動子48により移動させるようにしているので、可動子48の確実な移動に関して段付スプール10はなんら影響を及ぼすものでなく、また、非通電時に、第3ポート9cすなわち高圧側が遮断されている場合は、バネ34のバネ力によりスリーブ26を図1右方に押圧し、他端部内径エッジ35が第3段差部18に軸方向から当接し第3弁32が閉じられるから、非通電状態で高圧源圧力の漏れが生じることがなく、作動液の不要な消費を回避することができ、ブレーキバイワイヤ方式のブレーキ装置を備えた車両にあって、長時間エンジンを切って停車後に始動する場合など、始動時に外部液圧源(高圧源)の液圧が低下してしまっているといった不具合も防止することができる。 【0033】上記実施の形態では、電磁付勢手段が比例ソレノイド機構6である場合を例にしており、発生する電磁力の大きさひいてはスリーブ26の位置を電流値により調整することが可能になり、これにより、第1弁41または第2弁42の開度調整を行って流体流量を容易に調整することができる。なお、電磁付勢手段は、比例ソレノイド機構6に限らず、上述した大きさの電磁力を発生できる電磁石など他の装置であってもよい。 【0034】 【発明の効果】請求項1記載の発明は、スリーブがスプールに挿通されて移動可能に設けられ、このスリーブを係合部材を介して電磁付勢手段により移動させるので、可動子の確実な移動に関してスプールはなんら影響を及ぼすものでなく、この分、スプールの外径を必要最小限に小さくすることができ、ひいてはスプールとスリーブとの間の隙間の断面積が小さくなり、作動液の漏れを抑えることができる。また、スリーブがスプールに挿通されて移動可能に設けられ、このスリーブを係合部材を介して電磁付勢手段により移動させるので、電磁付勢手段の大きさがスプールの径寸法に影響されることがなく、スプールの大径化の際にも電磁付勢手段の大型化を回避できる。非通電時に付勢手段の付勢力によりスリーブの他端部の内径エッジをスプールの基準軸部と大径部の間の段差部に当接してスプールの基準軸部における大径部近傍に開口する第2通路の開口部が閉塞され、高圧源に接続した第3ポートに連通する第2通路と第2ポートに連通するスリーブ通路との連通が遮断され、高圧源に接続した第3ポートと第2通路(ひいては第2ポート)との連通が遮断され、非通電時に高圧源のシールをスリーブの内径エッジを段差部への当接により果たすことができ、良好なシール性を確保できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000003056 【氏名又は名称】トキコ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年3月31日(1999.3.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068618 【弁理士】 【氏名又は名称】萼 経夫 (外3名)
|
| 【公開番号】 |
特開2000−283320(P2000−283320A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月13日(2000.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−92718 |
|