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【発明の名称】 ソレノイド駆動式金属ダイヤフラム型開閉制御弁
【発明者】 【氏名】山路 道雄

【氏名】谷川 毅

【氏名】池田 信一

【氏名】土肥 亮介

【氏名】西野 功二

【氏名】出田 英二

【氏名】矢内 恭之

【要約】 【課題】金属ダイヤフラム型開閉制御弁の小型化と構造の単純化及び作動の高速化を図り、併せて初期駆動用電力の削減を可能にする。

【解決手段】ソレノイド駆動式金属ダイヤフラム型開閉制御弁に於いて、電磁石Mを筒状のプランジャ19を囲繞する筒状のヨーク18と、ヨークの内部に配設したコイル17と、ヨークの端面と対向状に且つこれと間隙Gを置いて配設され、プランジャに螺着した可動鉄心20とから形成すると共に、ヨークを背丈の短かい第1ヨーク部と背丈の長い第2ヨーク部とから筒状に形成し、またコイルを、前記第1ヨーク部と第2ヨーク部との間に配設し、更に可動鉄心20を、筒状の第1鉄心部と鍔状の第2可動鉄心部とから形成すると共に、バルブのステム7に連結したシャフト21とプランジャとを調整ねじ15を介して連結し、該調整ねじによりヨークとプランジャに固定した可動鉄心との間隙Gを調整する構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁室(1a)の底面に形成した弁座(2)の上方に金属製ダイヤフラム(5)を配設し、弁室(1a)内へ挿入したボンネット(3)とバルブボディ(1)との間で金属ダイヤフラム(5)の外周縁を気密状に挾圧保持すると共に、バルブボディ(1)に固定した電磁石(M)によりステム(7)を駆動させ、前記金属製ダイヤフラム(5)をスプリング(8)の弾性反力に抗して弁座(2)へ当座又は弁座(2)から離座させるようにしたソレノイド駆動式金属ダイヤフラム型開閉制御弁に於いて、前記電磁石(M)を筒状のプランジャ(19)と、プランジャ(19)を囲繞する筒状のヨーク(18)と、ヨーク(18)の内部に配設したコイル(17)と、ヨーク(18)の端面と対向状に且つこれと間隙(G)を置いて配設され、プランジャ(19)に螺着した可動鉄心(20)とから形成すると共に、ヨーク(18)を、背丈の短い第1ヨーク部(18c)と背丈の長い第2ヨーク部(18d)とから筒状に形成し、またコイル(17)を、前記第1ヨーク部(18c)と第2ヨーク部(18d)との間に配設し、更に可動鉄心(20)を、筒状の第1鉄心部(20c)と鍔状の第2可動鉄心部(20d)とから形成し、第1ヨーク部(18c)の端面(18c′)と第1可動鉄心部(20c)の端面(20c′)及び第2ヨーク部(18d)の端面(18d′)と第2可動鉄心部(20d)の端面(20d′)を対向させると共に、ステム(7)に連結したシャフト(21)とプランジャ(19)とを調整ねじ(15)を介して連結し、該調整ねじ(15)によりヨーク(18)とプランジャ(19)に固定した可動鉄心(20)との間隙(G)を調整する構成としたソレノイド駆動式金属ダイヤフラム型開閉制御弁。
【請求項2】 可動鉄心(20)を筒状の第1可動鉄心部(20c)と、第1可動鉄心部(20c)に一体的に設けた鍔状の第2可動鉄心部(20d)と、第2可動鉄心部(20d)の外周縁部に一体的に設けた短筒状の折り返し部(20e)とを備えた可動鉄心とした請求項1に記載のソレノイド駆動式金属ダイヤフラム型開閉制御弁。
