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【発明の名称】 電磁石的な比例弁
【発明者】 【氏名】クラウス カルトホイザー

【要約】 【課題】

【解決手段】定置の弁20を介して第1の弁室13に、かつ可動の弁21を介して第2の弁室15に連通した1つの出口室17を備えた電磁石的な比例弁であって、定置の弁20の弁座24が弁体11に、かつ可動の弁21の弁座25が定置の弁20の弁部材26に形成されており、かつ、両方の弁室13,15を互いにシールする可動のシールエレメントが設けられており、このシールエレメントが金属ベローズ19として形成されており、この金属ベローズが第1の弁室13を貫通しており、かつ端面側で一方では定置の弁20の弁部材26に、かつ他方では弁体11にそれぞれ密に固定されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電磁石的な比例弁であって、1つの弁体(11)内に形成された2つの弁室(13,15)が設けられており、これらの弁室の第1の弁室(13)が第1の圧力源の接続のための第1の弁入口(14)に連通しており、かつ第2の弁室(15)が第2の圧力源の接続のための第2の弁入口(16)に連通しており、かつ、弁体(11)内に形成されていて弁出口(18)に連通した出口室(17)が出口圧のレベルコントロールのために設けられており、この出口室(17)と第1の弁室(13)との間に配置された定置の弁(20)と、出口室(17)と第2の弁室(15)との間に配置された可動の弁(21)とが設けられており、これらの弁が、弁ポート(22,23)を囲むそれぞれ1つの弁座(24,25)とこれらの弁座と協働する弁部材(26,27)とを有しており、定置の弁(20)の弁座(24)が弁体(11)に、かつ可動の弁(21)の弁座(25)が定置の弁(20)の弁部材(26)に形成されており、かつ、定置の弁(20)の弁部材(26)には弁閉鎖ばね(28)が作用しており、可動の弁(21)の弁部材(27)には電気的に制御される比例マグネット(12)が作用しており、かつ、両方の弁室(13,15)を互いにシールする可動のシールエレメントが設けられており、このシールエレメントが一方では定置の弁(20)の弁部材(26)に、かつ他方では弁体(11)に固定されている形式のものにおいて、シールエレメントが第1の弁室(13)を貫通して延びる金属ベローズ(29)として形成されていることを特徴とする比例弁。
【請求項2】 定置の弁(20)の弁部材(26)からは、可動の弁(21)の弁座(25)を半径方向の間隔をおいて囲む有利には一体に成形された環状つば(30)が軸方向に突出しており、かつ弁体(11)には、第1の弁室(13)内へ突入した環状フランジ(31)が有利には弁体と一体に形成されており、かつ、金属ベローズ(29)が一方のベローズ端部で環状つば(30)上にかぶせはめられており、かつ他方のベローズ端部で環状フランジ(31)内に差し込まれており、かつその場所でそれぞれシールされて固定されている請求項1記載の比例弁。
【請求項3】 可動の弁(21)の弁部材(27)が、弁体(11)内で軸方向に摺動可能に案内された摺動ピストン(32)の端面に固定的に配置されており、かつ、摺動ピストン(32)と弁体(11)との間に弁開放ばね(36)が支持されている請求項1または2記載の比例弁。
【請求項4】 弁開放ばね(36)が摺動ピストン(32)を同軸的に囲む圧縮コイルばねとして形成されており、この圧縮コイルばねが、一方では弁体(11)に、かつ他方では摺動ピストン(32)上に軸方向摺動不能に座着されたばね受け(37)に支持されている請求項3記載の比例弁。
【請求項5】 比例マグネット(12)が、マグネットカップ(40)と、このマグネットカップの内部に挿入されたマグネットコイル(41)と、マグネットカップ(40)内で軸方向に摺動可能に案内された同軸的な可動子(42)とを有しており、かつ、可動子(42)と摺動ピストン(32)との間に運動伝達タペット(44)が配置されていて摺動可能に案内されており、この運動伝達タペットが、端面側でそれぞれ、可動子(42)と摺動ピストン(32)との互いに向かい合った端面に遊びなしに当接している請求項3または4記載の比例弁。
【請求項6】 比例マグネット(12)がスリーブ(10)内に受容されており、かつ弁体(11)におけるスリーブ(10)の縁曲げにより弁体に固定されている請求項5記載の比例弁。
【請求項7】 弁出口(18)が自動車の負圧式制動力倍力装置に接続されており、かつ、第1の圧力源が大気圧により、かつ第2の圧力源が自動車の吸気管負圧により形成されている請求項1記載の比例弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電磁石的な比例弁であって、1つの弁体内に形成された2つの弁室が設けられており、これらの弁室の第1の弁室が第1の圧力源の接続のための第1の弁入口に連通しており、かつ第2の弁室が第2の圧力源の接続のための第2の弁入口に連通しており、かつ、弁体内に形成されていて弁出口に連通した出口室が出口圧のレベルコントロール(Aussteuerun)のために設けられており、この出口室と第1の弁室との間に配置された定置の弁と、出口室と第2の弁室との間に配置された可動の弁とが設けられており、これらの弁が、弁ポートを囲むそれぞれ1つの弁座とこれらの弁座と協働する弁部材とを有しており、定置の弁の弁座が弁体に、かつ可動の弁の弁座が定置の弁の弁部材に形成されており、かつ、第1の弁の弁部材には弁閉鎖ばねが作用しており、可動の弁の弁部材には電気的に制御される比例マグネットが作用しており、かつ、両方の弁室を互いにシールする可動のシールエレメントが設けられており、このシールエレメントが一方では定置の弁の弁部材に、かつ他方では弁体に固定されている形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】電磁石的な比例弁は多様な利用のために公知である。