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【発明の名称】 メカニカルリンク式デュアル高温バタフライ弁
【発明者】 【氏名】武田 進

【要約】 【課題】配管の熱膨張や収縮を吸収することができ、バタフライ弁のシール性を確保できるメカニカルリンク式デュアル高温バタフライ弁を提供する。

【解決手段】メカニカルリンクの1対の連結部材にそれぞれ緩衝部12,13を介装し、緩衝部12,13は、連結部材を分割してなる第1バタフライ弁側の第1部材14,24と第2バタフライ弁側の第2部材15,25と、所定距離の分断部をおいて対向する第1部材と第2部材の端部を接合離間自在に覆うジャケット16,17,26,27と、開閉動作時に第1部材14,24に作用する軸心方向の付勢力を第2部材15,25に伝達する皿バネ18,28とを有した構成とする。これにより、第1,第2バタフライ弁の弁棒間の距離が変動しても、緩衝部12,13の分断部で吸収できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 T状管路の2方の流路口に第1バタフライ弁および第2バタフライ弁を設け、両バタフライ弁をメカニカルリンクにより連動連結し、第1バタフライ弁に設けた操作機の駆動により、一方のバタフライ弁が開動するにともなって他方のバタフライ弁が閉動するメカニカルリンク式デュアル高温バタフライ弁において、前記メカニカルリンクは、各弁棒に固着した1対の支持部材と、支持部材の端部どうしをピンを介して連結した1対の連結部材と、各連結部材の途中に介装した緩衝部とを有し、前記緩衝部は、連結部材を分割してなる第1バタフライ弁側の第1部材と第2バタフライ弁側の第2部材と、所定距離の分断部をおいて対向する第1部材と第2部材の端部を接合離間自在に覆うジャケットと、開閉動作時に第1部材に作用する軸心方向の付勢力を第2部材に伝達する弾性体とを有することを特徴とするメカニカルリンク式デュアル高温バタフライ弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メカニカルリンク式デュアル高温バタフライ弁に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば石油精製装置(FCC)の高温廃ガスラインに設ける三方弁として、従来は、2つの出口をスライド弁体で機械的に切り替えるツーポートスライドバルブが使用されてきた。近年では、省スペース・省コストの観点から、T管と2台のバタフライ弁とを組み合わせ、両バタフライ弁をメカニカルリンクで連結して、一方のバタフライ弁が開動するに伴って他方のバタフライ弁が閉動するようにしたメカニカルリンク式デュアル高温バタフライ弁を設置するケースが増えてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した高温廃ガスラインのような高温管路では配管の熱膨張や収縮を免れないため、それに追随できないメカニカルリンクが正常に機能せず、バタフライ弁のシール性が損なわれたり、メカニカルリンク自体が破損する恐れがある。
【0004】本発明は上記問題を解決するもので、配管の熱膨張や収縮を吸収することができ、バタフライ弁のシール性を確保できるメカニカルリンク式デュアル高温バタフライ弁を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明のメカニカルリンク式デュアル高温バタフライ弁は、T状管路の2方の流路口に第1バタフライ弁および第2バタフライ弁を設け、両バタフライ弁をメカニカルリンクにより連動連結し、第1バタフライ弁に設けた操作機の駆動により、一方のバタフライ弁が開動するにともなって他方のバタフライ弁が閉動するメカニカルリンク式デュアル高温バタフライ弁において、前記メカニカルリンクは、各弁棒に固着した1対の支持部材と、支持部材の端部どうしをピンを介して連結した1対の連結部材と、各連結部材の途中に介装した緩衝部とを有し、前記緩衝部は、連結部材を分割してなる第1バタフライ弁側の第1部材と第2バタフライ弁側の第2部材と、所定距離の分断部をおいて対向する第1部材と第2部材の端部を接合離間自在に覆うジャケットと、開閉動作時に第1部材に作用する軸心方向の付勢力を第2部材に伝達する弾性体とを有することを特徴とする。
【0006】上記した構成によれば、T状管路や第1,第2バタフライ弁の弁箱の熱膨張あるいは収縮によって第1,第2バタフライ弁の弁棒間の距離が変動しても、緩衝部において第1部材と第2部材とが距離の変動分だけ接合離間するように相対移動するので、第2バタフライ弁の弁体を所定の全閉位置に配置可能であり、シール性を確保できる。メカニカルリンクの破損も生じない。
【0007】なおその際に、第1バタフライ弁から第2バタフライ弁へ向かう方向へ進出する一方の連結部材に操作機の駆動力が作用し、他方の連結部材はその反力で後退するので、一方の連結部材の緩衝部では第1部材による付勢力が弾性体を介して第2部材に確実に伝達され、他方の連結部材の緩衝部では第2部材による付勢力が弾性体を介して第1部材に確実に伝達される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1〜図3において、高温管路に介装されたT字管1の2方の出口P1,P2にそれぞれ主弁2および従弁3をなすバタフライ弁が設けられている。主弁2と従弁3はそれぞれ同一サイズの弁箱2a,3a、弁体2b,3b、弁棒2c,3cを有しており、一方が開動するに伴って他方が閉動するように弁箱2a,3aの外部においてメカニカルリンク4により連結されている。T字管1、主弁2、従弁3には断熱ライニング5が設けられている。