【請求項3】 ヨーク(18)及び可動鉄心(20)を飽和磁束密度が2ステラ以上のFe−Co合金製又はFe−Ni合金製とした請求項1に記載のソレノイド駆動式金属ダイヤフラム型開閉制御弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はソレノイド駆動式金属ダイヤフラム型開閉制御弁の改良に関するものであり、主として半導体製造装置等に於いて利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】半導体製造装置に於いて使用される開閉制御弁は、取扱い流体が高純度流体であることとも相俟って、■耐蝕性が高いこと、■発塵が少ないこと、■ガスの置換性が良いこと及び■開閉速度が速いこと等の各性能が要求される。そのため、従前から半導体製造装置用の開閉制御弁としては、空気圧作動式の金属ダイヤフラム型開閉制御弁が多く使用されてきた。当該金属ダイヤフラム型開閉制御弁は、弁室内部のデッドスペースが少なく、ガスの置換性が良いうえ、金属ダイヤフラムを弁座へ垂直方向に面接触させるため、接触部からの発塵が比較的少ないからである。
【0003】しかし、空気圧作動式の金属ダイヤフラム型開閉制御弁には、弁の開放に20kgf以上のステム引上げ力を必要とし、駆動用シリンダが大形化すると共にステムの引上げに時間が掛かること、作動用空気の制御機構が複雑になると共にプロセス装置の大形化を招くこと、作動用空気の配管長さが変ると弁開放信号の発信から弁全開までの時間にバラツキが生じ、複数の開閉弁のタイミング制御が難しくなること等の難点がある。
【0004】一方、上記の如き空気圧作動式の金属ダイヤフラム型開閉制御弁の問題点を解決するものとして、本件出願人は先きに図5に示すようなソレノイド駆動式金属ダイヤフラム型開閉制御弁を開発し、これを公開している。即ち、図5に於いて、1はバルブボディ、2は弁座、3はボンネット、4はボンネットナット、5は金属製ダイヤフラム、6はディスク、7はステム、8はスプリング、9はアクチエーターボディ、10はアクチエーターキャップ、11は止めボルト、12はソレノイドベース、13は固定ナット、14は止めねじ、15は調整ねじ、16は止めねじ、17はコイル、18はヨーク、19はプランジャ、20は可動鉄心、21はシャフト、22はリード線、23はリード保護具、Gはソレノイドストローク、Mは電磁石である。
【0005】当該ソレノイド駆動式の金属ダイヤフラム型開閉制御弁は、従前の空気圧作動式の開閉制御弁に比較して、開弁速度が約10倍(約0.005sec)程度速くなり、繰り返し操作時間を短縮できると共に開閉操作に伴う流体の損失を少なくできること、空気配管や空気源が不要となり、流体制御装置の一層の簡素化及び小型化が図れること、多数の開閉制御弁を同期的に開閉制御することができること等の優れた実用的効用を奏するものである。
【0006】しかし、上記図5のソレノイド駆動式金属ダイヤフラム型開閉制御弁にも解決すべき問題が多く残されており、その中でもソレノイド駆動部の一層の小型化が緊急の課題となっている。即ち、半導体製造装置はその大部分が所謂クリーンルーム内に設置されているため、設置スペースを大きく取ることが困難である。そのため、半導体製造装置に付随するガス供給装置等の開閉制御弁に対しても小型化に対する要求が特に厳しく、開弁駆動力に余裕を持たせるために、比較的大型の駆動用ソレノイドを用いると云うことは、現実的に採用が不可能な状態にある。
【0007】ところで、上記図5のソレノイド駆動式金属ダイヤフラム型開閉制御弁に於いては、磁気回路を形成するヨーク18を高透磁率合金である2Vパーメンジュール(主成分2V−49Co)を用いて円筒状に形成し、その内部にコイル挿入部18aを形成すると共に、当該ヨーク18の端面と対向状に、ストロークGの間隙を置いてプランジャ19にかしめ構造により固定した平板状の可動鉄心20を水平状に配設する構成としている。しかし、平板状の可動鉄心20と平板状のヨーク18の端面とを同じ水平面上で対向させるようにしているため、ソレノイドの起動初期の間隙G部分に於ける漏洩磁束が大きくなり、結果として所望の大きさのプランジャ19の引上力(開弁力)を得るには大電力が必要となり、ソレノイド駆動部が大形になると云う難点がある。また、可動鉄心20とプランジャ19とをかしめ構造によって固定するようにしているため、両者を高精度で垂直状に固定することが困難となり、結果として磁束分布が不均衡になると云う難点がある。
