| 【発明の名称】 |
機関弁の電磁駆動装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】原 誠之助
【氏名】岡田 養二
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| 【要約】 |
【課題】アーマチュアを保持するための各電磁石への通電を制限して電力消費量を低減すると共に、各電磁石から永久磁石への磁力線の流入を規制して、該永久磁石の減磁作用による耐久性の低下を防止する。
【解決手段】ケーシング28のそれぞれ内方へほぼコ字形状に折曲された上下の内筒部33、34を、各電磁石30、31の鉄心として構成する。アーマチュア29を、吸気弁23に連係した円板状のディスク部29aと外周面が永久磁石32の内周面に対向する外筒部とから構成し、該外筒部の外周面と永久磁石の内周面との間に微小な第1エアギャップ42を形成すると共に、該外筒部の内周面と前記内筒部の外周面との間に、第2エアギャップ43を形成した。さらに、各内筒部の上下面とディスク部の上下面との間に、吸気弁の開閉時に相対的に小さく創成される第3エアギャップ44a,44bを形成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 磁性材のケーシング内に上下動自在に配置されて、機関弁と連係するアーマチュアと、前記ケーシングの内部上下位置に配置されて、前記アーマチュアを吸引して機関弁を開閉作動させる開弁用、閉弁用の電磁石と、前記ケーシングの内周面に固定されて、前記アーマチュアを上下動位置に保持する永久磁石と、前記機関弁を開閉方向の中立位置に保持するばね部材とを備えた機関弁の電磁駆動装置であって、前記ケーシングの内部上下位置に上下方向に沿ってケーシングと一体に設けられた各内筒部を、前記各電磁石の鉄心として構成すると共に、前記アーマチュアを、機関弁に連係した円板状のディスク部と該ディスク部の外周縁に一体に設けられて外周面が前記永久磁石の内周面に対向する外筒部とから構成し、かつ該外筒部の外周面と前記永久磁石の内周面との間に微小な第1エアギャップを形成すると共に、該外筒部の内周面と該内周面に対向する前記ケーシング内筒部の外周面との間に、第2エアギャップを形成し、さらに、前記各内筒部の上下面と該上下面に対向する前記ディスク部の上下面との間に、機関弁の開時及び閉時に相対的に創成される微小な第3エアギャップを形成したことを特徴とする機関弁の電磁駆動装置。 【請求項2】 前記上下に配置された両電磁石の各電磁コイルの巻線を直列に接続すると共に、該各巻線の巻回方向を同一に設定したこと特徴とする請求項1記載の機関弁の電磁駆動装置。 【請求項3】 前記機関弁の開時または閉時において創成される前記第3エアギャップのクリアランス幅を、前記第2エアギャップよりも小さく設定したことを特徴とする請求項1または2記載の機関弁の電磁駆動装置。 【請求項4】 前記外筒部の内周面上下位置に、前記上下の内筒部方向へ突出した突起部を設け、前記アーマチュアの上昇位置おいて、下側突起部の内周面と内周面に対向する下側内筒部の上端部外面との間に微小隙間を形成する一方、アーマチュアの下降位置において、上側突起部の内周面と該内周面が対向する上側内筒部の下端部外面との間に微小隙間を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の機関弁の電磁駆動装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用内燃機関の機関弁である吸排気弁を主として電磁力で開閉駆動する電磁駆動装置に関する。 【0002】 【従来の技術】この種の従来の電磁駆動装置としては、例えば特開平8−21220号公報や米国特許第4、779582号公報に記載されているものが知られている。 【0003】概略を説明すれば、前者の従来例は、機関のシリンダヘッドに摺動自在に設けられた吸気弁と、該吸気弁を開閉駆動する電磁駆動機構とを備えている。 【0004】前記吸気弁は、吸気ポートの開口端を開閉する傘部と、該傘部の上端部に一体に設けられたバルブステムとを有している。 【0005】前記電磁駆動機構は、シリンダヘッド上に固定されたケーシング内に挿通されたバルブステムの上端部に円板状のアーマチュアが固定されていると共に、ケーシングの内部上下位置に前記アーマチュアを吸引して吸気弁を開閉作動させる閉弁用電磁石及び開弁用電磁石が配置されている。 