この種の比例弁では、入力量と出力量との相関、有利には線形従属を得るために出力量が入力量にフィードバック(Rueckfuerung)され、その結果、それぞれの入力量に対して相応のバランスが生じ、このバランスが入力量と出力量との間の規定された関係をもたらす。
【0003】自動車のブレーキ機構内への自動的な介入、例えば走行動力学的制御(ビークルダイナミクスコントロール)時または自動的な間隔コントロール時に制動力倍力装置の制御を目的としてブレーキ機構のために比例弁を使用する場合、比例弁の入力量は比例マグネットに供給される電流であり、この電流は例えば制御装置による電圧追従制御または電圧のパルス幅変調により調整される。出力量は制動力倍力装置内でレベルコントロールされた圧力レベルである。一般に使用される負圧式制動力倍力装置内で最大限供用されるポテンシャルとして大気圧とエンジンの吸気機構内の圧力との間の差圧が使用されるため、利用可能な最大の作動圧はオット機関ではわずかに0.8バール(スロットルバルブ閉鎖時)である。それゆえ、極めて正確な所要の制動作用の配分のためには、できるだけ小さなヒシテリシスでブレーキ圧を調整する極めて正確に作動する比例弁が必要である。
【0004】冒頭に記載した形式の公知の電気的な比例弁(ヨーロッパ特許第0682615号明細書)では、可動の弁部材とシールエレメントとが一体のゴム製のフレキシブルなチューブとして形成されており、このチューブは弁部材の領域内では内側を金属製のリングにより補強されている。チューブの、リングとは反対側の端部は気密に弁体に固定されている。この種のいわゆるゴムスリーブ(Gummimanschette)はヒステリシス特性に温度依存性のずれを示し、このことは極めて正確な制動作用配分の前述の目的のためにマイナスに作用する。
【0005】シールエレメントがすべりシールとして形成された比例弁も公知であり、このすべりシールは定置の弁の弁部材を両方の弁室の間に配置された室壁のところでシールしている。その場合、すべりシールとしてはOリングまたはリップシールが使用される。この種のすべりシールはいわゆるスティック・スリップ現象を有しており、要するにすべりシールは弁部材の初動時に極めて強い付着性を示し、この付着性はすべり運動時には著しく減少する。このことによっても、制動力倍力装置内で制御される圧力の精密な配分は不可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上記欠点を回避すベく冒頭に記載した形式の比例弁を改良することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は本発明によれば、冒頭に記載した形式の比例弁において、シールエレメントが第1の弁室を貫通して延びる金属ベローズとして形成されていることにより解決される。
【0008】
【発明の効果】本発明による比例弁が公知比例弁に対して有する利点は、シールエレメントが金属ベローズとして形成されていることにもとづき、温度依存性のずれもスティック・スリップ現象も生じないために、比例弁が極めて小さなヒステリシスしか有していないことにある。すべりシールと相違して金属ベローズは同時に出力量を入力量へフィードバックする反動力を得るためにも利用される。本比例弁の構造は簡単であり、部品点数が少なく、かつ維持されるべき公差は製作に都合がよい。本比例弁は故障の発生が極めて少ない点でも優れている。
【0009】本発明の有利な構成が請求項2以下に記載されている。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面につき詳しく説明する。
【0011】有利には自動車のブレーキ機構内で負圧式制動力倍力装置のブレーキ圧の制御つまりレベルコントロールのために役立つ図示の電磁石的な比例弁は弁体11を有しており、この弁体11は電気的な比例マグネット12と一緒にこれの端面側に接した状態でスリーブ10内に受容されている。比例マグネット12および弁体11の領域内でのスリーブ10の縁曲げにより弁体11と比例マグネット12とが互いに固定的に結合されている。弁体11内には、第1の弁入口14に連通した第1の弁室13と、第2の弁入口16に連通した第2の弁室15と、弁出口18に連通した出口室17とが形成されている。前述のブレーキ機構での使用目的のための使用では、弁出口18は負圧式制動力倍力装置に接続されており、第2の弁入口16はエンジンの吸気管に接続されており、かつ第1の弁入口14は大気に開放されている。
