| 【発明の名称】 |
流量調整弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】栗原 崇浩
【氏名】中山 敏
|
| 【要約】 |
【課題】弁体の開度を調整する際に、圧力を流入する為のチューブのネジれ等を防止でき、微妙な調整が短時間でできる流量調整弁を提供する。
【解決手段】本体2の一方に流入口4が設けられ、他方の開口側に弁体6が収納され、弁体6を開方向又は閉方向のいずれか一方に駆動するワイヤー7と、ワイヤー7を展伸させて弁体6を開方向又は閉方向のいずれか他方に付勢する復帰バネ8とを具備した流量調整弁1である。流入口4が設けられた本体2には本体2の軸方向Sに沿って移動できるように調整部30が螺合される。調整部30には弁体6に回したワイヤー7の両端部7aが固定される端子係止部12を備えた平板状の端子台40が嵌合される。調整部30を回転させたときに端子台40は本体2の軸方向Sのみに移動できるように保持される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 略筒状の本体の一方に設けられる流入口と、本体の他方の開口側に収納されて流入口に連通する流路を開閉する弁体と、弁体を開方向又は閉方向のいずれか一方に駆動するために温度に応じて伸縮する形状記憶合金製のワイヤーと、ワイヤーを展伸させて弁体を開方向又は閉方向のいずれか他方に付勢する復帰バネとを具備し、ワイヤーは流路の外部に配置されて、弁体に回したワイヤーの両端部が弁体以外の部位に固定されて成る流量調整弁であって、上記流入口が設けられた本体には本体の軸方向に沿って移動可能な調整部が螺合され、調整部にはワイヤーが固定される端子係止部を備えた平板状の端子台が嵌合されると共に、端子台は本体の軸方向のみに移動できるように本体に保持されて成ることを特徴とする流量調整弁。 【請求項2】 本体の開口側と反対側の端面に設けられた流入口は本体の軸線上に配置されており、調整部は本体の流入口の外周に設けられたネジ部と螺合するネジ部と、端子台と嵌合する嵌合部とを備えた略円柱状の部品からなることを特徴とする請求項1記載の流量調整弁。 【請求項3】 端子台を本体に対して固定する手段が、本体の流入口の外周に設けられたネジ部と螺合する略円盤状の止め板からなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の流量調整弁。 【請求項4】 本体の開口側と反対側の端面に調整用内ネジが設けられ、本体の流入口は調整用内ネジとは重ならない位置に設けられ、調整部は本体側の端面の中心に本体の調整用内ネジと螺合される調整用外ネジが設けられた略円柱状の部品からなり、調整部の本体側の端面とは反対側の端面に調整溝が設けられていることを特徴とする請求項1記載の流量調整弁。 【請求項5】 本体の開口側と反対側の端面に調整用外ネジが設けられ、本体の流入口は調整用外ネジとは重ならない位置に設けられ、調整部は本体側の端面の中心に本体の調整用外ネジと螺合される調整用内ネジが設けられた略円筒状の部品からなり、調整部の本体側と反対側の端面に調整溝が設けられていることを特徴とする請求項1記載の流量調整弁。 【請求項6】 端子台を本体に対して固定する手段が、調整部に設けられたネジ部と螺合する略円盤状の止め板からなることを特徴とする請求項4または請求項5記載の流量調整弁。 【請求項7】 端子台を本体に対して固定する手段が、調整部に設けられたネジ部と螺合する円柱部を備えた略円盤状の止め板からなることを特徴とする請求項4または請求項5記載の流量調整弁。 【請求項8】 本体の側面または端子台の一方に摺動保持凸部、他方に摺動保持凹部を設け、摺動保持凸部と摺動保持凹部との嵌合により端子台と本体とが軸中心に互いに回転しないように保持して成ることを特徴とする請求項2または請求項4または請求項5記載の流量調整弁。 【請求項9】 摺動保持凹部を本体の側面に設け、摺動保持凸部を端子台に設けたことを特徴とする請求項8記載の流量調整弁。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、流量調整弁に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の流量調整弁の一例を説明する。 【0003】図8、図9に示すように、流量調整弁1の本体2は、樹脂などで中空円筒状に形成され、下端外面の2箇所にワイヤー7の両端部7a,7aを挿入するスリット22を備えた端子係止部12が突設されている。各端子係止部12は、ワイヤー固定部11としての役割と外部への電気的な接続を行なうための電極端子としての役割とを有する。