【0006】また、ケーシングの上壁とアーマチュアの上面並びにシリンダヘッド上面とアーマチュアの下面との間には、それぞれ吸気弁を開閉方向へ付勢する開弁側スプリング閉弁側スプリングが弾持されている。さらに、前記各電磁石は、夫々のコイルに増幅器を介して電子制御ユニットからの制御電流が出力されるようになっている。この電子制御ユニットは、機関回転数センサや閉弁用電磁石の温度検出センサからの検出信号に基づいて両電磁石の通電量を制御するようになっている。 【0007】そして、前記2つのスプリングのばね力と2つの電磁石による吸引力とによって、各スプリングに蓄力して位置エネルギーとして保持し、電磁力の開放、吸引を交互に繰り返すことによって吸気弁を開閉駆動させるようになっている。 【0008】一方、後者の従来例は、図6に示すように、シリンダヘッド1の上端部に設けられて吸気弁2を電磁力によって開閉駆動する電磁駆動機構3は、上端が閉塞された磁性材の円筒状のケーシング4と、該ケーシング4の内部に上下動自在に設けられた縦断面H形のアーマチュア5と、該アーマチュア5を挟んだ上下位置に配設された開弁、閉弁用の電磁石6、7と、ケーシング4の内周面のほぼ中央位置に固定されて、アーマチュア5を上下の移動位置に保持する円筒状の永久磁石8と、前記アーマチュア5を介して吸気弁1を開閉方向の中立位置に保持する開弁側、閉弁側のスプリング9、10とから主として構成されている。 【0009】前記アーマチュア5は、中央に吸気弁2のバルブステム2aの上端部が一体に固定された円板状のディスク部5aと、該ディスク部5aの外周縁に一体に設けられた外筒部5bとから構成されている。また、前記各電磁石6、7は、それぞれの円筒状の鉄心6a、7aの上下面が前記アーマチュア5の外筒部5の上下面に対向する配置されていると共に、永久磁石8の上下位置に電磁コイル6b、7bが設けられている。 【0010】そして、前者の従来例と同じく、2つのスプリング9、10のばね力と2つの電磁石6、7による吸引力とによって、各スプリング9、10に蓄力して位置エネルギーとして保持し、電磁力の開放、吸引を交互に繰り返すと共に、吸気弁2の最大開弁位置あるいは最大閉弁位置において各電磁石6、7の電磁コイル6b、7bへの通電を遮断して永久磁石8の吸引力によってアーマチュア5をかかる最大開閉位置に保持する一方、この保持状態を解除する際には、各電磁石6、7に逆磁界をかけて、前記各スプリング9、10のばね力によって吸気弁2を開閉駆動させるようになっている。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の従来例にあっては、吸気弁の開閉時に各電磁石に交互に通電して、各開閉弁側スプリングのばね力に打ち勝ってアーマチュアを吸引すると共に、そのまま通電を継続してこの最大開閉弁状態を保持するようになっているため、電力消費量が大きくなり、結果的に機関の負荷および燃料消費量が多くなるといった技術的課題を招いている。 【0012】一方、後者の従来例にあっては、前述のように、吸気弁1の最大開閉時には、各電磁石6、7への通電を一時的に遮断して永久磁石8の磁力を利用して保持することにより全体的な電力消費量を抑制することができるものの、各電磁石6、7の磁界が永久磁石8を通る構成になっているため、該永久磁石8が減磁されやすくなる。 【0013】すなわち、各電磁石6、7は、電磁コイル6b、7bがそれぞれ関連を有さず巻線は互いに接続されることなく独立して巻回されており、したがって、電磁石6、7は、永久磁石8の磁界を打ち消すために各電磁コイル6b、7bに通電されると、磁力線が例えば図中矢印で示すように、ケーシング4の外周部4aから永久磁石8の外周面側のN極から内部を通って内周面側のS極に至り、さらにアーマチュア5の外筒部5bを通過して鉄心7aの内部を通って、ここからケーシング4の外周部4aに戻る、といった磁路を構成する。このため、永久磁石8の磁界を打ち消すための各電磁コイル6b、7bへの通電時には、永久磁石8に逆磁界が作用するため、該永久磁石8が減磁され易くなり、耐久性が著しく低下するおそれがある。 【0014】また、前述のように、電磁石6、7の磁力線が、永久磁石8を通る構成となっていることから、磁路抵抗が大きくなり、保持解除のための電力消費量が多くなるといった新たな技術的課題を招来している。 