【0008】具体的には、図5の開閉制御弁では、アクチエータボディ9の外径は28mm、内径は23.6mmφ、アクチエータ9の上端面からバルブボディ1の軸芯線までの高さは約102mm、ヨーク18の上・下端面間の距離は40mm、ヨーク18の上端面から可動鉄心20の下端面(非通電時)までの距離は44.4mm、コイル17の巻数は940T(0.3mφ、16Ω・20℃)、プランジャ19の外径は6mm、シャフト21の内径は3.8mmに夫々選定されている。また、前記ヨーク18及び可動鉄心20等の磁気回路構成材は、高透磁率合金である2Vパーメンジュール(主成分2V−49Co)を用いて形成されている。更に、シャフト21は、スプリング18により下方へ約17kgfの力Fで附勢されており、調整ねじ15の締込み量を調整することにより、可動鉄心20とヨーク18の下端面との間隙G(ソレノイド作動ストローク)は約0.4mmに調整されている。
【0009】上記のような条件下に於いて、ソレノイドのプランジャの吸引力を約20kgf(プランジャ作動ストローク約0.4mmの時)に設定して当該開閉制御弁を作動させると、必要とする駆動初期電力は約900w(7.5A2 ×16Ω)となる。このように、従前の図5の如き構成のソレノイド駆動部では、必要とする初期駆動電力が大きくなるだけでなく、電磁石Mの背丈も約44mm位いとなり、ソレノイド駆動部がバルブボディ1に比較して著しく大形となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従前のソレノイド駆動式金属ダイヤフラム型開閉制御弁に於ける上述の如き問題、即ち■電磁石Mの駆動初期に於ける漏洩磁束が大きいため、初期駆動電力が大きくなると共に、ソレノイド駆動部の一層の小形化を図り難いこと及び■可動鉄心とプランジャとの取付け位置精度を高め難いこと等の問題を解決し、より少ない初期駆動電力でもって所望の開弁力が得られ、ソレノイド駆動部の大幅な小形化を可能としたソレノイド駆動式金属ダイヤフラム型開閉制御弁を提供することを主たる発明の目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、弁室1aの底面に形成した弁座2の上方に金属製ダイヤフラム5を配設し、弁室1a内へ挿入したボンネット3とバルブボディ1との間で金属ダイヤフラム5の外周縁を気密状に挾圧保持すると共に、バルブボディ1に固定した電磁石Mによりステム7を駆動させ、前記金属製ダイヤフラム5をスプリング8の弾性反力に抗して弁座2へ当座又は弁座2から離座させるようにしたソレノイド駆動式金属ダイヤフラム型開閉制御弁に於いて、前記電磁石Mを筒状のプランジャ19と、プランジャ19を囲繞する筒状のヨーク18と、ヨーク18の内部に配設したコイル17と、ヨーク18の端面と対向状に且つこれと間隙Gを置いて配設され、プランジャ19に螺着した可動鉄心20とから形成すると共に、ヨーク18を、背丈の短かい第1ヨーク部18cと背丈の長い第2ヨーク部18dとから筒状に形成し、またコイル17を、前記第1ヨーク部18cと第2ヨーク部18dとの間に配設し、更に可動鉄心20を、筒状の第1鉄心部20cと鍔状の第2可動鉄心部20dとから形成し、第1ヨーク部18cの端面18c′と第1可動鉄心部20cの端面20c′及び第2ヨーク部18dの端面18d′と第2可動鉄心部20dの端面20d′を対向させると共に、ステム7 に連結したシャフト21とプランジャ19とを調整ねじ15を介して連結し、該調整ねじ15によりヨーク18とプランジャ19に固定した可動鉄心20との間隙Gを調整することを発明の基本構成とするものである。