本体2の内周面には基台3を螺合する調整用内ネジ13bが形成されている。 【0004】本体2の下端側の開口部からは流入口4を有する基台3が螺入される。基台3は弁体6の開度の微調整を行なうために設けられ、円柱部3aの外周面に本体2の調整用内ネジ13bと螺合する調整用外ネジ13aが形成され、これらネジ13b,13aにより、本体2と基台3とをワイヤー7の伸縮方向の位置を調整する調整手段13が構成されている。基台3の円柱部3a下面には、流入路5aを有する中空円筒状の流入部62が基台3の軸方向Sに突設されており、流入路5aの上端は円柱部3aの上面側に開口した弁孔16に連通しており、流入部62の下端には圧力を流入するためのチューブが接続される流入口4が開口している。そして溝80にドライバーなどの工具を差し入れて基台3を回転させることで、弁座17に対する弁体6の位置を調整できるようになっている。 【0005】基台3の弁座17の外周側には中空円筒部3bが上方に突設され、その外周面には復帰バネ8をガイドする復帰バネガイド部14が形成され、内周面には弁体6の摺動部6bをガイドする弁体ガイド面23が形成されている。 【0006】復帰バネ8は、ワイヤー7を展伸させて弁体6を開方向に付勢するために用いられる圧縮コイルバネから成り、基台3の中空円筒部3bの外周面の復帰バネガイド部14と本体2の内周面との間に挿入された状態で、基台3の円柱部3aと弁体6の頭部6a間で支持され、ワイヤー7の熱弾性変形に伴って生じる応力で弁体6が下方に動かされる力に抗して、弁体6を上方向に復帰させるようになっている。 【0007】弁体6は非導電性材料から成り、薄板円板状の頭部6aと円柱状の摺動部6bとからなり、摺動部6bの下端面に設けたOリング取付部19の外周面には閉弁時に弁座17の周囲をシールするシール部材18を構成するOリング18aが取着されると共に、Oリング取付部19の下面側に弁軸15が突設されている。弁体6の摺動部6bの外側面には、弁孔16から出た空気を速やかに外部に逃がすための流出路5bが複数条(例えば4条)凹設されている。 【0008】弁体6の頭部6aの上面には凹溝状のワイヤーガイド部24が形成されており、両端の溝部10aによって弁体6に回したワイヤー7が弁体6から外れるのを防止するワイヤー外れ防止手段10が構成されている。各溝部10aは一対のガイド壁10bと突起部9を構成するガイドピン9aとからなり、ガイドピン9aは本体2の2個の端子係止部12と夫々対向する位置に配設されている。尚ワイヤー7は弁体6を閉方向に駆動するために温度に応じて伸縮する形状記憶合金、例えばTi−Ni合金等のような線状の二元系合金から成り、両端部7a,7aには端子係止部12に引掛けられる取手部25が固定されている。 【0009】次に、上記従来構造の流量調整弁1の組立て手順の一例を説明する。 【0010】本体2の下端側の開口から基台3を挿入し、本体2の調整用内ネジ13bに基台3の調整用外ネジ13aを螺合させ、本体2の上端側の開口から復帰バネ8を挿入し、本体2の上端側の開口から弁体6の摺動部6bを基台3の中空円筒部3bに挿入し、ワイヤー7を弁体6のワイヤーガイド部24に架け回して、ワイヤー7の取手部25を端子係止部12のスリット22に引掛けて、端子係止部12を夫々カシメて固定する。その後、基台3の溝80にドライバーを挿入して基台3を回転させると、基台3は軸方向Sに前進又は後退して弁体6の開度調整を行なうことができ、弁体6の開時における基台3の流入口4から流入路5a、弁孔16、流出路5bに至る経路に沿って通過する被制御流体の量を調整できる。 【0011】次に上記のように組立てられ且つ調整された流量調整弁1の動作状態の一例を説明する。形状記憶合金製のワイヤー7は、通電されていない低温状態では弾性的に柔らかいために、復帰バネ8のバネ力により組立て前の長さよりも幾分伸ばされた状態で該バネ力と釣り合っており、図10に示すように弁体6が全開した状態で静止しており、基台3の流入口4から流入した空気は、流入路5aから弁孔16を介して弁体6の外周面に形成されている流出路5bを経て大気中に排気される。尚、形状記憶合金を使った装置の制御としては、一般的にPWM制御(パルス幅制御)が行なわれる。 【0012】ここで、上記端子係止部12に電源及び制御回路を接続して、あるデューティ比の電流を通電すると、形状記憶合金製のワイヤー7自身が有する抵抗の自己発熱によりワイヤー7の温度が上昇して、ワイヤー7は先程の低温よりも高いある温度で定常状態となる。形状記憶合金製のワイヤー7は、高温になると収縮するように形状記憶されており、高温時の形状回復力は、低温時にワイヤー7が伸長させられるに要する力に比べて非常に大きいため、弁体6は低温での静止位置から復帰バネ8の力に打ち勝って下方に移動し、両者の力が均衡した位置(弁体6の開度がより小さくなった位置)で静止する。