【0015】 【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の電磁駆動装置の技術的課題に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明は、磁性材のケーシング内に上下動自在に配置されて、機関弁と連係するアーマチュアと、前記ケーシングの内部上下位置に配置されて、前記アーマチュアを吸引して機関弁を開閉作動させる開弁用、閉弁用の電磁石と、前記ケーシングの内周面に固定されて、前記アーマチュアを上下動位置に保持する永久磁石と、前記機関弁を開閉方向の中立位置に保持するばね部材とを備えた機関弁の電磁駆動装置であって、前記ケーシングの内部上下位置に上下方向に沿ってケーシングと一体に設けられた各内筒部を、前記各電磁石の鉄心として構成すると共に、前記アーマチュアを、機関弁に連係した円板状のディスク部と該ディスク部の外周縁に一体に設けられて外周面が前記永久磁石の内周面に対向する外筒部とから構成し、かつ該外筒部の外周面と前記永久磁石の内周面との間に微小な第1エアギャップを形成すると共に、該外筒部の内周面と該内周面に対向する前記ケーシング内筒部の外周面との間に、第2エアギャップを形成し、さらに、前記各内筒部の上下面と該上下面に対向する前記ディスク部の上下面との間に、機関弁の開時及び閉時に相対的に創成される微小な第3エアギャップを形成したことを特徴としている。 【0016】請求項2記載の発明は、前記上下に配置された両電磁石の各電磁コイルの巻線を直列に接続すると共に、該各巻線の巻回方向を同一に設定したこと特徴としている。 【0017】請求項3記載の発明は、前記機関弁の開時または閉時において創成される前記第3エアギャップのクリアランス幅を、前記第2エアギャップよりも小さく設定したことを特徴としている。 【0018】請求項4記載の発明は、前記外筒部の内周面上下位置に、前記上下の内筒部方向へ突出した突起部を設け、前記アーマチュアの上昇位置おいて、下側突起部の内周面とが内周面に対向する下側内筒部の上端部外面との間に微小隙間を形成する一方、アーマチュアの下降位置において、上側突起部の内周面と該内周面が対向する上側内筒部の下端部外面との間に微小隙間を形成したことを特徴としている。 【0019】 【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る機関弁の電磁駆動装置を吸気側に適用した一実施形態を示し、シリンダヘッド21内に形成された吸気ポート22の開口端を開閉する機関弁である吸気弁23と、該吸気弁23を開閉作動させる電磁駆動機構24と、吸気弁23を中立位置にばね付勢する閉弁側スプリング25及び開弁側スプリング26とを備えている。 【0020】前記吸気弁23は、燃焼室に臨む吸気ポート22の開口端に設けられた環状のバルブシート22aに離着座して該開口端を開閉する傘部23aと、該傘部23aの上面中央に一体に設けられてシリンダヘッド21の摺動孔21aを摺動するバルブステム23bとを備えている。 【0021】前記電磁駆動機構24は、シリンダヘッド21上にボルト27によって固定されたほぼ円筒状のケーシング28と、該ケーシング28内に上下動自在に収容された縦断面H字形状に形成されたアーマチュア29と、ケーシング28内のアーマチュア29を挟んだ上下位置に設けられた上側の閉弁用電磁石30及び下側の開弁用電磁石31と、ケーシング28の内周面ほぼ中央位置に固定された永久磁石32とを備えている。 【0022】前記ケーシング28は、上下に2分割形成された下側ケーシング部33と上側ケーシング部34が対向する上下端のフランジを介してボルト35により結合されることにより全体が構成されている。前記下側ケーシング部33は、底壁の中央位置から上方へ立ち上がった小径な内筒部33aを有し、この内筒部33aの上端部33bが外方へ逆L字形状に折曲されていると共に、内筒部33aの中央に形成された円柱孔33c内に吸気弁23のバルブステム23bの上端部が上下動自在に遊挿されている。一方、上側ケーシング部34は、上壁の中央位置から下方へ垂下した同じく小径な内筒部34aを有し、この内筒部34aの下端部34bが外方へ逆L字形状に折曲形成されていると共に、内筒部34aの中央に形成された円柱孔34cの上端開口が円盤状のカバープレート35によって閉塞されている。 【0023】前記アーマチュア29は、前記各上下端部33b、34bの対向する端面33d、34dの隙間S内に配置され、円板状のディスク部29aと、該ディスク部29aの外周縁に一体に形成された外筒部29bとから構成されている。