【0012】また、請求項2の発明は、請求項1の発明に於いて、可動鉄心20を筒状の第1可動鉄心部20cと、第1可動鉄心部20cに一体的に設けた鍔状の第2可動鉄心部20dと、第2可動鉄心部20dの外周縁部に一体的に設けた短筒状の折り返し部20eとを備えた可動鉄心としたものである。
【0013】請求項3の発明は、請求項1の発明に於いてプランジャ19、ヨーク18及び可動鉄心20を飽和磁束密度が2ステラ以上のFe−Co合金製又はFe−Ni合金製としたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明に係るソレノイド駆動式金属ダイヤフラム型開閉制御弁の縦断面図であり、図2はソレノイドのヨーク及び可動鉄心部分の拡大断面図である。尚、図1及び図2に於いて前記図に示した従前のシリンダ駆動型金属ダイヤフラム型開閉制御弁の場合と同じ部材には、これと同じ参照番号が付されている。図1及び図2に於いて、1はバルブボディ、2は弁座、3はボンネット、4はボンネットナット、5は金属製ダイヤフラム、6はディスク、7はステム、8はスプリング、9はアクチエーターボディ、10はアクチエーターキヤップ、11は止めボルト、12はソレノイドベース、13は固定ナット、14は止めねじ、15は調整ねじ、16は止めねじ、17はコイル、17aはコイルボビン、18はヨーク、18aはコイル挿入部、18bはプランジャ挿通孔、18cは第1ヨーク部、18dは第2ヨーク部、18eはねじ、19はプランジャ、19aはねじ、20は可動鉄心、20cは第1鉄心部、20dは第2鉄心部、21はシャフト、22はリード線、23はリード保護具、Gはソレノイドストローク、Mは電磁石である。
【0015】バルブボディ1はステンレス鋼(SUS316L)により形成されており、中央部には上方が開放された弁室1aが縦向きに穿設され、弁室1aの底面には流体通路1bに連通する弁座2が設けられている。弁座2はボディ1とは別体に金属材又は合成樹脂材により形成されており、流体通路1bの上端開口縁に嵌着されている。本実施態様では、弁座2をバルブボディ1と別体として耐摩耗性合金材により形成しているが、合成樹脂材により形成してもよく、或いはボディ1と一体的に形成してもよい。
【0016】金属製ダイヤフラム5は、厚さ0.1〜0.2mmのステンレス鋼板(SUS316L)又はニッケル合金鋼板を2〜4枚重ね合わせたものである。当該金属ダイヤフラム5は所謂逆皿形に形成されており、ステム7及びディスク6により上方から押圧されることにより、下面側が弁座2へ接当する。また、ディスク6による押圧力が除去されると、弾性により初期状態に復元し、弁座2から離れる。尚、金属ダイヤフラム5の弁体としてのストロークは約0.3mmに設定されている。
【0017】ステム7はステンレス鋼(SUS316L)により形成されており、下端部には硬質合成樹脂製のディスク6が固着されている。スプリング8は、弾性反力が約17kgfとなるように選定されており、バネ定数は6.32kgf/mmに選定されている。即ち、閉弁時の金属ダイヤフラム5は17kgfの力で弁座2へ押し付けられる。
【0018】アクチエータボディ9はアルミニウム(A5056)により円筒型に形成されており、ボンネット3の上端部へ固定ナット13により固定された上、止めねじ14により廻り止めされている。また、当該ボディ9の内部上方にはソレノイドベース12がねじ込み固定されており、これにコイル17、ヨーク18、プランジャ19、可動鉄心20等から成る電磁石Mが止めねじ16により固定されている。