つまりワイヤー7の温度が高まるにつれて弁体6が復帰バネ8のバネ力に抗して基台3側に引き寄せられ、弁体6の弁軸15と基台3の弁座17との距離が縮まって開度が次第に小さくなる。ワイヤー7がある長さだけ収縮したところでワイヤー7の発熱と外部への放熱が均衡する温度になると収縮が止まり、そのときの開度が保持される。弁体6の開度を更に小さくしたい場合には、通電する電流パルスのオン時間が長く、且つオフ時間が短くなるように通電電流のデューティ比を変えればよく、この場合、ワイヤー7の自己発熱量が増加して、ワイヤー7温度が高くなりワイヤー7の収縮量を増やすことができる。 【0013】一方、通電を停止すると、ワイヤー7の自己発熱が無くなってワイヤー7の温度は周辺の空気によって冷却されて収縮量が小さくなり、弁体6の開度が大きくなり、最終的には図8の状態に復帰し、流量調整弁1として常に開状態で保持される。このように、形状記憶合金製のワイヤー7に通電するPWM制御のデューティ比を変えることにより、ワイヤー7の発熱量を変化させて弁体6の開度を連続的にコントロールできるようになる。尚、組立て時の調整と、通電するPWM制御のデューティ比とを適宜設定することによって、流量調整弁1を開(図10(a)の状態)及び閉(図10(b)の状態)のみの開閉弁として用いることができる。またワイヤー7を流路5の外部に配置することで、弁体6と基台3との間の距離を短くでき、図11(b)の概略図に示す構造と比較して、図11(a)に示す例では流量調整弁1の全長を短くできるようになっている。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のような流量調整弁では、調整の時には、基台3の流入部62の外周に圧力を流入する為のチューブがつながれており、弁体6の開度を調整するために、基台3を回転させるとチューブも同時に回転してしまい、捻られたチューブにより基台3を元の位置に戻そうとする反力が働くので、調整中の位置ずれによって、弁体6の開度が変わってしまい、微妙な調整をするのが難しく、調整時間も多くかかっていた。また、基台3を固定する手段も持たないので、調整後の位置ずれをしないようにするためには、基台3と本体2を接着するしか方法がなく、再調整がしにくいという問題もあった。 【0015】本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、調整部を回転させて端子台を本体の軸方向に移動させるだけで弁体の開度を調整できると共に、圧力を流入する為のチューブを調整部とは重ならない流入部に取り付けるようにでき、弁体の開度を調整する作業をしても、チューブのネジれ等が生じなくなり、従って、調整中の位置ずれによって、弁体の開度が変わってしまうことはないので、微妙な調整が正確に且つ短時間でできるようにした流量調整弁を提供するにあり、更に別の目的とするところは、端子台の調整後の位置ずれが生じなくなり、また固定後において調整不良が見つかっても簡単に再調整をすることができ、また調整部を小さくできると共に、調整時間も短時間で行える流量調整弁を提供するにある。 【0016】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために請求項1の発明は、略筒状の本体2の一方に設けられる流入口4と、本体2の他方の開口側に収納されて流入口4に連通する流路5を開閉する弁体6と、弁体6を開方向又は閉方向のいずれか一方に駆動するために温度に応じて伸縮する形状記憶合金製のワイヤー7と、ワイヤー7を展伸させて弁体6を開方向又は閉方向のいずれか他方に付勢する復帰バネ8とを具備し、ワイヤー7は流路5の外部に配置されて、弁体6に回したワイヤー7の両端部7aが弁体6以外の部位に固定されて成る流量調整弁であって、上記流入口4が設けられた本体2には本体2の軸方向Sに沿って移動可能な調整部30が螺合され、調整部30にはワイヤーが固定される端子係止部12を備えた平板状の端子台40が嵌合されると共に、端子台40は本体2の軸方向Sのみに移動できるように本体2に保持されて成ることを特徴としており、このように構成することで、調整部30を回転させて調整部30を本体2の軸方向Sに移動させることによって、端子台40を本体2の軸方向Sのみに移動させることができるようになり、従って、弁体6の開度を調整できると同時に、圧力を流入する為のチューブを調整部30とは重ならない流入部に取り付けることができるので、弁体6の開度を調整する作業をしても、チューブのネジれ等が生じなくなり、従って、調整中の位置ずれによって、弁体6の開度が変わってしまうことはない。 