したがって、ディスク部29aの上下面が前記各内筒部33a、34aの上下端部33b、34bの各端面33d、34dに対向配置されていると共に、外筒部29bの内周面29cが各上下端部33b、34bの外周面に対向配置されている。また、前記ディスク部29aの中央位置には、バルブステム23bの上端部がナット36によって連結されている。 【0024】前記各電磁石30、31は、各ケーシング部33、34の内筒部33a、34aによって構成された鉄心と、この内筒部33a.34の外周面に固定された電磁コイル30a、31aとから構成されている。この各電磁コイル30a、31aは、内筒部33a、34aの外周面に巻線が多重に巻回されてなり、この上下電磁コイル30a、31aの巻線の巻回方向が同一方向に設定されていると共に、各巻線の出入力側の各一端部37a.37bが直列に接続されていると共に、各他端部38a、38bが増幅器39を介して電源40とコントローラ41に接続されている。 【0025】このコントローラ41は、機関回転数を検出するクランク角センサや、機関の負荷を検出するエアフローメータからの検出信号によって現在の機関運転状態を検出するとともに、各電磁石30、31の温度を検出する温度センサからの情報信号によって各電磁コイル30a、31aに制御電流を出力するようになっている。 【0026】前記永久磁石32は、円筒状に形成されて、前記上下ケーシング部33、34の結合位置に跨がって配置されていると共に、内周側がN極に設定されている一方、外周側がS極に設定されている。 【0027】そして、前記アーマチュア29の外筒部29bの外周面と永久磁石32の内周面32aとの間に、微小な円筒状の第1エアギャップ42が形成されていると共に、外筒部29bの内周面29cと各上下端部33b、34bの外周面との間に、円筒状の第2エアギャップ43が形成されている。さらに、各上下端部33b、34bの上下端面33d、34dとディスク部29aの上下面との間に、吸気弁23の開閉時にアーマチュア29の上下動に伴い相対的に創成される微小な第3エアギャップ44a,44bが形成されるようにうなっている。すなわち、一方の第3エアギャップ44aは、アーマチュア29が最上昇移動して、吸気弁23の傘部23aがバルブシート22aに着座した際に、ディスク部29aの上面と上側内筒部34の下端部34bの下面との間に僅かなクリアランスをもって形成され、他方の第3エアギャップ44bは、アーマチュア29が最下降移動して、該アーマチュア29のディスク部29a下面が下側内筒部33aの上端部33bの上面に当接した際に、この両者間に零に近いクリアランス幅をもって形成されるようになっている。また、この第3エアギャップ44aまたは44bは、そのクリアランス幅が第2エアギャップ43よりも小さく設定されている。 【0028】前記閉弁側スプリング25は、下側内筒部33aの円柱孔33c内に装着されて下端部がシリンダヘッド21上面に弾持されている一方、上端部がアーマチュア29のディスク部29aの中央下面に弾持されて、該アーマチュア29を上方に付勢している。また、開弁側スプリング26は、上側内筒部34の円柱孔34c内に装着されて、上端部が前記カバープレート35の下面に弾持されていると共に、下端部がディスク部29の中央上面に弾持されて、該アーマチュア29を下方に付勢している。そして、この両スプリング25、26のばねセット荷重は同一に設定されており、したがって、アーマチュア29は、各電磁コイル30a、31aに対して通電されていない場合は、両スプリング25、26のばね力によって隙間S内で上下の中立位置に保持されるようになっている。 【0029】以下、本実施形態の作用について説明する。まず、機関停止中において各電磁コイル30a、31aへの非通電時には、前述のように両開閉弁側スプリング25、26のばね力によってアーマチュア29を上下中立位置に保持している。 【0030】次に、機関が始動されて、例えば、閉弁用電磁コイル30aに通電されると、該閉弁用電磁石30に磁力が発生して、アーマチュア29を上方に引き付ける力が作用する。これによって、吸気弁23は、図2に示すように該電磁力と閉弁側スプリング25のばね力及び永久磁石32の吸引力との合成力によって速やかに上昇して、バルブシート22aに傘部23aの上面外周部が着座して閉弁状態となる。 【0031】このとき、永久磁石32は、第1エアギャップ42を介してアーマチュア29に作用する吸引力が開弁側スプリング26のばね力に打ち勝ってアーマチュア29を上昇位置(閉弁位置)に保持する力を備えている。