【0019】ヨーク18は、後述するように高透磁率性の鋼板を用いて厚肉壁の円筒状に形成されており、この厚肉壁の内部にコイル挿入部18aが形成されている。また、ヨーク18の中央にはプランジャ挿通孔18bが設けられており、ここに細長筒状のプランジャ19が挿入されている。尚、プランジャ挿通孔18bの内表面には、Ni−Pのメッキ層が形成されている。
【0020】即ち、ヨーク18は、図1及び図2に示すようにコイル17の内側に位置する背丈の短かい円筒状の第1ヨーク部18cとコイル17の外方に位置する背丈の長い円筒状の第2ヨーク部18dとから形成されており、円筒状の第1ヨーク部18cの水平状の下端面18c′と、円筒状の第2ヨーク部18dの水平状の下端面18d′との間には、段差Sが設けられている。
【0021】プランジャ19の端部外周面には雄ねじ19aが形成されており、当該ねじ19aと可動鉄心20に形成した雌ねじ18aとを螺合することにより、可動鉄心20がプランジャ19の端部へ固着されている。当該可動鉄心20は、図1及び図2に示すように長さ寸法の大きな円筒状の第1可動鉄心部20cと、第1可動鉄心部20cから鍔状に外方へ張り出した第2可動鉄心部20dとから形成されており、両者の水平な各端面20c′、20d′の間には、段差Sが設けられている。
【0022】前記筒状のプランジャ19の上端には調整ねじ15が固定されている。また、プランジャ19の内方には、ステム7の上端へ一体的に形成した非磁性材製のシャフト(SUS316)21が挿通されており、当該シャフト21の上端に設けたねじ部に、プランジャ19の上端に固定した調整ねじ15を螺合することにより、プランジャ19はシャフト21へ上・下位置調整可能に支持固定されている。尚、プランジャ19をヨーク18のプランジャ挿通孔18b内へ挿入した際には、第1ヨーク部18cの下端面18c′と第1可動鉄心部の上端面20c′とが、また第2ヨーク部18dの下端面18d′と第2可動鉄心部の上端面20d′とが、夫々密着状に接当することは勿論のことである。
【0023】前記シャフト21は、スプリング8により下方へ約17kgfの力Fで附勢されており、調整ねじ15の締込み量を調整することにより、プランジャ19が上・下方向へ移動され、これによって、可動鉄心20とヨーク18の下端面との間隙、即ちソレノイドの作動ストロークGが、約0.4mmに調整される。尚、本実施態様に於いては、ヨーク18及び可動鉄心20等の磁気回路構成材は高透磁率合金である2Vパーメンジュール(主成分2V−49Co)を用いて形成されており、その飽和磁束密度は約2.35テスラである。また、ソレノイドのプランジャ吸引力は約20kgf(プランジャ作動ストローク約0.4mmの時)に設定されている。更に、本実施態様では、ヨーク18及びアクチエータボディ9を円筒形としているが、これを角筒状としてもよく、加えて、ステム7とシャフト21を一体的に形成しているが、両者を別体に形成するようにしても良い。
【0024】アクチエータボディ9の上方は、アルミニウム(A5056)製のアクチエータキャップ10により密封されており、キャップ10に設けたリード保護具23を通して、励磁電流供給用のリード線22が外部へ引き出されている。尚、本実施形態ではリード保護具23内へ樹脂を充填してリード線22を保持固定するようにしているが、リード保護具23をコネクタ形式とし、ここでリード線22と外部配線とを接続するようにしてもよい。
【0025】電磁石Mのコイル17へ通電することにより、プランジャ19及び可動鉄心20はスプリング8の弾性反力(約17kgf)に抗して上方へ吸引され、可動鉄心20がヨーク18へ吸着される。例えば、下記の実施例に示した電磁石Mを用いた場合、弁ストロークGが0.4mmのとき、約5Aの初期励磁電流が流れ、約20kgfの初期吸引力が得られる。また、この時の初期駆動電力は約140w(5A2 ×5.6Ω)となる。