【0017】また請求項2の発明は、請求項1において、本体2の開口側と反対側の端面に設けられた流入口4は本体2の軸線上に配置されており、調整部30は本体2の流入口4の外周に設けられたネジ部と螺合するネジ部と、端子台40と嵌合する嵌合部30dとを備えた略円柱状の部品からなるのが好ましく、この場合、円柱状の調整部30の側面を保持して回転させるだけで、端子台40を本体2の軸方向Sのみに移動させることができ、弁体6の開度を調整できるので、調整中の位置ずれによって弁体6の開度が変わってしまう心配がない。 【0018】また請求項3の発明は、請求項1又は請求項2において、端子台40を本体2に対して固定する手段が、本体2の流入口4の外周に設けられたネジ部と螺合する略円盤状の止め板50からなるのが好ましく、この場合、端子台40の位置が止め板50で固定されることで、調整後の位置ずれが生じなくなる。また、固定後において調整不良が見つかっても止め板50をゆるめるだけで、簡単に再調整をすることができる。 【0019】また請求項4の発明は、請求項1において、本体2の開口側と反対側の端面に調整用内ネジ13bが設けられ、本体2の流入口4は調整用内ネジ13bとは重ならない位置に設けられ、調整部30は本体2側の端面の中心に本体2の調整用内ネジ13bと螺合される調整用外ネジ30bが設けられた略円柱状の部品からなり、調整部30の本体2側の端面とは反対側の端面に調整溝80が設けられているのが好ましく、この場合、圧力を流入するためのチューブが接続される流入口4を調整用内ネジ13bとは重ならないように設けることができると共に、調整部30による弁体6の開度の調整作業がしやすくなり、さらに調整部30を回転させるための調整溝80が本体2の開口側とは反対側の端面にくるので、調整作業が一層しやすくなる。 【0020】また請求項5の発明は、請求項1において、本体2の開口側と反対側の端面に調整用外ネジ13aが設けられ、本体2の流入口4は調整用外ネジ13aとは重ならない位置に設けられ、調整部30は本体2側の端面の中心に本体2の調整用外ネジ13aと螺合される調整用内ネジ30aが設けられた略円筒状の部品からなり、調整部30の本体2側と反対側の端面に調整溝80が設けられているのが好ましく、この場合、圧力を流入するためのチューブが接続される流入口4を調整用外ネジ13aとは重ならないように設けることができると共に、調整部30による弁体6の開度の調整作業がしやすくなる。さらに調整部30を回転させるための調整溝80が本体2の開口側とは反対側の端面にくるので、調整作業が一層しやすくなる。 【0021】また請求項6の発明は、請求項4又は請求項5において、端子台40を本体2に対して固定する手段が、調整部30に設けられたネジ部と螺合する略円盤状の止め板50からなるのが好ましく、この場合、端子台40の位置が止め板50で固定されることで、調整後の位置ずれが生じなくなり、固定後に調整不良が見つかっても止め板50をゆるめるだけで、簡単に再調整をすることができる。 【0022】また請求項7の発明は、請求項4又は請求項5において、端子台40を本体2に対して固定する手段が、調整部30に設けられたネジ部と螺合する円柱部50bを備えた略円盤状の止め板50からなるのが好ましく、この場合、止め板50の円柱部50bを調整部30のネジ部に螺合することで、端子台40の位置が止め板50で固定されて調整後の位置ずれが生じなくなり、また止め板50によって調整溝80を隠すことができるので、調整溝80が外に突出して物が引っかかたりして、調整位置がずれるという心配がなくなる。 【0023】また請求項8の発明は、請求項2又は請求項4又は請求項5において、本体2の側面または端子台40の一方に摺動保持凸部40a、他方に摺動保持凹部2aを設け、摺動保持凸部40aと摺動保持凹部2aとの嵌合により端子台40と本体2とが軸中心に互いに回転しないように保持して成るのが好ましく、この場合、調整中又は調整後に本体2と端子台40が互いに軸中心に回転してワイヤー7が捻れるのを防ぐことができるので、調整部30を回転させるだけで、軸方向Sにだけスムーズに端子台40を移動させることができる。 【0024】また請求項9の発明は、請求項8において、摺動保持凹部2aを本体2の側面に設け、摺動保持凸部40aを端子台40に設けるのが好ましく、この場合、端子台40から摺動保持凸部40aを突設させるだけでよく、端子台40の回転を止める専用の部品を設置するためのスペース等を別途設ける必要がなく、端子台40の小型化を図ることができる。 【0025】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例を図l、図2を用いて説明する。