すなわち、吸気弁23のかかる閉弁状態では、図3に示すように両スプリング25、26の合力(Fs)に対して永久磁石32の吸引力(Fm)が打ち勝つため、永久磁石32の吸引力のみで閉弁状態を保持できるのである。このため、この時点で閉弁用電磁石30への通電を遮断しても、アーマチュア29を介して吸気弁23を閉弁状態に保持することが可能になるのである。 【0032】また、閉弁用電磁石30への通電時には、各電磁コイル30a、31aの巻線が直列に接続されているため、開弁用電磁石31には逆磁界が発生して、該永久磁石32の吸引力に対して反発力を付与して、アーマチュア29を上方へ押し上げる反力が発生する。 【0033】次に、かかる閉弁状態にある吸気弁23を開弁するときは、図3に示すように、同じく閉弁用電磁石30に一時的に通電して永久磁石32の磁界とは逆の磁界を発生させ、永久磁石32の吸引力(Fm)に対する反力を発生させる。つまり両スプリング25、26の合力(Fs)と逆磁界によるアーマチュア29の反発力(Fr)の合力を大きくすることによって、永久磁石32による保持を解除して、アーマチュア29を上昇位置から下方へ離脱させる。 【0034】そして、前述のように閉弁用電磁石30に一時的に通電すると、各電磁石30a、31aの巻線が同一方向に巻回されているところから、同時に開弁用電磁石31に電磁力が発生して、この電磁吸引力と、開弁側スプリング26のばね力及び永久磁石32の吸引力によってアーマチュア29を下方へ速やかに押し出す。したがって、吸気弁23は、傘部23がバルブシート22aから下方へ離間して開弁状態となる。その後、両電磁石30、31への通電が遮断されると、かかる開弁状態では、アーマチュア29は永久磁石32の吸引力によってこの開弁状態が保持される。したがって、吸気弁23は、前述した閉弁時と同様に、永久磁石32の吸引力によって開弁状態に保持されることになる。 【0035】以下、前述のような各電磁コイル31a、32aへの通電時間の変化と吸気弁23の開閉動作の関係を図4に基づいて考察する。まず、前記のように吸気弁23の閉弁状態から閉弁用電磁石30への一時的な通電によって永久磁石32によるアーマチュア29の保持が解除されると、吸気弁23は、開弁側スプリング26のばね力で下降し、開弁用電磁石33に近付くと同時に、永久磁石32の吸引力の他に開弁用電磁石31の吸引力によって吸引されるため、速やかに開弁状態になる。その直後に、各電磁石30、31への通電が遮断されるが、永久磁石32の吸引力によってこの開弁状態が保持されることが明かである。また、この開弁状態から閉弁状態に作動させる場合も、一時的に開弁用電磁石33に通電することによって、同じく閉弁側スプリング25のばね力と閉弁用電磁石32の吸引力及び永久磁石32の吸引力とによって、アーマチュア29の速やかな上昇移動が可能になることが明かである。 【0036】そして、例えば、かかる閉弁状態から開弁状態に作動させる際に、閉弁用電磁石30に一時的に通電された場合には、磁力線は、図2の矢印で示すように、上側内筒部34a(上側鉄心)の下端部34b下面からクリアランスの小さな第3エアギャップ44aを通ってアーマチュア29のディスク部22a内を通り、さらにアーマチュア29の下降に伴い小さく創成された下側の第2、第3エアギャップ43、44bなどから下側内筒部33a(下側鉄心)の上端部33bを通り、下側ケーシング部33及び上側ケーシング部34内を通って循環磁路を構成する。このため、永久磁石32内を通過する磁力線が極めて少なくなる。 【0037】また、この磁路の形成は、開弁状態から閉弁状態に作動させる場合も同様である。 【0038】このように、本実施形態によれば、吸気弁23の開弁時あるいは閉弁時には、永久磁石32の吸引力によってアーマチュア29を十分に保持することができるため、各電磁石30、31にアーマチュア29保持するために継続的に通電する必要がなくなり、電力消費量を大幅に低減することができる。 【0039】しかも、永久磁石32によるアーマチュア29の保持を解除するために、各電磁石31、32に対する一時的な通電による発生磁力線は、一方の内筒部33aあるいは34aからアーマチュア29のディスク部29aを通って対向する他方の内筒部33aあるいは34aを通る磁路を形成して、永久磁石32内には磁力線が殆ど通らないようにしたため、永久磁石32の減磁が十分に防止される。この結果、永久磁石32の耐久性が向上する。 【0040】また、前述のように、永久磁石32内を磁力線が殆ど通過しないことから、前記磁路抵抗も小さくなるため、各電磁石30、31は少ない電流で永久磁石32の保持解除作用を行うことができる。