【0012】出口室17と第1の弁室13との間には定置の弁20が、かつ出口室17と第2の弁室15との間には可動の弁21が配置されている。それぞれの弁20,21は、出口室17と付属の弁室13もしくは15との間に配置されていて弁座24もしくは25により囲まれた弁ポート22,23と、対応する弁座24もしくは25と協働する弁部材26もしくは27とを備えている。定置の弁20の弁部材26は弁閉鎖ばね28により弁座24上に圧着されており、弁閉鎖ばね28はこの目的のために出口室17内で一方では弁体11に、かつ他方では弁部材26に支持されている。可動の弁21の弁部材27は比例マグネット12により操作される。両方の弁室13,15は可動のシールエレメントにより互いにシールされており、このシールエレメントは、ここに記載した新しい比例弁の特殊性として金属ベローズ29から成る。この金属ベローズは同軸的に第1の弁室13を貫通して延びており、かつ一方では定置の弁20の弁部材26に、かつ他方では弁体11に固定されている。このことのために、定置の弁20の弁部材26には、可動の弁21の弁座25を備えた弁ポート23を半径方向の間隔をおいて取り囲んでいて軸方向で延びる環状つば30が弁部材26と一体に成形されており、かつ弁体11には第1の弁室13内に突入した環状フランジ31が弁体11と一体に形成されている。金属ベローズ29の一方のベローズ端部は環状つば30にかぶせはめられており、その他方のベローズ端部は環状フランジ31内へ差し込まれていてその場所でそれぞれ密に固定されている。
【0013】可動の弁21の弁部材27は摺動ピストン32の端面に固定的に配置されており、かつ摺動ピストン32と一体な縦断面でみてT字形のヘッド33と、弾性材料から成っていてこのヘッド33にかぶされたキャップ34とから成り、ヘッド33はこのキャップ34を介して可動の弁21の弁座25上に圧着されて弁ポート23を閉鎖する。摺動ピストン32は軸方向摺動可能に弁体11内で案内されており、かつこのことのためにプラスチック性の案内部材35内に受容されており、この案内部材は第2の弁室15内に挿入されており、かつ弁開放ばね36により弁体11に緊定されている。圧縮コイルばねとして摺動ピストン32を半径方向の間隔をおいて囲んでいるこの弁開放ばね36は案内部材35を介して弁体11に、かつばね受け37に支持されており、ばね受け37は摺動ピストン32上に座着されており、かつ摺動ピストン32に配置された安全リング38により形成された軸方向ストッパに弁開放ばね36の作用下で圧着されている。
【0014】比例マグネット12はマグネットカップ40と、その内部に挿入されたマグネットコイル41と、マグネットカップ40内に同軸的に配置された可動子42とを備えている。可動子42はマグネットカップ40内で軸方向摺動可能に案内されており、かつマグネットコイル41の最大の通電時に行程hだけ軸方向に摺動させられる。この行程hは、マグネットカップ40と一体に形成されていて可動子42に対向して位置する同軸的な栓体43により制限されている。栓体43内にはタペット44が軸方向摺動可能に案内されており、タペット44はその一方のタペット端部で可動子42の端面に、かつその他方のタペット端部で摺動ピストン32の端面に当接しており、かつ可動子42の行程運動を摺動ピストン32へ伝達する。比例マグネットの無通電時、要するにマグネットコイルが通電されていない状態では、摺動ピストン32はその端面を介して弁開放ばね36の作用下でマグネットカップ40に当接し、かつタペット44は遊びなしに可動子42と摺動ピストン32との間に位置する。
【0015】次に、上述の比例弁の機能を説明する。
【0016】比例マグネット12の無通電時の図示の状態において、弁出口18に接続された負圧式制動力倍力装置の作用面は、開かれた可動の弁21を介して、第2の弁入口16のところに存在する吸気管負圧に接続され、このことにより、負圧式制動力倍力装置は非作動位置に保たれる。
【0017】比例マグネット12のマグネットコイル41の通電時には、比例マグネットの可動子42が移動して、タペット44を介して摺動ピストン32を弁開放ばね36の力に抗して摺動せしめる。弁部材27が弁座25上に座着するやいなや、弁ポート23が閉じられ、吸気管負圧への負圧式制動力倍力装置の接続を遮断する。可動子42の引き続く行程運動時に、定置の弁20の弁部材26がその弁座24から持上げられ、このことにより、第1の弁室13への出口室17の接続が生じて、負圧式制動力倍力装置の作用面が、大気により負荷された第1の弁室13に接続される。弁部材26が弁座24から持上げられた後に、出口室17内で上昇する圧力は、金属ベローズ29に関連して弁部材26の面dにわたり、比例マグネット12の力に抗して作用する反動力を生じる。所定の圧力値の到達時に、この反動力もしくは戻し力により、弁部材26が再び弁座24へ載着して、出口室17内のさらなる圧力上昇が阻止される。いまやマグネットコイル41に供給された電流がコンスタントに維持されると、この圧力値も、可動の弁21が依然として閉鎖されているためにコンスタントに保たれる。負圧式制動力倍力装置内の圧力を再び減少させる場合には、このことは部分的にまたは完全に出口室17を吸気管圧になるまで排気するだけで可能であり、それにより圧力が比較的低いレベルまで再び前述した形式で調整される。
【出願人】 【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【出願日】 平成12年2月8日(2000.2.8)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外4名)
【公開番号】 特開2000−240840(P2000−240840A)
【公開日】 平成12年9月8日(2000.9.8)
【出願番号】 特願2000−30817(P2000−30817)