なお、調整部30とこれに関連する部分以外の構造は従来例とほぼ同じであり、動作状態等も従来と同じであるので、形状の違う部分のみを説明し、従来と共通する部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。 【0026】従来例では基台3として別体に設けられていた小径の中空円筒状の流入部62や弁穴16が、本例では本体2と一体に設けられている。図1,図2に示すように、本体2は略筒状に形成され、その一方には流入口4が設けられ、他方の開口側には流入口4に連通する流路5を開閉する弁体6が収納されている。本体2には、本体2の軸方向Sに沿って移動できるように調整部30が螺合されている。調整部30は端子台40を本体2の軸方向Sのみに移動させるためのものであり、外部から回転操作ができるようにしてある。 【0027】調整部30は、本体2の流入口4の外周に設けられたネジ部13aに螺合するネジ部30bを備えた操作部30cと、端子台40と嵌合する円筒状の嵌合部30dとを備えた略円柱状の部品で構成されており、嵌合部30dが後述する端子台40の摺動保持穴40dに挿入されるようになっている。 【0028】上記調整部30には、弁体6に回したワイヤー7の両端部7aが固定される端子係止部12を備えた平板状の端子台40が嵌合されている。この端子台40の両端部から摺動保持凸部40aが本体2の軸方向Sに向かって突設されている。一方、本体2の両側面には一対の摺動保持凹部2aが凹設されており、この摺動保持凹部2aに端子台40の摺動保持凸部40aが嵌合されており、これにより端子台40は本体2に対して回り止めされた状態で本体2の軸方向S(弁体6の駆動方向)のみに摺動できるように保持されている。 【0029】上記端子台40は、円盤状の止め板50と調整部30との間で挟持されて本体2に対して固定されている。止め板50の軸中心には本体2の流入部62の外周の調整用外ネジl3aが螺合するように内ネジ50aが貫通して設けられており、止め板50を締めつけることにより、端子台40の上面40cが調整部30の操作部30c下面に押し付けられ、端子台40の下面40bが止め板50上面に押し付けられて、本体2の軸方向Sへの移動を阻止できるようになっている。 【0030】次に、上記のような部品で構成される流量調整弁1の組立手順と弁体6位置の調整方法を図1、図2を参照して説明する。 【0031】始めに本体2の流入部62の外周の調整用外ネジ13aに調整部30の調整用内ネジ30aを螺合させ、一番奥まで入れる。次に調整部30の嵌合部30dを端子台40の摺動保持穴40dに嵌め込むと同時に、端子台40の摺動保持凸部40aが本体2の摺動保持凹部2aに嵌合するように挿入する。次に本体2の上端側の開口から、本体2の中空円筒部3bの外周面と本体2の内周面との隙間に復帰バネ8を挿入する。次に、本体2の上端側の開口から、弁軸15近傍のOリング取付部19にOリングl8aが予め取着された弁体6の摺動部6bを本体2の中空円筒部3bの内側に挿入する。 その後、ワイヤー7の一端側に設けた取手部25を端子台40の外周面に設けた一方の端子係止部12のスリット22に引掛け、次にワイヤー7を弁体6のワイヤーガイド部24に設けた2個のガイドビン9aに夫々架け回して、ワイヤー7の他端側に設けた取手部25を端子台40の外周面に設けた他方の端子係止部12のスリット22に引掛ける。次に、各端子係止部12を夫々カシメてワイヤー7の両端部7a,7aを端子台40側に夫々固定する。これにより端子係止部12はワイヤー7の両端部7a,7aを機械的に固定するワイヤー7固定部11としての役割を果たすと同時に、各端子係止部12間に外部電源を接続することでワイヤー7と外部電源とを電気的に接続するための電極端子としての役割をも果たすことができるものである。 【0032】ここで、ワイヤー7lを弁体6に周回させてその両端部7aを端子台40側に固定した後に、調整部30の操作部30cを回転させると調整部30は軸方向Sに前進又は後退する。端子台40は常にワイヤー7によって本体2側に引っ張られているので、端子台40は調整部30と一緒に移動する。つまり端子台40は調整部30に設けられた嵌合部30dと嵌合しており、端子台40が本体2から離れる方向に移動すると、復帰バネ8により本体2より離れる方向に常に力が加わっている弁体6は、ワイヤー7に引っ張られ、本体2の方向に近づく。端子台40が本体2に近づく方向に移動すると、弁体6は本体2から離れる。尚、被制御流体の種類は空気、気体、或いは液体であってもよい。調整が終わったら、そのままでは端子台40は本体2から離れる方向には移動可能なので、本体2の流入部62の外周の調整用外ネジ13aに、止め板50の内ネジ50aを螺合させ、端子台40に接するまで締める。 