【0026】(実施例)ヨーク18の外径23.6mmφ、プランジャ19の外径6mmφ、シャフト21の内径3.8mmφ、ヨーク18と可動鉄心20との合計長さ25.0mm、アクチエータボディ9の外径28mm、アクチエータ9の上端面からバルブボディ1の軸芯までの高さ95mm、コイル巻数T、コイル抵抗5.6Ω、スプリング8の弾性反力17kgf、ストロークG0.4mm、初期開弁駆動力20kgf(G=0.4mm)。
【0027】上記実施例に係る開閉制御弁と従前の図5に係る開閉制御弁とを対比した場合、電磁石Mのヨーク18及び可動鉄心20の高さを約35%(約40mmから約25mmに)程度小さくできると共に、初期駆動電力が大幅に減少する。漏洩磁束の減少によりソレノイド駆動初期の起磁力を小さくすることができ、その結果、コイル17の容積を相対的に減少させることが可能となるからである。
【0028】図3は、本発明で使用するヨーク18と可動鉄心20の他の実施例を示すものである。ヨーク18の第2ヨーク部材18dを図2の場合よりも短かくすると共に、可動鉄心20の鍔状の外方へ張り出した第2可動鉄心部20dの外周端に円筒状の折り返し部20eを一体的に形成するようにしたものであり、第1ヨーク部18dの端面18d′と可動鉄心20の折り返し部20eの端面20e′とが接当することになる。
【0029】図4は本発明の他の実施態様を示すものであり、開閉制御弁Aをノーマルオープン形としたものである。当該実施態様に於いては、スプリング8によってシャフト21が常に上方へ附勢されており、金属製ダイヤフラム5は弁座2から離れ、流体通路1bは常時開放される。一方、コイル17が励磁されると、可動鉄心20が吸着されてプランジャ19が下方向へ押圧され、金属製ダイヤフラム5が弁座2へ接当することにより、流体通路1bが閉鎖される。尚、開閉制御弁そのものの構成は前記図1の場合と全く同様であるため、その説明は省略する。
【0030】
【発明の効果】本発明に於いては、ソレノイド駆動部を構成する電磁石Mのヨーク18を、第1ヨーク部18cと、コイル挿入孔18aの外側に位置する第2ヨーク部18dとから形成すると共に両者の長さ寸法に段差を設け、更に電磁石Mの可動鉄心20を、第1可動鉄心部20cと、第1可動鉄心部20cから外方へ張り出した鍔状の第2可動鉄心部20dとから形成し、第1ヨーク部18cの端面18c′と第1可動鉄心部20cの端面20c′及び第2ヨーク部18dの端面18d′と第2可動鉄心部20dの端面20d′を夫々接当させる構成としている。その結果、ソレノイド起動時の漏洩磁束が従前の鉄心構造の場合に比較して大幅に減少することになり、起磁力の減少を図れることにより、ソレノイドの小型化及び初期駆動用電力の削減が可能となる。
【0031】また、本発明に於いては、可動鉄心20とプランジャ19とを螺着する構成としている為、従前のかしめ構造により両者を固着する場合に比較してソレノイド鉄心部の組立精度が大幅に向上し、作動時のソレノイドのうなりが皆無になると共に、よりスムーズなソレノイドの作動が可能となる。本発明は上述の通り優れた実用的効用を奏するものである。
【出願人】 【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
【識別番号】000205041
【氏名又は名称】大見 忠弘
【識別番号】592259129
【氏名又は名称】高橋 研
【識別番号】000222048
【氏名又は名称】東北特殊鋼株式会社
【出願日】 平成11年2月25日(1999.2.25)
【代理人】 【識別番号】100082474
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 丈夫
【公開番号】 特開2000−240838(P2000−240838A)
【公開日】 平成12年9月8日(2000.9.8)
【出願番号】 特願平11−47831