したがって、この点からも電力消費量の低減化が図れる。 【0041】また、第3エアギャップ44a、44bのクリアランス幅が第2エアギャップ43よりも小さく設定されているため、前述のようにアーマチュア29の最大上昇または最大下降時には磁力線が内筒部33a、34aから第3エアギャップ44a、44bを介してディスク部29aに直接的に流入する。この結果、対向する内筒部への流通性が良好になる。 【0042】図5は本発明の第2の実施形態を示し、アーマチュア29の外筒部29bの内周面上下端部に各内筒部33a.34a方向に指向した環状の突起部45、46を一体に設け、該突起部45、46の内周面45a、46aを各上下端部33b、34bの外周面に十分に近接配置して、第2エアギャップ43のクリアランス幅をさらに小さくしたものである。 【0043】したがって、この実施形態によれば、図中矢印に示すように、通電により例えば内筒部34aからアーマチュア29のディスク部29aを通って外筒部29bに至り、さらに磁力線は、より小さなクリアランスの第2エアギャップ43を通過することになるため、両鉄心間の磁路抵抗が一層低下させることができる。この結果、前記電力消費量をさらに低減させることが可能になる。 【0044】 【発明の効果】以上の説明で明かなように、請求項1記載の発明によれば、機関弁の開弁時あるいは閉弁時には、永久磁石の吸引力によってアーマチュアを十分に保持することができるため、各電磁石にアーマチュアを保持するために継続的に通電する必要がなくなり、これによって、電力消費量を大幅に低減することができる。 【0045】しかも、永久磁石によるアーマチュアの保持を解除するために、各電磁石に対する一時的な通電による発生磁束が、一方の内筒部からアーマチュアの外筒部及びディスク部を通って対向する他方の内筒部を通る磁路を形成して、永久磁石内には磁束が殆ど通らないようにしたため、永久磁石の減磁が十分に防止される。この結果、永久磁石の耐久性が向上する。 【0046】また、永久磁石内を磁力線が殆ど通過しないことから、前記磁路抵抗も小さくなり、各電磁石は少ない電流で永久磁石の保持解除作用を行うことができる。したがって、この点からも電力消費量の低減化が図れる。 【0047】請求項2記載の発明によれば、前記永久磁石の保持解除作用を得るために一方の電磁石へ一時的に通電すると、同時に他方の電磁石には永久磁石を吸引する力が発生するため、アーマチュアの作動応答性が向上する。 【0048】請求項3記載の発明によれば、アーマチュアが最上昇位置あるいは最下降位置において、一方の内筒部から流出した磁力線は、第2エアギャップよりもクリアランス幅の小さな第3エアギャップを通過してアーマチュアのディスク部に直接的に流入するため、磁路の短絡化が図れ、対向する他方の内筒部への流通性が良好になると共に、アーマチュアに対する吸引効果が向上する。 【0049】請求項4記載の発明によれば、一方の内筒部からアーマチュアのディスク部に流入した磁気は、このアーマチュアの外筒部から突起部内を通って、微小クリアランスとなっている第2エアギャップを効率よく通過するため、両鉄心間の磁路抵抗が一層低下させることができる。この結果、前記電力消費量をさらに低減させることが可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000167406 【氏名又は名称】株式会社ユニシアジェックス
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| 【出願日】 |
平成11年3月31日(1999.3.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062199 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 富士弥 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−283317(P2000−283317A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月13日(2000.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−90674 |
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