【0033】しかして、本体2に設けた流入口4の外周に、本体2の軸方向Sに沿って移動可能な調整部30を螺合し、調整部30に端子台40を嵌合させると共に端子台40を本体2の軸方向Sのみに移動できるようにしたことによって、調整部30を回転させるだけで端子台40を本体2の軸方向Sのみに移動させることができ、これにより弁体6の開度を調整できると同時に、圧力を流入する為のチューブを調整部30とは重ならない流入部に取り付けることができる。従って、弁体6の開度開度を調整する作業をしても、チューブのネジれ等が生じなくなり、従来のように調整中の位置ずれによって、弁体6の開度が変わってしまうことがなく、微妙な調整が正確に且つ短時間でできるようになる。 【0034】また、調整部30の嵌合部30dが端子台40の摺動保持穴40dに挿入されていると共に、端子台40の摺動保持凸部40aが本体2の摺動保持凹部2aに嵌合されているので、調整中又は調整後に本体2と端子台40が互いに軸中心に回転してワイヤー7が捻れるのを防ぐことができるので、調整部30を回転させるだけで、軸方向Sにだけスムーズに端子台40を移動させることができる。従って、調整もよりしやすくなり、微妙な調整が可能となり、そのうえ調整作業を短時間で行えるようになる。特に、本体2の側面に摺動保持凹部2a、端子台40に摺動保持凸部40aを設けて、軸中心に互いに回転するのを防ぐように保持しあった構造とすることで、端子台40から摺動保持凸部40aを突設させるだけでよく、端子台40の回転を止める専用の部品を設置するためのスペース等を別途設ける必要がなく、これにより端子台40に無駄なスペースがなくなり、端子台40の小型化を図ることができ、流量調整弁1全体の長さを小さくできる。 【0035】また、端子台40は調整部30と止め板50とに挟持されて固定されているので、調整後の位置ずれが生じなくなると共に、固定後において調整不良が見つかっても止め板50をゆるめるだけで、簡単に再調整をすることができるという利点もある。 【0036】本発明の実施形態の他例を図3、図4を用いて説明する。本実施形態は図1、図2の実施形態とほぼ同じ構造であり、動作状態等も同様であるので、形状の違う部分のみを説明する。本実施形態では、図4に示すように、本体2の小径の中空円筒状の流入部62が弁孔16の軸線と直交する向きに突設されている。本体2の下面端面の中心には円柱部3aが軸方向Sに突設されており、その外側面には調整用外ネジ13aが設けられている。調整部30の本体2側の端面には円柱穴30eが凹設され、この円柱穴30eの内面に本体2の調整用外ネジ13aと螺合する調整用内ネジ30aが形成されている。また調整部30の嵌合部30dの下部外周には、止め板50の内ネジ50aが螺合するように外ネジ30fが設けられている。 【0037】次に、上記のような部品で構成される流量調整弁1の組立手順と弁体6位置の調整方法を説明する。始めに本体2の円柱部3aの外周の調整用外ネジ13aに調整部30の調整用内ネジ30aと螺合させ、一番奥まで入れる。以降の組立手順は図1、図2の実施形態と同じである。 【0038】しかして、調整部30の調整用内ネジ30aが本体2の軸方向Sに設けられた調整用外ネジ13aと螺合し、また調整用内ネジ30aは本体2に設けられた流入口4は調整用外ネジ13aとは重ならない位置にあり、且つ調整部30の本体2と反対側にある端部に調整溝80が設けてあるので、流量調整弁1を組み立てた際に、調整部30を回転させるための調整溝80が本体2の開口側と反対側の端面にくるので、圧力を流入するためのチューブが接続される流入部62を本体2の軸線と直交する向きに突設させたにもかかわらず、ドライバーにより調整部30を回転させて弁体6の開度の調整作業を容易に行うことができる。しかも調整作業をしやすいように調整部30を大きく形成する必要もないので、調整部30を小さくできると共に、従来のように調整中の位置ずれによって、弁体6の開度が変わってしまうことはないので、微妙な調整が簡単に短時間でできるようになり、流量調整弁1の全長も小さくなる。 【0039】本発明の実施形態の更に他例を図5、図6を用いて説明する。なお、本実施形態は図3、図4の実施形態とほぼ同じ構造であり、動作状態等も同様であるので、形状の違う部分のみを説明する。本例では、図3、図4と同様、本体2の小径の中空円筒状の流入部62は弁孔16の軸線と直交する向きに突設されている。また、本体2の下面端面の中心には円柱穴3aがあり、その側面には調整用内ネジ13bが設けられている。調整部30の上面側の軸中心には円柱部30eが設けてあり、その外周には本体2の円柱穴3aの調整用内ネジ13bが螺合するように調整用外ネジ30bが設けられている。