【0009】メカニカルリンク4は、弁体2b,3bを開閉回転させる弁棒2c,3cにそれぞれ、弁体2b,3bの直径に相応する長さの支持部材6,7を固着し、支持部材6,7どうしを、弁棒2c,3cを挟んだ一側と他側において連結部材8,9によりピン10を介して連結し、支持部材6,7、連結部材8,9のための操作機11を主弁2の上部に設けたものである。操作機11は、連結部材8,9がそれぞれ主弁2から従弁3へ向かう方向へ進出するように弁棒2cの軸心廻りの回転を駆動する。各連結部材8,9の途中には緩衝部12,13が設けられている。
【0010】緩衝部12は、連結部材8を分割してなる主弁2側の第1部材14と従弁3側の第2部材15と、所定距離αの分断部をおいて対向する第1部材14の端部と第2部材15の端部とを接合離間自在に覆うジャケット16,17と、開閉動作時に第1部材14に作用する軸心方向の付勢力を第2部材15に伝達する皿バネ18とを有している。ジャケット16は第1部材14とは別部材であり、ジャケット17は第2部材に一体に形成されていて、ジャケット16,17どうしはボルト結合されている。
【0011】第1部材14の端部には鍔部19が形成されていて、この鍔部19と軸心方向において係合して第1部材14を抜け止めする凸部20とブシュ部21,22とがジャケット16の内周面に形成されている。鍔部19はブシュ部21より短く形成されていて、所定温度で第1部材14との間に上記した距離α、凸部19との間に距離βをおいている。ここでα+βは、T字管1、主弁2、従弁3を含めた配管の熱膨張による移動量を吸収し、従弁3の閉位置を確保できるように経験則に基いて予め決められた距離である。ジャケット17で覆われた第2部材15の端部はジャケット17外の部分より幾分細く形成されていて、この第2部材15の端部に外挿してジャケット17との間隙23に上記した皿バネ18が配置されている。
【0012】緩衝部13は、緩衝部12と同様に構成されていて、第1部材24、第2部材25、ジャケット26、ジャケット27、皿バネ28、鍔部29、凸部30、ブシュ部31,32、間隙33を有している。上記した構成における作用を説明する。実線で示した状態ではT字管1の出口P1が主弁2の弁体2bによって閉塞され、出口P2は開放している。流路を切り替える時には、操作機11で弁棒2cを回転させることによって、支持部材6を弁棒2cの軸心まわりに回転させ、それに伴って仮想線で示したように連結部材8,9を相反する方向に出退させ、それに伴って支持部材7を弁棒3cの軸心まわりに回転させ、それに伴って弁軸3cを回転させる。そして、これらの一連の動作に伴って弁棒2c、弁軸3cの軸心廻りに回転する弁体2b,3bによって、出口P1を開放するとともに出口P2を閉塞させる。
【0013】その際に、T字管1や弁箱2a,3aが熱膨張で伸長していれば弁棒2c,3c間の距離が大きくなっているが、メカニカルリンク4の緩衝部12,13において皿バネ18,28の付勢により第1部材14,24と第2部材15,25とが距離の増大分だけ遠ざかるように相対移動する。このため、従弁3の弁体3bは所定の全閉位置に配置され、シール性は確保される。メカニカルリンク4の破損も生じない。
【0014】なおその際に、主弁2から従弁3へ向かう方向へ進出する連結部材8に操作機11より駆動力が付与され、連結部材9はその反力で後退するので、連結部材8の緩衝部12では第1部材14による押圧力が皿バネ18を介して第2部材15に確実に伝達され、連結部材9の緩衝部13では第2部材25による押圧力が皿バネ18を介して第1部材24に確実に伝達される。
【0015】これとは逆に、T字管1や弁箱2a,3aが温度低下により収縮し、弁棒2c,3c間の距離が小さくなった時には、メカニカルリンク4の緩衝部12,13で第1部材14,24と第2部材15,25とが距離の減少分だけ近づくように相対移動し、従弁3の弁体3bは所定の全閉位置に配置される。さらに流路を切り替える時には、同様にして、主弁2から従弁3へ向かう方向へ進出する連結部材9に操作機11より駆動力が付与され、連結部材8がその反力で後退する結果、主弁2の弁体2bが所定の全閉位置に配置される。
【0016】なお、第1部材14,24と第2部材15,25とを安定に保持できればジャケット16,17,26,27の形状は変更可能であり、鍔部19,29も必須ではない。皿バネ18,28に代えてスプリングなどの他の弾性体も使用可能である。
【0017】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、2台のバタフライ弁を同時に開動および閉動させるメカニカルリンクに、分断部が介在する緩衝部を設けることにより、配管の熱膨張あるいは収縮を吸収することができ、バタフライ弁の全閉位置を確保できるとともに、メカニカルリンクの破損を防止できる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年2月24日(1999.2.24)
【代理人】 【識別番号】100068087
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開2000−240843(P2000−240843A)
【公開日】 平成12年9月8日(2000.9.8)
【出願番号】 特願平11−45618