また、調整部30の嵌合部30dの軸中心には、止め板50の外ネジ50aが螺合するように内ネジ30fが軸方向Sに設けられている。 【0040】次に、上記のような部品で構成される流量調整弁1の組立手順と弁体6位置の調整方法を説明する。始めに本体2の円柱穴3aの外周の調整用内ネジ13bに調整部30の調整用外ネジ13bと螺合させ、一番奥まで入れる。以降の組立手順は図1,図2の実施形態と同じである。調整方法については図3、図4の実施形態と同じである。 【0041】しかして、調整部30の調整用内ネジ30bは、本体2の軸方向Sに設けられた調整用内ネジ13bと螺合され、本体2に設けられた流入口4は調整用内ネジ13bとは重ならない位置にあり、調整部30の本体2と反対側にある端部には調整溝80が設けてあるので、流量調整弁1を組み立てた際に、調整部30を回転させる手段が、本体2の開口側とは反対側の端面にくるので、調整作業が一層しやすく、調整作業をしやすいように調整部30を大きくする必要もないので、調整部30を小さくでき、流量調整弁1全体の長さも小さくできる。さらに略円盤状の止め板50のネジ穴50aは調整部30の内ネジ30fに螺合されるので、端子台40は調整部30と止め板50に挟持されて固定され、従って、調整後の位置ずれを生じるないものであり、固定後に調整不良が見つかっても止め板50をゆるめるだけで、再調整をすることができる。さらに止め板50を締結すると調整溝80が隠れるので、止め板50を締結した後で調整溝80が外に飛び出ていてそこに物が引っかかり、調整位置がずれるという心配がないものである。 【0042】なお、図5,図6の実施形態では、本体2の側面に摺動保持凹部40a、端子台40に摺動保持凸部40aを設けたが、これとは逆に摺動保持凹部2aを本体2の側面に設け、摺動保持凸部40aを端子台40に設けてもよい。この場合、端子台40から摺動保持凸部40aを突設させるだけでよく、端子台40の回転を止める専用の部品を設置するためのスペース等を別途設ける必要がなく、端子台40の小型化を図ることができる等の利点がある。 【0043】 【発明の効果】上記のように本発明のうち請求項1記載の発明は、略筒状の本体の一方に設けられる流入口と、本体の他方の開口側に収納されて流入口に連通する流路を開閉する弁体と、弁体を開方向又は閉方向のいずれか一方に駆動するために温度に応じて伸縮する形状記憶合金製のワイヤーと、ワイヤーを展伸させて弁体を開方向又は閉方向のいずれか他方に付勢する復帰バネとを具備し、ワイヤーは流路の外部に配置されて、弁体に回したワイヤーの両端部が弁体以外の部位に固定されて成る流量調整弁であって、上記流入口が設けられた本体には本体の軸方向に沿って移動可能な調整部が螺合され、調整部にはワイヤーが固定される端子係止部を備えた平板状の端子台が嵌合されると共に、端子台は本体の軸方向のみに移動できるように本体に保持されて成るので、調整部を回転させて調整部を本体の軸方向に移動させることによって、端子台を本体の軸方向のみに移動させることができるようになり、従って、弁体の開度を調整できると同時に、圧力を流入する為のチューブを調整部とは重ならない流入部に取り付けることができるので、弁体の開度を調整する作業をしてもチューブのネジれ等が生じなくなり、従来のように調整中の位置ずれによって、弁体の開度が変わってしまうことはないので、微妙な調整が正確に且つ短時間でできるものである。 【0044】また請求項2記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、本体の開口側と反対側の端面に設けられた流入口は本体の軸線上に配置されており、調整部は本体の流入口の外周に設けられたネジ部と螺合するネジ部と、端子台と嵌合する嵌合部とを備えた略円柱状の部品からなるので、円柱状の調整部の側面を保持して回転させるだけで、端子台を本体の軸方向のみに移動させることができ、弁体の開度を調整することができるので、調整中の位置ずれによって弁体の開度が変わってしまうことはないので、より微妙な調整が短時間でできるようになる。 【0045】また請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の効果に加えて、端子台を本体に対して固定する手段が、本体の流入口の外周に設けられたネジ部と螺合する略円盤状の止め板からなるので、端子台の位置が止め板で固定されることで調整後の位置ずれが生じなくなり、また固定後において調整不良が見つかっても止め板をゆるめるだけで、簡単に再調整をすることができるという利点もある。 【0046】また請求項4記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、本体の開口側と反対側の端面に調整用内ネジが設けられ、本体の流入口は調整用内ネジとは重ならない位置に設けられ、調整部は本体側の端面の中心に本体の調整用内ネジと螺合される調整用外ネジが設けられた略円柱状の部品からなり、調整部の本体側の端面とは反対側の端面に調整溝が設けられているので、流量調整弁を組み立てた際に、調整部を回転させるための調整溝が本体の開口側と反対側の端面にくるので、圧力を流入するためのチューブが接続される流入口を調整用内ネジとは重ならないように設けることができると共に、調整部による弁体の開度の調整作業がしやすくなる。また調整部を回転させるための調整溝が本体の開口側とは反対側の端面にくるので、調整作業が一層しやすくなる。従って、調整作業をしやすいように調整部を大きくする必要もないので、調整部を小さくでき、流量調整弁全体の長さも小さくなる。 【0047】また請求項5記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、本体の開口側と反対側の端面に調整用外ネジが設けられ、本体の流入口は調整用外ネジとは重ならない位置に設けられ、調整部は本体側の端面の中心に本体の調整用外ネジと螺合される調整用内ネジが設けられた略円筒状の部品からなり、調整部の本体側と反対側の端面に調整溝が設けられているので、流量調整弁を組み立てた際に、調整部を回転させるための調整溝が本体の開口側と反対側の端面にくるので、圧力を流入するためのチューブが接続される流入口を調整用外ネジとは重ならないように設けることができると共に、調整部による弁体の開度の調整作業がしやすくなる。また、調整部を回転させるための調整溝が本体の開口側とは反対側の端面にくるので、調整作業が一層しやすくなる。従って、調整作業をしやすいように調整部を大きくする必要もないので、調整部を小さくでき、流量調整弁全体の長さも小さくなる。 【0048】また請求項6記載の発明は、請求項4又は請求項5記載の効果に加えて、端子台を本体に対して固定する手段が、調整部に設けられたネジ部と螺合する略円盤状の止め板からなるので、端子台の位置が止め板で固定されることで、調整後の位置ずれが生じなくなる。また、固定後に調整不良が見つかっても止め板をゆるめるだけで、簡単に再調整をすることができる。 【0049】また請求項7記載の発明は、請求項4または請求項5記載の効果に加えて、端子台を本体に対して固定する手段が、調整部に設けられたネジ部と螺合する円柱部を備えた略円盤状の止め板からなるので、止め板の円柱部を調整部のネジ部に螺合することで、端子台の位置が止め板で固定されて、調整後の位置ずれが生じなくなると共に、固定後に調整不良が見つかっても止め板をゆるめるだけで、再調整をすることができる。また止め板により調整溝を隠すことができるので、例えば止め板を締結した後に調整溝が外に突出して物が引っかかったり、調整位置がずれたりするという心配がないものである。 【0050】また請求項8記載の発明は、請求項2または請求項4または請求項5記載の効果に加えて、本体の側面または端子台の一方に摺動保持凸部、他方に摺動保持凹部を設け、摺動保持凸部と摺動保持凹部との嵌合により端子台と本体とが軸中心に互いに回転しないように保持して成るので、調整中又は調整後に本体と端子台が互いに軸中心に回転してワイヤーが捻れるのを防ぐことができるので、調整部を回転させるだけで、軸方向にだけスムーズに端子台を移動させることができるので、調整もよりしやすくなり、調整時間も短時間で行えるものである。 【0051】また請求項9記載の発明は、請求項8記載の効果に加えて、摺動保持凹部を本体の側面に設け、摺動保持凸部を端子台に設けたので、端子台から摺動保持凸部を突設させるだけでよく、端子台の回転を止める専用の部品を設置するためのスペース等を別途設ける必要がなく、端子台に無駄なスペースが生じないので、端子台を小型にでき、流量調整弁全体の長さも小さくできる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005832 【氏名又は名称】松下電工株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年2月23日(1999.2.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087767 【弁理士】 【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2000−240845(P2000−240845A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月8日(2000.9.8) |
| 【出願番号】 |
特願平11−45426 |
|